自動化できる事務作業の一例を詳しく解説！

事務作業の自動化は、業務効率化・人的ミスの削減・生産性の向上に直結するため、多くの企業が注目しているテーマです。

近年、各企業では、DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進により、日常業務を軽減すべく、繰り返し行う作業を自動化する動きが加速しています。

本記事では、自動化できる事務作業の一例をご紹介するとともに、自動化によって得られるメリットと注意点を解説します。

自動化できる事務作業の一例

RPAは、手順化されている事務作業の定型業務に向いており、手動で行なっていた業務の自動化が可能です。

ここからは、RPAを活用して自動化できる「事務作業の一例」について、部門別にご紹介していきます。

自動化できる部門	事務作業の内容
人事部門	勤怠管理 / 労務管理 / 資料作成 / 採用者情報の管理 / 人事通達の通知 / 入退社手続き / 休暇申請などの各種申請処理
経理部門	請求書の作成・発行 / 経費精算 / 給与計算 / 入金・消込 / 買掛・支払い管理
総務部門	備品の発注 / 在庫管理 / 全社連絡 / 報告書などの書類作成 / 社内イベントのスケジュール調整
営業部門	問い合わせ対応 / 見積書の作成 / 販売状況の通知 / 営業レポートの作成 / 営業数値のデータ更新 / フォローアップメールの送信
マーケティング部門	競合他社の価格調査 / 口コミ・評価の収集 / 広告運用レポートの作成 / メールマーケティング
IT部門	データ入力・移行 / インシデント管理 / レポート作成 / システムの稼働監視

事務作業を自動化するメリット

ここまでは、RPAを活用して自動化できる「事務作業の一例」について、部門別にご紹介してきました。

ここからは、事務作業を自動化する「メリット」をご紹介していきます。

人的ミスの削減

事務作業の自動化は、事務業務で発生しがちな「人的ミス」を削減することが可能です。

決まった作業を繰り返す事務作業は、どれだけ慎重に行ったとしても、集中力が途切れてしまい、ミスが発生しやすくなります。

特に、請求書の送信違いやメールの誤送信といったミスは、取引先からの信用を失い、売上の低下に繋がる危険性があります。

このような作業は、自動化することによって、人的ミスの削減はもちろん、業務品質の改善も期待できます。

生産性の向上

事務作業の自動化は、業務が効率化されるため、生産性の向上も期待できます。

なぜなら、事務作業を自動化した場合は、従業員が単純作業から解放されるため、リソースの再配分が可能となり、戦略的な業務や、売上に直結するコア業務に集中できるからです。

また、事務作業の自動化は、人が行うよりも高速なスピードで処理できるため、作業工数を大幅に削減し、業務効率を上げることができます。

その他にも、事務作業の自動化では、24時間365日稼働できるため、営業時間外である早朝や、深夜帯での作業も可能にして、生産性を向上します。

人手不足の軽減

日本は、少子高齢化の影響から、生産年齢人口（15歳〜64歳）が減少しはじめ、労働力の確保や、既存業務の効率化が課題となっています。

そこで、事務作業の自動化は、限られた労働力を確保することができるため、人手不足を解消する対策として、昨今注目されています。

また、自動化ツールの中には、プログラム言語の習得や、専門スタッフの手配が不要なものもあり、既存の人材で事務作業を自動化することが可能です。

事務作業を自動化する際の注意点

ここまでは、事務作業を自動化する「メリット」について、詳しく解説してきました。

事務作業の自動化は、人的ミスの削減や、生産性の向上など、さまざまなメリットがありますが、事務作業を自動化する際には、あらかじめ気を付けるべき注意点も存在します。

ここからは、事務作業を自動化する際の「注意点」をご紹介していきます。

システム障害や不正アクセスへのリスク

事務作業を自動化する際は、システム障害や不正アクセスに注意する必要があります。

なぜなら、予期せぬシステム障害やエラーが発生した場合は、自動化していた作業が正常に実行されず、急に停止する可能性があるからです。

システム障害や不正アクセスを注意するためには、トラブル対応策に関してマニュアル化し、影響を最小限に抑える必要があります。

また、外部からの不正アクセスやデータ漏洩については、社内の情報セキュリティ対策や、セキュリティポリシーに沿って運用することで、リスクを回避できます。

メンテナンスが必要

事務作業を自動化した場合は、定期的なメンテナンスが必要になります。

なぜなら、事務作業を自動化した後は、社内で利用しているシステムの画面変更や、ツールのバージョンアップなどが発生するからです。

そういった場合には、適切なメンテナンスを実施しておくことで、自動化の動作エラーを防ぐことができます。

他にも、自動化ツールは、導入当初に問題なかったとしても、継続して利用することにより、問題点などが発生してくるため、定期的なメンテナンスを必要とします。

業務のブラックボックス化

事務作業は、手順が一定なので自動化に向いている一方、業務がブラックボックス化する恐れがあります。

なぜなら、事務作業を自動化した場合は、基本的に人が関与することなく、自動的に処理されていくので、担当者しか解らなくなる可能性があるからです。

特に、関係者以外が、設定内容や運用方法を把握しておらず、ブラックボックス化が進むと、担当者不在時に不具合が起きたら対応できず、業務が遅延または停止してしまいます。

そのため、事務作業のブラックボックス化を防ぐためには、誰でも対応ができるような業務マニュアルの準備や、日ごろから担当者が培ってきたナレッジを共有しておくことが重要です。

事務作業を自動化する方法

ここまでは、事務業務を自動化する際の「注意点」について、詳しく解説してきました。

事務作業を自動化するためには、システム障害への対応や、定期的にメンテナンスを実施することで、効果的な運用が可能になります。

ここからは、具体的に事務作業を自動化する「方法」を紹介していきます。

1.RPAの使用

RPAは、データの抽出・フォームの記入・ファイルの移動など、ルールに基づいた反復的な事務作業を自動化することができます。

まず、RPAを使用するには、ソフトウェア（ツール）をパソコンにインストールすることで、業務フローの構築が可能です。

また、ロボット開発にプログラミングなどの技術を必要としないので、誰でも簡単に自動化できるため、企業規模や業界問わず、さまざまな会社で導入が進められています。

RPAとは

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、人間が行なっている事務作業を自動化して、ロボットが代わりに業務を遂行することです。

RPAは、人間が繰り返し行っている「単純な事務仕事」が得意なので、毎日・毎週・毎月といった定型業務を正確に実行します。

そのため、RPAは、備品の発注・在庫管理業務・見積書の作成といった「事務作業の自動化」に適しています。

2.AI-OCRの使用

AI-OCRは、画像からテキスト情報を抽出し、文字データに変換する「光学文字認識機能」を搭載しています。

従来のOCRは、手書き文字や非定型の文書を識別できず、印刷されたものに限定されていました。

しかし、AI-OCRは、手書き文字などにも対応できたり、多様なフォーマットからも文字情報を抽出できるため、事務作業を自動化する際におすすめです。

AI-OCRとは

AI-OCRとは、光学文字認識（Optical Character Recognition）に、人工知能（AI）を組み込んだ技術のことです。

AI-OCRは、画像データの中から文字を抽出するだけではなく、従来のOCRでは困難とされていた「手書き文字」の読み込みもできます。

そのため、医療業界では、手書きカルテのデータ入力に効果的で、人がシステム登録する際に起こる人為的ミスを削減したり、ペーパーレス化を実現するなど、さまざまなメリットがあります。

3.VBAの使用

ExcelなどOffice製品を使用した事務作業は、マクロ機能を活用した自動化が向いています。

マクロは、書類作成・メール送信・データの集計といった事務作業を自動化することができますが、VBAと呼ばれるプログラミング言語を習得する必要があります。

VBAとは

VBAとは、ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ（Visual Basic for ApplicationsOffice）の略で、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションで使う「プログラミング言語」の一つです。

VBAは、Officeアプリケーションの拡張機能として、Microsoft社が無料で提供しているものの、サポート体制がないので自己解決する必要があります。

まとめ

本記事では、事務作業を自動化する際のメリット・注意点・方法について、詳しく解説してきました。

事務作業は、手順が一定で、マニュアルがしっかりしている業務が多いので、RPAを始めとする自動化ツールを活用することで、生産性の向上や人的ミスの削減を期待できます。

事務作業の自動化を検討する際は、本記事を参考にしながら、自動化ツールを試してみてはいかがでしょうか？

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