企業や自治体をはじめとし、近年広く浸透しつつあるRPAツール。
これまで人が行っていた単純業務を自動化することで、業務改善や生産性アップなどメリットも多く、RPAの導入を検討している企業は年々増加しています。
この記事では、ツール導入前に知っておくべきRPA導入の手順やRPAシナリオの構築方法に着目して解説。
またシナリオ構築にお悩みの方に向けて「シナリオ構築をスムーズに行うためのポイント」をお伝えしています。
RPAの特長
RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、主にホワイトカラーにおける定型業務を自動化するソフトウェアロボットのことです。
このソフトウェアロボットに、代行してほしい内容を事前時に設定(シナリオを作成)しておくことで、自動的に実行してくれるというものです。
近年では人手不足や働き方改革の動きが活発にみられており、大・中規模企業のRPAツール導入率は全体の約50%に及ぶと言われています。
RPAツール導入のメリットとは?
人手不足や業務効率化に役立つRPAツールえすが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、RAPツールを導入することが企業にもたらす主なメリットについてお伝えします。
手作業の削減と業務効率化
RPAは構築されたシナリオに従って、高速かつ正確に業務を行います。
そのため、これまでは手作業で行っていた業務、特にデータの入力や転記作業などといった定型業務を大幅に削減することができます。
これにより、従業員は単純作業に時間を費やす必要がなくなるため、よりクリエイティブを必要とするような業務に従事でき業務の効率化を図ることができるのです。
時間の有効活用と生産性の向上
これまで単純作業に割いていた時間をなくすことで、商品企画やクライアント対応、施策検討などコアな仕事に注力できる時間が生まれます。
また、RPAは24時間体制で作業を実行できるため営業時間外でも業務を継続できます。
これにより、時間を有効活用できるうえに業務プロセスの停滞を防ぎ、よりスムーズなサービス提供が可能となるでしょう。
コスト削減
先述した業務効率化は、コストの削減にもつながります。
従来は単純作業にも人件費がかかり、繁忙期には従業員の残業代が必要となるケースが多くありました。
しかし、RPAツールを導入することで、定型業務はRPAが代行することとなり従業員に担わせる必要がなくなるため、企業はこれらの業務に対する人件費や採用コストを削減することができます。
これらの人件費や採用コストを削減できれば、新たな投資先を見直すことができ、コストの最適化にも繋がるでしょう。
ヒューマンエラーの抑制
ヒューマンエラーを抑制できる点も、RPA導入における最大のメリットのひとつです。
人間による手作業では、入力ミスなどのヒューマンエラーを完全になくすことはできません。
その点、RPAツールは構築されたプログラムに従ってタスクを自動的に実行するため、人間による手作業に比べて極めて高い精度で作業を処理することができます。
RPA導入は業務を効率化するだけでなく、人間のミスによる損失を未然に防ぐ役割もあるため品質向上も期待できます。
RPA導入の手順
お分かりいただけた通り、導入メリットの多いRPAツールですが、実際に導入はどのような流れで行われていくのでしょうか。
主なRPA導入の手順は、以下の通りです。
- 目的や課題を明確にする
- 自動化する業務の決定
- RPAツールの選定
- RPAシナリオを構築・作成
- 運用・管理
このように様々なステップを踏んでRPAを導入・運用していくこととなります。
各ステップの詳しい内容については別の記事で解説していますが、本記事ではRPAシナリオの構築・作成に着目して解説していきます。
シナリオの構築・作成方法
RPAを動作させるためには、実行してほしい作業の流れを可視化したシナリオを作成する必要があります。
しかし「シナリオ作成なんて自分にできるだろうか?」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、RPAシナリオの作成手順を4つのステップに分解してお伝えします。
作成手順がしっかりとしていれば、作業もスムーズに進みますので是非参考にしてみて下さい。
Step1.シナリオを設計
シナリオ設計は、自動化する業務プロセスを整理して実装するまでの準備過程です。
具体的には、どの業務をRPAツールで自動化するかを把握するための資料を作成します。業務全体を把握できる業務フロー図を作成するのが最も一般的です。
そのため、業務プロセスの詳細を把握し、シナリオ設計を綿密に行っておくことが運用を成功させるために非常な重要なポイントとなります。
Step2.シナリオの構築・作成
シナリオが設計できたら、RPAツールで実際にシナリオを構築していきます。
シナリオ構築は、RPAのメイン作業とも言える部分です。設計したシナリオを基に、RPAツールのマニュアルに従ってシナリオ作成画面から行いましょう。
Step3.シナリオの実装
RPAシナリオの構築ができたら、シナリオ実装のステップに移ります。
この際に注意しておくべきなのが、RPAはあいまいな指示では動作しないため明瞭に指示する必要があるということです。
例えば、どのボタンをクリックして次の動作に移るのか、どの情報をどの欄に入力するのかなど、厳密に指示出しするのがポイントです。
Step3.シナリオのテスト
すべての設定が終了したら、必ずRPAツールで作成したシナリオが正しく動作するかをテストしましょう。
このテストをスキップしてしまうと、エラーが起きてしまうだけではなく、データの誤入力などの思わぬ動作が起きた場合に、取り返しがつかなくなってしまいます。
テストを行う際は、実際と同じような仮想環境をテスト環境として構築し、テスト稼働を行いましょう。
テスト稼働でシナリオの動作を確認し、問題がなければ実際の環境に適用します。
Step4.シナリオの保守・運用
テストもクリアした後は本導入となり、実際に保守・運用していきます。
稼働開始からしばらくの間は、定期的にメンテナンスを実施しましょう。
特に、導入当初はエラーが頻発することも当たり前と認識し、定期的にRPAを見直して徐々に正常動作へとアジャストしていくのがおすすめです。
シナリオ構築をスムーズに行うためのポイント
専門業者に外注する
シナリオ構築は外注してしまう、というのも1つの方法です。
近年では企業や個人のRPAの導入率上昇に伴い、初期設定や運営の専門業者も増えています。
費用も比較的リーズナブルで行える業者が多いことから、シナリオ構築などの手順を外注して運用のみを自社で行うというケースも少なくありません。
外注に掛かるコストより、効率やクオリティを重視する方にはおすすめの方法です。
シナリオ設計の簡単なRPAツールを検討する
社内にエンジニアがいない・ITレベルが低い環境下でRPAを導入する場合であれば、シナリオ設計が簡単なRPAツールを検討するのもおすすめです。
最近はプログラミング不要の初心者でも操作しやすいRPAツールが数多く提供されています。
例えば、この記事を提供しているMICHIRU RPAは、シンプルなインターフェースを使用しているため、RPA初心者やIT技術の無い方でも簡単に操作できます。
シンプルなインターフェースですが、デスクトップ型タイプのRPAとなっており機能性や拡張性は格段に優れています。費用もわずか月額5万円と業界最安!
シナリオ設計が簡単なRPAツールをお探しでしたら、是非この機会にMICHIRU RPAをご検討下さい。
手順の少ない業務からスモールスタートしてみる
外注等で費用はかけたくない、ツールはすでに導入済という方には、手順が少ない業務からスモールスタートで進める方法がおすすめです。
例えば、コピー&ペーストを繰り返す転記作業や、Excelの情報を基幹システムに入力する作業は比較的簡単にシナリオを作成することができます。
まずは簡単なものからスモールスタートすることで負担が減るほか、稼働初期に頻発しがちなエラー対応も未然に防ぐことができます。
記事まとめ:シナリオ構築の方法とポイント
いかがだったでしょうか、本記事ではシナリオ構築の方法とスムーズに構築を行うためのポイントを解説しました。
冒頭でのお伝えした通り、RPAを効果的に運用していくためには、性質やシナリオの構築など運用方法についてあらかじめ理解を含めておくことが重要です。
本記事が、効果的かつ効率的なRPA導入のお役に立てれば幸いです。