近年、パソコン業務を自動化できるツールとしてRPAが注目を集めています。
企業にとって、RPAの価格はどのRPAツールを導入するか決断するのに重要な判断基準の1つです。
そこで、本記事では人気のRPA10製品を価格で徹底的に比較。さらにRPA導入に必要な費用とRPA10製品それぞれの特徴や価格以外に確認すべき点についても解説します。
各企業の予算にあわせて比較いただき、導入時のご参考になさってください。
RPA導入に必要な費用
まず、RPAツールの導入に必要となる費用の種類やそれぞれの価格相場を表にまとめました。
種類 | 価格相場 |
---|---|
初期費用 | 10~50万円 |
月額費用 | 5~20万円/月 |
導入支援費用 | 5~10万円 |
保守・運用費用 | 60~150万円 |
開発委託費用 | 30万円前後 |
研修費用 | 3~30万円 |
RPAツールの導入にかかる費用の内容について、さらに詳しく見ていきましょう。
初期費用
RPAツールを導入する際に欠かせないのが、初期費用です。
中には初期費用が無料のRPAツールもありますが、ほとんどの場合利用開始時に初期費用を10万円〜50万円ほど請求されます。
この費用は、事務手続きやシステム設定、初期トレーニングにかかる費用と考えると良いでしょう。
月額費用(ライセンス料)
導入費用とは別に、毎月かかってくるRPAツールのライセンス料があります。
日本で導入されているほとんどのRPAツールは現在、買い取り化型ではないため、常に最新版を利用することができる月額、または年額制のサブスクリプション型になります。
このライセンス費用は、RPAツールの種類(デスクトップ型・クラウド型・サーバー型)によって価格が大きく異なります。
以下、RPAツール3種類とそのライセンス料の違いをまとめました。
特性 | デスクトップ型 | サーバー型 | クラウド型 |
---|---|---|---|
価格相場 | 12万円程度 | 50~120万円程度 | 10~30万円程度 |
初期コスト | ◎ | △ (サーバー機器等の初期投資) |
◯ |
デプロイメント | 個々のPCに直接インストール | 中央サーバーにインストール | インターネット経由でアクセス |
セキュリティ | ◯ | ◎ | △ (サービス提供者依存) |
管理の容易さ | ◯ (個々で管理) |
△ (組織的管理) |
◎ (サービス提供者が管理) |
スケーラビリティ | △ (限定的) |
△ (リソースに依存) |
◎ (非常に高い) |
保守の容易さ | △ | ◯ | ◎ |
上記表を見ると分かるように、RPAツールのライセンス費用はどこで作業を処理するかという場所によっても、相場も変わってきます。
中小企業など、小規模から始めたいという方は、RPAのライセンス価格だけでなく導入価格も抑えられる「デスクトップ型RPAツール」の導入を検討してみてください。
導入支援費用
RPAツールを導入することは、初めてという企業がほとんどです。
RPA導入の際に必要となる、研修や説明会など、別途費用がかかるのかどうか確認するようにしましょう。
チャットやオンライン会議でのコンサルティングやアドバイス等のサービスを受ける場合には、月額で5~10万円程の費用がかかります。
保守・運用費用
RPAツールを運用しているとエラーはつきものです。
ただし、社内にエンジニアやRPAに詳しい人がいない場合は、復旧・改修作業を外注することになります。
その場合のサポート費用は、月額5〜10万円程度かかります。
また、保守として、エラー発生時にすぐ対応できるエンジニアに常駐してもらいたい場合には、月額60~150万円程度が必要になるようです。
研修費用
続いて、社内でRPAを扱える人を育成したい場合には、研修費用が必要になります。
ツール操作やRPA開発にかかる研修は、数時間〜数日間のカリキュラムで構成されており、1人1回あたりの研修費用は3万円〜30万円程度が相場価格です。
開発委託費用
RPAを導入して業務自動化するためには、RPA開発をする必要があります。
RPA開発を行う方法は、内製化か外注の2択です。
内製化する場合には、上記で解説したようにRPAについて詳しいエンジニアを雇ったり、研修サービスを利用して既にいる社員を育成する費用がかかるでしょう。
外注する場合、開発委託費用はRPAロボット1体の開発につき30万円前後が相場のようです。
人気PRA10製品の価格表【2024年最新】
次に人気なRPA10製品を価格表で比較してみました。
(2024年4月現在の価格情報のため、変動する可能性もあります。)
製品名 | 月額価格 | おすすめ度 |
---|---|---|
MICHIRU RPA | 【シンプル】5万円 【アシスト】10万円 |
★★★★★ |
Microsoft Power Automate | 【プレミアム】2,248円/1人 【プロセス】22,488円/1ボット |
★★★★★ |
WinActor | 【実行版】約27万円/年 【フル機能版】約99万9千円/年 |
★★★★★ |
NEC Software Robot Solution | 【通常版】12万円~ 【実行専用版】4万円〜 |
★★★★☆ |
UiPath | 【Pro】430ドル/年 【Enterprise】要問合せ |
★★★★☆ |
ロボパットDX | 【フル(作成・実行)機能】12万円 【実行専用】4万円 |
★★★★☆ |
batton | 14万8千円〜 | ★★★★☆ |
Automation Anywhere | 720ドル〜 | ★★★☆☆ |
キーエンス | 要問合せ | ★★★☆☆ |
kofax RPA | 変動有り | ★★★☆☆ |
RPAの選び方は価格と何ができるかのバランス
前述の通り企業がRPAツールを選ぶ際に、最も重視されるのがその価格です。
しかし、価格だけでRPA製品を選択すると、自動化したい業務を思うようにRPA化できなかったり、自社で扱っているソフトに対応していなかったという事態も招きかねません。
RPA選びで重要なのは価格と何ができるか、つまり機能性とのバランスです。
「月額費用(ライセンス費用)」の項目でも解説したように、RPAの種類(デスクトップ型・サーバー型・クラウド型)によっても機能は大きく変化します。
それぞれどの機能が自社に最適なのか考慮してRPAツールを選びましょう。
おすすめ順RPA10製品の価格と特徴
続いて、おすすめのRPAツール10製品の詳しい価格と特徴、その種類について見ていきましょう。
【MICHIRU RPA】デスクトップ型で使いやすさ◎
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯ (個々で管理) |
株式会社MICHIRUのRPAは、初期導入費用が10万円、運用費用は月額5万円と低価格で導入が可能な国産RPAツールです。
月額費用には、オンライン操作勉強会とFAQ、メール・チャットサービスも含まれています。
更に手厚いサポートがついたアシストプランでは、月額10万円で月4回のリモートサポートもつけることができます。
シンプルプラン | アシストプラン | |
---|---|---|
初期費用 | 10万円 | 10万円 |
価格 | 5万円/月 | 10万円/月 |
開発 | ◯ | ◯ |
実行 | ◯ | ◯ |
リモートサポート | × | ◯ |
注目点は価格だけではありません。
画像認識技術を使い、UIをユーザーフレンドリーに設計されているので、プログラミングの知識がない方でも安心して導入いただけます。
また、画像認識機能は操作がしやすいだけでなく、操作ソフトを選ばないため、自社で導入している表計算ソフトや会計ソフト、業務システム等にも全て対応させることが可能です。
【Microsoft Power Automate】低価格で利用できる
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯(個々で管理) |
クラウド型 | ◯ | △ | ◎ (サービス提供者が管理) |
MicroSoft のクラウド型RPAツールは、Microsoft 365などのクラウド製品を対象としているRPAで、使える範囲が広くはない分、非常に低価格で利用できるのが特徴です。
Microdoft Power Automateには、プレミアムとプロセスの2種類のプランがあります。
プレミアム | プロセス | |
---|---|---|
価格 | 2,248円/人 | 22,488円/ボット |
開発 | ◯ | ◯ |
実行 | ◯ | ◯ |
プレミアムプランは、ライセンスを所有するユーザーの権限によって自動化プロセスを実行するアテンド型モードが特徴です。契約単位はユーザー数なので、ライセンスを持ってる社員は、無制限にフローを作成できます。
反対にプロセスプランは、ボットがフローを実行することに重きが置かれているプランです。フロー単位で価格が決まるので、組織の全ユーザーがこのフローを利用できる仕組みになっています。
【WinActor】ライセンス上限をなくせる純国産RPA
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯ (個々で管理) |
WinActorはIT業界で国内最大手のNTTデータをグループに持つ、NTTグループで開発された純国産のRPAツールです。
WinActorのRPAは、実行版ライセンスは作成されたシナリオを実行する機能のみ備えられており、ロボットの構築を行うことはできません。
ロボットの構築をするメンバーは1人かつ、実行するメンバーが複数人いる場合は、WinActorフル機能版ライセンスを1つ、実行版ライセンスを人数分契約するといったような体系をとることをおすすめします。
WinActorを導入した場合の価格は、以下の通りです。
フル機能版 | 実行版 | |
---|---|---|
価格 | 998,800/年 | 272,800円/年 |
開発 | ◯ | × |
実行 | ◯ | ◯ |
また、WinActorはライセンス台数が変動するフローティングライセンス型で、ライセンスの上限をなくして運用することが可能です。
【NEC Software Robot Solution】組織内共用も可能
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯(個々で管理) |
サーバー型 | △ | ◎ | △ (組織的管理) |
NECのRPA「NEC Software Robot Solution(NECソフトウェアロボットソリューション」は、通常版と実行専用版2つのライセンスがあります。
Winactor同様に、実行専用版ライセンスは作成されたシナリオを実行する機能のみ備えられており、ロボットの構築を行うことはできないため、一台以上は通常版を導入する必要があります。
それぞれのライセンス価格は、以下の通りです。
通常版 | 実行専用版 | |
---|---|---|
価格 | 12万円/月 | 4万円/月 |
開発 | ◯ | × |
実行 | ◯ | ◯ |
上記の2種類のライセンス以外にも1端末1ライセンスのスタンドアロンや、1台の端末上でアカウントごとに同時利用できるもの、端末固定ではなく同時利用可能な数を管理できるフローティングや組織内共用可能などのライセンスも選択可能です。
月額契約なのでスポットで利用端末を増やしたい方、など事業や組織形態に最適な価格のライセンスを導入し、RPAをさらに有効的に活用しましょう。
【UiPath 】世界シェアNo.1で大規模運用にも対応
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯ (個々で管理) |
サーバー型 | △ | ◎ | △ (組織的管理) |
2020年度の最新の調査でもRPAツール世界シェアNo.1は、UiPathです。
uiPathのライセンスプランは、価格表にも書いた「Pro」と「Enterprise」に加えて「Free」プランの全3種類あります。
それぞれのプランは、RPAを使用する人の規模によって分けられており、価格設定は以下の通りです。
Free | Pro | Enterprise | |
---|---|---|---|
価格 | 無料 | $420/月〜 | 要問合せ |
開発 | ◯ | ◯ | ◯ |
実行 | ◯ | ◯ | ◯ |
違い | 個人向け | 小規模な部門・企業向け | 大人数の組織向け |
UiPathで大規模運用を考える場合は、複数台のUiPath Robotによることが必要になります。
これに管理ツールのOrchestrator 、ワークフロー作成ツールのStudioをさらにライセンスを受けて使います。
ライセンス料金は販売代理店によって異なりますが、以下の価格が年額相場です。
- UiPath Studio:30〜60万円程度
- UiPath Orchestrator:250万円程度
- UiPath Robot:15〜75万円程度
この価格体系から、1業務だけを自動化したい場合には、だいたい数十万円の予算規模となりますが、サーバで運用をする場合は、費用が最低7-800万円から、と考えられています。
【ロボパット DX】2泊3日でRPAレンタルができる
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯ (個々で管理) |
ロボパットDXは、事務職の方向けに自分で自分のパソコン業務を自動化することをコンセプトに開発されたRPAツールです。
WinActor同様に、RPA開発と実行の両方可能なタイプの「フル機能ロボ」と、実行のみできる実行専用ライセンスがあります。
また、他の製品と違い、2泊3日という短期間でRPAを利用できるレンタルプランがあり、その価格は、以下の通りです。
プラン | フル機能 | 実行専用 | レンタル |
---|---|---|---|
価格 | 132,000円/月 | 44,000円/月 | 19,800円/2泊3日 |
開発 | ◯ | × | ◯ |
実行 | ◯ | ◯ | ◯ |
繁忙期だけ業務を自動化したいという方には、ロボパットのレンタルRPAがおすすめです。
【batton】管理のしやすいクラウド型RPA
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
クラウド型 | ◯ | △ | ◎ (サービス提供者が管理) |
batton(バトン)は、AIが搭載されているため正確な画像認識力があり、リピート率97%(2021年8月)という脅威の実績も持っているRPAツールです。
基本的には、サポート付きで月額148,000円(税込)から導入ができます。
batton(バトン)は追加費用を気にせずに手厚いサポートを受けたいという企業におすすめです。
また、1アカウントで複数台のパソコンに無制限でインストールできるので、コスト面を気にせずに社内全体の効率化を図ることができます。
【Automation Anywhere】スピード重視!AI機能付き
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯ (個々で管理) |
Automation Anywhereは世界中で使われている、AI機能付きの高機能なRPAツールです。
最低構成なら、月740ドル程度の価格で導入が可能です。
導入から稼働までにスピードを重視するツールとしても知られているので、早急に導入したという企業はぜひ検討してみてください。
【キーエンス (keyence)】無償伴走サポートあり
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
デスクトップ型 | ◎ | ◯ | ◯ (個々で管理) |
キーエンスのRPAツールではフローティングライセンスが採用されており、時間をずらせば1つのライセンスを複数端末で使い回すことができます。
キーエンスの公式サイトでは、価格を公開されていないため、詳しい価格について知りたい企業様は、見積もりが必要になります。
また、口コミでは年間20万円と言ってる企業から、100〜250万円程度で導入している企業もあるので、RPAの導入規模に合わせて価格も調整することができるのではないでしょうか。
キーエンスは導入から運用まで支援する「無償伴走サポート」を提供しており、専任担当のアドバイスを受けながらRPAを導入することが可能です。
【kofax RPA】セキュリティに強いサーバー型RPA
特性 | 初期コスト | セキュリティ | 管理の容易さ |
---|---|---|---|
サーバー型 | △ | ◎ | △ (組織的管理) |
Kofax RPAは、本社がアメリカにあるKofax社が提供しているRPAツールです。
Kofax製品は世界の有名企業を含む25,000以上の企業で採用されており、信頼性の高いツールだと言えます。
キーエンス同様に現時点では、公式サイトに導入価格は記載されておらず、システムに応じた価格お見積もりが必要になります。(2024年4月現在)
Kofax RPAは、ロボットの利用者数は制限なく増やすことができるメリットがあります。
高性能で安いツールならMICHIRUがおすすめ
これまで、人気PRAツール10製品の価格について紹介してきましたが、その中でも特におすすめなのが「MICHIRU RPA」になります。
MICHIRU RPAは、導入費用10万円と月額費用5万円というお手頃価格で導入することができます。
しかし、MICHIRU RPAをおすすめする理由は安い価格だけではありません。
MICHIRU RPAの機能
MICHIRU RPAは、画像認識機能が搭載されているため、プログラミングに知識がない現場の従業員でも簡単に操作することができるようになっています。
更に操作ソフトを選ばないため、すでに自社で利用しているソフトやアプリケーションが対応されているかどうか心配する必要がありません。
そして導入後も、MICHIRU RPAで自動化できることの確認やシナリオ作成のアドバイスをしたり、オンライン操作勉強会も無料で開催しています。メール・チャット対応も無料で行っているので、自社でRPAを使える人を増やしていきたい企業にもおすすめです。
1ヶ月間無料トライアル可能
最も魅力的なのは、MICHIRU RPAの1ヶ月無料トライアルです。
このトライアル期間では、RPA化の効果を無料で計測できるだはありません。
無料トライアル中でも、操作勉強会に加え、週1回程度のリモートサポートがついているので、体験をしてみたけど何もできずに終わってしまったということが少なくなります。
他にも、タスク丸ごと作成などオプションサービスもご用意しているので、価格や自動化できる業務についてご興味のある方、企業様はお気軽にお問い合わせください。
記事のまとめ
本記事では、人気なRPAツール10製品の価格設定や特徴について詳しく解説しました。
RPAを導入すると毎月かかるライセンス価格は、RPAツールの種類(デスクトップ型・クラウド型・サーバー型)によって価格が大きく異なります。
それぞれの機能性も異なるので、RPA選びの際には価格と機能性のバランスを見て決めることが大切です。
低価格て高性能なMICHIRU RPAのような国産製品も登場していますので、価格表や特徴を比較しながら導入を検討してみて下さい。