RPAによる「業務効率化」適用作業の選定方法やツール導入のプロセスを解説

RPAツールによる業務効率化について導入対象やその効果を解説

RPAツールは、パソコン上の定型的な業務を自動化し、業務効率化を推進するソフトウェアです。

人間のような複雑で高度な判断を行うことはできませんが、定型的作業はいつでも何度でも自動で休まずに行うことができます。

この記事では、業務効率化の観点から、RPAツールではどんな業務の自動化が最適かを解説。

また、ツール導入のプロセスを留意点等も踏まえて紹介します。

RPAツールの導入による業務効率化をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社MICHIRU カスタマーサクセス

この記事の監修担当者:
古閑 健太郎

熊本県出身。デザイン系の専門学校を卒業後、新卒で地元の映像制作会社に就職。テレビ番組や官公庁の動画の制作など映像に関する幅広い業務を経験。5年間勤務した後、2022年にMICHIRUに入社。

目次

RPAツールで業務効率化はどこまで進む?先進事例で解説

RPAツールで業務効率化はどこまで進む?先進事例で解

大手企業では数万時間・数十万時間の削減事例も出るくらい、業務効率化の効果は劇的なものです。8割~9割の時間削減・時間創出が可能になった事例も少なくありません。

先進事例はメガバンクなど

大手企業の中でも、メガバンクの自動化による業務効率化は著名で、先進事例とされます。

創出時間(RPAツールにより作業を代替し、不要になった時間)で図ると

例えば、三井住友銀行の事例では、2017からRPAツールの導入を開始、現在では1400台のロボットを使い、年間で100万時間以上の業務時間の削減を行っています。

メガバンクでのRPA導入による業務・作業自動化は、極めて大きな業務効率化があったことが数字で簡単に理解できます。

自治体も力を入れている

また、役所の仕事も、RPAによる自動化で現在変わろうとしています。

自治体には膨大な書類が業務に使われ、反復される作業が極めて多く、業務効率化しないと、労働力人口の減少についていけません。

より少ない若年労働者の数になる状況の中、多くの高齢者への行政サービスが行えるようにするには、IT技術による自動化・業務効率化は不可欠です。

総務省は、将来の労働力人口の不足を理由に、ITツールによる自動化を進める「スマート自治体」を推進しています。

うち、RPAツールについては総務省主導で実証実験を行い、大都市を中心に導入が進んでいます。

最近はRPAツールが中小企業にも普及が広がっています。現在は、UiPathやWinActorのような代表的な製品だけでなく、クラウドRPAを中心に、低価格・高機能のツールの数も増えています。

導入・業務効率化を進めるチャンスが中小企業にも十分あります。

業務効率化の観点から、RPAの導入に適した作業とは?

業務効率化の観点から、RPAの導入に適した作業とは?

RPAツールは、定型的で反復する作業を自動化することに向いています。

対象業務を行う担当者の代わりとして、RPAにより業務を自動化することで時間削減効果をあげやすく、業務効率化を進めやすくなります。

つづいて、確実な業務効率化を目指すうえで、RPAツールで自動化すると効果的な業務をご紹介します。

書類作成業務

業務効率化の効果が出やすい作業には、書類作成業務があります。

「ひな型」を転写・一部を入れ替える、といった作業はRPAが大いに得意としている作業。

RPAのシナリオ作成も比較的に簡単に行うことができます。

運用レポートや請求書・納品書の作成、定型フォームへの入力による書類作成作業などは、RPAが自動で進められ、かつ、まとまった量のある業務です。

業務効率化の効果をあげやすい業務といえるでしょう。

チェック業務

コンテンツのチェック・数字の照合・入力項目のチェック作業などもRPAツールによる自動化がおすすめ。

人の目より迅速・正確にチェックしてくれるので、仕事の質も改善でき、業務効率化効果もわかりやすいものがあります。

人間はもっとクリエイティブな仕事に時間を使うことができるようになり、働く人のモチベーションも上がるでしょう。

入力・転記業務

経理・財務のエクセルシートへの自動入力や、経費精算・人事システムへの自動入力等が代表例です。

これらの業務も、RPAツールによる業務効率化を推進しやすい業務です。

ダウンロード業務・アップロード業務

これも、定型的・反復される業務です。

大量のデータダウンロード・アップロードを人手で行うと、非効率なうえに、間違いもよく起こるものです。

そこで、RPAツールによる自動化で、業務効率化を図りましょう。

データ・情報収集業務

Webの情報を人の手で収集する場合、多くの手間と時間がかかってしまいます。

また、情報を見つけること自体に困難を生じることも少なくありません。

この点、極めて多くのデータからでもRPAなら収集したい情報を正確に拾うことが可能です。

情報を検索する工程・収拾したデータを入力して整理する工程、すべてが自動化できる可能性があります。

データ収集業務については導入事例が多数ありますが、この業務も業務効率化が非常に進みやすい業務と言えます。

経理・財務業務等

経理・財務関係、あるいは給与計算などの業務は、反復して単純に数字を転記・入力する業務が多く、RPAツールによる自動化に向いているものが多くあります。

もう少し具体的に言うと、経理システムへの転記作業を行う際に繰り返して同じフォームを使う・同じパターンでの入力作業を行うといった場合、RPAツールを利用すると業務効率化が進めやすいと考えられます。

日本CFO協会のアンケート(2018年)では、RPAを導入した作業・業務の中で、最も多かったのが「レポーティング」(38%)でした。

これは、基幹システムやデータベースにログインしてデータをダウンロードし、Excelに転記するような業務です。

自治体にも、経理系の業務への導入事例が多数見られます。

こうした業務は、定型的で反復的に行われる上に、シナリオの作成も簡単です。

業務効率化の効果が高確率で出やすい業務と言えるでしょう。

業務効率化で得られるメリットとは?

業務効率化で得られるメリットとは?

業務効率化を推進するうえでは、対象の業務を理解しておき、次のような効果が確実に得られるかを検討します。

正確性をより短い時間で確保可能

正しく作業が行われているか、これを人の目で何度も確認をすると非常に時間がかかってしまいます。

この点、自動で照合やチェックを行い、転記や入力を自動で繰り返し行うことができるRPAツールなら、人の目によるチェックや照合の工程を何度も行うことなく、1回で終えることができます。

また転記・入力も同じものを正確に繰り返してくれます。より短い時間で正確に作業するのが、RPAツールです。

働き方改革の実現・生産性の向上

業務効率化により、単純作業による業務時間を短縮できます。

単純作業をやっているために残業が多く、働き方改革が求められている職場であれば、大きな成果が期待できます。

働き方改革の課題は生産性の向上ですが、短い時間で同じ量の物をアウトプットできたとすると生産性の向上が見られたといえます。

また、浮いた時間を営業活動のような会社の利益につながる業務に使えば、さらに生産性を向上させることができます。

労働環境の改善

作業時間の短縮・業務効率化が進み、長時間労働が目に見えて削減されれば、働く人の心と体が健康になり好循環が生まれる職場になります。

RPAツールによる自動化でもたらされる業務効率化は、さらに労働環境を改善させることとなります。

本質的業務へのリソース集中

人口が減る傾向にあるのに、好みは多様化してブームを仕掛けにくい、研究開発や付加価値の高いサービスへの時間投資が必要、など、現代の企業の悩みは尽きません。

業務効率化によって創出できた時間は会社の利益につながる本質的業務に使い、単純作業はできるだけRPAで自動化させましょう。

慢性的な人手不足の改善

今後、2030問題などと言われるように、少子高齢化の影響で将来的に人手が不足する傾向にあります。

こうした事態を見据えて商売をしている人の中には「単純作業の整理・RPAへの置換をすすめ、生き残りを」とする会社もあるくらいです。

業務効率化・RPAへの人手の置き換えにより、人手不足を改善することができます。

コストカット

業務時間が減ると、残業時間が減り、残業代に関するコストカットにつながります。

また、教育研修の時間・コストも減らすことができます。

RPAの導入プロセスを解説

RPAの導入プロセスを解説

ここでは、より効率的にRPAの導入を行うための導入プロセスを解説します。

RPAの導入をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

ステップ① 対象業務の棚卸

まずRPA導入に向けては初めのステップとなるのが、業務の棚卸です。

現在の業務を洗い出したうえで、RPAを活用して自動化できる業務の棚卸を行いましょう。

RPA導入の失敗談としてよくあるケースが「RPAで置き換える業務が正しく整理されておらず十分活用できなかった」というパターンです。

逆に言えば、ここがきちんとできていればRPA導入は多くの場合で企業に大きなメリットをもたらすと言ってもいいでしょう。

ステップ② RPAツールの選定

次にRPAツールの選定を行っていきます。

RPAツールには様々な種類がありますが、ステップ①の対象業務の棚卸がしっかりとできていれば自ずとツールの選択肢の絞られてきます。

例えば、対象業務が「クラウドで完結するもの」なのか「PC上(ローカル)で行う業務なのか」などと見分けがつけば、RPAツールの種類も絞られます。

というのも一般的に、デスクトップ型のRPAツールではPC上の操作が全て行えますが、クラウド型ではWebでできる操作しかできない仕様となっているからです。

なお、RPAツールは複数ありますが、製品によっては1ヶ月無料トライアルが出来るツールもあります。

PoCの結果、導入を見合わせる場合もあるため、PoCでのツール導入は各業者と契約期間等の調整を行っておきます。

対象業務を選定し、RPA化していく過程ではどのくらい手間と時間がかかるのかを分析および測定することは必須です。

ステップ③ RPAのテスト運用

選定した業務をRPA開発が出来たら、実際にRPAを現場環境で業務を行い、実働させます。

これがテスト運用の進め方です。

RPAテスト運用においては、実際に本番環境下でRPAを稼働させて同じ業務を行い、開発時と比較して同じく正しい成果物が出てくるか、前後を含めた運用に適応できるか確認します。

テスト運用時点で、想定される業務の範囲でRPAが正確に動くということは前提になります。

実際の環境下で稼働するRPAテストで留意すべきは、実際の業務はビジネスフローに組み込まれているため、『RPAが起動するタイミングの適切さ』と『成果物が適切に次のフローに受け渡され活用できるか』という2点になります。

全ての業務はビジネスフローに組み込まれているため、前後の業務と連携が必要になります。RPAが単独で行う業務ではない限り、前の業務が完了したのちに稼働し、RPAの次の業務が支障なくできるのかということを確認します。

また、実際のRPA導入においてはRPAを稼働させることでビジネスプロセスやフロー自体を変えることもあります。

この現場の運用の変更にかかる負荷と適応力が自組織にあるのかもテストにおけるチェック項目になります。

ステップ④ 結果検証/導入判定

結果検証は、想定していた効果が出たかを実際に自動化した業務によって得られた時間やコストの削減など測定可能なものから検討していきます。

また、同じく効果を得るためのコストや負担は想定していた通りかどうかも確認します。

選定したRPAツールやRPA化した業務が適切だったのか、全体的なRPA導入をする場合の懸念点や課題が何であるのかということを取りまとめます。

その上で、RPA自体のコンセプトやプロジェクトを継続すべきかやめるのかの根本かつ大きな判定を行います。

RPA導入を進めるという判断・判定になった場合には、全社展開をするのか部分展開にするのかという範囲の決定や、RPAツールやRPAすべき業務の洗い出しなどの細部の条件を決めていきます。

さらに、RPA導入について今後進めていくために必要な、予算や担当チームやスケジュールなどを決定します。

より業務効率化させるためのポイントを解説

より業務効率化させるためのポイントを解説

RPAツールの導入による業務効率化の効果を上げるために大前提として必要なことは、定型的・反復する作業であることを条件に、自動化できる業務を絞り込むことですが、その他にも留意点があります。

業務効率化は何のため?導入目的をはっきりさせる

わかりやすい目的・効果測定をするのは、よりRPAツールの定着を推進することにつながります。

「達成したら早く帰れる」、「業務効率化はこんなに進んで○○時間浮く見込み」など、具体的なプラス面や改善される点を社内で共有することを徹底しましょう。

RPAの対象業務・十分な理解を促進しよう

非常に大事なポイントですので、繰り返しとなりますが、RPAツールを導入するのが有効な業務は、業務効率化を推進しやすい業務です。

先ほどご紹介した業務が典型例で、定型的・反復する業務は自動化の効果が出やすく、大量の作業であれば、時間短縮の効果が大きく出てくるのです。

逆に、複雑な判断が必要な業務はRPAには向いていません。このような業務に対応させようとすると、コストばかりがかかってしまい、得られる成果は低くなります。

導入に際しては、RPAに適した業務を見極めることが重要です。

ITスキルが足りない?フォローアップも大事

メンバー間で、ITスキルはばらばらであるのが会社の常です。

そんな中で「RPAを導入する」というと、業務効率化で自分の作業・業務負担が軽くなるにも関わらず、アレルギーを起こすように嫌がる方がいるのも事実です。

RPAツールは基本的にプログラミングが不要です。学習プログラムによりスキルを身に着ければ、誰でもロボットが動くためのシナリオを作ることができるのは、RPAの特徴の一つです。

評価基準を整備することに加え、基本操作の習得と簡単なシナリオが作成できるように教育研修を行うと、スキルに自信がついて、メンバーがさらに積極的にRPAを活用し、多くの業務を効率化したくなります。社外のセミナーも活用してみましょう。

初めてのツールには「MICHIRU RPA」がおすすめ

初めてのツールには「MICHIRU RPA」がおすすめ

RPA導入による業務効率化をお考えの企業様におすすめのRPAツールが「MICHIRU RPA」です。

MICHIRU RPAは低コストながらもパワフルな機能性とユーザーフレンドリーな使用感で、中小企業に絶大な人気を誇っています。

PCで行える操作を全て自動化できるデスクトップ型でありながら、月々の費用は業界最安級の5万円。

そしてMICHIRU RPAでは直感的な操作でシナリオの作成が可能。プログラミングの必要が無いため、非エンジニアの方も安心してお使いいただけます。

初めてのRPAの導入でお悩みの方は、まずはMICHIRUまでご相談ください。

記事まとめ

記事まとめ

RPAツールには、定型的な業務を、人間よりも正確に長時間行えるという特徴があります。

このことから、業務時間の短縮・業務効率化に有効であり、労働環境の改善・より収益につながる本質的な業務への集中が可能になる等、多くの点でメリットが生じます。

まずは自動化する業務をしっかりと見極めたうえで自社に合ったツールを選ぶことが重要です。

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