RPAはバックオフィス業務と相性バツグン!導入メリットや自動化事例を紹介

バックオフィス業務をRPA化するメリット7つ!自動化できる業務や導入事例も紹介

RPAはバックオフィス業務と相性バツグン!導入メリットや自動化事例を紹介

経理・財務・人事・総務といったバックオフィスは、営業職などのように表に出て顧客と接する業務ではないため、目立たない存在ですが、企業を影から支援している必要不可欠な業務です。

しかしながら「利益に直結していない」といった理由から、近年の業務効率化やDX推進といった流れにのることができず、アナログで非効率な業務が取り残されているケースが散見されます。

今回はそんなバックオフィス業務に焦点をあて、RPAを導入するメリットや自動化が可能な業務の種類、導入事例などを紹介します。

バックオフィス業務を効率化したいと考えているが「どんなメリットがあるんだろう」や「どんな業務が対象になるのか」などといった疑問がある方は、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。

目次

そもそもRPAとは

そもそもRPAとは

RPAとは(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略語で、ロボットと呼ばれるデジタルな労働者(仮想知的労働者)を使用し、バックオフィス業務などの「パソコンを使用した業務」を自動化できるツールです。

ロボットと聞くと、大きな工場の中で機械的なアームが黙々と作業している状況が思い浮かぶかもしれませんが、RPAのロボットはExcelやWordと同じ「ソフトウェア」になります。

導入方法としては、提供している販売業者によっても違いますが、RPAツールを普段お使いのパソコンへRPAツールをインストールします。

あとは、製品ごとのマニュアルを確認し、RPAツールに「自動化させたい業務」を記録させることで、自動で処理するロボットが完成しますので、プログラミング知識がなくても比較的、開発が容易なことが特徴です。

また、RPAは自動化するにあたって「得意な業務」と「不得意な業務」が存在しており、一定のルールに従って処理が進められる業務は得意としています。

そのため、バックオフィス業務は定型作業といった業務が多いため、RPAでの自動化に向いています。

バックオフィス業務にRPAを導入するメリット

バックオフィス業務にRPAを導入するメリット

バックオフィス業務にRPAを導入すると、時間の削減はもちろんのこと、他にもさまざまなメリットが得られます。

ここでは、バックオフィス業務をRPA化するメリットを7つ挙げて解説します。

メリット① 業務時間を大幅に削減できる

RPAは決められた作業を漏れなく「スピーディー」に処理することが可能になるため、人が実施していた作業時間よりも、大幅に時間を削減することが可能になります。

また、RPAは夜間や休日といった非営業時間も稼働し続けられるため、人の何倍もの業務量をこなすことができます。

そのため、朝一から対応したい作業があった場合、その準備となる業務をRPAに任せ、夜間や早朝に稼働させることで、効率よく対応を進められるようになることもメリットの一つです。

メリット② 不要な人件費の削減

経理や財務といったバックオフィス業務の場合、決算期や年末調整の時期に業務が集中して繁忙期となるケースが多いと思います。

今までは人海戦術で対応するために、一時的な人材の採用などでどうしてもコストがかかっていたと思いますが、RPAを導入することでロボットに業務を任せることが可能になります。

このように運用することで、一時的な人材の採用が不要となり、人件費の削減へと繋げることができます。

メリット③ 人的ミスを防止、品質の向上

RPAはツールに作業内容を記録することで、設定された手順やルールに準じて動きます。

そのため、人であれば「疲れ」や「慣れ」といった感情から、作業時に手順が抜けてしまい作業ミスや漏れを発生させてしまうことがあります。

しかし、RPAであれば不注意などからくるミスはないため、大幅にミスを低減させることが可能です。

また、決められた作業を一定の品質で実施することができるため、品質のばらつきが無くなり品質向上にも繋げることができます。

さらには、ミスを発生させないための対策として実施していた「Wチェック」といったタスクも無くなり時間の削減が可能になります。

メリット④ 業務プロセスの見直し

RPAを導入して既存の業務を自動化するためには「業務選定」という「どの業務にRPAを導入するのか」について検討する必要があります。

そのためには、各業務がどんなフローで処理されているのかを洗い出す必要がありますが、その過程で長年放置されていた不要な工程や、より効率的に進められる手順などが見つかる可能性があり、業務プロセスの見直しを図ることができます。

たとえ、見直した業務プロセスがRPAに合わなかったとしても、プロセスを見直したことにより効率的になっているため、工数の削減をはじめとした根本的な業務改善にも繋げることが可能になります。

メリット⑤ 従業員の満足度アップ

働き方改革に伴い、企業には従業員の労働環境の改善や健康管理が強く求められています。

過度な残業はもちろんのこと、在宅ワークの導入やフレックスタイム制などワークライフバランスの改善が喫緊の課題です。

そんな中、バックオフィス業務はセキュリティレベルの高いシステムを利用することもあり、在宅ワークが導入しにくい環境にあると言えます。

そこで、RPAを導入すれば担当者は在宅ワークをしながら、RPAを遠隔で稼働させ対応することが可能になるため、労働環境の改善へ大きく貢献することができます。

そうすることで「残業時間の短縮」や「休日出勤」が減ることにより、ワークライフバランスの改善を図り、従業員の満足度アップに繋がります。

メリット⑥ 従業員の意識改革ができる

長年、同じ手順で実施されているバックオフィス業務について、問題なく作業はできているため、運用の効率化について検討する機会は少ないと思います。

しかし、RPAを導入すると「単純な作業」や「定型作業」を、スピーディーに対応できるため「他にもRPAに任せることができる業務はないか」と考えるようになります。

その結果、各部署で対応しているバックオフィス業務の中から、RPAに任せて効率化できるものを従業員が思案し検討するようになるため、効率化に向けた意識改革ができるようになります。

メリット⑦ 人が人にしかできないコア業務に注力できる

メリット①〜メリット⑥までの内容に紐づきますが、RPAを導入して業務効率化を実施し、大幅な業務削減や品質の向上を実現した結果、リソースを創出することが可能になります。

そのリソースを活用し、人にしかできない「クリエイティブな業務」や「売上に繋がるような業務」といった「会社としての競争力」をアップできる活動へと注力することができるようになります。

自動化できるバックオフィス業務の種類

自動化できるバックオフィス業務の種類

RPAは導入することで、さまざまなメリットを得ることができます。

では、どんなバックオフィス業務に対してRPAを導入できるのでしょうか。

ポイントとしては「繰り返し」「定期的」「単純」といったキーワードに一致する業務に対し導入するのがおすすめで、大きな効果を発揮します。

以下に代表的な事例について、5つ挙げて解説します。

事例① 交通費精算のチェック

従業員がそれぞれ申請した内容について、問題ないかの確認作業でRPAを導入できます。

勤怠システムに対してRPAからアクセスできるように設定しておき、新規申請に対して必要な情報や領収書の添付などをチェックし、問題があれば不備内容を記載したメールを送信するところまで自動化することができます。

事例② 労働時間超過者のチェック

全社員の勤怠を確認するのは大変手間のかかる作業です。

しかし、RPAで勤怠システムにアクセスし「あらかじめチェックする項目を設定」しておけば、その設定値に違反している従業員をピックアップし、該当者に向けて通知メールを送信したり、Excelなどにまとめ管理者に通知することも可能になります。

事例③ 各種レポート作成

レポートを作成する時は、いろんなシステムや部署のフォルダからインプットとなるデータを取得し、自部署の提出用のファイルにまとめて分析し提出するといった流れになると思いますが、RPAを導入すればインプットとなる情報集めを自動化することが可能です。

また、人がデータを使って分析する部分についても、一定のルールを設定できるのであれば自動化することができます。

事例④ 伝票や請求書のデータ入力

現状であれば、人が伝票などのデータを見ながら手入力で経費精算システムへの入力を実施しているケースが多いと思いますが、RPAを導入するとシステムへのデータ入力を自動化することができます。

また、伝票などが手書きデータだった場合は、別のOCR(オーシーアール、光学的文字認識)という技術が必要ですが、データを読み込みシステム入力することも可能になります。

OCRとは

OCRは、Optical Character Readerの略で、日本語では光学的文字認識と言います。画像データのテキスト部分(手書き)を認識し、RPAが扱えるような文字データに変換する技術のことです。

事例⑤ 社内の設備や備品の在庫管理

社内の設備や備品の管理については、常に確認が必要な業務ではなく期末や必要に応じて実施される作業です。

そんな作業にRPAを導入すると、物理的な数のカウントは人の手が必要なケースもありますが、閾値を決めておけば補充タイミングを通知することもできますし、最新の在庫状況を常にみることが可能になります。

RPA導入により、業務効率化が成功した事例3選

RPA導入により、業務効率化が成功した事例3選

次は、RPA導入により「業務効率化」に成功した事例について3つ挙げて解説します。

事例① POSデータのダウンロード処理を自動化

飲料を取り扱っている会社で、POSデータ(どのような商品がどの時間帯に売れたのかといったデータ)を、専用のシステムにログインしてダウンロードし、売り場づくりの提案や自社商品の開発などに生かしていました。

しかし、POSデータをダウンロードするには情報量が多く、データによっては数分〜1時間かかり、しかも複数のデータダウンロードが必要で、その時間と労力が大きな課題となっていました。

そこで、RPAを導入しシステムへのログインからデータのダウンロード処理までを自動化することにより、労働時間の削減効果は年間約5700時間となりました。

また、今までは時間がかかるためにあきらめていたダウンロードの頻度を、1週簡に1度から毎日ダウンロードができるように改善されました。

事例② 作業母数の多い業務を自動化して大幅な削減効果

不動産関連の諸事業を展開する会社で、市場の状況や社内の業務効率化推進のために、RPAを導入しました。

中でも、エレベーター点検や植栽の手入れなどを協力会社に依頼する際の連絡業務については、連絡対象となる協力会社の数が多いこともあり、工数がかかっていました。

そこへ、RPAを導入し連絡用帳票のPDFを社内システムからダウンロードして、メールに添付する作業などの自動化を実現し、年間2,250時間相当の余力を創出することができました。

事例① 時間効率で年間約1100万円の削減効果

無添加化粧品などの製造販売を手がける会社で、従業員たちのリソースを創出し経営理念を実現するためには、業務効率化が必要と感じRPAツールを導入しました。

「人が介在する定型作業を減らす」という目的のもと、200店舗分の「商品のWeb予約データ集計と伝票作成」や「複数のシステム間で必要となるデータ連携および転記」といった製造・流通・販売の各段階にて、RPAを導入し約200体のソフトウェアロボットが稼働しています。

効果としては、年6,700時間相当の効率化を達成したことや、ミスの低減など副次的な効果も生み出し全体の業務効率化へと繋げることができ、当初の目的であったリソースの創出に成功しています。

記事まとめ

記事まとめ

今回の記事では、バックオフィス業務にRPAを導入するメリットや、相性が良い業務の事例について解説をしました。

社内の根幹的な業務であるバックオフィス業務に対し、RPAを導入することで大きな効果を発揮し、さまざまなメリットを得られます。

近年の働き方改革やDX推進といった世間の流れから、何か対応をしなければと感じている担当者の方も多くおられると思います。

本記事を参考にしていただき、業務効率化の一助になれば幸いです。

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