RPAでスプレッドシート業務も自動化できるって本当?導入事例3選ご紹介

RPAツールでスプレッドシート業務を自動化できる!導入事例を詳しく紹介

RPAでスプレッドシート業務も自動化できるって本当?導入事例3選ご紹介

働き方改革や、労働人口の減少から生産性の向上が企業の課題となってきていますが、手軽に始められる効率化の手段として「Googleのスプレッドシート」を使った対策を実施しているという企業も多いのではないしょうか。

そんなスプレッドシートですが、実はRPAとも相性の良いツールで、スプレッドシートを使った業務をRPAで自動化することにより、大きな効果を期待することができます。

しかし、RPAに馴染みの無い方にとっては「どんな業務に自動化を適用すれば良いのか」や「どのようにRPAツールを選べば良いのか」など、導入することによるメリットをイメージしづらいのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、RPAを導入したスプレッドシート業務の自動化事例や、自動化する時のポイントや条件、RPAツールの選び方について解説していきます。

これからRPAの導入を検討されている方の、一助になれば幸いです。

目次

RPAでスプレッドシート業務も自動化できるって本当?

RPAでスプレッドシート業務も自動化できるって本当?

結論から言いますと、スプレッドシートを使った業務のRPA化は可能です。

例えばですが、スプレッドシートを使う業務の多くは、売上実績のまとめ、タスク管理、レポート作成といったバックオフィス業務と呼ばれる「定型作業」が多いです。

同様に、RPAは一定のルールに従った作業の自動化を得意としているため、定型作業の多いスプレッドシート業務とは相性が良いため、自動化が可能になります。

スプレッドシートとは

Googleスプレッドシート(Spread Sheets)とは、Googleが提供している表計算ソフトです。

使用方法は、Googleのアカウントさえ持っていれば利用が可能で、オンラインによる複数人でのリアルタイム共同編集ができます。

また「Microsoft Excel」と互換性があるため、Excelファイルをインポートすることで、そのままスプレッドシートとして編集することが可能です。

他にも、フォーマット形式を指定して内容を書き出すこともできるため、必要に応じてPDFなどで出力を行えば、そのまま報告用のファイルとして提出もできます。

そんなスプレッドシートは、汎用性が高く無料で使えるツールなため、今では多くの企業で導入されるツールとなっています。

Google Active Script(GAS)とは

Googleスプレッドシートを利用していると「GAS」というワードを聞いたことがあると思います。

Google Apps Script(GAS)とは、Googleが提供する各種サービス(メール、カレンダー、スプレッドシート、ドライブなど)を使った作業を自動化するときに使用する開発言語です。

GASを使うことで、特定のメールに対する自動返信や、指定した個所からデータの収集しドキュメントを作成するといった処理を自動化(連携)することができるようになります。

ただし、GASを使うためにはプログラミングに関する知識が必要になりますので、使用を検討する際は注意しましょう。

スプレッドシート業務を自動化した事例3選

スプレッドシート業務を自動化した事例3選

スプレッドシートを使った業務に、RPAを適用した事例について3つ挙げて解説します。

事例① 受信メールをスプレッドシートへ転記

自社製品のサポート対応をしている部署にて、エラー連絡や問い合わせをメールにて対応しており、問い合わせ管理が煩雑になってしまい確認漏れなどが発生している状況でした。

そこで、スプレッドシートとRPAを活用することにより、受信したメールの内容を自動でスプレッドシートへ転記することが可能になり、その結果、転記されたスプレッドシートをそのまま問い合わせ管理表として活用し、漏れなく管理ができるようになりました。

事例② 書類作成の自動化

医療業界で導入された事例ですが、書類作成にスプレッドシートだけではなく、さまざまなツールを導入しており、作業が煩雑になっていることや、処理しなければいけない量が膨大で、工数がかかっていることが課題となっていました。

そこで、RPAを書類作成作業に適用することで、スプレッドシートを含むデータ入力業務や転記作業にかかる時間の70~80%を削減し、医療の質を向上させるための時間にリソースを充てられるようになりました。

事例③ KPI(タスク)管理シート

自社サイトのアクセス解析ツールとして「Googleアナリティクス」を使い、ユーザー数、ページビュー数、セッション数といったデータをスプレッドシートへ転記し、より良いサイトにするための分析で活用したり、サイト状況の報告時に使用していました。

しかし、報告用の資料作成は手作業であることや、スプレッドシートへデータを転記するためには定期的にGoogleアナリティクスへ接続し、データ入力する必要があるため、欲しいデータの取得までに手間がかかっていました。

そこで、RPAを導入し各作業を自動化したことで、ストレスなくデータの確認や転記ができるようになりました。

また、Google アナリティクスからデータ集計する時間を決めておき、その時間帯にRPAを稼働するように設定しておけば、最新のデータ状況をメールやチャットで受け取ることができ、営業ツールとして活用出来たり、スムーズな分析を行うことも可能になりました。

RPAでスプレッドシート業務を自動化する際のポイント

RPAでスプレッドシート業務を自動化する際のポイント

次に、スプレッドシートを使った業務を自動化する際のポイントについて、3つ挙げて解説をします。

ポイント① シンプルな業務から自動化をはじめる

いきなり複雑な業務を自動化するのではなく「シンプルな業務」から自動化を開始しましょう。

はじめから、複雑な業務を自動化してしまうと、効果が出るまでに時間がかかってしまいます。

また、効果を感じるまでに時間がかかるとRPA担当者のモチベーションにも影響してきますので、最初はシンプルな業務から自動化を進め、落ち着いてきたタイミングで少し複雑な業務の自動化といった順番で進めていくことをおすすめします。

ポイント② 使える関数は仕込んでおく

スプレッドシートでは、SUM関数やIF関数といったExcelでも用いられる関数を使用することができます。

そこで、コツとしてはRPAで作業を自動化する際も、スプレッドシートで使える関数は活用しましょう。

RPAでプログラムすれば、足し算や引き算といった関数と同じ動きを再現することは可能ですが、関数で実現することにより、RPA側の処理はシンプルになり稼働スピードも早くなります。

そうすると、エラーの発生が低減されたり、メンテナンスが楽になったりと良い効果が期待できるため、可能であれば関数とRPAのハイブリッドな運用を目指しましょう。

ポイント③ 人が操作しないように気を付ける

スプレッドシートは複数人が同時に編集できるツールのため、RPAが操作しているタイミングでデータ取得個所を操作している人がいると、表示が変わってしまい正しい数値が取得できない可能性があります。

そこで、自動化する際には、対象のスプレッドシートを操作しない時間帯を決めたり、早朝や夜間といった、人が更新しないであろう時間帯にRPAを稼働するといった運用方針を取り決めておきましょう。

RPAツールの選び方

RPAツールの選び方

RPAの市場は、現在でも右肩上がりで成長しており、それに比例してRPA製品も数多くリリースされています。

そのため、消費者側がたくさんあるRPA製品の中から「違い」について理解し、自社に合ったツールを選択する知識が必要になってきています。

そこで、こちらではRPAツールを選定するときの主なポイントについて、4つ挙げて解説します。

自動化したい業務との相性で選ぶ

RPA製品を選ぶ場合は、自社で自動化したいと考えている業務と「相性の良いツール」を選びましょう。

RPA製品は、一般的な作業を自動化範囲としているツール、人事や経理などの特定の作業に特化したツールなど、さまざまな特徴をもった製品がリリースされています。

そのため、事前にどういった業務を自動化したいかを検討しておき、以下のようなポイントから自社との相性を確認してみましょう。

  • 何かの分野に特化した機能があるか
  • 何かのソフトウェアに特化した機能があるか
  • 事前に検討した業務を自動化できる機能があるか
  • 大量のデータを処理することに向いているのか
  • 少量のデータをスピーディーに処理することに向いているのか
  • 過去事例に似たような業務の自動化実績情報があるか

サポート体制で選ぶ

RPAを使っていると「エラーが発生した」「どうやって設定すればよいか分からない」といった、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

そんなときに、すぐサポートを受けられるような体制が準備されているツールを選定していれば、安心してツールを利用できます。

また、RPA製品によっては初期設定を代行してくれたり、無料のセミナーを開催してくれるケースもあるため、それらのサポート体制もあわせてチェックするのがおすすめです。

継続して使っていけるかで選ぶ

RPAツールを使った自動化は、現場の担当者が活用する機会が多いと思います。

そのため、ITの知識が豊富ではない人でも感覚的で操作しやすいツールを選びましょう。

以前のRPAツールであれば、専門のプログラミング知識が必要な製品が多くありましたが、最近では、専門知識がなくても利用できるツールが多くリリースされています。

その中でも「直感的に操作しやすい」や「社内で使っているシステムに似ている」など、使い勝手の良さを確認し、継続して活用できるかどうかチェックしましょう。

導入費用で選ぶ

市場にはたくさんのRPA製品がリリースされており、どんなツールを導入するかで導入費用は大きく異なります。

一般的には高機能なRPAツールほど高くなる傾向ですが、自社で使わない機能が含まれていても意味がないため、バランスよくRPAツールを選定する必要があります。

単純に安いから、高いからといった基準で決めるのではなく、十分な費用対効果が見込めるかどうかでツールを選定することをおすすめします。

記事まとめ

記事まとめ

今回の記事では、スプレッドシートを使った業務の自動化事例や、RPAツールの選び方について解説をしました。

RPAを導入することで、スプレッドシート業務をはじめとした、さまざまな業務に対して効率化をはかることができます。

今回の記事を参考にしていただき、RPAとスプレッドシートをバランスよく活用することで、より良い生産性の向上に繋がれば幸いです。

さらに次の記事では、RPAツールの選び方と価格・機能・難易度別におすすめのRPAツールを徹底比較しているので併せて参考にしてみてください。

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