ある特定のファイルがあればAの作業、なければBの作業といった具合に、ファイルの有無によってその後の流れを分けたいシーンは少なくありません。
例えば、このようなケースです。
- 前日の作業用ファイルが残っていれば削除し、なければ新規作成する
- ダウンロードボタンクリック後、ダウンロードが完了していれば起動し、未完了なら待機する
- 添付用ファイルがあればメール添付、なければ添付なしで送信する
こういった場面で役に立つのが「ファイルの存在チェック」です。
今回は、「ファイルの存在チェック」を使ってファイルが存在するかどうかを判定し、その後の継続処理に活用する事例を2つご紹介します。
ファイルの存在チェックの設定方法
まずは、基本的な設定方法を説明します。
- 操作メニューの「関数/スクリプト」から「追加スクリプト」の操作を追加し、「ファイル・ディレクトリ」の「ファイルの存在チェック」を選択します。
- 「対象ファイル」に存在を確認する対象のファイルパスを入力します。
例)C:\Users\ユーザー名\Desktop\test.xlsx - 結果を保存するデータ保存先を指定します。
例)データ保存先「ファイル存在チェック」
実行すると、設定したデータ保存先に、ファイルが存在すれば「1」、存在しなければ「0」が保存されます。
ファイルの存在チェック 活用事例1
デスクトップに前日の作業用ファイル「作業用.csv」が残っていれば削除し、なければ削除をスキップして本日分の作業用ファイルを新規作成する(新規ブックを開く)事例を紹介します。
設定方法
STEP
「ファイルの存在チェック」を追加する


- 操作メニューの「関数/スクリプト」から「追加スクリプト」の操作を追加し、「ファイル・ディレクトリ」の「ファイルの存在チェック」を選択します。
- 次のように設定します。
・対象ファイル:C:\Users\ユーザー名\Desktop\作業用.csv
・保存先:データ保存先「ファイル存在チェック」を作成して設定
STEP
「ファイル・ディレクトリ削除」を追加する
- 操作メニューの「ファイル・ディレクトリ」から「ファイル・ディレクトリ削除」の操作を追加します。
- 次のように設定します。
・対象:ファイル
・削除対象:C:\Users\ユーザー名\Desktop\作業用.csv
・削除方法:「完全に削除」「ゴミ箱に移動」のいずれかを選択
STEP
「Excel新規ブックを開く」を追加する
- 操作メニューの「関数/スクリプト」から「追加スクリプト」の操作を追加し、「Excel新規ブックを開く」を選択します。
※ 「Excel新規ブックを開く」は初期状態では表示されない拡張機能です。表示されない場合は、ヘルプセンターの 拡張機能(スクリプト)を追加するには を参考に追加してください。
株式会社 MICHIRU | IT & AI syste…


拡張機能(スクリプト)を追加するには
拡張機能(スクリプト)を追加するには MICHIRU RPA にはさまざまなスクリプトが標準で搭載されています
STEP
「条件移動」を設定する
- 「ファイルの存在チェック」と「ファイル・ディレクトリ削除」の間に、操作メニューの「実行順の制御」から「条件移動」の操作を追加します。
- 次のように設定します。
・対象となるデータ保存先:データ保存先「ファイル存在チェック」
・判断条件:文字:等しい場合(=)
・値:1
・「条件:○」の移動先操作番号:3
・「条件:×」の移動先操作番号:4
実行すると、対象ファイルが存在していた場合には削除して、新規ブックが起動します。
ファイルの存在チェック 活用事例2
ダウンロードボタンをクリックした後、「ダウンロード.csv」のダウンロードが完了していれば起動し、未完了なら待機してから起動する事例をご紹介します。
設定方法
STEP
「ファイルの存在チェック」を追加する
- ダウンロードボタンの「クリック」操作の直後に操作メニューの「関数/スクリプト」から「追加スクリプト」の操作を追加し、「ファイル・ディレクトリ」の「ファイルの存在チェック」を選択します。
- 次のように設定します。
・対象ファイル:C:\Users\ユーザー名\Downloads\ダウンロード.csv
・保存先:データ保存先「ファイル存在チェック」を作成して設定
STEP
「ファイル起動」を追加する
- 操作メニューの「ファイル・ディレクトリ」から「ファイル起動」の操作を追加します。
- 次のように設定します。
・起動ファイル:C:\Users\ユーザー名\Downloads\ダウンロード.csv
STEP
「条件移動」を設定
- 「ファイルの存在チェック」と「ファイル起動」の間に、操作メニューの「実行順の制御」から「条件移動」の操作を追加します。
- 次のように設定します。
・対象となるデータ保存先:データ保存先「ファイル存在チェック」
・判断条件:文字:等しい場合(=)
・値:1
・「条件:○」の移動先操作番号:4
・「条件:×」の移動先操作番号:2
実行すると、対象ファイルのダウンロードが完了するまでファイルの存在チェックを繰返し行い、ダウンロードが完了するとそのファイルを起動します。
まとめ
「ファイルの存在チェック」を活用すれば、ファイルが存在するかどうかを判定し、その後の継続処理を分岐させることができます。特定のファイルの存在が不確実な場面でとても役立つ機能です。
ぜひ日々の業務にご活用ください。