近年、各企業では、業務効率化と生産性を向上するために、マーケティングの自動化(オートメーション化)を検討するようになりました。
マーケティング業務の自動化は、作業時間を有効活用できるので、効果的な施策を考えることが可能です。
この記事では、マーケティング業務での「RPA活用事例」と「RPAを導入するメリット」について、詳しく解説していきます。
マーケティング業務でのRPA活用事例
マーケティング部門は、多岐にわたる業務を限られた人数で対応しているため、リソース不足に課題を抱える企業も少なくありません。
そこで、マーケティング業務を自動化できるが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。
ここでは、マーケティング業務にRPAを導入した「具体的な活用事例」をご紹介していきます。
RPA活用事例1:アンケートデータの集計
アンケートデータの集計は、マーケティング業務のなかでも、既存商品の改善・新規サービスの開発・マーケティング施策の現状把握などに欠かせない重要な業務です。
しかし、アンケート調査後の集計は、膨大な時間がかかるため、集計ミスなどの人的ミスが起こりやすくなります。
そこで、企業側は、業務にRPAを導入すると、アンケート結果の取得・データ集計・グラフ化といった一連の作業について、ミスなくスピーディーに処理することが可能です。
また、現地で実施した手書きアンケートは、RPAとOCR(文字をスキャンしデータ化する技術)を連携することで、データの集計を自動化できます。
RPA活用事例2:競合他社の市場調査
競合他社の市場調査は、マーケティング業務のなかでも作業時間がかかるため、従業員がストレスを抱えやすいです。
そこで、競合他社の市場調査は、RPAを導入することで、Webサイトに記載されている他社情報をまとめて抽出できるので、業務を自動化することができます。
さらに、RPAは、価格帯や顧客評価などを、わかりやすく可視化できるため、より詳しい分析資料を準備することが可能です。
企業側は、競合調査にかかる人的コストを大幅に削減し、自社の分析や差別化するための戦略など、人が対応すべきマーケティング業務に注力できます。
RPA活用事例3:POSデータのダウンロードと集計
RPAは、定型業務の自動化が得意なので、POSデータのダウンロードと、データの集計を行うマーケティング業務に向いています。
特に、POSデータは、店舗ごとに管理されているため、全店舗のデータを集計するには、膨大な時間がかかり、ヒューマンエラーへのリスクもあります。
しかし、企業側は、RPAを導入することで、全店舗分のPOSデータのダウンロードや、データの集計を自動化することが可能です。
さらに、RPAは、顧客の性別・年代・居住地域別といったマーケティングに必要な分析を、データでまとめることもできます。
RPA活用事例4:Webサイトのスクレイピング
Webから収集したマーケティングデータは、競合分析などで活用されますが、データを処理するには膨大な工数が必要になります。
そこで、企業側は、RPAでWebサイトのスクレイピングを行うと、競合他社の商品情報などをスピーディーに収集・分析し、すぐに表やグラフにまとめることができます。
さらに、RPAは、他社情報だけではなく、自社商品の口コミなども収集できるため、戦略に必要な情報を定期的に収集することが可能です。
RPA活用事例5:SNSへの自動投稿
デジタル時代の今、SNS投稿は、顧客との重要なコミュニケーションの一つです。
しかし、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを発信するためには、話題性やリアルタイム性が求められるため、継続して運用するには大きな労力となります。
そこで、企業側は、SNSマーケティングにRPAを導入することで、担当者があらかじめ作成した投稿を自動でピックアップし、決まった時間にSNS投稿することが可能です。
また、RPAには、SNS投稿をピックアップする際に「NGワード」を設定しておけば、不適切な発言による炎上リスクについても、あらかじめ回避することができます。
RPA活用事例6:Web広告のレポート作成
Web広告のレポート作成は、それぞれの管理画面から、データをダウンロードする必要があるため、手間のかかる作業の一つです。
そこで、企業側は、RPAを導入すれば、複数の管理画面からデータをダウンロードしたり、グラフの作成から加工までを自動化できます。
また、RPAは、設定された作業を正確に実行するため、データの誤表記や、転記ミスといったヒューマンエラーもなくなり、業務品質の向上を促進します。
RPA活用事例7:ECサイトへの商品登録
ECサイトへの商品登録は、取り扱う商品が多いと、担当者にとって大きな負担となります。
そこで、企業側は、RPAを導入することで、商品名・画像・販売価格・商品説明などを作成しておけば、ECサイトへの商品登録を自動化できます。
これにより、現場担当者は、作業時間の短縮と人的ミスを削減できるため、マーケティング部門の業務効率化を促進します。
RPA活用事例8:CRM(顧客情報管理)システムとの連携
CRMシステムを使った業務は、顧客情報の登録・メールマーケティング・デジタルギフトの送付など多岐にわたるため、膨大な時間を要することがあります。
そこで、企業側は、業務にRPAを導入することで、顧客情報の登録を自動化し、作業時間を大幅に削減できます。
これにより、現場担当者は、より重要なマーケティング業務に時間を充てられるようになり、会社全体の生産性も向上します。
RPA活用事例9:メールマーケティングのリスト作成
メールマーケティングは、見込み顧客に対して、パーソナライズされたメッセージをダイレクトに配信できるため、マーケティング業務において重要視されています。
しかし、メールマーケティングは、コンテンツ作成時に、購読者の属性やリスト作成が必要なので、リソースが限られている企業にとっては大きな負担です。
そこで、企業側は、RPAを導入することで、場所・年齢といったユーザー属性に従って、自動でリストを作成します。
これにより、現場担当者は、負担となっていた業務が効率化され、メールコンテンツの制作や、効果測定(開封率/CV率など)など、重要なマーケティング業務に注力することが可能です。
マーケティング業務にRPAを導入するメリット
ここまでは、マーケティング業務にRPAを活用した事例について、詳しく紹介してきました。
マーケティング部門では、アンケートの集計や競合他社の情報収集など、RPAの導入に適した業務が多く存在します。
ここからは、マーケティング業務にRPAを導入する「メリット」について、詳しく解説していきます。
メリット1:業務を効率化できる
RPAは、パソコン上で実施する定型業務の自動化が得意なため、マーケティング業務で実施しているような、ECサイトへの商品登録や、競合他社の情報収集といった業務ができます。
そのため、RPAの導入は、人が業務を行なうよりも作業時間が短縮され、業務効率を向上することが可能です。
また、マーケティング業務は、手作業で実施していると、どうしても人的ミスが発生してしまいますが、RPAは迅速かつ正確に業務を行えるため、業務の品質が安定します。
他にも、RPAは、24時間365日自動稼働できるため、早朝や深夜など人が対応できない時間にも、業務を進めることができます。
これにより、現場担当者は、残業時間をできて、労働環境の改善にも繋がり、働き方改革を促進できます。
メリット2:質の高い戦略ができる
RPAは、複数のデータを迅速に収集し、データをまとめて提供することができます。
そのため、マーケティング担当者は、リアルタイムに意思決定が可能となり、質の高い戦略を考案することが可能です。
RPAを導入していれば、競合他社の価格情報を自動で収集し、変動を可視化することができるので、商品価格の見直しや、価格戦略をスムーズに検討できます。
他にも、RPAは、広告レポートなどで使われる「クリック数」や「コンバージョン」などの数値を自動で取得し、リアルタイムに情報を更新することが可能です。
そこで、マーケティング担当者は、即座に自社の運用状況が把握できるため、質の高い戦略・検討ができるようになります。
メリット3:人的ミスを削減できる
RPAは、同じ手順を繰り返す業務の自動化が得意で、正確かつ一貫性のあるプロセスを実行できます。
そのため、企業側は、異なる従業員がマーケティング業務を実施したときに、解釈の違いによって発生するような「ばらつき」が生じることがなく、人的ミスを削減することが可能です。
他にも、現場担当者は、大量のデータ処理を伴うマーケティング業務だと、疲労による集中力の低下で、人的ミスが生じやすくなります。
しかし、RPAは、疲れることなく、決められたルール通りに作業できるため、ミスなく正確に処理することができます。
まとめ
本記事では、マーケティング業務での「RPA活用事例」と「RPAを導入するメリット」について、詳しく解説してきました。
マーケティング業務の自動化は、現場担当者のストレスを軽減するだけではなく、業務効率化と生産性を向上することができます。
マーケティング業務の自動化を検討する際は、本記事を参考にしながら、自社に適したツールを探してみてはいかがでしょうか?

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