近年、多くの企業がRPA(Robotic Process Automation)ツールの導入を検討し、業務プロセスの自動化を実現しています。
RPAは定型的な業務を自動化し、企業で働いている従業員の負担を軽減するための強力なツールとして注目されています。
しかし、「具体的にどうやってRPAを利用しているか分からない」「自社で導入しようと検討しているがイメージが沸かない」「ツール選定とは?」と、お困りの企業の方もいらっしゃると思います。
そこで今回の記事では、RPAツールを導入することで業務効率化に成功した企業の事例をご紹介します。
これらの事例は、さまざま業界や規模の企業がRPAを活用して業務の自動化に成功した実例です。
自社でRPAを導入する際のアイデアの一助になれば幸いです。
RPAを導入した企業事例7選
では、さっそくですがRPAを導入した企業について紹介していきます。
自社で参考にできる事例があるかチェックしてみてください。
【エネルギー・インフラ】三井不動産株式会社
オフィスビルや大型商業施設からホテル運営など多岐にわたるサービスを展開する企業の三井不動産株式会社は、2018年5月にグループ長期経営方針「VISION 2025」を策定し企業のDX推進に注力しています。
その一環で現場のプロセス改革を後押しする役割として「UiPath」を導入しました。
企業の課題として実行正確性の高さとガバナンスを重要視しており、UiPathのオブジェクト認識性能の高さやガバナンス対応範囲から導入を決定。
また、リモートワークが推奨されていた兼ね合いもあり、クラウド環境で利用できるツールという所も条件に合致していました。
現在は、年間9,000時間分の作業が削減されており、多大な生産性向上に繋がっています。
今後も企業の自動化を加速させるべく紙媒体の業務プロセスに対し、AI-OCRなどの技術を活用しRPA適用範囲の拡大を検討しているそうです。
【卸売・小売】マックスバリュ西日本株式会社
スーパーマーケットなどのサービスを展開する企業のマックスバリュ西日本株式会社は、2020年末に従業員が誰でも使える生産性向上の手段としてRPAに着目。
非ITのメンバーが自ら開発試験を行い、操作性や機能・有用性を確かめ「BizRobo!」の導入を決定しました。
対象の業務としては、「レジ単位で記録されるスキャン端末の利用実績を、社内システムから取得し種類別にExcelファイルにまとめ、メールで報告する」という一連の業務プロセスを自動化しています。
それによって、これまでは手作業で実施していた一連の作業を、すべてRPAに置き換えることができ月間およそ340時間、年間で約4,000時間の削減に成功。
また、取引先企業からの請求書についても、BizRobo!とAI-OCRツール「BizRobo! OCR with AI inside」を組み合わせて自動化を実施し生産性向上に成功している企業事例です。
【官公庁】三原市役所
三原市役所は市役所職員のI Tスキル習得を推進しており、デジタル化を通じた市民サービスの向上や、交流人口の拡大につながる情報発信サービスの充実を目指しています。
そういった活動のリソース創出に不可欠な存在としてRPAに着目しており、2019年度から「SynchRoid」を導入しました。
RPAを導入した業務として「郵送で金融機関に照会し結果をシステムへ手入力していた市税等の未納者への対応」や、「電子申請の活用が困難で電話対応も追いつかない高齢者のコロナワクチン接種予約事務処理」を自動化しました。
削減効果としては、およそ年間9,700時間のリソース創出に成功しています。
【金融】株式会社みずほフィナンシャルグループ
株式会社みずほフィナンシャルグループでは、企業の働き方改革の一環としてRPAを取り入れ、「対応言語が日本語であること」「予め汎用的なシナリオが準備されていること」「サポート体制が充実していること」などの理由から「WinActor」を導入。
対象業務としては、行内で実施しているバックオフィスを中心に自動化を適用しました。
RPA導入を成功させるために、各部署の管理者層を巻き込み「自分ごととして考えてもらう」工夫をした結果、みずほ銀行を中心に約50部署(200〜300名)のメンバーがRPAを推進しています。
導入効果の測定は意図的に行わず、それぞれが自由に個人業務を自動化し生産性向上に繋げてもらうようなアプローチでRPAを推進しているそうです。
【商社】三井物産株式会社
三井グループの総合商社として、多角的なサービス展開と総合力で価値創造を続けている三井物産ですが、攻めのIT経営取り組みの一環としてRPAに注目しました。
誰でも簡単に扱えるユーザーフレンドリーさと、スモールスタートができるコストパフォーマンスの高さから「WinActor」を導入を決定。
企業の課題として、人の手で処理している定型作業が数多く存在していたこと、入力後の確認作業に辟易していたことなどがありました。
RPA導入後は年間に130時間を要していた作業が30時間に短縮されたことや、定型作業から開放されることで精神的な負担も解消されたそうです。
今後は海外の拠点でもRPA導入の検討がスタートされています。
【ゴム/その他製造】住友ゴム工業株式会社
独自のゴム技術を生かし、タイヤ事業からスポーツ事業まで多岐にわたるサービスを展開する企業の住友ゴム工業株式会社ですが、本来業務に注力できる環境を目指した業務改革の一環で定型業務を自動化するRPAを導入しました。
導入ツールとしては、機能面や管理機能が使いやすいという検証結果を評価し「Automation Anywhere」に決定。
対象業務としては経営企画部が実施している国内外のグループ企業の業績データを集計、一覧にし表にまとめるような定型作業の自動化に取り組みました。
現在は、226のロボットが稼働しており、年間約35,000時間の削減に成功しています。
【製造】株式会社ヤスヒラ
株式会社ヤスヒラは、工作機械、物流管理機器などの各種工作機械・工具の販売や、お客様のご要望に応じた設備の設計製作を実施している企業ですが、元々業務効率化のためにRPAを導入し利用していました。
しかし、WEBサイトのボタンをクリックするにも画像判定ミスが結構な頻度で発生し、無人運転は難しい状況でした。
そこで出会ったのが「MCHIRU RPA」で、画像判別ミスが少ないことや、企業導入時のサポートが大変手厚かったため、大きな信頼を感じ導入を決定しました。
業務上、取扱品目は膨大で引き合いや注文情報を業務システムに入力する作業が頻繁に発生します。
また、業務システムが少し特殊で右クリックとコピーが実施できないため通常のRPAでは対応できないケースもありました。
しかし、「MCHIRU RPA」とはシステムの相性が良く、手作業で実施していた入力作業をRPAに置き換えることができ業務効率化に成功しています。
ツール選定のポイント
次は、企業でRPAツールを選定する時のポイントについて解説します。
見て頂いた企業事例にも共通していえることですが、ツール選定時にはポイントを理解し評価を行うことで不要なIT投資などを防ぐことができます。
RPAツールの特性を知る
RPAは「決まっているルールに沿った自動化」が得意です。
逆に、業務実施タイミングごとにフローが変わる作業や、人の判断が必要な作業は苦手としています。
そういった特性があることを理解しツールを選定する必要があります。
また、最近ではさまざまな企業での導入が浸透することでニーズが多様化し、特定の業種に特化したRPAツールも登場してきています。
一例としてはコールセンターの業務に特化したサービスを提供しているRPAや、人事業務の特化したサービスを提供しているRPAツールなどがあります。
検討しているツールを導入することのメリットとデメリットを評価し選定しましょう。
目的や課題を可視化する
上述しましたがRPAは万能ではなく、定義されたルールにしたがって自動化をするツールになります。
そのため業務効率化の思いが先走り、むやみに自動化を適用しようとするとかえって現場が混乱してしまい、目的としている新たなサービスの創出などの時間が取れず、失敗してしまう可能性があります。
まずは、RPAを導入する目的や課題を明確にしましょう。
どの業務に対し、どんな課題があり、どう解消したいのかを可視化します。
その可視化した業務に対して、RPAツールの特性を照らし合わせ向いている業務なのか判断します。
そういった流れで選定された業務に対し、優先順位を付け自動化を進めていく必要があります。
また、RPAの適用対象外となった業務が存在しても、業務を可視化したことで今まで不明確だったフローが確立することで効率化に繋げることもでるため、無駄な活動にはなりません。
自社と同じ業種や自動化したい業務への導入実績があるか
RPA製品にもよりますが、ベンダーサイトを見れば今までの企業導入実績を確認することができます。
RPAを選定する際に、機能面や管理面などをチェックすると目的に適したツールがあったとしても、本当に自社が実現したいことができるか不安になることがあると思います。
その場合は、導入実績を確認し自社と同じ業種や業務に対し適用したことがあるかをチェックしましょう。
また口コミサイトでの評判や、ランキングのレビュー情報も有用ですのでチェックしてみましょう。
サポートが充実しているか
サポート内容が充実しているか確認します。
企業によってはサポートを不要としているケースもありますが、万が一トラブルが発生した際にヘルプが必要となるケースが出てくることもあります。
普段の利用はせずとも、困った時の手段として支援サービスの準備があるか検討しておくことが大切です。
また有料のサービスだけではなく、ロボット開発を学ぶには無料のeラーニングやナレッジなども重要なサポートですので確認をしておきましょう。
導入社数700社突破!低コストでサポート充実の「MICHIRU RPA」
MICHIRU RPAは、「株式会社MICHIRU」が開発した業界相場の1/3ほどの費用ながらも、高機能で充実したサポートを提供しているRPAツールです。
多くの企業から選ばれ、導入社数700社を突破しました。
MICHIRU RPAの特徴は、ユーザーフレンドリーなサービスが充実していることです。
専門的なプログラミングスキルは不要で使いやすいインターフェースを備えており、画像認識技術により「表計算ソフト」「会計ソフト」「 Webシステム」「業務システム」など異なるソフトウェア間を横断した自動化など、できることが多くあります。
また、導入当初の不安を解消するために「自動化の可否」や「シナリオ作成のアドバイス」などの充実したサポートも提供しています。
導入するツールに迷われている場合は、是非ご連絡ください。
まとめ:企業事例をもとに、自社に最適なツールを選ぼう
今回の記事では、RPAを導入した企業事例の7選とツール選定時のポイントについて解説しました。
- さまざま業界や規模の企業がRPAを活用して業務の自動化に成功している
- ツール選定時にはポイントを理解し評価を行うことで不要なIT投資などを防ぐことができる
RPAは業務効率化を加速させる最適なツールですが、正しい評価で導入することが重要です。
今回、紹介した導入事例は一部ですが、自社の導入状況と照らし合わせ何かアイデアを得る一助になれば幸いです。