よく比較されているRPAツールとエクセルのマクロ機能。どちらも定形の業務を自動化するツールとして知られています。
そのため、業務自動化を検討している方の中には、「RPAとマクロ、どっちを導入しよう?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
そもそもRPAとエクセルマクロでは、自動化できる対象の業務や、自動化ツールの作成方法などに違いがあります。
この記事では、RPAとエクセルマクロを比較し、それぞれの概要や違い、RPAのメリットや活用方法を解説していきます。
エクセル(Excel)マクロとは
Microsoftが展開するOffice製品、エクセル(Excel)のマクロ機能は、エクセル上で行いたい操作を自動化する機能のことです。
またマクロはエクセルだけではなく、AccessやWordにも備わっている機能です。
エクセルマクロは、エクセル上で操作したものをVBA(Visual Basic for Application)でプログラミングすることにより業務の自動化処理を行なっています。
VBAとは、Microsoft Officeのアプリケーションの機能を拡張することができるプログラミング言語のことです。
このマクロで作成されたVBAに、追加でプログラミングを施すことによって、より複雑な処理の実行・自動化も可能になります。
RPAとは
RPAとは、ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)の略語で、ノーコードで定型業務を自動化できるツールです。
定型業務とは、電子ファイルから別の電子ファイルなどへのデータ転記を繰り返す作業や、決まった計算式で大量のデータを集計、入力するような作業を指します。
RPAツールには、Power Automate Desktopのような無料で利用できる個人向けのものから、大規模利用可能な有償のものまで幅広く種類があります。
2018年頃から日本でも知られるようになり、NTTデータから提供されている国産RPAツールのWinActor(ウィンアクター)が有名です。
エクセルマクロとRPAを比較
エクセルマクロとRPAは「定形業務を自動化する」という共通点からしばしば比較されますが、業務を自動化させるための過程や条件などに違いがあります。
どのような違いがあるのか、以下の比較表をご覧ください。
Excelマクロ | RPA | |
---|---|---|
プログラミング | 必要 | 不要 |
自動化範囲 | 狭い(エクセル上の操作のみ) | 広い(ツールを横断的に操作可能) |
導入費用 | 3万円~10万円程度(開発期間1日~1週間/シンプルな機能の開発を外注する場合) | 無料〜200万円程度(年額/ライセンス費用) |
30万円~100万円程度(開発期間1ヶ月~3ヶ月/複雑な機能の開発を外注する場合) |
エクセルマクロとRPAについての比較から、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
プログラミングスキルが必要かどうか
エクセルマクロとRPAにおける最も大きな違いは、「プログラミングスキルが必要か、不要か」という点です。
前述のとおり、マクロは操作を自動化するための機能で、VBAはマクロの処理を動かすプログラムです。
エクセルのマクロは、VBAをプログラミングすることで操作の自動化を可能にしているのです。
そのため、エクセルマクロを作成する際は、VBAを用いてプログラミングするスキルが必要となります。
一方、RPAの場合は、ツールに備わっている自動化アクションをただ組み合わせるだけで業務を自動化させることができ、プログラミングのスキルは必要ありません。
さらに、人手よりパソコン上で操作された自動化対象となる業務を記録し、アクションを自動的に書きだしてくれる機能が搭載されたRPAツールも存在しています。
この場合は、より簡単にシナリオを作成することができるでしょう。
作業の自動化範囲
エクセルのマクロは、エクセル上で行う業務のみ自動化が可能です。
例えば、以下のようなフローがマクロの自動化対象となります。
- エクセル上のデータを検索・抽出
- エクセル上で別のシートを開く
- 抽出したデータを、別のシートへコピペ(コピーアンドペースト)する
そして、マクロで自動化できる業務はエクセル上の操作のみのため、データをエクセル以外のファイルへ出力することはできません。
RPAでは、エクセルだけではなく、様々なシステムやツールを横断的にまたいで操作することができます。
そのため、エクセルマクロのように自動化対象となるツールに縛りがありません。
RPAとマクロでは上記の通り自動化できる業務の範囲が異なるため、自社の状況を踏まえて、どのように導入・運用するかを検討する必要があるでしょう。
導入・運用例
- エクセルでの業務自動化はマクロ、その他はRPAという使い分けをする
- エクセルでの業務もRPAで自動化できるため、RPAを導入して一元化する
- 自動化したい業務がエクセルでできることのみのため、マクロだけを運用する
導入費用
業務を自動化するための費用についてですが、RPAは初期費用およびライセンス料が無料のツールから高額なものまで幅広くなっています。
一方、エクセルマクロについて、エクセルを導入するだけで良い場合は低コストで導入することができます。
ただし、社内にVBAを用いたプログラミングできる人材がいない場合は、開発を外注する必要があります。
その場合、機能の複雑さによって費用は異なりますが、外注費がかかりますのでご注意ください。
RPAを導入することを検討している場合は、導入費用が低コストのツールもありますので、検討してみて下さい。
マクロより便利!RPAのメリット
エクセルマクロとRPAはどちらも業務を自動化するツールですが、上記で紹介した通り、RPAの方が自動化範囲が広いというメリットがあります。
では、エクセルマクロにはないRPAの具体的なメリットには他にどのようなものがあるのでしょうか。
以下でRPAの具体的なメリットを紹介していきます。
さまざまなシステムやツールの連携が可能
RPAは、パソコン上で人間が利用しているツールのほぼすべてのツールを操作して自動化することが可能です。
RPAはエクセルマクロのように、エクセル内のみの自動化ではなく、エクセルはもちろんPDFや社内独自のシステム、Webブラウザー等さまざまなツールをまたいで利用が可能になります。
RPAでさまざまなツールが利用できるのは、画像認証や、システムやブラウザ内でもっているパスをRPA側で認識することで、操作の指示が可能となっているためです。
頻繁に利用するエクセルなどのツールは、あらかじめ自動操作アクションとしてRPA上に用意されている場合もあり、シナリオをスムーズに作成できる仕様になっています。
業務効率化が見込める
業務効率化のためにRPAツールを導入している企業は多いです。
RPAは、人間がパソコン端末上で行なった業務を記録し、繰り返し長時間実行することが可能です。
またエクセルマクロで転記作業を行う際の実行時間と、RPAで同じ転記作業を行う場合、エクセルマクロよりもRPAが実行したほうが速く、より効果的な業務効率化を実現できる可能性があります。
またRPAに人間が同じ作業をさせる際、RPAはエラーを起こすこと無く一定のスピートで作業することができ、ヒューマンエラー防止の観点からもメリットが大きいでしょう。
低コストでシステム開発が可能
システム開発の観点からみると、RPAは低コストで開発が可能であることがメリットとして挙げられます。
エクセルマクロは、複雑な処理を行いたい場合、VBAのプログラミングコードで処理を追加するため、専門知識のある人材が開発を行わなければなりません。
上記でも紹介した通り、導入費用とは別途に開発費がかかります。
対するRPAはノーコードツールなので、現場の担当者自身で開発を行うことが可能です。
「MICHIRU RPA」は月額5万円~と、低コストかつ高性能
エクセルマクロとRPAツールを比較すると、エクセルマクロの方が低コストで導入できるのに対し、RPAツールは製品により導入費用が違います。
RPAは導入・運用費用に幅があり、大規模な導入の場合は、初期費用やライセンス料が高額になるケースが多いです。
この記事を監修しているMICHIRUは、低コストで導入でき、スモールスタートが可能なRPAツール「MICHIRU RPA」を提供しています。
コスト面だけではなく、サポート面も充実しており、これからRPAの導入を検討している企業におすすめのRPAツールです。
コストパフォーマンスが高い
MICHIRU RPAは月額5万円~と、低価格で利用できるRPAツールです。
大手RPAツールと同じ内容のサポート体制を完備しており、そのコストパフォーマンスの高さから、700社を越える多くの企業様に導入いただいております。
利用料金
RPAツール利用中にかかる費用であるライセンス料や月額費用を比較すると、MICHIRU RPAは他社ツールの約2/3のコストで利用が可能です。
サポート・サービス内容
MICHIRU RPAは、導入や運用のサポート・サービスを数多く無料で提供しています。
大手RPAツールでは有償サポートの場合が多い操作勉強会やシナリオ作成も、MICHIRU RPAでは無料で提供させて頂いております。(シナリオ作成は初回のみ無料)
操作画面が簡単でわかりやすい
MICHIRU RPAのシナリオを作成する画面(操作画面)は、シンプルな設計で初心者でも直感的に操作することができる仕様になっています。
海外産のRPAツールの多くもシンプルな操作画面を搭載していますが、英語を直訳したような表記もあるため、無料でも初心者には扱いづらい場合があります。
MICHIRU RPAは国産なので表記もわかりやすく、国内企業においては操作しやすいRPAツールとなっています。
まとめ
今回は、よく比較されるエクセルマクロとRPAの違いを解説しました。
どちらも操作を自動化するという共通点がありますが、 エクセルのマクロは、エクセル内での作業のみが自動化可能と限定的です。
さらにエクセルマクロを利用する際には、VBAでプログラミングをする必要があります。
RPAは、マクロのように限定的な範囲での自動化ではなく、パソコン上のさまざまなツールを横断した業務自動化を実現することができます。
プログラミング不要なため、社内の業務担当者の方が直接RPAツールで開発を行うことができます。
そして「MICHIRU RPA」は、スモールスタートからRPAを始めたい方や、低コストで利用したい方におすすめのRPAツールです。
これからRPAの導入を検討している企業の方は、まずはMICHIRU RPAを導入して自動化のスモールスタートを切りましょう。