人気メーカーが提供する、自動化ツール「RPA」の市場シェアランキング

RPAの市場シェアランキング

「業務自動化にRPAを取り入れたいけど、どのベンダー(メーカー)の製品を選べばいいかわからない…」

そんなお悩みをお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

昨今、RPA市場は拡大期にあり、様々なベンダー(メーカー)がRPAツールを発表しています。

ツール選びで失敗しないためには、まずは市場シェアの多いツールを比較検討するのがおすすめです。

そこで、この記事では人気ベンダー(メーカー)が提供するRPAツールの市場シェアランキングをご紹介。

それぞれのツールの概要や特徴についても詳しく解説していきます。

RPAのツール選びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

RPAの市場規模

RPAの市場規模

2020年における矢野経済研究所の調査によると、国内のRPA市場規模は堅調な右肩上がりとなっています。

RPA市場規模

2019年度のRPA市場規模は、事業者売上高ベースで529億7,000万円(前年度比56.7%増)。

アフターコロナでは省人化とコスト削減ニーズの高まりに対し、RPAの導入による業務自動化を検討する企業も増えています。

一方、コロナ禍で売り上げを伸ばし続ける企業にとっても、これまでの体制でより多くの利益を生むにはRPAの活用が有効です。

こうした背景から、国内のRPA市場規模は順調な拡大傾向にあります。

日本におけるRPAシェア

RPAのグローバル市場の4分の1は日本といわれているほど日本でRPAのブームが起きているのも事実です。

この背景には、RPAを導入しやすい製造業が日本に多いことや、非効率な業務が未だに多く残っていることなど、さまざまな要因が考えられます。

株式会社MM総研の「RPA国内利用動向調査2022」によれば、2022年9月時点で日本の年商50億円以上の企業では、社数ベース導入率は45%となり、半数近い企業が導入を完了していることがわかりました。

その一方で年商50億円未満では、導入率12%と低調ですが、RPAのベンダーが中小企業をターゲットにしたツールを発表したことから今後数年で普及期を迎えると想定されます。

人気ベンダー(メーカー)が提供する「RPAツール」シェアランキング

MM総研が2020年1月27日に発表した「RPA国内利用動向調査2020」によると、日本の大手企業におけるRPAツールのシェアは以下の通りです。

RPA国内利用動向調査2020

ここからは、人気ベンダー(メーカー)が提供する「RPAツール」シェアランキングにランクインした8つのRPAツールの製品概要についてご紹介します。

第1位:UiPath

UiPath

UiPathとは、ルーマニアで創業した世界的に有名なRPAソフトウェアベンダーであるUiPath社によって提供されている、世界的に有名なRPAツールです。
世界中で4,000社以上に導入されており、日本国内においても金融機関や自治体などを中心に1,000社以上で導入されています。

UiPathでは、個人として1つのアカウントから使用することもできますが、1,000台を超える大量のロボットを管理する大規模なアカウントまで使用が可能です。
また、GoogleやMicrosoftなどが提供している各種AIサービスとの連携も可能で高い拡張性を兼ね備えています。
そのため、自社の運用に即した形で柔軟にカスタマイズして利用することが可能です。

そして、UiPathはそのユーザーフリーな使用感においても高く評価されています。

UiPathでは、自動化に利用する部品のことを「アクティビティ」という名称で呼び、アクティビティにはマウスの操作やExcelに対して、豊富な操作性があります。
複数のアクティビティを組み合わせることで、高度な業務でも簡単に自動化できます。

海外の製品でありながら、日本語でのサポートが充実しているのも、国内ユーザーにとっては嬉しいポイントです。

料金体系 ・Free:無料
・Pro:420ドル~/月
・Enterprise:要問い合わせ
ラインナップ ・UiPath Studio
・UiPath Robots
・UiPath Orchestrator
その他多数
特徴 自動化(Automate)製品は、NLP(自然言語処理機能)、AI/ML(機械学習)と連携可能

UiPathホームページ

第2位:BizRobo!

BizRobo!

RPA TECHNOLOGIESが提供する「BizRobo!」は導入実績2,600社超の実績を持つ、国内におけるパイオニア的存在のRPAツールです。

導入規模や運用形態の異なるラインナップを6種用意。

スモールスタートからスケール拡大まで、企業のニーズに合わせて選択できます。

他社ツールとの大きな違いは、稼働できるロボット数。

1ライセンスで無数のロボットが稼働できるというパワフルな機能性で、自動化業務の大幅な拡大が可能です。

さらに、RPA TECHNOLOGIES独自が持つノウハウを活用したサポートや、SNS形式のシェアリングコミュニティなど、人気ツールならではの導入・運用サポートが豊富に用意されています。

RPAを初めて導入する企業も安心して運用できるでしょう。

料金体系 ・Bizrobo! Bascの場合:720万円/年
・Bizrobo! OCR with AI inside typeS:3万円/月(初期費用なし)
・Bizrobo! OCR with AI inside typeM:10万円/月(初期費用20万円)
・Bizrobo! OCR with AI inside typeL:20万円/月(初期費用20万円)
ラインナップ ・Bizrobo! Basic
・BizRobo! Lite
・BizRobo! mini
・BizRobo! mini(ガバメントライセンス)
・Bizrobo! OCR
・BizRobo! OCR(ガバメントライセンス)
特徴 ・Bizrobo! Basicの場合:ローコードでロボットを無制限に開発可能
・Bizrobo! OCR with AI insideの場合:伝票の転記作業を自動化 365日の遠隔サポートあり

BizRobo!ホームページ

第3位:WinActor

WinActor

WinActorは、2010年にNTTの研究所で生まれた純国産RPAツールであり、2022年11月時点で金融業から物流・小売業と幅広い分野の7,500社を超える企業に導入されています。

WinActorの特徴は、なんといってもその洗練されたUI。

2010年の研究開発から、現場のユーザーの声を聞き反映させ続けてきたことで、RPAという独特なツールのUIを、洗練されたものに仕上げました。

その結果、プログラミング要素を極力排除し、プログラミング未経験でもドラッグ&ドロップなどのマウス操作で直感的にシナリオ作成が可能な初心者向けシナリオエディタとなっています。

さらに、純国産RPAツールならではの特徴として、WinActorには日本企業の業務プロセスに適合したライブラリが豊富です。

企業独自のシステムやツールが多いといった日本企業特有の条件・業務プロセスにも対応し、シナリオの作りやすさを高めています。

また、WinActorには様々なサポートサービスも用意されています。

シナリオ作成方法のチュートリアルや、検索できるWebマニュアルなどのサポートツール、充実したFAQで、疑問点を即時解決することが可能です。

料金体系 ・トライアルライセンス(30日間):無料
・フル機能版ライセンス:998,800円/年
・実行版ライセンス:272,800円/年
・有償トライアルサービス(60日間):209,000円
ラインナップ ・シナリオ作成、ロボット構築、ロボット実行
・Office製品、ERP、OCR、ワークフローなどさまざまなソフトウェアに対応
特徴 ・プログラミング知識不要
・PCにインストールするだけで即日から利用可能

WinActorホームページ

第4位:BluePrism

BluePrism

Blue Prismは、2021年にガートナー社が発行したレポートのロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)分野におけるリーダーとして選出されている、世界のRPA市場を代表するベンダーです。

Blue Prismの特徴としてまず挙げられるのは、製品の基本設計が会社全体でRPAを取り入れ、自動化する対象業務の領域を拡大していくことを前提に作られていることです。

Blue PrismのRPAは、エンタープライズに最適な運用と統制を実現するための管理機能と拡張性に優れたアーキテクチャを備えており、デジタル変革の促進を大きく拡大することで、高い投資対効果をもたらします。

他社ツールとの大きな違いとして挙げられるのは、その料金体系。

Blue Prismのライセンス課金対象は、本番環境で実行しているロボットの同時稼働数によって料金が発生します。

一般的には、対象業務の領域を拡大するのにロボットの数が足りなくなると開発用、本番実行用でもライセンス費用が発生するのが多いのに対し、Blue Prismの場合は、本番環境で稼働するロボットの同時稼働数のみのため、PC1台の構成から100台以上の大規模な構成まで容易に拡張することが可能です。

主に海外を拠点とする製品なのでサポート面で不安がある方もいらっしゃるかと思われますが、日本法人も設立されているため、ちゃんと日本語化されたトレーニングテキストが存在します。

Blue Prism University という学習プラットフォームも存在し、日本語字幕で動画を視聴しながら、ハンズオンでの学習も受講可能です。

料金体系 要問い合わせ
ラインナップ 計画、設計、導入の3つの分野で製品を提供
・Process Intelligence
・Capture
・Blue Prism Cloud
特徴 ・AI、機械学習を活用
・高いセキュリティと安定稼働

BluePrismホームページ

第5位:PegaRPA

PegaRPA

PegaRPAはアメリカに本社を置くPegasystems社が提供するRPAツールです。

「Pega Robotic Process Automation」は、製造メーカーの日常業務で大きな割合を占める顧客関係管理の作業を自動化し、マーケティングやカスタマーサービスの品質を向上させるのに最適なツールです。

幅広い業務の自動化が可能で、財務データの照合や従業員のオンボーディングなど、様々なシーンで活用できます。

また、柔軟性が高く、正確な結果を提供します。

さらに、マネージャー機能により、ロボットの管理が容易で、業務内容や作業量をわかりやすく可視化することが可能です。

これにより、企業は単純作業から解放され、より重要な業務にリソースを割くことができるようになります。

料金体系 要問い合わせ
ラインナップ ・Pega Platform
・Pega Customer Service
・Pega Robotic Process Automationなど
特徴 ・AIを用いて意思決定を可能に
・予測や意思決定、問題の特定をリアルタイムで行う

PegaRPAホームページ

第6位:Automation Anywhere

Automation Anywhere

Automation Anywhereはグローバルトップクラスのシェアを誇り、国内シェアも急拡大中。

大規模運用に適したセキュリティ機能の高いサーバ集中管理型のRPAツールです。

ビジネスユーザ向けの使いやすさと安全なIT対応を特徴とするRPAプラットフォームを、トータルサポートで提供します。

Automation Anywhereでは、システム設計に似た開発のUI・UXで技術者による複雑な業務の自動化に適しています。

さらに、エンタープライズ型として集中管理機能(Control Room)を搭載。

スケジュール実行、ライセンス管理、監査証跡、パスワード管理、実行ログの分析に加え、Role-based Access Control、バージョン管理、アクセスログ取得等が可能です。

集中管理機能と、高いセキュリティ機能で、安心安全かつ包括的な業務自動化を可能にします。

料金体系 ・Automation 360:750ドル/月
・Community Edition:無料
ラインナップ ・Discovery Bot
・Enterprise RPA
・IQ Bot
・Bot Insight
・AARI
特徴 ・最先端AIとの連携可能
・サーバー型RPAゆえの堅牢なサーバー機能

Automation Anywhereホームページ

第7位:NEC

NEC

NECが提供する「NEC Software Robot Solution」は、その簡単・シンプルなUI/UXで、RPAを初めて導入するという企業や自治体から絶大な支持を得ています。

NEC Software Robot Soutionはマニュアルやプログラミングの知識がなくても、インストール開始から5分で使い始められるクライアント型RPAツール。

NECが他製品を開発する中で培ったノウハウを活かした、高度な画像認識機能によって画面上に表示された画像や値を識別することで、人の手で行っていた操作を自動化します。

純国産のRPAツールなので、わかりやすいガイドと徹底したサポート体制でスムーズに定着を進めることができるでしょう。

料金体系 ・NEC Software Robot Solution:120,000円~/月
・NEC Software Robot Solution 実行専用:40,000円~/月
ラインナップ ・期間ライセンス
・買取ライセンス(サポートバックは別契約)
・フローティングライセンス
・業務可視化ライセンス
・同時利用ライセンス
・組織内共用ライセンス
特徴 ・RPAでは珍しい「買取ライセンス」を用意
・あらゆるアプリケーションの自動化が可能
・単純な操作で自動化が可能

NEC Software Robot Solutionホームページ

第8位:FUJITSU

FUJITSU

FUJITSUが提供するRPAは、富士通マーケティングが業務自動化の社内実践で得たノウハウを、中小企業のお客様向けにサービス化したものです。

AxeluteとGenestの2つの製品は、ロボットを動かすシナリオをひな型化するなどして、自動化を導入しやすい形式にし、非エンジニアのユーザーも使いやすいように工夫されています。

そもそも、富士通には、文書管理ソリューション・AI-OCRソリューションに強みがあるので、RPAとこれらのソリューションを組み合わせて導入できます。

UiPathや、WinActorなどの有名製品と比ると、一連のソリューションをワンストップで提供できる点は、富士通のRPAソリューションの強みとなっています。

こうした強みがあるため、富士通が国内シェア上位の一画を占めているものと考えられます。

また、富士通のソリューションは、その操作性についても強みがあります。

UIは国内のユーザーを意識して作られ、日本語で画面上にある操作のガイダンスをフォローすると、比較的簡単に操作が可能です。

料金体系 ・ Axelute for IC21 Standard:2万円/月
・ Axelute for IC21 Enterprise:6万円/月
・GENEST RPA業務可視化サービス:991,000円/1業務
・GENEST インストールサービス:117,000円/~3台
・GENEST シナリオ作成支援サービス:700,000円/1業務
・EntreQue RPA業務可視化サービス:要問い合わせ
・EntreQue インストールサービス:600,000円/1台
・EntreQue シナリオ作成支援サービス:要問い合わせ
ラインナップ ・Axelute
・GENEST
・EntreQue
特徴 ・受託開発
・自治体向けのソリューション販売

FUJITSUホームページ

【記事まとめ】業務自動化成功のカギは「業務自動化の目標設定」と「ツール選定」

【記事まとめ】業務自動化成功のカギは「業務自動化の目標設定」と「ツール選定」

この記事では、人気ベンダー(メーカー)が提供するRPAツールの市場シェアランキングをご紹介しました。

昨今、様々な特徴や違いをもったRPAツールが発表され、インターネットにも多くの比較サイトやRPAランキングの情報を載せたサイトが多く存在しています。

自社の業務に合わせたツールを選定することがしやすくなった反面、ツール選定に迷いRPA導入を失敗してしまう一つの要因にもなってしまっています。

RPAツールによる業務自動化を検討する際の前提は「どの業務を対象に、どれぐらいの規模で自動化を実施するのかを明確にする」ことが大事です。

RPAを導入することで「新たな業務負担」とならないよう、RPA導入の明確な目標をたてたうえで、様々なツールを比較し、自社に合ったものを選びましょう。

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