RPAの導入で業務改善した成功事例について詳しく解説！

近年、多くの企業では、働き方改革を目的として、業務改善を促進すべく、RPAの導入を進めています。

RPAは、時間と労力を要する定型業務の自動化が可能なので、企業の生産性向上や人材不足に貢献すると期待されています。

そこで、本記事では、業務改善ができるRPAについて、詳しく解説していきます。

後半には、RPAの導入で業務改善が成功した事例もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

業務改善ができるRPAとは

RPAとは、Robotic Process Automation（ロボティック・プロセス・オートメーション）の略で、人間がパソコン上で行っている定型業務を自動化する技術です。

RPAは、プログラミング知識が不要なツールも多く、業務効率化・人的ミスの削減・人手不足解消など、多方面での業務改善に役立つため、幅広い業界で導入が進んでいます。

RPAの種類

RPAは、デスクトップ型・クラウド型・サーバー型の3種類が存在しており、種類ごとに特徴や用途が異なります。

以下は、業務改善に効果的なRPAの比較表です。

	デスクトップ型	クラウド型	サーバー型
特徴	PCごとに個別で実行	クラウド環境での実行	サーバー上で実行
利点	導入と運用のしやすさ	高いスケーラビリティ	一元管理による統制強化
用途	単一業務の自動化	部門横断での業務自動化	全社規模での業務効率化
導入コスト	低コスト	中コスト	高コスト

RPAのクラス

RPAのクラスは、クラス1からクラス3まで存在しており、クラスごとに自動化できる範囲が異なります。

以下は、業務改善に効果的なRPAのクラス比較表です。

クラス１	RPA（Robotic Process Automation）	定型業務の自動化
クラス２	EPA（Enhanced Process Automation）	非定型業務の自動化
クラス３	CA（Cognitive Automation）	意思決定までを自動化

RPAが得意なこと

RPAが得意なことは、ワークフローがルール化（明確化）されており、繰り返し行っている業務です。

以下は、企業の業務改善に向けて、RPAの導入メリットを感じやすい業務です。

RPAの導入で業務改善した成功事例

ここまでは、業務改善ができるRPAについて、詳しく解説してきました。

ここからは、RPAの導入で業務改善した事例をご紹介していきます。

活用事例1：精算業務

精算業務は、作業が手順化しやすいため、RPAを使った業務改善に向いています。

たとえば、交通費の経費精算業務は、担当者が運賃と申請金額に相違ないかチェックする必要があり、件数が多いときはかなりの負担になります。

しかし、RPAを導入した場合は、申請してきた交通費の確認から、メール連絡までの過程をすべて自動化できるため、大幅な作業時間の短縮と、業務改善を図ることができます。

活用事例2：売上集計の報告

売上集計の報告業務は、RPAを活用した業務改善に適しています。

なぜなら、売上の集計は、複数のECサイトやPOSシステムからデータを取得してくるため、手順化されていることから、RPAでの業務改善がしやすいからです。

また、RPAは、データ集計の自動化だけではなく、日次、週次、月次などの集計レポートを作成したり、集計結果の異常検知も効率化できるため、業務を一元的に管理できます。

活用事例3：入金消込作業

入金の消込作業は、金銭に関わる重要な業務でありながら、手作業に頼っている部分も多く、手間のかかる業務です。

しかし、RPAを導入した場合は、数人で対応していた消込業務を自動化できるため、大幅な業務改善に繋がります。

また、消込作業は、どんなに熟練した担当者でも、集中力の低下や慣れから、人的ミスを起こしやすいですが、RPAを活用することで正確に処理できるため、業務改善を実現できます。

活用事例4：在庫管理業務

在庫管理業務は、機会損失の防止などに繋がる重要な業務ですが、在庫状況のチェックや、在庫データの分析など、労力のかかる業務でもあります。

しかし、RPAを導入した場合は、在庫管理システムにデータ投入したり、在庫確認、関係者へのメール送信など、管理業務の自動化ができるため、業務改善を図ることが可能です。

担当者は、RPAにより業務改善を実現することで、在庫管理にかかっていた時間を、需要予測や販売機会の拡大検討といった「コア業務」に集中できるようになります。

活用事例5：問い合わせ対応

問い合わせ対応は、人が関与しなければならないプロセスが多いものの、定型的な作業も存在するため、RPAを活用した業務改善に向いています。

たとえば、顧客からのメールやフォームに届く質問は、人が1件ずつ返信していると、膨大な時間がかかりますが、RPAによって自動化することで業務改善できます。

また、他の活用事例としては、コールセンターなどで使用されるIVR（Interactive Voice Response・自動音声応答システム）とRPAを連携したケースです。

RPAは、IVRシステムから、品質管理に必要な通話ログや、架電数といったコール履歴を自動取得することができます。

管理担当者は、問い合わせスタッフの評価を行う際に、一からデータを準備する必要がなくなるため、顧客対応以外での業務改善も図れます。

活用事例6：データ登録作業

RPAは、一度に大量のデータを登録するような業務や、異なるシステムを横断したデータ登録などを自動化できるため、データ登録作業の業務改善に適しています。

データ登録作業の自動化は、担当者の精神的な負担を減らすだけではなく、削減された時間を活用し、より戦略的な業務に集中することが可能です。

活用事例7：メール配信業務

メール配信業務は、柔軟な対応が必要になるケースもありますが、月次や日次など、決まったタイミングで送信する定型的なメールであれば、RPAを活用した業務改善に向いています。

たとえば、月末の経費精算を促すような一斉メールは、宛先、タイトル、メール本文などが決まっているため、自動化することが可能です。

一斉メールの自動化は、業務にかかっていた時間が削減されるだけではなく、宛先間違いや、送信漏れといった人的ミスからも解放され、業務改善とともに精神的な負担も削減できます。

活用事例8：請求書の発行業務

請求書の発行業務は、作成やチェックに時間がかかったり、データ集計時にミスが発生するなど、さまざまな工程で時間がかかります。

しかし、RPAを導入した場合は、請求書の作成に限らず、会計システムへのデータ登録、内容チェック、依頼メールの送信、請求書の送付など、一元的に業務を自動化できます。

業務の自動化は、作業時間の短縮のみならず、繁忙期に人員を増員する必要がなくなるので、人的コストを削減できるといった業務改善も期待できます。

活用事例9：情報のシステム登録

情報のシステム登録は、さまざまな業務で発生するため、自動化することにより、大きな効果を得ることができます。

たとえば、不動産会社では、物件情報が追加された場合、自社管理の物件サイトを更新する必要がありますが、手作業で実施しているケースが多く、膨大な時間がかかっています。

しかし、RPAを導入した場合は、物件サイトへのログインから、物件情報の登録、完了メールの送信まで自動化できるので、大いに業務改善を行うことが可能です。

また、RPAは、24時間365日休みなく稼働することができるので、物件サイトの自動更新を、営業時間外に済ませられるメリットもあります。

そのため、担当者は、営業時間の開始とともに、更新された情報を活用して、業務を進められるので、タイムラグがなくコア業務に集中することができます。

RPAで業務改善する手順（進め方）

ここまでは、RPAの導入で業務改善した事例について、詳しく解説してきました。

ここからは、RPAで業務改善する手順（進め方）をご紹介していきます。

STEP1：現状分析

現状分析は、RPA導入の第一歩であり、自社が抱える業務課題を明確にするために、必要不可欠なステップです。

分析の方法としては、自社業務を可視化し、手作業が多く非効率な業務がないかなど、業務課題となっている箇所をピックアップする必要があります。

STEP2：自動化する業務を選定

次のステップでは、自動化したい業務を選定し、RPAでの業務改善に向いているかを見極めます。

業務選定のポイントとしては、STEP1で分析した内容に加えて、PRAを活用した自動化に向いているかを、最終ジャッジするという点です。

自動化する業務の選定は、これらのポイントを考慮することで、業務改善を効果的に進められます。

STEP3：業務フローの可視化・標準化

業務フローの可視化は、自社で対応している業務を、フローチャートなどを用いて、視覚的に理解しやすい形にすることです。

目的としては、業務フローを可視化することで、把握できていなかった非効率的な業務や、業務改善が必要な部分を客観的に確認するためです。

業務フローの可視化・標準化は、RPAに適した業務を選定しやすくなり、導入後の運用をスムーズにすることができます。

STEP4：RPAツールの選定

業務の可視化・標準化を実施した後は、RPAツールの選定を行います。

市場には、多くのRPAツールがリリースされているため、操作性・機能面・サポート体制の充実度・導入コストなどを比較しながら、慎重に選定していきます。

RPAを導入する際は、漠然としたイメージではなく、自社に必要な業務改善のイメージを固めた上で、ツールの選定を行う必要があります。

STEP5：RPAをトライアル

RPAツールを選定した後は、機能性や操作性を試すことができる「無料トライアル」を行います。

RPAのトライアルを利用する際は、ツールの導入後をイメージしながら、自社のシステムを使った自動化や、エラー発生時のサポート体制などを見極めます。

STEP6：RPAを本格的に導入

RPAのトライアルが完了した後は、本格導入に向けて、契約などを行なっていきます。

また、導入初期は、すべての業務を一気に自動化するのではなく、影響の少ない業務からスモールスタートで始め、動作や効果を適宜確認しながら、業務改善を拡大していきます。

まとめ

本記事では、業務改善ができるRPAについてや、業務改善が成功した事例をご紹介してきました。

RPAは、時間と労力を要する定型業務を自動化できるので、会社組織としての生産性を向上させたり、人材不足を補うことができます。

業務改善について検討する際は、RPAの導入事例を参考にしながら、自社業務に適したツールを選んでみてはかがでしょうか？

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