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RPAお役立ち情報「RPAの効果を掘り下げて考える・業務改革につなげた導入成功事例を中心に」

RPAの効果を掘り下げて考える・業務改革につなげた導入成功事例を中心に

RPAツールは、ロボット技術により、業務を自動化するツールです。

時間を短縮し、生産性を上げて、コストを削減する効果があります。

この記事では、効果に焦点をあてて、RPAツールのメリットをご紹介します。

ところで、上記の「定量的」な効果をあげた事例は今多く紹介されていますが、効果を測定する方法はどういった方法が適切なのでしょうか。

効果測定の方法を押えておかないと、投資の効果を見誤る可能性があるので問題になります。

また、こうした短期で効果が出る、定量的な効果だけでなく、会社を変える定性的な効果があります。これらの効果については、意外と多くの方が知らないものです。

そこで、定量的な効果を測定する方法や、定性的な効果としてはどんな効果が出るのか、導入の成功事例を中心にお伝えします。

株式会社MICHIRU 取締役 CTO

この記事の監修担当者:
斎藤暁

医療施設法人やホンダ子会社のIT領域責任者などを経て独立。AI技術やシミュレータなど、複雑なアルゴリズムを駆使したシステムを提供している。自然言語処理によるシステムの技術は日米で特許を取得、その発明者でもある。2018年11月株式会社MICHIRUを創業。

RPAの効果は、「時間短縮」「生産性向上」「コスト削減」だけ?

RPAの効果には、量的に把握できる定量的な効果と、会社の数字では測定しにくい定性的効果の二種類があります。

定量的には、時間の短縮とこれに伴う生産性の向上、そして、残業代・あるいは採用などのコストもカットする効果が生じます。

定量的効果・効果測定の方法

定量的な効果について、問題になるのは効果測定の方法です。定量的な効果を測定するので、数字で表現できます。

まず、わかりやすいのは時間短縮効果ですが、これはRPAツールの運用前の業務あたりのかかった時間を把握していないと測定が不可能です。

そこで、効果測定のためには、まず対象業務の時間を把握、運用後の時間との比較を行います。

なお、業務にかかる時間は、人ごとに違うこともありますので、平均時間を取っておくことが役に立つでしょう。

次に、生産性ですが、かなり単純化すると、業務あたりのアウトプットを業務時間で割ると指標が算出されます。業務あたりにかかった時間が少なくなれば、それだけ向上するはずの数字です。

また、人件費等のコストカットですが、こちらも同様に、運用前のコストとの比較ができればよいことになります。

最終的にRPAの費用ないし投資対効果を測り、効果を検証するには、

  • 短縮した時間でかからなくなった人件費と投資額を比較する
  • 生産性向上を人手で実現した場合の人件費と投資額を比較する
  • カットできたコストと、投資額との比較

などの方法により行うこととなります。

どの製品を選ぶか考える前に、業務を見える化し、かかる時間・行程とも現状把握が欠かせないこととなります。

導入成功のカギと言われる、RPAツール導入対象業務を検討するのにも、各業務の工程把握・時間の把握、そして効果の予測は欠かせません。

定性的効果・業務改革~ビジネス土壌の改善

これに対して、定性的な効果として知られるのは、

  • 業務の正確性の向上
  • 働き方改革を促進し、ダイバーシティ&インクルージョン推進にも役に立つ
  • 本質的な業務に集中できるので、商品・サービスのイノベーションを起こしやすくなる基礎ができる
  • BigDataの活用を促進する

などの効果です。

これらの効果は、一部は数字で見えるものですが、定性的にとらえられるという意味で、定性的効果としています。

これらの効果は、導入~運用がうまく行ってからしばらくして過去の導入企業で気づくことができた効果です。

こうした業務改革に導く定性的効果はなぜ引き出されたのか、実例に照らしてご説明します。RPAツールの導入を成功させるのは、事前のこうした準備に他ならないのです。

RPAツール成功事例で見る業務改革

RPAツール成功事例では、業務の質を定性的に向上させ、会社全体の業務改革につなげた事例が多くあります。

RPAでミスを減らした事例

通販業者のフェリシモでは、RPAツールを導入し、カタログのチェック・在庫のチェックといった作業について、自動化することに成功しました。

注目されるのは、カタログのチェック作業で、画像・文字のチェック作業、校正・再校正と、いわば「行きつ戻りつ」しつつ、ミスを前提として進めていた作業の正確性を向上した点です。

フェリシモのみならず、Webコンテンツ制作業者・新聞社など、コンテンツを扱う業界では、校正・チェック・画像の照合などの定型性が高い業務にRPAが使われ、時間削減・工程削減効果を生じさせて、ルーチン作業のありようを変えていこうとしている会社は多数に及んでいます。

RPAで女性活躍を後押しした事例

RPAと女性活躍、というと、一見結びつきにくいように思えますが、「産休で休んだ職員の代わりをRPAがしてくれた」と考えると、なるほど、と思われることでしょう。

こうした発想で、女性が9割を占める船井総研カスタマーリレーションズは、産休・育休・介護で人手が増減し、大きな影響を被る可能性のある顧客登録・情報収集業務にRPAを導入しました。

人員を増やさずに、職員の柔軟な勤務・ライフスタイルを後押しするため、サーバ型のRPAツールを導入しています。

例えば、夏のセミナーのための約6,000名分の参加登録を残業なしで済ませられるようになりました。

従来は、スタッフ30名で毎日22時頃まで勤務し、作業をするのが通例だったそうですから、大幅な残業削減効果がこの1つの業務だけでも生じています。

誰にも来る可能性があるライフイベントに際して、当事者は柔軟に働くことと、周囲への気遣いとのジレンマが生じがちです。

こうしたジレンマが軽減され、心理的にも体力的な負荷の面からも、より働きやすい職場を実現した事例です。

社内の成功からRPAサービスを新規展開した事例

社内でRPAに強くなったので、外にもこのノウハウを売ろう、という発想が生まれた事例があります。

日立マネジメントパートナーは、シェアードサービスカンパニーとして、日立グループの人事・総務業務を行っています。

社内での9000時間の実績を引っ提げて、シェアード先での環境に応じたRPAの開発・運用支援まで行っています。

これはシェアードサービスの例ですが、例えば、コンサルティング会社・各種のアウトソーサーの新規事業としても、RPAの導入~運用支援業務を行う例が増えています。

RPA導入から収益事業を行った点で、投資の効果を顕著に高めています。

投資対効果、というと、定量的に表現できないことはありませんが、事業創出のヒントないしレバレッジとなっている点は、定性的に評価できるでしょう。

長期の経営戦略に期待される効果

業務改革を行う効果が中期的な経営戦略に資するものであるとすると、さらに長いスパンでの効果も生じるのがRPAのメリットです。

そこで、これらの効果をRPA導入目的として長期的な目線で取り組んでいる企業・行政機関の例を俯瞰してみましょう。

労働力不足に対応する

2030年に、日本の人口はその3分の1が高齢者になります。2030年問題と呼ばれる、少子高齢化に伴う労働力人口の不足は、どの会社にも影響のあることです。

この問題に対応するべく、銀行・保険業界をはじめとする金融業界がまずRPAの導入を推進したことはよく知られています。

国・自治体の行政サービス品質を維持・向上する

民間企業だけでなく、国・自治体の行政サービスは少子高齢化に伴う労働力の不足で、質的に破綻してしまうであろう、ということが懸念されてます。

サービスの事務量は増えて、労働力が不足してしまうのですから、非常に影響は深刻と言えます。

そこで、総務省が特に地方自治体を後押しし「スマート自治体構想」を推進しています。

なかでも、RPAツールは各地で実証実験を行い、業務効率化の効果を実証してから導入につなげた事例が大都市圏を中心とする自治体に多数あります。

武蔵野市のように、コロナ給付金の迅速な配布にRPAツールを上手に使った自治体もあり、経理財務、あるいは税務関連業務・定型的文書作成など、役所の事務をRPAで迅速に処理する方向に手います。内閣府でもUiPathの導入が決まったところです。

本質的業務に集中、イノベーションを後押しする

Googleが2割の業務時間を、本業以外の業務に割いてもよいことはよく知られていますが、こうしたイノベーションの基礎となる時間の使いかたは、時間的余裕を捻出してからできるものです。

神戸製鋼所は、DXの推進に、RPAやビジネスチャットなど、多数のツールを導入しましたが、そこで時間短縮だけでなく、「意思決定の迅速化」「業務の付加価値化」を推進しています。

つまり、RPAで浮いた時間を使い、今までにないサービス・商品をつくり、つくる過程における意思決定は迅速性を重視する、ということを目指しているといえます。

Big Data 活用を促進

IoT端末により、収拾した大量のデータを活用し、工場からバックオフィス、販売の現場までをデータで無駄なく管理するスマートファクトリ―化を進める構想にも、RPAによるデータ処理の自動化が力を発揮しつつあります。

シーメンス・フォルクスワーゲンなど、ドイツの大企業におけるスマートファクトリーのバックオフィスや、英国の全国の国税データのRPA処理などのように、極めて大きなデータを処理し、活用するのはとても自動でないと追いつけません。

日本でも製造拠点と販売拠点とのデータ連携のRPAによる自動化の例が出始めています。今後BigData活用を推進するにもなくてはならないのがRPAなのです。

中小企業の生き残りをRPAにかける

最近は、RPAの導入も、大企業中心のフェーズを超えており、中小企業でもその6割が実際に導入したか、または導入を検討したことがある、とのデータがあるくらいです。

RPAに取り組んだのが昭和電機株式会社の事例は、中小企業の中の先進事例として知られています。

残業による負荷と従業員の離脱は人員が少ないところではより大きく影響がでます。また、特色のある新しい業務を創出していかないと、より厳しい立場に立たされます。

こうしたお金にすぐにつながらない目的を明確にし、時間をコツコツと削減するところから取り組んだ結果、235人ほどの社員数で、月間90時間の時間削減に成功しています。

中小企業にこそ、RPAが必要との視点もこうした事例から徐々に浸透してきています。

中小企業が導入しやすいMICHIRU RPAで業務改革を

中小企業のRPA導入でボトルネックになりがちであったのは、投資対効果の問題で、高い投資であるが、それだけ本当に効果がでるか、という問題でした。

しかし、最近では、中小企業にも手が届きやすい価格帯のRPAツールが市場に出回ってきており、MICHIRU RPAもその一つです。

MICHIRU RPAは、初期費用が10万円、月5万円で利用できます。また、別サーバによりライセンスを管理、使った分だけを課金するフローティングライセンスで、投資を無駄なく活用することができます。

すでに見てきたように今やRPAなしで次世代を考えることは難しい時代、MICHIRU RPAは導入前に受講できて、実際に操作ができるハンズオンセミナーも充実しています。

触って試して、導入を検討してみませんか。

まとめ

RPAの効果は、このように短期・中期・長期それぞれに期待され、導入はどの企業でもオフィスワークがある限りは必要性が認められるものです。

導入を成功させる具体的方法論は他の稿に譲りますが、短期的には、上記の導入成功事例にあるように事前の準備を入念にすることが導入成功のコツです。

一方中~長期的には、何を究極の目的とするのか、同じくここで紹介した事例のように、ビジョンを明確にしましょう。

その上で、会社のここを変えるのに使えるのではないか、といった仮説・アイディアを積極的に検証していくとさらに活用・効果の広がりが生じ、投資の効果をより上げることができるでしょう。