RPAは、定型業務を自動化するツールとして注目されていますが、自動化「できること」と「できないこと」があるため、正しく理解しておかないと、導入効果を得られないことがあります。
本記事では、RPAで業務を自動化「できること」と「できないこと」について、具体例を交えながら、詳しくご紹介していきます。
RPAの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
RPAでできること・RPAでできないこと一覧
ここでは、RPAで自動化「できること」と「できないこと」の一部を簡単にまとめました。
RPAで自動化できること | RPAで自動化でできないこと |
---|---|
データ入力 | 判断が必要な業務 |
請求書の発行 | 感情労働 |
勤怠情報の集計 | 臨機応変な対応が必要な業務 |
メールの送信 | ルールが曖昧な作業 |
レポートの作成 | パソコン以外の物理的な作業 |
Webサイトからの情報収集 | クリエイティブ業務(企画・デザインなど) |
ファイルの整理・移動 | 人との交渉 |
取引先リストの更新・転記 | 現場作業や紙ベースの処理 |
顧客情報の登録・更新 |
RPAでできることの具体例
RPAは、定型業務を自動化できるため、作業時間を大幅に削減し、人的ミスの防止や業務品質を向上することが可能です。
しかし、RPAには、できることとできないことがあるため、ツールを導入する前に、特性を理解しておく必要があります。
ここからは、RPAで「できることの具体例」について、詳しくご紹介していきます。
できること1:競合他社の価格調査
競合他社の価格調査は、RPAができることの一つで、指定したECサイトや比較サイトから、商品名・価格・在庫状況などを自動で取得します。
人が行う価格調査は、時間と労力がかかる一方、見間違いなどの人的ミスもありました。
しかし、RPAは、24時間稼働できるため、情報収集の頻度と網羅性が飛躍的に向上するので、最新の市場価格をリアルタイムで把握し、戦略的な価格設定が可能になります。
できること2:口コミの収集
口コミの収集は、RPAができることの一つで、指定したサイトから商品名・評価・コメントなどを定期的に抽出し、一覧にすることが可能です。
また、RPAは、キーワードや評価点を自動で分類することも可能なので、ネガティブな意見への迅速な対応ができます。
RPAによる口コミの収集は、業務効率化だけでなく、顧客満足度の可視化や、ブランド評価の改善にも繋がります。
- レビューサイト
- SNS
- ECサイト
できること3:レポートの作成
レポートの作成は、RPAができることの一つで、Excel・社内システム・Webツールなどからデータを取得し、指定フォーマットに沿って、レポートを作成することが可能です。
また、RPAは、スケジュールに基づいて、自動で定期的にレポートを作成・送信できるので、報告業務の抜け漏れ防止にも役立ちます。
レポートの自動作成は、業務効率化と共にレポートの精度を向上し、働き方改革の推進にも繋がります。
- 売上報告書
- 在庫レポート
- アクセス解析
できること4:勤怠管理(集計)
勤怠管理(集計)は、RPAができることの一つで、勤怠システムやタイムカードから自動でデータを収集し、給与計算や人事評価のレポートを正確かつ迅速に作成します。
また、RPAは、集計したデータを所定のフォーマットに整理して、自動送信することも可能なので、バックオフィス業務の負担を大幅に軽減します。
- 従業員の出退勤データ
- 休暇情報
- 残業時間
できること5:在庫管理
在庫管理は、RPAができることの一つで、倉庫や販売管理システムからデータを取得し、リアルタイムで在庫数を把握・集計することが可能です。
また、RPAは、在庫が一定数を下回った際に、自動で発注処理を行ったり、関係部署にアラート通知を送信することもできます。
RPAによる在庫管理は、適切な在庫量を維持できるため、機会損失の防止やコスト削減にも直結し、業務全体の効率化を推進します。
できること6:顧客情報の登録
顧客情報の登録は、RPAができることの一つで、Webフォーム・メール・Excelなどから顧客データを自動で抽出し、指定されたフォーマットで正確に登録することが可能です。
さらに、RPAは、登録完了の通知や、データの重複チェックにも対応しているので、業務品質の向上にも繋がります。
RPAの活用は、入力漏れや誤登録を削減するだけではなく、処理スピードが大幅に向上するため、人的リソースをより重要な業務に集中できます。
できること7:請求書の発行
請求書の発行は、RPAができることの一つで、売上データや取引情報を、基幹システムなどから自動で取得し、指定されたテンプレートに基づいて請求書を作成します。
さらに、RPAは、一連のプロセス(請求書のPDF化・メール送付・請求書データの保管・管理まで)を自動化することも可能です。
RPAの導入は、業務スピードと精度が向上するだけではなく、請求漏れや二重請求といったトラブルの防止にも繋がります。
できること8:入金消込
入金消込は、RPAができることの一つで、銀行口座の入金データを自動で取得し、会計システムやERPと連携して、照合処理を行うことが可能です。
また、RPAは、入金差異の抽出や、報告書の作成もできるので、経理担当者の業務負担を大幅に削減します。
入金消込の自動化は、日常業務の効率化だけではなく、月次・年次決算業務の短略化にも貢献します。
できること9:問い合わせ対応
問い合わせ対応は、RPAができることの一つで、問い合わせ内容を自動で取得・分類したり、CRMやFAQシステムと連携して、過去の対応履歴を参照した処理もできます。
また、定型的な問い合わせには、テンプレートを用いて、自動返信することも可能です。
RPAは、問い合わせ担当者への通知や、エスカレーション(引き継ぎ)も自動化できるので、業務フローがスムーズに行えます。
できること10:メール配信
メール配信は、RPAができることの一つで、指定のタイミングで、特定の顧客や部署宛に、テンプレートに沿ったメールを送信することが可能です。
また、RPAは、送信先リストの抽出をはじめとし、本文の入力・ファイル添付・送信後の記録保存も行えます。
各企業では、人的ミスの防止と業務効率化を実現するだけではなく、配信ログの管理なども自動処理できるため、アフターフォローの強化にも繋がります。
- 社内外への定期連絡
- キャンペーンの案内
- 請求書の送付
できること11:データ入力
データ入力は、RPAができることの一つで、Webフォームなどから取得したデータを自動で抽出し、所定のフォーマットに従って、正確かつ迅速に入力(登録)することが可能です。
そのため、RPAの活用は、作業時間を大幅に削減するだけでなく、入力ミスや入力漏れも最小限に抑えられます。
- 顧客情報
- 売上データ
- 受発注情報
できること12:労務管理
労務管理は、RPAができることの一つで、各種申請情報の取得・社内システムへのデータ登録・行政書類の作成などを自動化します。
また、RPAは、定期的なチェック作業・リマインドメールの送信・帳票出力も自動化できるため、正確かつ迅速な処理が可能です。
- 社会保険の手続き
- 入退社の処理
- 有給休暇の管理
- 勤怠情報との連携
できること13:リストの転記
リストの転記は、RPAができることの一つで、特定の条件に基づいてリストを読み取り、必要な項目だけを抽出して、別のファイルや業務システムに転記することが可能です。
また、RPAは、複数のファイルをまたぐ集計や、特定フォーマットへの変換処理もできるため、業務スピードの向上と人的ミスを削減します。
- Excel
- CSVファイル
- 社内システムのデータ
できること14:システム登録
システム登録は、RPAができることの一つで、Excel・CSV・メールなどから取得したデータを、正確に登録することが可能です。
RPAは、複数の部署で、異なるシステムに転記する場合でも、定められたルール(業務フロー)があれば、一括で処理できます。
また、RPAは、登録完了後の確認メールや、ログの保存といった後処理も行えるので、作業の透明性と信頼性が向上します。
- 新規顧客情報
- 商品データ
- 契約内容
RPAでできないことの具体例
ここまでは、RPAで「できることの具体例」を解説してきました。
RPAは、定型業務を自動化し、業務効率化やコスト削減に大きな効果をもたらしますが、すべての業務を自動化できるわけではありません。
ここからは、RPAで「できないことの具体例」について、詳しくご紹介していきます。
できないこと1:ルールを設定できない業務
RPAは、事前に設定した手順に従って作業を行うので、ルールを設定できない業務には対応できません。
そのため、RPAの導入を検討する際は、ルール化できる業務かを見極める必要があります。
- カスタマーサポート
- クリエイティブな業務
- 審査業務
- 日毎に変わる業務
- 経営判断
できないこと2:人の判断が必要な業務
RPAは、ルール化できる業務の自動化は可能ですが、人の判断が必要な業務には対応できません。
なぜなら、RPAは、あらかじめ設定された条件に従って業務を行うため、感情・価値観・総合的な判断が難しいからです。
RPAのメリットを最大化するには、適用範囲と限界を正しく理解する必要があります。
- 顧客の要望に応じた提案
- 採用面接での適性評価
- 契約条件の交渉
- マーケティング施策の選定
できないこと3:パソコン以外の業務
RPAは、パソコン上で行っている定型業務の自動化のみに対応しており、パソコン以外の業務には対応できません。
なぜなら、RPAは、ソフトウェアロボットなので、Windowsやブラウザ上でのクリック操作、データの転記・集計などを得意としているからです。
そのため、RPAを効果的に活用するには、自動化する業務が「パソコン上で完結している」必要があります。
- 製品の検品や梱包
- 書類の郵送
- 会議室の準備
まとめ
本記事では、RPAで「自動化できること」と「自動化できないこと」を、詳しく解説してきました。
RPAは、パソコン業務を自動化できますが、人の判断を求める業務や、パソコン以外の業務には適していません。
RPAの導入を検討する際は、本記事を参考にしながら「自動化できること」と「自動化できないこと」を理解した上で、自社に適したツールを検討してみてはいかがでしょうか?

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