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RPAとAIの共通点と違いとは?組み合わせで何ができるのか?

RPAとAIの違いや共通点並びに連携可能かについて解説

RPAとAIの共通点と違いとは?組み合わせで何ができるのか?

RPAとAIは、業務を自動化するツールとして利用されています。しかし、双方は利用する目的が異なり、また、仕組みの違いもあり、利用するメリットも少し異なるものです。

そこで、両者の共通点と違いを整理してまとめると同時に、双方を組み合わせたソリューションについて、そのメリットと、将来の展望についてお伝えします。

株式会社MICHIRU 取締役 CTO

この記事の監修担当者:
斎藤暁

医療施設法人やホンダ子会社のIT領域責任者などを経て独立。AI技術やシミュレータなど、複雑なアルゴリズムを駆使したシステムを提供している。自然言語処理によるシステムの技術は日米で特許を取得、その発明者でもある。2018年11月株式会社MICHIRUを創業。

RPAとAI、製品および概要について紹介

RPAはロボティック技術を利用した業務の自動化ツールであり、オフィスのロボットともいわれ、入力や、集計・チェックなどを自動で行うことができます。

代表的製品には、UiPath・Automation Anywhere・ Blue Prismといった海外市場でのシェアトップ3製品があります。日本でのシェアが大きい製品は、UiPathのほか、国産のWinActorやBizRoboなどがあります。

AIは人工知能を利用し、判断をともなう業務を自動化します。

利用されている製品は多数ですが、ソリューションの代表例として、AI-OCR、チャットボット、画像自動認識ソリューション、AIを使ったBIなどの分析解析ソリューションなどがあります。

RPAも大企業によるものを中心として、UiPathやWinActorなどの代表的な製品の導入がこの5年ほどで急増しています。

AIも、ソフトバンクなど大手のベンダーの製品・大企業中心に導入が進みましたが、最近ではソリューションの価格が手軽なものも増え、中小企業でも導入・活用事例が増えてきているところです。

RPAとAIの共通点と違い

RPAとAIの共通点と違い

RPAツールと、AIは双方とも自動化を実現します。しかし両者には次のような点で違いがあります。

仕組みの違い

RPAはロボティック技術を用いた自動化ツールです。繰り返しの単純作業に動作に向いている性質があります。これは工場で使われている産業用ロボットと同じ仕組みです。

これに対して、AIは人工知能であり、判断と学習に向いています。人工知能は、機械学習や、深層学習により、現在は高度な学習と判断ができます。

利用するとメリットが出る業務

RPAツールは、単純作業・反復に向いている性質があり、そのため経理業務・各種の入力業務など、管理部門を中心とする業務に向いている面があります。

  • 単純作業
  • 定型化された作業
  • 繰り返しても変える必要がない作業

これらの条件にあう業務であれば、RPAによる自動化が向いています。

これに対してAIはより高度な判断と学習が可能であるため、接客や、高度な判断を伴う照合・チェックなど、過去データに基づく自律的判断に基づく業務を自動化することができます。例えば、次のような業務です。

  • 情報が正しい・正しくないの判別
  • 画像の精緻な認識
  • 接客・応答

これらの業務であれば、AIによる自動化により、業務の効率化が図りやすいでしょう。

双方とも万能の自動化ツールではないのですが、反復する単純作業と判断・学習と、異なる場面で業務の自動化を図り、人手の代わりとなります。

向いていないところで、これらのソリューションを使っても効果は出にくいことには留意が必要です。

RPA・AIは業務の自動化を図るソリューション、背景に労働力不足とデータ活用

RPAもAIも業務の自動化の目的に利用される点では同じであり、RPA・AI双方ともにDXの主役として注目されています。

RPA・AIが注目される背景には、少子高齢化の急激な進行があります。

厚生労働省の予測では、労働力人口が2017年の6,530万人に対し、2025年の時点で6,082万人、さらに、2040年には5,245万人にまで減少することとされています。

23年間で20%も減少する労働力を補うため、人手に代えて、オフィスでの業務の自動化を実現することが官民挙げての急務です。

また、現在データ活用による業務改革・ビジネスモデルの転換もDX=デジタルトランスフォーメーションが進む中で多くの企業の課題になっています。

データに基づくスピーディな経営判断による、業務の効率化や、データドリブンの経営(Data Driven Management)による判断の適切性の担保、顧客満足度の向上などが効果として見込まれています。

一方、データはIoTデバイスにより取得したものがリアルタイムデータとして重要視されています。これにさらに、業務上利用するアプリケーションにより得たデータをつかい、BIツールなどのツールを使い、分析を行うものです。

各種のIoTデバイス・アプリケーションで取得した極めて大量のデータであるビッグデータをどのようにさばくのか、その処理・分析の前提として、RPAツールとAIによる自動化が注目されています。

組み合わせ・連携すると何が実現できるのか、メリット・効果は?

組み合わせ・連携すると何が実現できるのか、メリット・効果は?

RPAと、AIは、組み合わせにより、さらに高度な自動化を実現することができます。

業務の自動化=Robotic Process Automationは、大まかにいうと、クラス1から3まで、3段階に分けられています。この3段階に、RPA・AIの役割を対応させて整理してみました。

クラス1・・・RPAツールが行う業務の自動化
RPA(Robotic Process Automation)定型業務の自動化

  • 情報取得や入力作業、検証作業などの定型的な作業

クラス2・・・RPAツールと、AIの組み合わせで行う業務の自動化
EPA(Enhanced Process Automation)一部非定型業務の自動化

  • RPAツールとAIの技術を用いることにより非定型作業の自動化
  • 自然言語解析、画像解析、音声解析、マシーンラーニングの技術の搭載
  • 非構造化データの読み取りや、知識ベースの活用も可能

クラス3・・・AIが行う極めて高度な業務の自動化
CA(Cognitive Automation)高度な自律化

  • プロセスの分析や改善、意思決定までを自ら自動化するとともに、意思決定
  • ディープラーニングや自然言語処理

AIはクラス3の自動化まで対応することが可能ですが、まだ実用化が途上にあります。

また、クラス3の自動化に対応するには、データを活用することが不可欠ですが、広く実用化が行われるには、コンピューター・サーバのダウンサイジングなどハードウェア面での一段の進化も必要です。

そのため、RPAとAIの組み合わせにより、クラス2までの自動化をどこまで導入・活用を進め、次世代に備えるかが多くの企業・事業体にとっての現実的な課題です。

実際、大企業を中心とする多くの日本企業においては、次のような組み合わせソリューションが導入され、成果を上げています。

  • With コロナ対応で今後も重要視されるテレワークなどに向けてのAI‐OCR+RPAの連携による業務のペーパレス化・紙のデジタルデータ化
  • AIを利用したチャットボット+RPAの連携による接客ソリューション
  • コールセンターのオペレーター補助ソリューション

実際に導入の結果、大幅な業務効率化の成果をあげた企業・事業体も多数にのぼるので、以下で代表的な事例と、その成果についてご紹介します。

連携による自動化ソリューション、どう使う?活用場面と事例

連携による自動化ソリューション、どう使う?活用場面と事例

AIとRPAの連携ソリューションとしてよく見られるAI‐OCRとRPAの連携、AI機能付きチャットボットとRPAの連携、BIツールとRPAの連携は、次のように各業種の様々な業務で利用されています。

各事例とも、年間の業務時間の削減・人手不足への対応に成果をあげています。

AI‐OCRとRPAの連携

ある地方自治体(東京都特別区)では、かねてから繁忙期の業務に入力作業や、紙での転記作業が多く発生し、業務効率の面から課題を抱えていました。

RPAによる自動入力・照合、AI-OCRによる手書き文字の読み取りを自動化することにより、次のような業務が自動化できました。

  • 区民税・都民税の申告書データ入力
  • 給与所得者の移動届の処理
  • 公的年金等の支払報告の処理
  • 児童育成手当現況届の処理
  • 保育施設利用申込書の処理
  • 職員の通勤届けの処理

これらの業務の自動化により、年間1400時間もの削減効果を生むこととなりました。自治体のサービス利用者にとっても、処理がスピーディになることでメリットが生じます。

AI機能付きチャットボットとRPAの連携

AIで対話を読み取る機能があるチャットボットを利用し、従来はお客様に紙で申請をしてもらっていた業務をチャットボットデータで処理し、業務を効率化できるようになった例が金融業界を中心にして、以下のような事例で見られます。

・保険会社の保険金請求手続きをチャットボットとの対話で行い、チャットボットで取得したデータをそのまま請求データに利用できるようにした。
その結果、人件費・紙のコストなど、従来のコストの30%が請求業務においてカットできるようになった。

・クレジットカード申込時、チャットボットが申込者と対話しながら審査を行えるようにし、RPAが対話のバックグラウンドでデータ処理・審査を進めることにより、原則即時に発行の可否がわかるようにした。
スピーディに申し込み手続きが完了し、申込者の満足度が向上した。

金融業界というと、顧客目線で考えると「申込書・申請書の手続きが面倒」「なかなか手続きが完了しない」のが当たり前の業界、と思う方も多いのではないでしょうか。上記の例は、そんな顧客の負担も大きく軽減している事例です。

BIツールとRPAの連携

千葉県を営業テリトリーとする中小の不動産会社ではDXを推進する中で、「RPA社員2名」を使い、まず物件申込などの手続き書類の処理を紙からデータ化し、自動で行うことを目指しました。

まずAI-OCRによる紙データの電子化に取り組みましたが、この段階でも年間340時間の削減効果が出ました。

さらに、申込データと、各物件の状態をリアルタイムで確認できるようにスマホなどのデバイスデータ・アプリケーションデータをBIツールに集約、営業職員からも見える化し、営業活動に即反映できるようにしました。

この事例では紙をデータ化し、一気通貫にBIツールで見える化、さらに、営業活動データを統合することにより、データドリブン経営を行っています。

まとめ:低コストでRPAツールとAIの組み合わせソリューションを導入するならMICHIRU

RPAとAIの組み合わせによるソリューションで、業務の自動化は進められます。自動化に適合する業務を絞り込んだうえ、導入を進めると成果が出やすいものです。

ところで、AI-OCRによるペーパレス化・データ処理の自動化・BIツールでの分析という一連の流れが確立すると、データ活用・DXの実現も現実味を帯びてきます。

しかし、これは多額の投資を行わなければ実現できないものではありません。例えば、MICHIRUのRPAと、AI-OCRソリューションなら初期費用は10万円、月々7万円~の低コストで実現できます。

中小企業こそ、生き残りのためにデータドリブン経営による機動的な経営・自動化による人手不足対策が急務と考えられます。RPAとAIの組み合わせにより、御社もDXを一気に進めてみてはいかがでしょうか。