人件費削減や業務の効率化を実現するツールとして注目されているRPA。
RPAをうまく使うことで企業の人手不足や働き方改革を推進が期待できます。
とはいえ、RPAも万能ではありませんので、使い方や運用の仕方によりいくつかのリスクやトラブルが伴う可能性もあります。
そのようなリスクやトラブルに遭わないためには、まずは起こりうるリスクやトラブルを把握し、適切に対処できるようにしておく必要があると言えるでしょう。
そこで、この記事ではRPAツールの導入・運用の際に起こりうるリスクとその対策について解説していきます。
RPAを導入・運用していく上で起こりうる4つのリスク
RPAを導入・運用、また最大限活用し恩恵を受けるには、起こりうるリスクを知っておくことが大切です。
これらのリスクを知っておくだけで、導入・運用の際の、トラブルを未然に防ぐ、または早急な対応が可能になるでしょう。
以下では、RPAを導入・運用した際の具体的な起こりうるリスクとその対策についてまとめていきます。
リスク①不正利用や情報漏洩などのセキュリティ
セキュリティの問題はRPAの導入・運用において最も把握しておくべきリスクです。
RPAツールは、セキュリティ管理を怠ってしまうと外部に情報が漏洩してしまい、第三者による不正利用が行われてしまうのです。
その結果、クラッキング(悪意でシステムをハッキングする行為)や個人情報・企業の機密情報が外部に流出してしまうという危険性があります。
特に、RPAは業務の効率化のために、ID・パスワードをいくつかのシステムやアプリケーションに組み込むことが多いため、各システムのセキュリティを正面突破されてしまうリスクが残ってしまいます。
またメール送信など、外部との情報を共有することをRPA化する場合には、第三者がシステムを不正利用しないよう、一層注意が必要です。
リスク②業務のブラックボックス化
RPAを導入することにより、人の手による業務は減り、業務が自動化されることとなります。
そのため、業務内容の詳細が見えづらくなり、担当者や管理者の入れ替わりが起こる際の引継ぎなどをスムーズに行うことが難しくなるという「業務のブラックボックス化」のリスクがあります。
また、業務において何かトラブル起きた際に原因の究明が難しくなるため、対処が難しくなったり、業務の再現性やノウハウ・知見といったものが失われてしまうというのも事実です。
リスク③野良ロボットが増えてしまう可能性も
RPAツールを運用する企業の中には「野良ロボット」が発生しているところも少なくありません。
野良ロボットとは、管理・運用が行き届いていなかったり、作成されたまま放置されてしまったりしたRPAロボットのことです。
RPAツールの中にはIT初心者であっても利用しやすいというものもがありますが、気づかないうちにRPAツールを放置してしまい、その結果、誤作動や不具合に繋がってしまうというリスクがあります。
また、セキュリティの脆弱性を招いたり、サーバーやPCに負担をかけてしまう原因にもなります。
リスク④システムエラー、システム障害
RPAの導入・運用において、システムエラー、システム障害もリスクの1つと言えるでしょう。
RPAは作成されたシナリオに沿ってロボットが業務を行いますが、「シナリオに含まれるアプリケーションにアップデートがあった」「動作方法が変更された」などの原因からエラーを起こすことも少なくありません。
また、RPAの手順の設定を正確に行わなければならず、データが不足していたり、少しでも異なる動作が含まれてしまうだけでエラーが起き、業務が滞ってしまいます。
より多くの業務を自動化している企業ほど、エラーが発生する確率やエラーによる業務への支障が大きいものとなります。
【リスクマネジメント】RPAを導入する際にすべき対策
これまで、RPAを導入・運用していく際に起こりうるリスクについて解説していきましたが、どのようなリスクマネジメントをすれば良いのでしょうか。
RPAを効果的に導入・運用していくためには、事前に対策を立てておくことが重要です。
以下では、RPAを導入する際にすべき対策について詳しく解説していきます。
対策①アクセス権限の管理
RPAを安全に運用していくためには、RPAが持つ権限をしっかりと管理し、重要なデータや機密情報へのアクセスは最小限に抑えましょう。
一般的に採られている方法は社内にRPAなどのツールを管理する部門やチームを置くという方法です。
RPAのマネジメントに対して責任者を置き、常にRPAの権限や、使用有無などの確認をすることで、RPAの管理とセキュリティを維持することができます。
また、重要なデータや機密情報へのアクセスを含んだ作業をRPA化する場合には、通信データ等を暗号化して運用するもの効果的です。
セキュリティ性を高く保つためには、RPAツールのベンダーにセキュリティ管理をお願いするという方法もあります。
対策②業務領域の理解やマニュアルの作成
業務のブラックボックス化というリスクを回避するためには、担当業務の領域の理解やマニュアルの作成もリスクマネジメントをする上で重要になります。
RPAロボットを作成した担当者が不在となってしまった場合、管理や運用がおざなりになってしまいます。
担当者のみならず、誰にでもわかる運用方法や内容が記載されたマニュアルが用意されていれば、ブラックボックス化や野良ロボットの発生を防ぐことができます。
また、トラブルが起こってしまった際に、素早く対応できるように、業務の進捗状況の記録を残しておくことも重要となるでしょう。
対策③トラブル時の解決策を用意しておく
先ほどもお伝えしたとおり、RPAは使用アプリのアップデートや操作方法の変更により、エラーが起きてしまう可能性があります。
RPAを設定する際に、あらかじめエラー発生時に支障を与える業務範囲や解決方法、誰が対応するかなどを決めておくことで、スムーズに問題解決をすることができます。
起こりうるトラブルを想定し対処法を決めておけば、万が一エラーが起きた際にも現場が混乱することはないでしょう。
【失敗しない】最適なツールの選び方
RPAに起こりうるリスクやトラブルへの対処法を事前に決めておくことも大切ですが、RPAツールを選ぶ際にもセキュリティ機能やサポート体制が整っているかどうかを確認する必要があります。
以下では、RPAツールを選ぶ際の失敗しないためのポイントを解説します。
自動化したい業務との適合性
RPAツールには、「デスクトップ型」「サーバー型」「クラウド型」の3種類に分けることができます。
それぞれ得意とする業務が異なり、自動化したい業務規模によっては選択する製品も異なるのです。
機密性の高い情報を多数取り扱う場合には、インターネット上で業務を行わない「デスクトップ型」のRPAをおすすめします。
とはいえ、他の業務にも使用できるようなPCではセキュリティ面が強いとはいえないので、専用のPCを用意するとより強固な管理ができるでしょう。
本記事を提供している MICHIRUでもデスクトップ型のRPAを展開しております。
これまで700社以上のお客様にご利用いただいており、専門スタッフがシナリオ作成を代行するオプションプランもご用意しております。
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サポート体制が充実しているか
RPAツールを導入・運用する際には、エラーやトラブルが起きた際のサポート体制が充実しているかどうかも重要です。
RPAツールを提供するベンダーが、サポートの対象としてる時間をよく確認しましょう。
土日祝日も稼働している企業であれば、365日24時間体制でサポートしているRPAツールを選択すると良いでしょう。
重要度の高い業務を自動化している場合、すぐに対応・改善できるかどうかは導入する企業にとって大事な判断材料です。
一元管理機能があるかどうか
開発者や稼働ロボット、パスワードの暗号化などの管理機能があるRPAツールであれば、厳重な管理体制の構築が可能です。
また、セキュリティ面でも高い効果を発揮するでしょう。
元々の機能として一元管理する機能が備わっていれば、他のツールで管理シート等を作成するといった手間が省けるため、効率的にリスク対策することができます。
まとめ
今回はRPAの導入・運用におけるリスクとその対策について解説しました。
RPAは様々なリスクを抱えていますが、起こりうるトラブル・エラーをきちんと把握し適切な対策を講じることで、その多くを回避することができます。
事前に対策をすることができれば、より効果的にRPAを運用することができますね。