データ入力は、作業に時間や手間がかかるため、人的ミスも起こしやすく、処理能力に差が生じる業務です。
そこで、本記事では、データ入力の自動化に向いている業務や、自動化するメリットを解説していきます。
後半には、業務を自動化する方法と、おすすめRPAツールもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
データ入力業務が抱える課題
データ入力は、一見シンプルですが、時間がかかったり、人的ミス・属人化といった問題を引き起こしやすい業務です。
ここからは、データ入力業務が抱える「代表的な課題」と「効果的な対処法」について、詳しく解説していきます。
作業効率が悪い
データ入力業務は、単純作業であるにも関わらず、労力を要するため、作業効率の悪さが大きな課題となっています。
特に、手入力が中心の場合は、人的ミスや作業時間(工数)の長さが問題となり、生産性の低下を引き起こします。
そこで、非効率なデータ入力業務を改善するには、RPA(定型業務を自動化する技術)やOCR(光学文字認識)などの「デジタルツール」が効果的です。
デジタルツールは、繰り返し発生する単純作業を自動化するため、作業時間を大幅に削減し、人的ミスの削減にも繋がります。
人的ミスを起こしやすい
データ入力業務は、シンプルに見える一方で、転記や数値の入力ミス、記入漏れなどが発生しやすく、間違いが重大な問題に繋がる可能性もあります。
特に、人的ミスの原因は、長時間のパソコン作業による「集中力低下」や「煩雑さ」などが挙げられ、業務全体の正確性や信頼性に影響してきます。
そこで、この課題を解決するには、正確かつ迅速にデータ処理を行う「自動化ツール」の導入が効果的です。
自動化ツールは、人間のように疲れることなく、24時間365日稼働できるので、生産性の向上と共に、人的ミスも削減します。
処理能力に個人差がある
データ入力業務は、担当者によって処理能力に個人差があるため、業務効率化の課題となっています。
入力スピードや正確性は、経験・スキルによっても異なるため、担当者によって処理スピードと品質に差が生じます。
処理スピードや品質の差は、業務全体の進行状況にムラを生じさせるため、生産性の低下・納期遅延の原因に繋がることもあります。
また、作業負担の不均衡は、従業員のストレスやモチベーションの低下を引き起こすので、根本的な対策が必要です。
一定の品質とスピードでデータ入力を行うには、処理能力に個人差を生じさせない「自動化ツール」の導入が効果的です。
データ入力の自動化に向いている業務
以下は、データ入力の自動化に向いている業務と、業務に対応している部署名をまとめた表です。
これらの業務は、定型化されており、ルール化しやすいため、RPAやOCRを活用した自動化に向いています。
部署名 | 自動化に向いている業務(一例) |
---|---|
総務部 | 勤怠データの入力 / 社員情報の登録 |
経理部 | 請求書・領収書データの入力 / 経費精算 |
営業部 | 顧客情報の登録 / 見積書の作成・入力 |
カスタマーサポート部 | 問い合わせ対応履歴の入力 / アンケートの集計 |
商品管理部 | 商品マスタの登録・更新 |
購買部 | 発注書・注文書のデータ入力 |
マーケティング部 | キャンペーン結果の集計 / リード情報の入力 |
データ入力を自動化するメリット
ここまでは、データ入力の自動化に向いている業務一例と、部署名をご紹介してきました。
データ入力は、負担が大きい業務の一つで、人的ミスや処理スピードの個人差などが発生しています。
ここからは、データ入力を自動化する「主なメリット」について、わかりやすく解説していきます。
メリット1:作業時間を大幅に削減
手作業によるデータ入力は、一件一件の処理に時間がかかるため、他の業務に割くリソースが足らなくなることもあります。
そこで、各企業では、自動化ツールを導入することで、定型業務を正確かつ迅速に処理できます。
データ入力の自動化は、数時間かかっていた業務を、数分で完了することもできるので、作業時間の大幅な削減が可能です。
メリット2:人的ミスの削減
手作業によるデータ入力は、正確性を求められる業務ですが、人の手で行われるため、人的ミスを避けられません。
また、人的ミスは、業務の信頼性を損なうだけではなく、再作業やクレーム対応などへの負担にも繋がり、従業員にストレスを与えます。
そこで、各企業では、自動化ツールを導入することで、データ処理をルール(業務フロー)に従って行えるようになり、人的ミスを削減することが可能です。
メリット3:生産性の向上
手作業によるデータ入力は、単純業務である一方、担当者の作業時間を大きく消費します。
また、データの手入力は、生産性を下げるだけではなく、企業全体のパフォーマンス低下にも繋がりかねません。
そこで、各企業では、繰り返し行う入力業務を自動化することで、担当者が作業に追われることなく、より付加価値の高い業務に集中できるようになり、会社全体の生産性も向上します。
メリット4:属人化の解消
手作業によるデータ入力は、特定の社員しか対応できない「属人化」を引き起こしやすいです。
特に、ルールがマニュアル化されていない場合は、担当者が不在になると、業務が止まってしまったり、引き継ぎに時間がかかります。
そこで、属人化を解消するためには、誰か一人に依存することなく、標準化された業務フローを構築できる「データ入力の自動化」が最適です。
データ入力の自動化は、業務手順がシステム上に記録されるため、ナレッジの共有や引き継ぎもスムーズになり、人に依存しない仕組みを作れます。
データ入力を自動化する際のポイント
ここまでは、データ入力を自動化する「主なメリット」について、詳しくご紹介してきました。
データ入力の自動化は、業務効率化や人的ミスの防止など、多くのメリットがありますが、ポイントを押さえておかないと、混乱を招く可能性もあります。
ここからは、データ入力を自動化する際のポイントについて、わかりやすく解説していきます。
ポイント1:業務を可視化する
データ入力を自動化する際は、導入ステップの中でも「業務の可視化」が非常に重要です。
まず、業務を自動化するためには、どのようなフローでデータ入力しているのかを明確にし、業務全体を可視化しておく必要があります。
なぜなら、自動化ツールは、業務の全体像を把握せずに導入しても、期待するほどの効果が得られなかったり、逆に非効率な運用になるケースもあるからです。
業務を可視化する際は、フローチャートやチェックリストを作成し、入力項目・使用システム・作業頻度などを整理しておくと、自動化を必要とする箇所が見つけやすくなります。
ポイント2:判断が必要な業務を避ける
データ入力を自動化する際は、自動化に「向いている業務」と、自動化に「向いていない業務」を見極める必要があります。
なぜなら、人の判断が必要となる業務は、自動化に不向きなので、導入時に注意する必要があるからです。
データ入力の自動化に適しているのは、入力項目やルール(業務フロー)が明確に定義されており、人による判断不要な「定型業務」です。
- 請求書データの転記
- 顧客情報の登録
ポイント3:適切なツールを選定する
データ入力を自動化する際は、業務内容や目的に応じて、適切なツールを選定する必要があります。
なぜなら、自動化ソリューションには、RPA・OCR・AIなどがあり、実行できることや特徴が異なるからです。
加えて、自動化ツールには、それぞれ得意・不得意分野があり、適切な製品を選定しないと、効果が得られない「デメリット」もあります。
ポイント4:現場から理解を得る
データ入力を自動化する際は、スムーズに導入・定着させるためにも、現場担当者からの「理解」と「協力」を得る必要があります。
なぜなら、業務の自動化には、現場担当者からの「不安」がつきもので、導入をスムーズに行こなえないケースもあるからです。
そのため、現場には、丁寧なヒアリングを行い、業務にどのような課題があるのかを共有したうえで、自動化によるメリットを提示することが大切です。
また、ツールを活用する際には、運用担当者へのトレーニングや、サポート体制についても共有しておくと、現場からの理解を得やすくなります。
データ入力業務を自動化する方法
ここまでは、データ入力を自動化する際の「ポイント」について、詳しくご紹介してきました。
データ入力の自動化は、業務効率化を実現する「手段」ですが、業務内容によって、自動化する方法は異なります。
ここからは、データ入力業務を自動化する「方法」について、わかりやすく解説していきます。
RAPの導入
データ入力業務を自動化するには、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入が効果的です。
RPAは、ルーティン作業(定型業務)を人間の代わりに、ソフトウェアロボットが実行する技術で、大量のデータを扱う際に役立ちます。
例えば、RPAは、転記・データ登録・Webフォームの入力など、手作業で行っていた業務を自動化できるので、これまでの作業時間を大幅に削減したり、人的ミスを防げます。
また、RPAは、プログラミング知識不要のツールも多く、中小企業でも簡単に始められる点が魅力です。
OCRの導入
データ入力業務を自動化するには、紙書類やPDFなどのアナログ情報を効率的にデジタル化する「OCR(光学文字認識)」の導入が効果的です。
OCRは、スキャン画像や写真に写った文字を自動で読み取り、テキストデータに変換する技術を持っています。
そのため、OCRを導入した場合は、紙ベースの請求書・注文書・申込書などを、手作業で入力する必要がありません。
近年では、高精度なOCR技術「AI-OCR」が登場し、手書き文字やレイアウトが複雑な帳票にも対応可能です。
また、OCRとRPAを組み合わせれば、書類の読み取りからシステム登録までの流れを「完全自動化」することもできます。

AI-OCRの導入
AI-OCRは、従来のOCRでは対応が難しかった「手書き文字」や「非定型帳票」を高精度に処理できるため、高度なデータ入力を自動化する方法として注目されています。
特に、AI-OCRは、フォーマットが統一されていない文書からのデータ抽出も可能で、機械学習や自然言語処理を活用して、文字の「ゆがみ」と「表記の違い」も理解・補正できるため、正確なデータ入力を実現します。
また、AI-OCRは、RPAとの相性が良いため、双方を連携することにより、業務全体の効率化と人的ミスの削減に大きく貢献します。
エクセルのマクロを活用
データ入力業務の自動化には、Microsoft Officeのアプリケーションを自動化(拡張)する「マクロ(VBA)」の活用も効果的です。
マクロは、RPAと同じく、繰り返し行う作業を自動化できる機能で、複雑なデータ処理やデータ入力を素早く完了します。
しかし、マクロは、自動化の範囲が「Microsoft Office」のアプリケーション(エクセル・ワードなど)のみに限定されているため、連携可能なシステムがありません。
また、注意点としては、ベンダーのサポート体制がなく、プログラミング知識も必要なので、ある程度のスキルが求められます。

AIチャットボットとRPAの連携
AIチャットボットとRPAの連携は、データ入力の自動化をさらに進化させる手段として、昨今注目されています。
AIチャットボットは、テキスト会話をリアルタイムで行う「チャット」と、ロボット(ボット)を組み合わせた言葉で、学習(設定)したルールに従って対応を行う「自動応答プログラム」です。
- 利用イメージ
-
従業員がチャットボットにメッセージを送信
→RPAがメッセージを受け取って勤怠管理システムに入力

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各企業は、AIチャットボットとRPAを連携することにより、問い合わせ対応の効率化と、データ入力の自動化を同時に達成できます。
AIチャットボットとRPAの連携は、社内業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも大きく貢献し、人的リソースの削減と業務品質の向上をもたらします。
データ入力を自動化できるおすすめRPAツール
ここまでは、データ入力業務を自動化する「方法」について、詳しく解説してきました。
ここからは、データ入力作業を自動化できる「おすすめRPAツール」をご紹介していきます。
MICHIRU RPA
画像出典:業務を自動化するRPAツール【MICHIRU RPA】
MICHIRU RPAは、ユーザーが普段行っているパソコン上の画面操作を「録画」することで、簡単に自動化のシナリオを作成できます。
そのため、ツールを導入する際は、専門的なプログラミングスキルがなくても、簡単に業務の自動化が可能です。
また、MICHIRU RPAは、独自開発の基幹システムにも対応しており、Windowsのタスクスケジューラと連携することで、指定した日時に自動処理を行えます。
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- 日本語と英語に対応
- 1ライセンス=同時編集5台・同時実行1台
- 純国産のRPAツール
- 充実のサポート体制
RoboTANGO
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RoboTANGOは、1ライセンスを複数のPCで共有できる「フローティングライセンス」を採用しており、離れた拠点でも有効的に利用できます。※同時利用は不可
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まとめ
本記事では、データ入力の自動化に向いている業務や、自動化するメリットの解説と共に、業務を自動化する「方法」と「おすすめRPAツール」について、詳しくご紹介してきました。
データ入力業務の自動化は、業務効率化と生産性向上を実現する上で、今や欠かせない取り組みとなっています。
自動化ツールは、RPA・OCR・AI-OCR・マクロ・AIチャットボットなど、さまざまな方法があり、自社の業務内容や規模に応じて、最適なものを選ぶことが重要です。
データ入力の自動化を検討する際は、本記事を参考にしながら、自社に合ったツールを検討してみてはいかがでしょうか?
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