RPAツールは、現在多くの企業で導入が進められています。
近年はRPAツールの種類も増えてきており、各ツールによって特徴や機能が異なるため、自社のニーズに合わせて最適な製品を選ぶことが重要です。
シェア率や評価をもとに比較・検討することで、より適切なツールを選択することができます。
本記事では、国内外におけるRPAツールのシェア率や市場規模、RPA導入のメリット、国内シェア率の高いツール、ツール選択時の注意点について解説します。
RPAツールの導入を検討している方のお役に立てましたら幸いです。
IT業界で注目されているRPAとは?
RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、文字通り業務プロセスを自動化する技術を指します。
このRPAは、IT業界でもIoTに続いて注目を集めているツールの1つですが、実際どのような技術なのでしょうか。
現代のビジネスシーンでの業務の多くについて、オンライン上で情報管理を行なっている企業が増えてきています。
今まで機械は、自動車の製造などのオフラインの作業を自動化するのに活用されていましたが、RPAツールはパソコン上で行う作業の自動化を可能にするロボットです。
例えば、データの入力やエクセル作業、メールの自動送信など、人間が繰り返し行っている業務を効率よく自動化することができます。
日本国内のRPAツールシェア率
株式会社MM総研が調査した「RPA国内利用動向調査2021(2021年1月調査)」によると、年商50億円以上の大手企業の37%がRPAツールを導入しており、約4割のシェア率となっています。
しかし、国内のRPA市場はコロナの影響によるビシネス停滞が大きな要因となり、2019年2月に行われた調査から大きな変化は見られません。
また、中小企業では10%のシェア率しかなく、見ての通り大手企業とは大きな差があります。
この差は、中小企業の予算の低さや人手不足問題が要因と考えられます。
大手金融企業の成功実例などにより、RPAの価値が認められ始めた近年は、中小企業向けの低価格で導入できるクラウド型RPAツールも開発されています。
そして、初心者でも簡単に扱えるRPAツールやサポートも充実しているベンダーが増加しているため、中小企業でのRPAシェア率は上がっていくと予想できます。
更に、政府からの「DX投資促進税制」や「IT導入補助金」などの控除や補助金がもらえることも国内の市場に良い影響を与えるのではないでしょうか。
世界の市場規模
RPAツール市場は、国内だけに留まらず世界的にも拡大を続けています。
米コンサルティング会社のマッキンゼーアンドカンパニーによると、全世界で1億人以上のホワイトカラー労働者、または全体の仕事量の1/3が、2025年までにRPAに置き換わると予想されている程です。
また、ガートナーという国際的に有名なITリサーチ企業によると、2020年のRPAの市場規模は15.8億ドル(約1,738億円)に達しているそうです。
そして、2024年にかけて「二桁の伸び率」を記録することが見込まれており、今後も世界規模での市場拡大が進むと考えられます。
このように、日本だけでなく、全世界的にもRPAの市場は拡大の一途を辿っていると言って良いでしょう。
参考:https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20200930
市場規模が拡大し続けている背景
国内外共に高いシェア率を誇るRPAツールですが、こんなにもシェア率が高い背景にはどのような理由があるのでしょうか。
以下では、RPAツールのシェア率が拡大を続けている理由を3つのポイントに分けて解説します。
コロナによる在宅勤務の増加
RPAツールシェア率が高い理由の1つ目に挙げられるのが、誰もが知っているコロナウイルス感染症の影響で変化したワークススタイルです。
数年前までは、毎日出勤してオフィスを仕事をするスタイルが主流でした。
しかし、コロナウイルス感染症の影響で、在宅での仕事を許可する企業や完全リモートワーク型の企業が急激に増加しました。
もちろん製品やベンダーによって違いはありますが、RPAツールは在宅でも導入でき、RPAツールのシナリオ作成時に時刻設定などを活用することで、出社せずに定型業務を自動化することもできます。
AI活用による機能拡張
またAI活用によってRPAの機能が拡張されたことも、シェア率が右肩上がりになっているもう1つの要因と考えられます。
今までのRPAは、定型業務を自動化してくれる、いわばインターネット上のロボットのため、導入可能な業務に制限のあるがデメリットでした。
その改善策として、近年はAIと連携したRPAツールが次々と開発されており、AI技術も発展し続けていることから、以前よりも遥かに複雑な業務内容にまでRPAツールを活用できるようになりました。
例えば、これまでは紙媒体上の情報を手作業でパソコンに入力しましたが、文字分析能力のあるAIを活用することで、1からRPAに任せることができます。
RPAツールの機能性が上がったことは確かですが、それ以外にもAIと連携することでより効率的に業務を自動化してくれたり、経営戦略を考えるのにも活用されています。
低価格のRPAツールが増えた
RPAシェア率が上がり続けている3つ目の理由は、低価格でお試し導入のしやすいRPAツールが増えたことです。
RPAツールは製品によって機能や規模が異なり、同時に費用も変わってきます。
その中でも、サーバで一括管理ができるサーバ型RPAツールや、カスタマイズが可能なRPAツールを導入すると、数十万〜数百万円程の高額な費用が必要となります。
そのため、予算があまり大きくない中小企業などは、気軽に手を出せるものではありませんでした。
しかし、近年は月毎に契約ができたり、比較的安いデスクトップ型のRPAツールなども多く開発され、低予算でも手が出しやすいものとなりました。
さらに、エンジニアやプログラマーを雇わなくても、プログラミングなしで導入可能なRPAツールまで開発されています。
幅広い需要に対応され始めたことも、国内外でRPAシェア率が拡大し続けている理由の1つです。
2023年最新!国内シェア率が高いツール一覧
では、実際に国内シェア率が高いツールをランキング形式でご紹介します。
ここで紹介するのは、以下の5つのツールです。
- ロボパットDX
- Winactor
- Bizrobo
- Automation Anywhere
- Uipath
1. ロボパットDX
シェア率No.1の「ロボパットDX(Robo-Pat DX)」は、株式会社FCEプロセス&テクノロジーが開発、運営しているRPAツールです。
2022年10月末時点で、導入実績1000社を突破しており、利用継続率は98%という素晴らしい実績を収めています。
「自身で業務負担を減らせる」RPAを目指しているため、プログラミングの知識がなくてもロボット作成が可能になっており、積極的にRPAを現場で活用していきたい企業におすすめのツールです。
さらに1ヶ月単位で導入でき、初期費用0円、3種の月額料金設定があるため、あなたの企業に最適なプランを選べるようになっています。
ただし導入台数が多いと費用が高くなったり、使用できるPCが限定的だったりするため、事前にチェックしておきましょう。
2. Winactor
「WinActor」はNTTグループにより開発されたRPAツールで、2022年1月時点で7,000社以上の導入実績を誇るRPAツールです。
ExcelなどのMicrosoft Office製品だけでなく、IE、ERP(基幹システム)、電子決済、業務システムなど、利用できるアプリケーションに制限がないのが特徴です。
パソコンにインストールすれば即使用でき、システム開発の経験がなくても導入しやすいため、初めてRPAツールを導入する企業に適しています。
ただし、WinActorは料金設定が少々高いため、削減できるコストを確認してから導入を検討しましょう。
3. BizRobo!
RPAツール「BizRobo!」は、2022年5月末時点で導入実績2,300社を突破しています。
10万件以上のロボット開発・運用実績とノウハウにより、ツール導入時の充実したサポートを実施しています。
ツールにはサーバー型・デスクトップ型・クラウド型の全種類あり、それぞれの企業に最適なツールを見つけやすいのが特徴です。
また、ドラッグアンドドロップで業務フローを簡単に作成して自動化できるため、情報システム部門以外でも利用しやすいツールと言えるでしょう。
BizRobo!を導入するにあたって1つ注意して欲しいことが、月額費用の高さです。
費用対効果をしっかりと計算してから導入を検討することをおすすめします。
4. Automation anywhere
「Automation Anywhere」は、世界90ヶ国以上で活用されているクラウド型RPAツールで、世界的シェア率も高い製品になっています。
もともとはアメリカで開発されたRPAツールですが、日本語でのサポート体制も整えられているため、言語の心配はありません。
またAutomation Anywhereは、世界中の銀行や金融機関で多く採用されるほど、堅牢なセキュリティを有しているRPAツールです。
その安全性は、ボットの作成・実行権限の分離、動作させるマシンの限定、パスワードの暗号化、不正アクセス防止といった数多くの機能によって保たれています。
さらに、IDC社によるランキングでは、クラウド型RPAの市場シェアNo.1に。
ただし、細かい解説などは英語の部分も少し残ってしまっているのが現状なので、導入後も問題なく対応できるか確認してみてください。
5. Uipath
「UiPath」は、Windowsへの対応力に長けているRPAツールで、持ち前の柔軟性から、国内だけでなく海外でも導入されています。
業務効率化のプロセスを「発見・開発・管理・実行・協働・測定」の各段階に分けることで、全ての段階をサポートできる製品を用意している点が大きな特徴です。
IT知識がなくても、ドラッグアンドドロップでロボットにAIを組み込み、視覚情報や会話情報を理解させ自動化の範囲を拡大できるようになっています。
そのため、大企業から中小企業まで幅広い企業で活用できます。
ただし、パソコンの種類によってUIがうまく検出できないこともあるので、無料のお試しプランなどを利用して事前に確認しておきましょう。
導入のメリット
シェア率の高い人気なRPAツールを5つご紹介しましたが、なぜ4割以上もの大企業はRPAツールを導入しているのでしょうか。
ここでは、RPAを導入することで得られるメリットについて3つのポイントに分けて解説します。
業務効率が大幅にアップ
RPAを導入することで、繁雑で定型的な業務を自動化することができ、業務効率が大幅に上がるといったメリットがあります。
これにより、業務の処理速度が大幅に向上し、手作業でのミスも削減されます。
たとえば、データ入力や集計作業など、人間が時間をかけて行う必要のあるタスクがRPAにより自動で効率的に処理されることになります。
そして従業員は、顧客対応などのより高度な業務やクリエイティブなタスクに時間を割くことができるようになり、全体の業務の生産性が飛躍的に向上します。
さらに、RPA導入時に必ずといっても良い程行うのが、業務フローの作成です。
業務フローを作成することで今まで行っていた作業が可視化され、無駄な作業や重複している作業など、改善点が見えるようになります。
このように、RPAツール導入によって定型業務を自動化したり業務改善を行うことで、更なる業務効率化を期待できます。
コスト削減の実現
RPAを導入することにより、業務の自動化と効率化が進むため、必要な人件費や時間的コストを大きく削減することができます。
特に大量のデータを扱う業務やRPAの強みである24時間365日稼働が必要なタスクに対しては、RPA導入の影響は大きいです。
自動化によって人手が削減されることで、人員の再配置や教育投資に予算を振り向けることが可能となり、中長期的なビジネス戦略の強化に寄与します。
ご存じの通り、RPA導入にも導入費用やライセンス費用がかかりますが、RPA1台で何人もの仕事量をこなせるだけでなく、労働者1人を雇うよりも安いため、人件費の大幅な削減になります。
また日本国内の企業は容易に社員を解雇することは難しいですが、現従業員の残業代や休日出勤・夜勤出勤手当などのコストが不要になるといったメリットがあります。
人的ミス減少によるクオリティの向上
3つ目のRPAツール導入メリットは、人的ミスを減少させることでクオリティを向上させられる点です。
人間はどれだけ注意深く業務を行っても、疲れや集中力の低下によるミスは避けられません。
経理業務などのミスが1つだけだったとしても、それが計算ミスや入力ミスだった場合は、その他の数値にも影響があるため修正にさらに時間がかかります。
RPAツールは、一度設定されれば同じ業務を繰り返しミスなく効率的に実行します。
これにより、業務のクオリティが一定に保たれ、ミスに起因する再作業やクレームの発生を大幅に削減することができます。
また従業員が繁雑な業務から解放されることで、顧客対応や新しいプロジェクトに取り組む時間が増え、サービス品質アップのメリットも期待できるでしょう。
RPAツール導入時に確認すべき注意点
RPAツールは、シェア率の高い商品が必ずしもあなたの企業に最適なRPAとは限りません。
以下では、十人十色ある企業の中でもあなたの企業に適したツールの選び方、確認ポイントを解説します。
初期導入・操作の容易さ
RPAツールの選択時には、どれだけ簡単に導入・操作できるかが大きなポイントとなります。
特に、RPAを初めて導入する企業の場合は、導入のハードルが高いと実際の運用開始が遅れる可能性があります。
RPAツールによっては、導入完了までサポートしてくれるベンダーもあるため、導入支援も確認しましょう。
また、業務自動化をするのに必須となるシナリオ作成を画面録画することで、設定できるものや、エンジニア向けのプログラミングを活用して指示できるものまであります。
RPAを扱うであろう従業員のIT知識や経験に合ったレベルのRPAツールを導入することをおすすめします。
導入後のサポート体制充実度
RPAツールを導入する際には、その後のサポート体制が非常に重要です。
初めての導入であればなおさら、操作方法やトラブルシューティングに関するサポートが求められることが多いでしょう。
RPAツールの購入価格だけでなく、サポートの質や継続的なアップデートの有無、教育やトレーニングの提供があるかどうかを確認することが必要です。
途中でわからないことを聞ける相手がいないと、継続的にRPAツールを活用できなくなってしまうリスクもあります。
また、サポートが不十分なツールは長期的に見てコストが増加する可能性があるため、十分なサポート体制が整っているツールを選ぶことが推奨されます。
RPAツールの拡張性と互換性
企業の業務は日々変化するため、今後の業務拡大やシステムの変更に柔軟に対応できるRPAツールを選ぶことが重要です。
特定のシステムやアプリケーションにしか対応していないツールは、将来的に制約を受ける可能性があります。
また、他のITシステムやソフトウェアとの互換性も考慮する必要があります。
さらに、近年急激な成長を遂げ、RPAと共に注目を浴びているAIとの連携も視野にいれておくことをおすすめします。
AIを活用することで、画像・文字認識機能を追加したり、チャットボットとRPAツールの活用でカスタマーサポートまで自動化できるようになります。
将来的なビジョンやシステム戦略と合致するツールを選択することで、長期的な投資としての価値を確保できます。
初心者に優しい&規模拡大可能な「MICHIRU RPA」とは
株式会社MICHIRUが提供しているRPAは、初心者に優しいだけでなく、規模拡大も可能な製品です。
プログラミング知識がない方でも、画面録画でシナリオ作成ができたり、無料のオンライン操作勉強会やユーザーフォーラム、Eラーニングなどのサポート体制が充実しているため安心です。
さらに、将来規模拡大をしたくなった際には、プログラミング言語を活用した上級レベルの使い方もできるといった拡張性も持ち合わせています。
「MICHIRU RPA」が優れているのは、その機能性だけではありません。
「MICHIRU RPA」の初期導入費用10万円、月額のライセンス費用は5万円と、相場の月額費用10万〜100万円と比較しても、とても手にしやすい価格設定になっています。
そのため、費用が理由で導入を躊躇している企業におすすめのツールです。
RPA市場規模やシェア率に関する記事のまとめ
本記事では、国内外でのRPAシェア率が拡大し続けている現状とその背景や、国内でシェア率の高いRPA製品を5つご紹介しました。
RPAツールを導入することで人件費用の削減になったり、人的ミスも減るため生産性の向上に繋がるといったメリットがあります。
しかし、導入するRPAツールを選ぶ際、必ずしもシェア率の高いツールがあなたの企業に最適とは限りません。
導入後に思うような効果が得られなかったということのないよう、RPAツールの拡張性や導入時と導入後両方のサポート体制などを確認してから、最適だと思われるツールを導入することをおすすめします。
最後までこの記事を読んでくださった方のため、低価格な上に、RPA初心者も扱いやすく拡張性にも富んでいる「MICHIRU RPA」をご紹介したので、ぜひ参考にしてみてください。