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RPAお役立ち情報「RPAの市場規模」

RPAツールの世界・国内市場規模と将来見通し・ブームはまだ終わらない?

RPAツールは、AIと並んで、業務・作業を自動化するのに利用されています。

2020年も好調に売上・市場規模が拡大しており、その関連商品も含めて、世界のソフトウェア売上をけん引しています。

企業の業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)・データ活用業務の進展・リモートワークの拡大の動きなどにより、RPAツールを必要とする場面が増大していることにRPAツールの市場規模は比例しているのです。

この記事では、RPAツールの世界市場と、国内市場のおおむねここ数年の動きと市場規模の拡大について2020年を中心に紹介し、さらに今後の市場の動きを展望します。

株式会社MICHIRU 取締役

この記事の監修担当者:
相馬章人

2014年に医療・ヘルスケアITベンチャー企業に入社。人工知能やIoT技術を使用したプロダクト開発およびプロジェクトマネジメントを経験。2018年フリーランスのソフトウェアエンジニアとして企業・大学と連携し機械学習を用いた自然言語解析を行うプロジェクトに参画。2018年より株式会社MICHIRUに参画。主にカスタマーサクセスを担当。

快進撃続くRPAツールの市場規模「2020年」

RPAツールは、ロボット技術をもちいて、PCの操作を自動化するソフトウェアです。
簡単に言うと、ロボットが人の仕事を代わりに行うのです。

定型的な仕事なら、人を一人雇うよりはるかに安く仕事をこなしてくれます。

  • 定型的な仕事を正確に行う
  • 教育研修の費用が掛からない
  • 24時間業務を行っていても、問題ない

これらの特徴のため、日本でも導入が進んでいます。

大手経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表している調査および予測によると、2025年までに全世界で1億人以上のホワイトカラー労働者もしくは1/3もの量の仕事がRPAツールに置き換わる、というほどです。

世界全体の市場規模は、売り上げベースでみると、約15,8億ドルです。

DXの動きが加速すると同時に、RPAと連携するソフトウェアの導入も増えています。IT業界の売上をけん引して、IT市場規模を広げる役割をしています。

自動化は、世界中で企業の生産性を向上させ、業務効率化を強力に推し進めるものです。

そして、働き方・経営を変えるものであるだけに、より多くの企業がRPA導入を進めるようになり、さらにRPAは市場規模が拡大すると思われます。

RPAツール、世界中で絶好調の理由とは?

RPAツールがすでに650兆円の市場規模となっている背景を一度整理してみましょう。

DX・リモートワークを背景としたRPA導入拡大

企業の生産性を上げるDX・コロナ禍で拡大したリモートワークによる書類・帳票のの電子化と、データ活用など、近時の社会情勢がRPAツールを必要としています。

労働力の補填

RPAを利用する中心は、工業先進国ですが、少子高齢化が共通の課題です。
特に日本などは深刻であり、将来の労働者不足に備える意味でも、RPAツールを導入する必要があります。

ビッグデータ利用とRPAの連携もさらに拡大

工場や物流の現場、あるいは危険環境などでセンサをつかったIoTツールを利用し、取得したデータを活用する動き、つまりビッグデータの活用は、年々進行しています。

データの利用に、RPAで自動でデータを整理、業務に活用することは業務の効率化を推進するために不可欠です。

関連製品と連携も

国内でもAI-OCRとRPAツールの連携がよく見られるように、AI連携・他のアプリとの連携で利便性・効率性が向上します。

RPAか、当該のAI製品・アプリ製品を使うと、連携するRPA・アプリの導入を進めるインセンティブがある、という関係になります。導入のインセンティブが多くあることも、RPAツールの好調の理由となっています。

海外のRPAツールの市場規模

ガートナーの調査によると、2020年の世界におけるRPAソフトウェアの売上高は、前年比11.9%増の15.8億ドルになる見込みです。

2019年~2020年の市場の推移

同じくガートナーの調査によると、2019年のRPA売り上げは14.1億ドル、前年比の成長率は、約66%、2020年は、成長率が11.9%に落ち着いてきています。

しかし、RPAの価格も前年比10%ほど落ちて来ているとされており、導入本数で考えると20%増以上であったことが推定されます。したがって、まだ市場の拡大の動きが進むのではないかと見られます。

ガートナーも、市場規模に関する調査において、2021年の世界のRPA売上が20億ドルを突破すると予想しています。

製品別市場規模は?

現在RPA世界市場シェアNo1はUiPath です。続いて、Automation AnywhereやBluePrizmが続きます。今後、マイクロソフトのRPAなども普及が進む見通しです。

日本のRPAツールの市場規模

日本もRPAツールの成長市場の一つです。2017年以降、特に市場規模を拡大しつつあります。

2019年~2020年の市場の推移

ITRの調査によると、2021年の国内RPA市場規模は、80億円以上と伸びが予想されています。2020年最終予測では72億円となっていますが、コロナ禍の影響なども考えると2020年実績値の市場規模はもう少し伸びるかもしれません。

2015年~16年が4倍、16年~17年が倍の規模で正常していたのと比べると、成長率が鈍化していることは否めませんが、2018年が44億円、2019年が60億円と成長の幅はすくなくありません。まだまだ伸びる市場ということができるでしょう。

製品別市場規模は?

IDCの調査によると、RPA市場シェアNo.1 は日本ではWinActorです。2位がUiPath、3位が受託開発を行う富士通でした。

以前は、先進導入事例では、UiPath や、BluePrismのような輸入ツール中心に利用がありましたが、現在では国産製品の市場規模が特に拡大しています。

中小企業向けの低価格で使いやすい製品群も増加していますし、クラウドRPAの普及も進み始めています。

日本では、2030年問題と言われる、若年労働者の不足が深刻な問題です。この穴を埋められるのがRPAと考えられます。

海外の諸国と比較しても、相当に深刻な人手不足に陥る可能性があるのと、官民ともにRPA導入で業務の省人化をはかり、リスクコントロールし始めたところです。

RPA市場規模の拡大は、社会的な要請が背景にあり、日本の場合は人手不足への備え、という側面が非常に強くなっています。

満足?幻滅?日本の企業ユーザーのRPA満足度と普及率は?

今後の国内RPA市場規模を占ううえでは、導入の満足度も重要な指標になると考えられます。

MM総研が2019年に行った市場調査によると、満足度は59%、楽になったと答えたユーザーは7割と非常に高い割合の満足度が見られます。

海外ユーザーよりもソフトウェアに対する満足度は、日本のユーザーの方が辛めの傾向がありますが、RPAツールの満足度は「健闘している」ということができるのではないでしょうか。

国内1112社を対象とした満足度調査では、「業務が楽になった」が約7割を占めたほか、「人手不足対策につながった」「残業等を削減できた」という回答も多く、従業員満足度の向上なども寄与しているとみられるとのことです。

自動化で時間削減効果・業務量の負担が軽くなる効果が実感しやすく、他のソフトウェアよりも満足度が高く出やすい要因があります。

この調査時の普及率は、年商1000億円以上の大企業で39%、中小企業で27%、双方合わせると、37%となっています。

中小企業向け・低価格製品の普及の兆しが見えてきていることから、中小企業を中心に普及率も上がることが見込まれます。

満足度・普及率から将来を読み解く

これらの調査の数字をどのように評価するかは、普及率がまだ伸びることを考えると、見解が分かれると思います。

ただ、RPA製品は、シナリオを作って、活用法を考える「道具」という色彩が強いものです。

機能もある程度はどの製品も決まっているところがあります。製品というより、導入の失敗・成功、対象となる業務のもともとの負荷が満足度に影響しそうです。

失敗のリスクもそれなりにあるのに、数字だけ見ると、59%の満足度がある、ということは、おおむね企業ユーザーの満足度は及第点、と考えられ、また、この傾向が大きく変わるということも考えにくいでしょう。

市場予測・中小企業向け製品は?

RPAツールは満足度が高く、普及率が37%程度だとすると、普及の伸びしろがまだあるため、今後もまだ市場の拡大傾向が続くでしょう。

時々、大企業のRPAツール導入の動きは一巡と言われるのですが、実際はまだ一部の業種に導入が偏っています。また、今後はさらに中小企業向け市場でも市場規模が拡大する見込みです。

「お役所ロボ」が市場をけん引か?

さらに日本市場では、官公庁・自治体でのRPAツールの普及もポイントになるでしょう。

特に、関東・関西の大都市圏を中心にRPAツールが普及しはじめていますが、地方都市・小規模自治体にも広がることが期待されます。

こうした動きは、市場規模の伸びを今後も長期にわたり下支えする要因になることが見込まれるものです。

近い将来、少ない労働力で、拡大する高齢者人口向けのサービスの業務量が増えることが見込まれる地方自治体では、「スマート自治体」化が急務です。

総務省が主導し、RPAによる行政事務の自動化の実証実験を2018年に行い、その後、2019年・2020年は実稼働事例が多くなってきており、例えばコロナ特別給付金の配布に自治体が利用した事例・住民税のコンビニ出納集計事務などをRPAで進めている例など身近なところにロボットが活躍しています。

まとめ

企業の業務を自動化するRPAの市場規模は、2015年以降、倍以上の成長が続き、2020年には成長率は12%ほどに落ち着きました。

企業にとって、負担が大きく、また時間がかかる業務を自動化するRPAツールはかつては大変高いものとされました。

現在では価格が下がり、普及が進んでいますが、下がった価格分を上回る勢いでさらに成長を続けています。日本では、民間企業だけでなく自治体にも普及が進み、成長を下支えしそうです。

今後もしばらく海外でも国内でもこの傾向が続くものと見られます。