事務作業などの定型業務自動化を可能にするRPA。
その特性から、経理部門の業務負担を軽減するのを得意としていると有名ですが、実は営業部門でもRPA導入する企業が増えています。
一方で、営業部門ではどのようにRPAを活用するのか分からず、導入に至っていない企業も少なくありません。
同様の悩みを抱えている方のため、本記事では、営業部門でのRPA活用事例や導入のメリット、成功のための注意点について解説します。
スモールスタートにもおすすめなRPAも紹介しているので、参考になりましたら幸いです。
営業部門の主な業務内容
まずは、営業部門の業務内容は、企業や業種、商品・サービスの性質によって、具体的な内容や優先順位が変わることもあります。
ここでは、大まかな業務内容を3つのポイントに分けて解説していきます。
顧客対応とリレーションシップ構築
営業の根幹となるのが、顧客との関係構築です。
新規の顧客獲得活動では、アポイントメントの取得、商品・サービスのプレゼンテーションなど。
既存の顧客とは、良好な関係の維持・深化を目的としたフォローアップが含まれます。
良好なリレーションシップの維持は、長期的な取引の基盤となる大切な業務です。
情報収集と市場分析
2つ目の業務内容は、情報収集と市場分析です。
営業部門は、市場の動向、競合他社の動き、顧客のニーズやフィードバックなどの情報を収集し分析する役割も担います。
これにより、自社の商品やサービスのポジショニングを適切に行い、戦略的な提案や改善策の検討が可能となるのです。
商談とクロージング
最後には、どんなビジネスでも欠かせない商談とクロージングです。
商談とクロージングとは、商品やサービスの提案を行った後、実際に契約に至るまでのプロセスのことを指します。
主に顧客の質問に答えたり、懸念点をクリアにするなどして、取引を成立させるための交渉を行います。
このフェーズでの技術やスキルが、直接的に売上に影響を与えるため、非常に重要な業務です。
未だ解決されていない営業の課題
続いて、未だに多くの営業部門が抱えている課題について解説します。
事務作業に追われ顧客対応が疎かに
1番多く上げられる課題は、情報収集やレポート作成などの事務作業に時間を取られてしまい、肝心な顧客対応が疎かになってしまうということです。
このような状況になってしまう大きな原因に、実際の営業活動以外での業務が多いことが挙げられます。
営業部門は、営業活動以外に契約書の作成や顧客情報の管理・報告書の作成など、事務作業も並行して行う必要があります。
しかし、営業担当者が事務作業に追われてしまっては、新規顧客獲得の機会を逃してしまう可能性が高まってしまいます。
更に、既存顧客の対応にも遅れが生じ、今まで築き上げた信頼関係が崩れてしまうリスクも。
営業活動以外の業務は、別の担当者を配置することで、業務の効率化することが望ましいです。
人手不足で部門の横断が強いられる
別の従業員による営業部門のフォローをするのが理想だと述べましたが、ここでももう1つの課題が発生します。
というのも、これは国内全体が陥っている課題でもある、労働人口不足です。
特に、中小企業などの少数精鋭で経営している企業で営業体制を整えるのはかなり難しく、部門を横断して業務を行うことを強いられている企業も多く存在します。
人手不足な状態で営業活動以外の業務も行えば、当たり前のように業務効率や顧客満足度が低下しやすくなります。
また、クライアントとの関係が悪化するだけでなく、長時間労働により退職率が高まったりと、社員との関係性も含め悪循環に陥ってしまう可能性も。
上記のような課題を抱えている企業は、RPAで業務を自動化するなどして、業務効率を上げることをおすすめします。
営業にRPAを導入するメリットとは?
上記課題解決におすすめのRPAを導入することによって、どのような効果を期待できるのか、メリットを3つ解説します。
事務作業の効率化・負担軽減
まずは、どの部門で導入しても得られるRPA活用のメリット、事務作業の効率化やその負担軽減です。
営業マンでなくても、単純な作業を繰り返してたら、想像以上の時間がかかってしまったという経験がある方は、多くいるのではないでしょうか。
そこでRPAを導入して、見積書や契約書の作成などの事務作業を自動化することで、業務負担を軽減することができます。
また営業部門では、今まで定型業務にかけていた労働時間を顧客対応などの人にしかできない業務に充てることで、クライアントとの良好な関係を作りやすくなるというメリットもあります。
対応スピード・質の向上
RPAは、事務作業を自動化し負担を軽減してくれるだけではなく、顧客対応スピードや質の向上にも貢献してくれます。
というのも、顧客からの連絡全てを営業部門が担当している場合、チャット対応のみで膨大な時間がかかってしまいます。
この電子での顧客対応も、チャットボットや自動音声などを活用することによって、RPAが自動でより迅速に対応してくれます。
更に、顧客からの問い合わせにRPAを活用すると、24時間365日人よりも正確に対応してくれるため、業務品質の向上にもつながるでしょう。
顧客からの信頼度アップ
前述の通り、RPA導入によって営業部門の事務的な負担を軽減し、人的ミスをなくすことで、より多くの時間を顧客対応や新規顧客開拓に活用できるようになります。
それらの業務に集中できるようになると、顧客からの信頼度が上がりやすくなり、営業成績アップも期待できます。
営業部門でのRPA活用事例を5つ紹介
営業部門にRPA導入するメリットを理解したところで、具体的にどのような業務をRPAで自動化できるのかどうか、5つの事例をご紹介いたします。
事例①:見積書・請求書の作成の自動化
1つ目のRPA導入事例は、見積書や請求書作成の自動化です。
営業部門の人も、経理のような事務作業をしなければなりません。
しかし、取引先の企業が増加するればするほど、それに比例して作成しなければならない書類も増えていきます。
そこで、RPAを活用することで上記作業を自動化でき、見積書であれば商品名・顧客名などの最小限の項目のみ手動で入力するだけで、素早く書類作成ができます。
また、請求書の作成業務は、毎月同様のものであれば顧客管理システムの情報をもとに、毎月自動作成することが可能です。
このようにRPAを活用することで、業務に余裕ができるだけでなく、請求書の作成漏れやヒューマンエラーも防げるようになります。
事例②:営業レポート・営業日報の作成自動化
営業部門でのRPA導入事例2つ目は、営業レポートや日報の作成自動化です。
営業レポートでは、商品やサービスの導入効果などのパターンが同じであれば、自動化することができます。
他にも、営業資料に必要な情報を取得して、レポートの作成やパワーポイントの資料作成も自動化するといったRPAの活用方法もあります。
営業日報とは、営業担当者が毎日どのような営業活用を行い、どんな成果を得られたかをまとめた報告書のこと。
その日の業務内容をまとめてるだけとはいえ、成果報告は給与に大きく影響がでる企業もあり、立派な業務の一つです。
この営業日報作成はRPAを導入することで、顧客訪問情報や商談内容などを自動で収集して日報フォーマットに自動入力させることができます。
1日の最後の業務を自動化できることで、精神的負担も軽減されらせられるといったメリットも。
事例③:メール送受信の自動化
3つ目は、営業部門の日常業務として欠かせないメール送受信にRPAを導入する事例です。
メール業務は、営業部門の欠かせない事務作業の1つです。
対面ではないものの、顧客からのお問合せ、情報提供、アポイントメント調整などの作業は、は良いリレーションシップに多大な影響を与えます。
しかし、メール対応だけで何時間と多くの時間がかかることも。
そのため、定型的な内容のメール作成や返信にRPAを導入することで、自動化が可能になるのです。
例えば、顧客からの同じような内容の問い合わせに対して、予め設定されたテンプレートを用いて迅速に返信することができます。/p>
また、新製品の情報提供やキャンペーンの告知など、一斉に多くの顧客に向けて送るメールも、RPAを活用することで一括送信の手間を大幅に削減。
さらに、メールの受信内容に応じて自動的にデータベースに情報を入力したり、他の業務ソフトとの連携を図ることも可能です。
これにより、営業担当者はメール対応の手間を減らし、より付加価値の高い業務に専念することができます。
RPAの導入によるメールの送受信の自動化は、営業部門の業務効率を大きく向上させる有望な取り組みといえるでしょう。
事例④:SFAとの連携でルーチン作業自動化
営業活動をサポートするツールとして、SFA(Sales Force Automation)は多くの企業で導入されています。
SFAは、営業活動をサポートするためのツールで、顧客情報の管理、アポイントメントのスケジューリング、商談の履歴などを一元管理することができます。
しかし、SFAを使いこなすための日常的なルーチン作業が、営業担当者の負担となることも少なくありません。
そこでRPA導入と同時にSFAと連携させることで、さらなる業務効率化を期待できます。
例えば、営業担当者が取引先から受け取った名刺情報をスキャンするだけで、RPAが自動的にSFAにデータを入力。
また、SFA内の情報を基に、次回の顧客訪問やフォローアップのスケジュールを自動的に組む、営業戦略に基づいたタスクの優先順位を自動設定するといった応用も考えられます。
RPAとSFAの連携により、営業担当者は単純作業から解放され、より価値のある営業活動に専念できるようになります。
さらにSFAに溜まったデータを解析すれば、トップ営業マンの活動パターンが可視化されるため、営業部全体のスキルアップにつなげることも可能です。
事例⑤:情報収集・データ解析の自動化
営業担当者は、日々競合他社や最新トレンドの分析を行ったり、インターネット上のニュースサイトや業界関連のウェブサイトから情報収集などを行う必要があります。
これらの作業はどれも多くの時間を要しますが、RPAのスクレイピング機能を活用することで、膨大なデータ収集や分析までも自動化させることができるのです。
スクレイピングとは、Webサイト上のデータを収集して、編集・加工できる状態にする機能のことを指します。
具体例をあげると、売上データや顧客の購買履歴をもとにした市場の動向や顧客のニーズの変化を自動で分析し、レポートとして出力するといった業務もRPAに任せられます。
また、毎月の売り上げデータや顧客情報の集計・分析にもRPAを導入することで、改善点が明確に。
このように、RPAの導入により情報収集からデータ解析までの一連の流れが自動化されることで、営業部門はより迅速かつ的確な判断を下すことができるでしょう。
RPA導入成功のための注意点を解説
RPA導入することで、営業部門に与える効果はご理解いただけたでしょうか?
次にRPA導入を考えている方のため、導入に失敗しないための注意点をわかりやすく解説します。
自動化したい業務内容に最適なRPAを選択
RPA導入の前に、自動化したい業務内容に最適なRPAを比較・検討する必要があります。
そのためには、以下の3つの手順を追うことをおすすめします。
- 業務内容の可視化
- ITリテラシーにあったルーツの選択
- 既存システムとの連携が可能か確認
1. 業務内容の可視化
まずは、RPAを導入してどんな業務が自動化できるのか洗い出しましょう。
そのためには、自動化したい業務の手順をわかりやすく示した流れ、業務フローを作成することで業務内容の可視化をします。
これによって費用対効果も確認しやすく、どのくらいの予算内でRPAを導入する必要があるかもわかりやすくなります。
また、近年は数多くのRPAが開発されており、それぞれ得意としている業務なども異なるため、自動化したい業務にあったRPAツールを選択することをおすすめします。
2. ITリテラシーにあったツール・ベンダーの選択
続いて、ITリテラシーに合ったRPAツールやベンダーの選択です。
というのも、RPAツールによってパソコンの操作画面を録画することで自動化ができる初心者向けのツールや、プログラミング言語を活用して規模を拡大できるIT知識を持っている方向けのものがあります。
更に、ベンダーによってRPA操作勉強会やチャット・メールサポートが無料でついてくるものや、有料でハンズオンサポートといった手厚いサポートが受けられるベンダーも。
そのため、RPA操作する予定の従業員の知識や経験レベル、自動化したい業務の規模にも合わせてRPAツール・ベンダーを選択する必要があります。
3. 既存システムとの連携が可能か確認
最後に、活用したいRPAツールと既存システムの連携ができるかどうかの確認も欠かせません。
各企業の営業部門では、独自のシステムやSFAなど、異なるソフトやアプリで運用していることでしょう。
ただし、ここで気をつけなければならないのが、RPAが対応していないシステム・ソフトが存在するということです。
RPA導入後に、うちのソフトには活用できなかったという事態を避けるためにも、活用したいツールに対応しているかどうかの確認は怠らないようにしましょう。
現場で積極的にRPA活用
RPAツールの比較・検討を終え、導入したら現場でも積極的に活用することを心がけましょう。
なぜなら、RPA導入時はITやプログラミングの知識を持った従業員がメインでRPA担当者とする企業がほとんどだからです。
しかし、これで問題となるのが、営業部門にRPAを導入した際、実際にRPA運用を行うのは営業担当者のため、結局使い方が分からず、RPA担当者を頼らざる終えない状況になってしまうのです。
このような状況に陥ると、RPA担当者も営業担当者どちらとも二度手間となってしまい、業務効率化のために導入したはずのRPAツールが逆効果になってしまいます。
そのため、一早現場でもRPAを活用し、現場の営業担当の方もRPAツールを活用できる環境を作っていくことが大切です。
これらも考慮した上で、RPAツールの選択で前述したようにUI・UXが簡単でサポート体制の手厚いRPAを選択する必要があります。
RPAのブラックボックス化に注意
RPA導入時にもう1つ気をつけたいのは、業務のブラックボックス化です。
ブラックボックス化とは、名前の通り黒い箱の中で業務が行われているかのように、業務内容・手順などが分からなくなってしまう状況のことをいいます。
これらは主に、担当者が退職・転勤になった際に起こりやすく、RPAの活用は疎か、トラブル発生時の対応方法すら不明な状況になりかねません。
このブラックボックス化を避けるためにも、RPA導入時は可能な限り多くの従業員がRPAに触れたり、定期的に社内でのRPA勉強会など、RPAに関する理解を深める機会を作ることをおすすめします。
また、RPAを運用する営業担当者が業務フローなどにまとめるなどして、他の担当者が見ても理解できるような管理体制を整えましょう。
スモールスタート
最後にもう1つ、RPA導入時に心がけて欲しいのが、スモールスタートから規模の拡大をしていくことです。
当然ながら、一度に全ての営業業務を自動化しようとすれば、RPA導入の負担が大きくなり思うような効果を得られなかったという失敗事例もあります。
そのため、初めは焦らずに容易な業務から導入し、テスト感覚で実際にどんな効果が得られたか確認しながら、拡大していくことで確実かつ低リスクで最大限の導入効果を期待できます。
スモールスタートなら【MICHIRU RPA】がおすすめ
スモールスタートにおすすめなツールといえば、株式会社MICHIRUのRPAです。
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また、プログラミング言語の知識がない人でも扱いやすい、画面録画を活用しているため、RPA初心者でも安心して導入できます。
更にUI・UXが分かりやすいだけでなく、無料でオンライン操作勉強会やFAQ、メール・チャット対応など、手厚いサポートも。
スモールスタートから始めても、プログラミング知識のあるひとであればコーディングを活用して更に規模を拡大できるため、RPA導入の効果を最大限に引き出せるようになっています。
記事まとめ
本記事では、営業部門にRPAを導入するメリットや活用事例、導入の際の注意点について解説しました。
営業にRPAを活用することで、主に事務作業の効率化や負担軽減、対応スピードと質の向上といったメリットがあり、顧客満足度アップを期待できます。
営業部門ではRPA導入することで、顧客対応以外の見積書や請求書、日報の作成、メール送受信などにかかっていた時間を大幅に削減することができます。
また、RPAのスクレイピング機能を活用したり、SFAと連携させることで、営業成績の向上が可能に。
ただし、RPAもリスクがゼロというわけではないので、注意点で記載した内容も視野にいれて、最適なRPAツールを選択しましょう。
RPA導入失敗のリスクを軽減するために大切なスモールスタートがしやすい「MICHIRU RPA」についても紹介したので、ぜひ参考にしてみてください。