RPAツールで「できること」と「できないこと」まとめ!効果的に業務自動化

万能のように感じるRPAにも「できること」と「できないこと」がある

RPAツールで「できること」と「できないこと」まとめ!効果的に業務自動化

RPA(Robotic Process Automation)ツールは、DX推進が必要な現代のビジネスにおいて効率化と生産性向上を追求する上で欠かせない存在となってきました。

RPAを導入することで、手作業で実施していたルーチン業務を自動化でき、従業員の「リソース創出」や「エラーの発生を低減する」ことができます。

そんな万能のように感じるRPAですが、実は「できること」と「できないこと」が存在します。

この記事では、RPAツールで「できること」と「できないこと」に焦点を当てて解説していきます。

RPAツールを理解することで自動化がイメージしやすくなり、業務効率化の活動も効率よく進むため、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次

そもそもRPAとは

そもそもRPAとは

RPAとは、各社が提供しているRPAツールを導入しビジネスプロセス(作業の流れ)を自動化することです。

少子高齢化が進むことで「生産年齢人口が減少傾向」にあり、その課題を解決すべく最先端のICT技術・デジタル技術の導入が注目されたことや、関連して政府が推し進めているDXも影響し、RPAを導入する企業が増えてきています。

RPAを導入する事で、業務効率化やコスト削減が可能となり、少子高齢化が進む中でも企業活動の生産性を向上させることが期待できます。

そんなデジタル技術の中でもRPAツールにはできることが多くあります。

手間のかかる単純作業をRPAで自動化することで大幅に時間が削減ができるので、従業員は人にしかできない「より生産性の高い」クリエイティブな仕事に時間をあてることが可能となりました。

また、RPAツールについてはノンプログラミングで導入できることが多く、今までよりも自動化の実現ハードルが下がったこともRPAが話題となった要因の一つです。

ただし、RPAには「できること」と「できないこと」が存在します。

RPA導入を効率よく導入を進めるためにも「できること」「できないこと」については把握しておく必要があります。

RPAで「できること」

RPAで「できること」

RPAが「できること」は基本的に人間がパソコン上で実施している作業を自動化することが得意です。

まずは、RPAができることを4つ挙げて解説します。

  1. ルールが決まっている業務の自動化
  2. 大量のデータを繰り返し処理するプロセスの自動化
  3. 複数のアプリケーションを横断するプロセスの自動化
  4. 時間外の対応が求められる業務の自動化

1.ルールが決まっている業務の自動化

RPAができることとして「人の判断が必要ない」ルールの決まっている単純作業の自動化が得意です。

例えば毎月実施する作業があった場合、処理対象ファイルに「当月の日付が必ず末尾に付いている」ということが決まっているのであれば、RPAツールで自動化ができます。

ただし作業タイミングによって日付が付いていたり、付いていなかったりする場合はRPAではできないことになります。

2.大量のデータを繰り返し処理するプロセスの自動化

人手で実施するのに大量の時間がかかる繰り返しの処理も、RPAであれば自動化できることになります。

また、RPAは指定された業務プロセスを正確に実施するため、同じ作業を何度繰り返し実行しても正確性は変わらず品質の高いプロセス実行が行えます。

人であれば集中力や疲労などが影響してしまう場面も、RPAは生産性の高い作業が実施できます。

3.複数のアプリケーションを横断するプロセスの自動化

単体のアプリケーションのみで完結する作業もありますが、大抵は基幹システムとExcelファイルなど複数のアプリケーションを横断し、一つの作業が完結する作業が多いと思います。

RPAツールでできることとしては、さまざまな「アプリケーションの自動化に対応」しているため、一連の業務プロセスに対し「包括的」に自動化することが可能です。

ただし、アプリケーションがRPAツールに対応していない場合、包括的に自動化ができないことがあるため注意が必要です。

4.時間外の対応が求められる業務の自動化

人の場合は営業時間や営業日などで労働時間が決まっていますが、RPAツールであれば営業日関係なく24時間365日で稼働することが可能です。

RPAのこの特性を活かしてできることとしては、営業時間後も返答が必要なカスタマーサポートやメールの監視、システム状況の監視など時間外での対応が求められる業務プロセスの自動化が挙げられます。

自動化できる業務例を解説

自動化できる業務例を解説

ここまではRPAで「できること」について解説してきました。

では、具体的にどんな業務プロセスを自動化することができるのでしょうか。

  1. 日次・週次・月次レポートの作成
  2. 従業員の勤怠管理
  3. 請求書などの発行
  4. 在庫のモニタリング・管理

上記、RPAが対処できること4つをそれぞれ解説していきます。

1.日次・週次・月次レポートの作成

レポート作成はあらかじめ決まったフォーマットに必要な数字を記載するケースが多いため、RPAツールを使用した業務効率化に向いています。

RPAでできることは指定された販売データ、在庫情報、収益データ、顧客情報などのデータをデータソース(データベース、エクセルファイル、基幹システムなど)から収集します。

そこから必要に応じて取得したデータを形式を変更し、指定されたレポートテンプレートに転記していきます。

また、必要に応じて分析のしやすいようにグラフを追加したり、担当者へレポートをメール送信したりもRPAができることです。

2.従業員の勤怠管理

日々、行う勤怠管理業務については処理頻度も高いですが、管理従業員数に比例して処理工数が増大していく業務プロセスのため、RPAツールの活用に向いています。

具体的には、自社で使用している勤怠管理システムからデータを収集し、必要なフォーマットに整形した上で予め設定している条件に従ってエラーチェックを実施します。

こういった処理をRPAに任せることで、算出ミスがなくなり正しい品質で管理が行えるようになります。

3.請求書などの発行

請求書の発行業務についても決まった請求書テンプレートへ必要な情報を転記し発行する定型作業のため、RPAでの処理に向いています。

これについて、具体的にRPAでできることとして、顧客データベース、注文データベース、在庫管理システムから請求に必要な顧客情報、商品/サービスの詳細、価格、数量、税金、支払い条件などの情報収集が挙げられます。

そこから、請求書のテンプレートファイルに取得した情報を転記しファイルを完成させます。

4.在庫のモニタリング・管理

WebサイトやECサイトを運営している場合、利益損失を防ぐために売れ行きの好不調についてはモニタリングし管理しておく必要があるため、時間に縛られずモニタリングができるRPAが向いています。

在庫管理アプリケーションにアクセスし、それぞれの製品に閾値を設け下回った場合はアラートを通知するなどが可能です。

RPAで「できないこと」

RPAで「できないこと」

RPAは、ルールで設定されたプロセスを自動化するのは得意ですが、逆にルールが定まっていないプロセスの自動化については「できないこと」になります。

  1. ルールが決まっていない業務プロセス
  2. 人の判断が必要な業務プロセス
  3. 複雑な分岐を必要とする業務プロセス
  4. ルールが変わりやすい業務プロセス

RPAで「できないこと」について、上記4つを解説します。

1.ルールが決まっていない業務プロセス

RPAはツールの特性上、事前にルールを設定しておく必要があります。

そのため、そのルールに定義されていない「イレギュラーな作業」「例外処理」「想定内だが定義していないエラー」などはRPAで対処できないことです。

そういったエラーが発生した場合は正常に稼働が出来なくなります。

2.人の判断が必要な業務プロセス

RPAは定義したルールに沿って処理を進めていくため、状況に合わせて「人が検討し処理内容を決定する」ような業務プロセスも、RPAでは対応できないことになります。

ただし、業務プロセスを可視化した際に人の判断が必要な箇所が一部なのであれば、RPAでできないことを以外の部分を自動化し効率化を図ることは可能です。

3.複雑な分岐を必要とする業務プロセス

明確なルールが定義されていても、複雑な分岐が必要となる業務プロセスの自動化は、RPAではできないことです。

例えば、ある処理結果がAと判定され、その後の分岐が10や20通り存在する業務があるとします。

RPAでルールを定義することは可能ですが、その分岐条件が変更された場合やプロセスが変更になった場合に、確認に時間がかかったり、定義したルールに誤りがあったとしても気づきにくかったりなど、メンテナンスに大幅なコストがかかります。

RPAで実現できる業務プロセスだとしても、現実的な運用には向いていないため「できないこと」になります。

4.ルールが変わりやすい業務プロセス

RPAで定義したシステムの仕様変更や、業務プロセスの変更などが頻繁に発生するような作業についても、RPAで自動化できないことになります。

保存する先のファイルパスが変更になる、ログインするためのパスワードを更新するなどについては考慮してRPA開発をすることが多いですが、システム画面の仕様が頻繁に変更されると定義したルール自体を変更する必要があるため、メンテナンスコストや手間を考えると現実的な運用には向いていないでしょう。

記事まとめ:「できること」と「できないこと」を理解して効果的に業務を自動化しよう

記事まとめ:「できること」と「できないこと」を理解して効果的に業務を自動化しよう

今回の記事では、RPAツールで「できること」と「できないこと」について、おすすめの業務事例も交えて解説しました。

RPAツールは業務効率化を図るうえで大変優秀なツールですが、「できること」と「できないこと」を把握せずに使いどころを間違えると上手く改善ができず効果が最大限に発揮できません。

また、無料ソフトはできないことが多い可能性があるため、注意が必要です。

これからRPA導入をする場合は「できること」と「できないこと」を理解し、目的が達成できる効果的な手順で自動化を目指しましょう。

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