現代の日本では労働人口が減少しつつあり、企業において業務効率の向上とコスト削減は至上の目標です。
こうした目標を支える手段のひとつがRPA(Robotic Process Automation、ロボティックプロセスオートメーション)です。
しかしRPAの導入、そして運用にはさまざまなコストが発生します。「できるだけ安くRPAを導入したい」とお考えの企業の方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、安いRPAツール5製品を紹介していきます。
あわせて、RPA導入・運用に伴う4種類のコストの解説や、無料で利用できる3つのRPAツールも紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
導入・運用にかかるコストの種類
RPAの導入・運用にかかるコストとして以下の4種類があります。
- 初期費用(ライセンス料)
- 月額費用(ツール利用料)
- サポート・運用保守費用
- その他
初期費用と月額費用は基本的にどのRPAツールでも発生する料金ということを念頭に置いておきましょう。
上記4つのコストについて、それぞれ詳しく解説していきます。
初期費用(ライセンス料)
中には初期費用が無料のRPAツールもありますが、多くの場合、利用開始時に初期費用(ライセンス料)が発生します。
RPAツールには、ロボットが稼働する場所によって「クラウド型」「デスクトップ型」「サーバー型」の3種類の方があり、それぞれの初期費用の相場は以下のとおりです。
クラウド型 | 30万円~50万円 |
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デスクトップ型 | 0円~20万円 |
サーバー型 | 100万円~数千万円 |
月額費用(ツール利用料)
RPAツールによっては年額制の製品もありますが、基本的にはツール利用料である月額費用がかかります。
クラウド型、スクトップ型、サーバー型それぞれの月額費用の相場は以下のとおりです。
クラウド型 | 月額10万円~ |
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デスクトップ型 | 月額5万円~ |
サーバー型 | 月額30万円~120万円 |
サポート・運用保守費用
もし自社内に運用・保守のためのチーム体制が不十分な場合、これらの業務をベンダーに委託するか、他の企業に外部委託する必要が出てきます。
そのような場合、RPAツールのベンダーによるサポートには、導入支援から運用管理、開発支援などがあり、もちろん料金が発生します。
また操作手順の指導やトレーニング支援など、使用するRPAツールやサポートによって料金が異なる点にも注意が必要です。
上記のようなことから、サポートや運用保守を外部委託する場合には、自社の体制を考慮して、どの程度のサポートが必要かを検討するようにしましょう。
またベンダー以外への外部委託の場合は、RPAの運用サポートを専門とするコンサルタント会社や外部ベンダーのサービスを利用することをおすすめします。
その他
基本的にRPAは導入したらそれで終わりではなく、継続的に使用していくものです。
その上で、アップデート費用がかかるツールがあることはもちろん、サーバ型PRAを大規模展開する場合にはサーバーを新たに増設・構築することもあるでしょう。
サーバー構築は決して安いものではなく、それなりに費用がかかります。
このように、RPAは導入する際にのみ費用が発生するものではありません。
継続して使用していくためには月額の利用料をはじめ、ベンダーを導入する場合の外部委託やメンテナンス・アップデートなどといった管理費用がかかります。
これら費用とRPAに遂行させる対象業務の工数や、現在発生しているコストなどを鑑み、費用対効果をよく考慮したうえでツールを選定するようにしましょう。
導入・運用価格が安いRPAツール比較5選
ここでは、導入・運用費用が安いRPAツールを、初期費用と利用料をベースに5つご紹介します。
価格が安いRPAツール比較表
RPAツール名 | 初期費用 | 利用料 |
---|---|---|
EzRobot | 0円 | 50,000円/月 |
Robo-Pat DX | 0円 | フル(作成・実行)機能ロボ 120,000円/月 |
実行専用ロボ 40,000円/月 | ||
※2泊3日のレンタルRPAは19,800円 | ||
RaBit | 66,000円 | 10,450円/月 |
Autoジョブ名人 | 情報無し、要お問合せ | 開発版1年ライセンス600,000円/年 |
実行版1年ライセンス180,000円/年 | ||
MICHIRU RPA | 100,000円 | 50,000円/月 |
株式会社RPAソリューションズ「EzRobot」
株式会社RPAソリューションズが提供する「EzRobot」は、初期費用0円、月額5万円のRPAのツールです。
ユーザーではなくパソコンごとに1ライセンスが必要となる点が特徴的で、2台目以降からは月額4万円とお得に導入することができます。
Webブラウザをはじめ、MicrosoftOfficeなどのインストール型のアプリや自社システムなどあらゆるアプリケーションの自動化が可能です。
また操作方法やロボットシナリオの作成方法など、回数制限なしの無料サポートも充実しているため安心して導入できます。
初期費用 | 0円 |
---|---|
利用料 | 50,000円/月 |
サポートの有無 | あり |
公式サイト | https://ezrobot.biz/ |
株式会社FCEプロセス&テクノロジー「Robo-Pat DX」
株式会社FCEプロセス&テクノロジーが提供する「Robo-Pat DX」は初期費用0円で導入できるRPAツールです。
RPAにはフル(作成・実行)機能ロボと実行専用ロボの2種類があり、フル(作成・実行)機能ロボが月額12万円、実行専用ロボが月額4万円となります。
導入企業には専任の担当者が付き、カスタマーサクセスチームで無料のサポートを実施してくれます。
他にも2泊3日のレンタルRPAを提供しており、こちらは19,800円で利用可能です。
また、Robo-Pat DXには無料トライアルが用意されており、1か月間、3ライセンスでのトライアルが可能です。
この無料トライアル中にも、通常と同様のサポートを利用することができます。
初期費用 | 0円 |
---|---|
利用料 | フル(作成・実行)機能ロボ 120,000円/月 |
実行専用ロボ 40,000円/月 | |
※2泊3日のレンタルRPAは19,800円 | |
サポートの有無 | あり |
公式サイト | https://fce-pat.co.jp/ |
ラディックス株式会社「RaBit」
ラディックス株式会社のRPAツール「RaBit」はRPA業界で最安水準の月額10,450円で利用可能です。
ただし、RPA作成数により月額利用料が変動するため、まずはRPA作成数を洗い出してから問い合わせることをおすすめします。
初期費用は66,000円で、ヒアリングから実装、運用後のサポートまでラディックス株式会社の担当者が一貫してサポートしてくれます。
また導入後にエラーが発生した場合などのために、フリーダイヤルの電話サポートが用意されています。
初期費用 | 66,000円 |
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利用料 | 10,450円/月 |
サポートの有無 | あり |
公式サイト | https://rabit.radix.ad.jp/ |
ユーザックシステム株式会社「Autoジョブ名人」
ユーザックシステム株式会社のRPAツール「Autoジョブ名人」は、2020年7月1日より年間ライセンス体系で提供されています。
開発版と実行版の2種類が用意されており、開発版が年間60万円、実行版が年間18万円です。
実行版は「スクリプト実行機能」まで、開発版は「スクリプト開発機能、実行機能含む」までとなっており、RPAツールをより効果的に運用したい場合は開発版がおすすめです。
年間60万円となると大きな金額に感じますが、月50,000円と考えると低価格なRPAツールと言えます。
初期費用 | 情報無し、要お問合せ |
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利用料 | 開発版1年ライセンス600,000円/年 |
実行版1年ライセンス180,000円/年 | |
サポートの有無 | あり |
公式サイト | https://www.usknet.com/rpa/rpa_service/autojob/ |
株式会社MICHIRU「MICHIRU RPA」
株式会社MICHIRUの「MICHIRU RPA」は、デスクトップ型でセキュアなRPAツールです。
初期費用は10万円、利用料は月額5万円で提供されています。
作業内容や使い方に合わせたカスタマイズができるほか、各種問い合わせ対応やオンライン操作勉強会などサポートが充実しているため、初めてRPAを導入する企業にもおすすめのツールです。
初期費用 | 100,000円 |
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利用料 | 50,000円/月 |
サポートの有無 | あり |
公式サイト | https://michiru.co.jp/rpa-ad/ |
無料で使えるRPAツール3選
上記では有償のRPAの中でも比較的価格の安い製品を紹介しました。
ここでは、「本導入の前にRPAを使ってみたい」「導入コストを最低限まで抑えたい」とお考えの企業の方に向けて、完全無料で使用できるRPAツールを3つ紹介していきます。
無料RPAツール比較表
RPAツール名 | サポートの有無 |
---|---|
マクロマン | あり(別途見積り) |
Community Edition | あり(A-peopleで質問を投げる形でのみ受け付け) |
Power Automate for desktop | なし |
コクー株式会社「マクロマン」
まずご紹介するのは、コクー株式会社が提供している完全無料のRPAツール「マクロマン」です。
マクロマンは、ツール利用料完全無料で使用することができ、さらに利用人数の制限もありません。
無料でダウンロードでき、無料期間の縛りなしに全機能の利用が可能です。
ただし、利用にあたりサポートが必要な場合は別途見積りをもらう形になります。
サポートの有無 | あり(別途見積り) |
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公式サイト | https://www.macroman.jp/ |
Automation Anywhere「Community Edition」
世界でもトップレベルの人気を誇るAutomation AnywhereのRPAですが、「Community Edition」という無料版ツールも提供されています。
Community Editionでは有料版とほぼ同程度の機能が利用可能とされており、Automation Anywhereの有料版の導入をご検討中の場合にも使用しやすいツールと言えます。
ただし、Community Editionはスモールビジネス向けとされており、下記「スモールビジネス」に該当しない場合は導入することができません。
- (物理および仮想を含む) マシン台数が 250台未満
- ユーザー数が 250人未満
- 年間収益が500万ドル未満
サポートの有無 | あり(A-peopleで質問を投げる形でのみ受け付け) |
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公式サイト | https://www.automationanywhere.com/jp/products/enterprise/community-edition |
Microsoft「Power Automate for desktop」
Windowsのライセンスに含まれる「Power Automate for desktop」は、Microsoftが提供する無料のアプリケーションです。
このアプリケーションにはサポートが含まれないため、ビジネスクリティカルな用途での使用は難しいかもしれません。
Power Automate for desktop をビジネスクリティカルな用途で使用する場合は、サポートが含まれる適切なMicrosoft ライセンス購入をおすすめします。
対象となるプランは以下のとおりです。(※2022年11月時点)
- Power Automate per user plan with attended RPA
- Power Automate unattended RPA add-on(前提としてPower Automate per user with attended RPA または Power Automate per flow が必要)
- 従量課金制プラン
- Power Automate 試用版ライセンス
サポートの有無 | なし |
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公式サイト | https://powerautomate.microsoft.com/ja-jp/robotic-process-automation/ |
記事まとめ
この記事では、比較的安いRPAツール5製品を紹介しました。
低コストでRPAの活用を始めたい場合や、導入の前に使用感を試してみたい場合は、無料で利用できるRPAツールを利用してみるものおすすめです。
RPAを導入することによって、労働効率向上やコスト削減など大きなメリットを期待できますが、その際にはコストや自動化したい業務をよく考慮して最適なRPAツールを選ぶことが重要です。