RPAについて、学習しようとすると、Webサイトでの入門記事などのほか、多くの書籍が出回っています。
かなりRPA関連の本は数が多いので、どれから読んだらわからない方、アマゾンの商品レビューや書籍ランキングを見てもよくわからないと思う方もも多いものです。
つい本を買っては「余計な時間とお金」をつかってしまったな、と思ってしまった方も多いでしょう。
つい買ってしまって後悔するのは、ご自身のニーズと、読みたいものの対応関係がよくわかっていないまま本を買ってしまうからです。
特に入門者・初心者は、本の選び方もわからないということが多いものですし、導入に向けて慌てている、といったときは、やみくもに読んでしまうと時間とお金が特にもったいなく思えるでしょう。
そこで、RPA入門者・初心者に向けての実践的RPAブックガイドをまとめました。業務上の必要に迫られている方、ぜひご活用ください。
株式会社MICHIRU 取締役
この記事の監修担当者:
相馬 章人
2014年に医療・ヘルスケアITベンチャー企業に入社。人工知能やIoT技術を使用したプロダクト開発およびプロジェクトマネジメントを経験。2018年フリーランスのソフトウェアエンジニアとして企業・大学と連携し機械学習を用いた自然言語解析を行うプロジェクトに参画。2018年より株式会社MICHIRUに参画。主にカスタマーサクセスを担当。
RPAを本で読むメリットとは?
- RPA導入であわてている方
- 仕事で使うと言われても何から手を付けてよいかわからない方
- 経理部・税理士事務所など、RPAで業務を大幅に効率化できる、と言われるが、何が何だかわからない
そんな方は、ぜひ一度、本から入門してみましょう。
とくに、Webより「一冊」の総合入門書が効く方はゼロから業務で使う必要性のある方です。
ある程度この際体系的なことを頭に入れておいたほうがよい立場の方には、本での学習がまずはあったほうがよいでしょう。
その後、例えばRPAツールを実際に触ってみるといった場合、理解しやすくなります。
ここで選んでいる本は、それぞれ切り口が違いますが、いずれも入門者が中級の入り口にたどり着くために有益で、一通りのことが頭に入るようになっています。
事例が多く、実践的で面白い、興味がわく、との評価の高いものばかりを選んでお勧めしています。
初心者から中級の入り口に最短距離で進むなら、次にご紹介する書籍を複数冊ぜひ読んでみましょう。
一度本で勉強しておいて、その後、最新情報についてWebなどで知識を深めたり、Web講座を受講したほうがより理解が深まるでしょう。
ツールごとの入門書もご紹介しますが、ここで選んでいるのは、どこから手を付けるかがちゃんと書いてある入門書なので、あまりどのツールを使うかは気にせずぜひ手に取ってみてほしいです。
こんな本を待っていた!RPA入門書10選
1.小さな会社が自社をRPA化したら、生産性がグーンとアップしました。
RPAって何?このように一から知りたい場合には、この一冊を手に取って読むといいでしょう。
実際の中小企業での導入過程と、生産性アップの結果、そして小さい会社にこそ生き残りのためにRPAが必要なことを説いています。
中小企業の経営者にも非常に評価が高い一冊です。RPAが経営課題に有効なのはなぜか、わかりやすく説かれており、技術・操作の前にRPAの必要性の本質を十分分かっておきたい場合、この本は最適です。
RPAを導入する当事者の熱い思いの部分も書かれており、RPAに今一つ興味が持てない、と思われる方にもご一読をおすすめします。
2.ひとり情シスのためのRPA導入ガイド
ひとり情シス、とありますが、実は導入手順の非常によくわかる解説書になっています。
ひとり情シスの目線で「自分だったらどうするか」を考えながら読んでみましょう。
用語には簡潔・丁寧に解説もついているため、情シスでなくとも簡単に理解はできるでしょう。
「なぜか、自分ひとりでRPAの導入を引っ張っていかなければならない」
「なぜか、リーダーなんて言われているけど、手順もわからなくて慌てる」
そんな方に、この本は味方になるでしょう。
小さい会社でも、大きい会社でも、この本の内容で手順をおさえると、きっと慌てなくなります。現場の導入時のプレッシャーを冷静な目で解説、悩みには寄り添った書き方が非常に好評です。
会社の規模を問わず、これも現場目線で書かれているので、状況を含めて理解しやすいでしょう。
3.いちばんやさしいRPAの教本 人気講師が教える現場のための業務自動化ノウハウ (「いちばんやさしい教本」シリーズ)
「現場のため」とある通り、とくに導入の場面で気をつけたいことや手順にフォーカスを当てています。
成功事例だけでなく、失敗事例も解説、初心者でもなぜ導入の成功と失敗は分かれたのか、そしてどんな点に気を付けたらいいのか、わかりやすく説いています。
わかりやすさではこの10冊のなかで文句なくナンバーワン。専門用語もやさしく扱っていますので、ITの専門用語が苦手、と感じられる方にもおすすめです。
終始一貫して現場目線のブレのなさも、わかりやすさの原因と思われます。
4.事例でわかる! ここまでできる! 自治体の実践RPA
自治体は、RPAの事例が多く、業務改善・実証実験の結果も、総務省のホームページなどで公開されています。しかし、それだけでなく解説もあるとより分かりやすいものです。
実際に自治体で情報システムの導入に従事してきた専門家の解説付きで、導入業務の選定の過程や、データなど、知りたいこと、企業でも役に立つことが満載の内容になっています。
RPAとは?から始まり、会社の業務にも活かせる実例も多く登場しており、平易で文体も読みやすいので、最初に手に取るRPA本としてもおすすめです。
UiPath、WinActor など、実際に導入した製品についても言及されています。
5.「職場のRPA」入門(週刊ダイヤモンド特集BOOKS Vol.389)――業務自動化ロボットと正しく付き合う法
週刊ダイヤモンドの特集記事を電子書籍にまとめたもので、各種ビジネス書のダイジェスト的な位置づけの一冊です。
110円という低価格で、知りたいことをすべてまとめているため、この1冊を読んでおくと、すぐにRPAの他の記事・他の本を読むことができるようになるでしょう。
最短距離で、知識を付けたい方に最適です。さっとスマートフォンに入れて通勤電車で読むのにも良いでしょう。1-4の本を読む前にさっと目を通しておくのもよいでしょう。
6.事例で学ぶRPA 基本から導入、運用までのロードマップ
タイトルのとおり、RPAツールの基本から、導入・運用の手順を解説しています。
有名企業13社を題材に、手順を解説していますが、内容が非常に平易で、だれにでもわかる内容です。
流れで手順を把握したい思う方、細部の解説はいいから、全体の流れを知りたい方には向いています。
事例と効果がクリアにわかることから、RPAについて資料をまとめるための参考書としても使えるでしょう。
それなりのボリュームがあるので、中古やキンドルで手に入れて利用するとお得です。
7.絶対失敗しない! ロボット1000体を導入してわかったRPA成功の秘訣
導入業務に携わるエンジニアのためのRPAツール入門、といってもよい本です。ボリュームも多く、ちょっとととっつきにくいように見える本です。
しかし、SEとして業務を把握する手順やポイント、業務性のやり方に始まり、Pythonの使いかたも触れられ、ロボット開発がどういうものか、なにで困るのか、理解しやすく説かれています。
基礎から応用まで網羅性も高く、また困ったらどうするか、導入の際の困りごとについても書かれています。AIとRPAの連携・関係性がわからない、という場合にも助けてくれる本です。
RPAツールごとの入門書3冊
ここからの3冊は、日本でもよく使われているRPAツールに関する本を取り上げています。
WinActor 、UiPath、Automation Anywhere それぞれありますが、どの製品を利用する方にも基礎がわかっておすすめの本を選んでみました。
8.(サンプル付)日常業務をRPAで楽しく自動化 WinActor実践ガイド WinActor v6対応
NTTデータのRPAツールであるeWinActorの概説と、シナリオ作成について易しく実践的に紹介する本です。
WinActor のテキストは、公式講座のテキストなどがありますが、この本でさらに視野を広げられますし、最初の一冊としても読みやすいのですすめの本です。
ここで取り上げている業務は、どの会社にもある業務です。
初心者や入門者が、WinActorの入門講座を終えて書籍を手に取る場合には、とても分かりやすいと思われます。
また、UiPath以外のユーザーがフロー・シナリオを比較するためにも有益に使えます。
シナリオのサンプルがついている本ですので、その通りに作ってみて、逆方向からシナリオを解読しながら学習するのも有益です。
9.基礎がよくわかる!ゼロからのRPA UiPath超実践テクニック
UiPathユーザーだけでなく他のRPAツールユーザーにも有益な入門知識を使っています。図解入りで、わかりやすく操作が解説されています。
UiPathといえば世界ナンバーワンの売れ行きを誇るRPAツールです。
日本語版ではこの本の内容が理解できると、各社の事例もわかりやすくなり、Webからの情報も上手に仕入れられるでしょう。翻訳本ではないところもわかりやすい理由です。
このUiPathシリーズの本はどれもUiPathユーザー・非UiPathユーザー双方が読んでRPAの仕組みがより深く理解できることも大きなメリットです。
短時間で読めるので、手に取ってみてはいかがでしょうか。
10.Automation Anywhere A2019シリーズではじめるRPA超入門~初心者でも手軽に業務改革
Automation Anywhere を題材に、導入手順から操作・プログラミングの初歩にあたる知識内容まで網羅した親切な本です。
Automation Anywhere も、海外では非常に人気のツールですが、翻訳リソースも、また日本語の書籍・コミュニティからの情報も少ないのが現状です。
そんな中の貴重な一冊、もしも導入する製品がAutomation Anywhere の場合、必読と言ってよいでしょう。
入門にも最適なMICHIRU・本の次は実践してみよう
最初RPAの知識を本で読み、その後、定期セミナーでMICHIRUを触っておいてはどうでしょう?独学にも限界がありますし、「本が楽しくて、ついつい実機に触るのがおっくうになってしまう」というのでは本末転倒です。
本での学習をひととおり終えたら、次におすすめなのは実践体験です。
MICHIRUだけでなく、エンジニアとしての経験が豊富なエキスパートの講師に一度手ほどきしてもらうと、どのツールを使う場合も理解が違います。
ライセンス付きでPC上で学習できるので、自由にシナリオの自作もできます。講師の質と、自由度で学習の質を高めることができます。
まとめ
ここでご紹介した書籍は、実例が豊富で、実践的です。
そんな10冊は、下記に当てはまる方にもピッタリです。
- 業務で導入するRPAの‐仕組み・製品・使いかた・初歩の取り扱い方をまとめて知りたい
- RPAツール本格導入の前に十分基礎から準備したい
- Webで情報を拾うと用語が多すぎて混乱する
- 今後資格試験にチャレンジしたい
- RPAツール導入前に初歩の講座をうけたけど漠然としていて不安
- ユーザーの気持ちがわかるようになりたい開発者
ぜひ記事でご紹介した10冊のうち、手に入りやすい複数冊を読んでみてください。
また導入を検討している方のために、以下の記事は最新のおすすめRPAツールをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。