少子高齢化による総人口・労働人口の減少といった社会的な課題を背景に、さまざまな業務を自動化する「RPA」に注目が集まっています。
RPA自体は2016年頃からあるテクノロジーですが、今では「AI」などのテクノロジーとも併用され、さまざまな業界で導入が推進されている状況です。
しかし、RPAという用語だけが先行してしまい「なぜRPAが必要とされてるのか?」や「RPAとは何ができるツールなのか?」といった部分が曖昧で、導入に困っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、RPAの概要、RPA導入の効果、RPAの導入事例について解説します。
また、RPAツールの選び方と、おすすめのRPAツールについても解説していますので、最後までご覧いただけますと幸いです。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは
RPAとは「Robotic Process Automation (ロボティック・プロセス・オートメーション)」の意味で、パソコン内で行っている業務を自動化するテクノロジー技術のことです。
RPAを使った業務自動化を行うには「RPAツール」を導入する必要があり、そのツールを使って日常的に行っているマウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、ロボットを開発することで、業務自動化を実現できます。
ロボットというと、大きな工場で稼働しているようなアーム型の機械的なロボットを思い浮かべますが、RPAはエクセルやワードなどと同じ「ソフトウェアツール」になります。
そのため、仮想知的労働者(デジタルレイバー)と呼ばれることもあります。
なぜRPA導入を検討する企業が増えている?
RPAの関心が高まり、導入を検討する企業が増えたのは、少子高齢化による総人口・労働人口の減少といった「社会的な課題」がきっかけです。
総務省が発表している『生産年齢人口の減少』によると、生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。
そういった背景から、不足している人的リソースを確保するためには、業務を効率化することが必須事項となり、業務効率化に大きな効果を発揮するテクノロジーとしてRPAが注目されるようになりました。
RPAに期待できる効果
では、RPAを導入することで「どんな効果が期待できるのか」について、主な効果を3つを解説します。
人手不足の改善
RPAによって単純なルーティンワークをロボットで置き換えることができるため、その作業を担当していた従業員のリソースを空けることができます。
そして、空いたリソースを使い他業務を担当できるようになるため、全体の人手不足改善に繋げることが可能です。
また、今までは単純作業で生産性の低い業務に充てていた人材を、企業の売上に影響するようなコア業務へ投入することも可能になるため、市場競争力の向上にも繋がります。
人件費の抑制(コスト削減)
RPAを使って業務を自動化することで、その作業にかかる人件費、採用費、教育費などのコストを大幅に削減できます。
また、繁忙期などで作業ボリュームが増えた場合でも、追加で人材を採用せず乗り切ることも可能です。
他にも、RPAであれば「採用研修」や「スキルアップ研修」といった教育を必要としないため、いくつロボットを開発しても研修費用がかかることはありません。
ヒューマンエラーの低減
工程が決まっている単純作業を長時間繰り返し行っていると、どれだけ慎重に対応したとしても、集中力が途切れやすくなります。
そういった状況が、入力漏れやメールの宛先間違いなどに繋がってしまい、結果として取引先の信頼を失うだけではなく、売上低下に直結してしまう可能性もあります。
しかし、RPAであれば決められた作業を正確に実行することができるため、ヒューマンエラーによるミスを防ぎ、業務品質の向上につながります。
RPAが得意な業務
RPAは一見すると万能なツールと思われがちなのですが、実は自動化できる業務について「得意な業務」と「不得意な業務」が存在します。
そのため、RPAが不得意としている業務を無理に自動化しても費用対効果が低いため、どの業務に自動化を適用するのかは、しっかりと検討した上で選定しましょう。
RPAが得意な業務
RPAができることとして「一定のルールが決まっている業務」や「単純かつ定型業務(ルーティンワーク)」を自動化することが得意です。
また、複数のアプリケーションを横断するような業務や、大量のデータを扱う業務についても得意としてます。
<業務例>
- データを入力する、転記する
- データを加工する、まとめる
- データの整合性を確認する
- データを収集・リストアップする
- 決まったフォーマットへデータを転記してファイルを作成する
- 複数のシステムから情報を取得して集約する
- システムからデータを取得、Excelでまとめ、メール送信する
RPAが不得意な業務
一方で、人間による判断が必要な作業については不得意としています。
例えば、顧客情報をシステムへ登録する作業があった場合、住所欄に電話番号が記載されていたとしても、人間であれば判断をして正しい箇所へ情報を登録できます。
しかし、RPAはそういった融通を利かせた判断はできないため、誤った情報で登録されてしまったり、入力欄を謝りエラーが頻発するロボットになったりしてしまいます。
他にも、多くの分岐を必要とする複雑な業務や、頻繁に仕様変更が発生するような業務については、メンテナンス過多な運用になるため、RPAを使用した自動化に向いていません。
RPAとAIの違いとは
RPAと同じカテゴリーとして耳にする「AI(Artificial Intelligence(人工知能))」について、どちらも企業のDXを推進するテクノロジーではありますが、仕組みに大きな違いがあります。
RPAでできることは、上述したようなデータ入力や、レポート作成といった予め手順やルールが決まっている作業の自動化であるのに対し「AI」は学習したデータを基に識別、判断を行うことが可能です。
そのため、RPAとAIを組み合わせることで、これまで難しかった「判断」を伴う非定型業務も自動化できると期待されています。
また、AIは「OCR技術」といったテキストデータをデジタルなデータに変換する技術と掛け合わせて「AI-OCR」として活用される機会が多く、ペーパレス化などに有用な手段となっています。
RPAとエクセルマクロの違いとは
RPAとエクセルマクロは、どちらも「パソコン上の定型作業を自動化する」という目的のために使用されますが「自動化できる範囲」や「プログラミングの知識」などに違いがあります。
RPAは、プログラミングの知識を必要とせず、SAP(ビジネスソフトウェア)や基幹システムなど、どんなソフトウェア(アプリケーション)で行っている業務でも基本的に自動化することが可能です。
しかし、エクセルマクロはVBAというプログラミング言語でコードを書くことによって、作業を自動化することができるため、プログラミングの知識が必要です。
また自動化範囲についても、Microsoft社のアプリを使った作業に限定されます。
そのため、自動化を検討する場合は、どんな業務を自動化し、どんな効果を期待しているかによって使用するツールが変わってきますので、しっかりとした検討が必要です。
実際に成功した導入事例3選
RPAは幅広い業務に適用できるため、業種や職種を問わず導入されています。
そんなRPAの導入事例について、3つ挙げて解説します。
事例① 事務作業の自動化
障がいを持つ子どものための通所施設を運営している企業で、事務作業のような単純作業を効率化し「利用者さまと関わる時間を増やしたい」という思いからRPAを導入しました。
効果のあった業務として、請求データをソフトへ入力するといった定型業務で、データの入力作業に2時間、データチェック作業に2時間と多くの時間がかかっていました。
その業務を自動化することで、夜間にノータッチで自動実行できるようになり、本来対応したい業務へ注力できるようになりました。
事例② 基幹システムを使用した作業の自動化
葬儀費用資金を提供する葬儀保険サービスを運営している企業で、ペーパーレス化など業務改善の一環として、RPAを導入しました。
導入効果の高かった業務として、お客様への返金処理フローで行う、基幹システムへの顧客情報の転記作業です。
この作業は、対象顧客の情報(約20項目)をデータベースから検索し、基幹システムへ手作業で転記していく必要があり、1回あたり約50件程度のデータを月に2回処理していたため、担当者の人的リソースを浪費している状況でした。
そのため、対象業務を自動化した結果、作業時間を大幅に削減することができただけではなく、転記ミスの心配がないのでダブルチェックをする手間も省け、生産性の向上に繋げることができています。
事例③ 業務システムへの入力自動化
工作機械、物流管理機器など専用機械の設計・製作を行う企業で、働き方改革に対応すべくRPAを導入しました。
自社で手が取られている業務に対し自動化を適用していますが、中でも業務システムは厄介で右クリック禁止、コピペができないため、時間がかかっていました。
そんな作業が自動化されることで、作業効率が上がり本来時間をかけるべき「モノづくり」に注力できるようになりました。
RPAツールの選び方
RPAは、市場の需要とともに多種多様な製品がリリースされていますので、自社に適したツールを選定できるよう、以下のポイントに着目してみましょう。
自社の導入規模や目的にあった機能・価格であること
RPAは、選定するツールによって「自動化の対象規模」や価格が異なります。
大規模な導入に適したツールもあれば、パソコン1台からのスモールスタートに対応可能な製品もありますし、価格も無料ソフトもあれば有料のソフトもあります。
その違いは、RPAツールの提供形態によって分かれます。
自社がどんな規模で自動化を拡大していきたいかに合わせ、適したツールを選定しましょう。
<RPAツールの提供形態>
提供形態 | 特徴 | 方式 | 費用相場 |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | 個人または特定のPC上の作業を自動化するため、小規模な導入に適した形態。パソコンのソフトをインストールすることで手軽に使用開始することが可能です。 | アテンド型 | ~50万円程度 |
サーバー型 | サーバー上で、ロボット管理・実行指示をするタイプの提供形態で、自社でロボットが稼働するサーバーを準備する必要がある。大規模な導入に適した形態。サーバーにロボットが稼働する環境を構築する必要があるため、環境を整えるためには一定のIT知識が必要です。 | 非アテンド型 | 30万円~ |
クラウド型 | パソコンのブラウザからアクセスするタイプの提供形態で、Webブラウザ上の作業を自動化できる。ツール提供会社からログインアカウントを使って、パソコンのブラウザからログインすることで使用可能になるため、手軽に導入できるのがメリットです。 | アテンド型 | 30~50万円程度 ※ライセンス形態によっては、従量課金のため高額になることもある |
※アテンド型:ユーザーがPCにログインしている状態で実行する方式のこと
※非アテンド型:ユーザーが自動化用のPCからサインアウトした状態でも実行が可能な方式のこと
担当者が操作しやすいツールであること
RPAはツールの特性上、現場の担当者が活用する機会が多いため、ITの知識が豊富ではない人でも操作しやすいツールを選定しましょう。
年々、RPAツールは使いやすくなっていますが、ツールの見た目や、操作性、連携できるアプリケーションの容易さなど、実際に使うことを想定した検討が大事です。
社内システムとの相性が良いこと
RPAはエクセルやワードといった特定のアプリケーションを自動化するだけではなく、自社で使用している業務システムなども自動化することが可能です。
しかし、RPAツールとの相性によっては、自社の業務システムを操作できない可能性もありますので、無料ライセンス期間などを活用し、あらかじめ既存システムとの連携性を確認しておきましょう。
また、ある特定のアプリケーションとの親和性が高いなどの特徴をもったRPAツール(Power Automate Desktopなど)もあるため、そういった観点からも相性を確認しましょう。
Power Automate Desktopとは | MicroSoft社が提供しているデスクトップアプリケーションや、Webアプリケーションの操作を自動化できるRPAツールです。 |
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サポート体制が充実していること
RPAを使っていると、突然エラーが発生し停止してしまうことや、設定方法が分からず頓挫してしまうことがあります。
そのため、ツール会社が提供している「サポート体制の充実度」については必ず確認しておきましょう。
すぐに問い合わせできるサポート体制があれば、安心してRPAを使用できます。
また、ツール提供会社によっては、RPAの使い方などの研修を実施してくれるようなサポートもあるため、それらのサポート体制もあわせてチェックしておきましょう。
「MICHIRU RPA」が選ばれる理由とは?
これからRPA導入を考えている方には「MICHIRU RPA」がおすすめです。
MICHIRU RPAとは、株式会社MICHIRUが開発・提供しているRPAツールで、導入実績は900社を突破しており、ユーザーの「あったらいいのに」に寄り添った設計で評価を頂いています。
そんな「MICHIRU RPA」が選ばれる理由について、4つ挙げて解説します。
理由① 業界最安の導入コストで利用できる
MICHIRU RPAは「デスクトップ型RPA」でありながら、業界相場の最安値である1ライセンス月額5万円でRPAツールを提供しています。
また、基本プランとして「シンプルプラン」「アシストプラン」の2つを準備しています。
追加オプションで、リモートサポートやシナリオ作成代行といったサービスも利用可能です。
理由② 誰もが使える操作画面
MICHIRU RPAは、難しいプログラミング知識は不要です。
ツール側で準備している「クリック」や「ファイルを開く」といった操作パーツを、ドラッグ&ドロップで組み合わせていくことで、簡単に自動化処理を開発することができます。
今なら1ヶ月無料トライアルもありますので、気兼ねなく操作感をチェックすることができます。
理由③ 操作対象ソフトを選ばず自動化が可能
操作対象のソフトに制限がないため、さまざまなアプリケーションと連携し自動化することが可能です。
そのため、業務システムからデータを出力し、エクセルファイルでデータを纏めて、最後はメールで報告といった複数のアプリケーションを横断した自動化処理もできます。
理由④ 手厚いサポートをご用意
MICHIRU RPAでは、導入後に自動化したい業務内容のヒアリングやアドバイス、オンライン操作勉強会などを開催し、手厚いサポート体制を準備しています。
RPAの導入が初めてという方も、わかりやすく安心してご利用いただけます。
RPA導入が初めての方にもおすすめの
MICHIRU RPAの詳細を見る
記事まとめ
今回の記事では、RPAの概要から、RPA導入を検討している企業が多い理由、RPAツールの選び方などを解説しました。
RPAを導入することで、効率的な業務処理を実現したり、生産性の向上やコスト削減に効果があります。
また、正確でスピーディーな処理によって記入ミスや漏れなどのヒューマンエラーを低減させることも可能です。
そうやって、創出した時間を活用し、企業として重要な戦略的な業務に取り組むことができるため、市場競争力の向上に繋げることが可能です。
現在、手作業による定型作業が多く時間が取られている企業は、ぜひ「MICHIRU RPA」にご連絡ください。