定型業務の自動化を可能にする便利なツールとしてRPAが注目を集めています。
低コストで業務改善ができるため、RPAツールを導入する企業が急増しています。このRPA技術者としての能力を図る資格に「RPA技術者検定」があります。
今回は、その「RPA技術者検定」の中でも、より高い技術をもとめられる「RPA技術者検定 エキスパート」について解説します。
また、検定試験に合格すると得られるメリットや受検対策についてもご紹介します。
株式会社MICHIRU カスタマーサクセス
この記事の監修担当者:
田中 温子
PCスクールのカリキュラム開発や地方創生イベントの企画運営を経て、2019年、業務で導入したMICHIRU RPAと出会う。その技術に心を打たれ、2023年に入社。お客様の描くDX実現に寄り添うカスタマーサクセスを目指しています。
国内シェアNo.1「WinActor」について
「RPA技術者検定」とは、「WinActor」の技術者向けの検定のことです。
「WinActor」(ウィンアクター)は、NTTデータからサービスが提供されている、国内シェアNo.1の純国産RPAツールです。
RPA技術者検定エキスパートの概要
RPAの知識や技術レベルを測る資格の中で、国内で最も有名なのは「WinActor」の「RPA技術者検定」です。
「RPA技術者認定」の資格を保有すると、RPA技術を持っていると明確にアピールすることができます。
この「RPA技術者検定」には、「アソシエイト」と「エキスパート」の2種類があります。
アソシエイト
アソシエイトは、RPAの基本的知識や「WinActor」の操作方法、シナリオの作成方法が身についているかを確認するための技術者検定試験です。
選択式のテストのため、入門講座で事前に学習すれば「WinActor」未経験者であっても合格しやすい試験です。
エキスパート
エキスパートは、「WinActor」を用いて実業務を自動化した経験のある人を対象とした技術者検定試験です。
「WinActor」で作成したシナリオのエラーやトラブルへの対応、シナリオを改善するスキルを問われます。
この「RPA技術者検定 エキスパート」に合格すれば、「WinActor」を用いた業務自動化における即戦力の人材であることの証明になります。
概要
「RPA技術者検定 エキスパート」試験の概要は以下のとおりです。
名称 | RPA技術者検定 エキスパート |
---|---|
受検資格 | 誰でも受検可能 |
申込形態 | 抽選 |
申込方法 | 「DXマーケットプレイス」から申込み (https://nttdata-mp.com/) |
受検料 | 21,780円(税込) |
試験時間 | 120分 |
試験日 | 年4回実施 |
試験会場 | オンライン受検 |
出題形式 | 選択式問題30問+実技問題3問(2部構成) |
合格率 | 約40% |
合格発表 | 試験実施月の2ヶ月後の第3木曜日にWeb上で発表 |
※2023年2月時点
RPA技術者検定エキスパートを取得するメリット
「RPA技術者検定 エキスパート」の試験に合格し、資格を取得すると、以下のようなメリットがあります。
WinActorの実践レベルであることの証明
「RPA技術者検定 エキスパート」を取得できたということは、WinActorを実践で使用でき、エラーへの対応も可能なレベルであることの証明になります。
また、WinActorで業務を自動化している会社への就職・転職を志望する人にとっては、「RPA技術者検定 エキスパート」であることが大きなアピールポイントになるでしょう。
RPAの有識者としてアピールできる
「RPA技術者検定 エキスパート」はRPAを扱う上で必要なスキルである要件定義や業務フローの作成も可能な人材であることがアピールできる資格です。
近年はIT人材が不足しているので、「RPA技術者検定 エキスパート」の資格を取得していれば、正しい手順で要件定義ができ、RPAの開発・保守まで全てできる貴重なIT人材であることの証明になります。
検定難易度について
「RPA技術者検定」には、「アソシエイト」と「エキスパート」の2種類があります。
「アソシエイト」はWinActor未経験者でも比較的簡単に資格が取得できますが、「エキスパート」は実務レベルの経験が必要です。
では、「エキスパート」試験の難易度や、どの程度正解すれば合格できるのかを見ていきましょう。
エキスパートの難易度
「エキスパート」の資格は実践レベルが求められるため、実運用経験がなければ合格が厳しいとされています。
WinActorでのシナリオ作成の知識を問われるものもあり、問題が難しいだけでなく、時間内で全問題を回答するのも厳しいともいわれています。
エキスパートの合格基準
「選択式試験」および「実技試験」のそれぞれに合格基準が設定されており、両方の合格基準を満たすことが必要です。具体的な合格基準の数値は非公開となっています。
出題の範囲について
NTTデータから発表されている「RPA技術者検定 エキスパート」の出題範囲は以下のとおりです。
【WinActorのドキュメント名】 |
---|
WinActor_簡易マニュアル |
WinActor_操作マニュアル (JPath 取得 、DB 連携 、輪郭マッチング 、コマンド実行 、正規表現は出題範囲外) |
WinActor_ユーザライブラリサンプル説明書 |
WinActor_ブラウザ操作シナリオ作成マニュアル |
ハンズオントレーニング |
※2023年2月時点
出典:RPA技術者検定エキスパート 検定範囲
おすすめの勉強方法の紹介
「RPA技術者検定 エキスパート」に合格するには、どのような対策をすればよいのでしょうか。おすすめの受検対策や勉強方法について紹介します。
受検対策
「RPA技術者検定 エキスパート」は、勉強に多くの時間を費やしても必ず合格できるものではありません。
過去問題で試験の出題傾向を掴むのが最も有効な受検対策です。参考書を購入して独学で学ぶ方法のほか、講座を受講するのもよいでしょう。
おすすめの講座
講座は、短期集中的に試験対策ができるのでおすすめです。
YouTubeのような動画サイトで「RPA技術者検定 エキスパート」を検索し、試験対策の方法を学ぶのもいいですが、こういった動画サイトで紹介されている内容はあくまでも個人の見解であり、動画内容の精査については、自分自身で判断しなければなりません。
その点、公式で紹介されている講座は安心して受講できます。以下に、公式の講座を紹介します。
RPA入門講座
主催:NTTデータ
費用:無料
研修時間:動画の合計時間は55分
研修形式:Web動画視聴
概要:こちらは入門編ではありますが、エキスパートの資格を取得する上で、大事な基礎を復習できます。自分の好きな時間で動画を視聴して学習できます。
RPA技術者検定 エキスパート過去問挑戦!講座
主催:ヒューマンリソシア
費用:44,000円
研修時間:6時間
研修形式:オンライン
概要:RPA技術者検定 エキスパートの受験希望者、または受検検討者向けの講座です。
参考書
「RPA技術者検定 エキスパート」の試験対策ができる参考書もあります。
WinActorでシナリオを作成しながら勉強することも大事ですが、参考書があると、通勤、通学中の時間に試験対策ができておすすめです。
徹底解説RPAツール WinActor導入・応用完全ガイド
出版社:秀和システム
価格:3,960円(電子書籍版:3,564円)
概要:WinActorを実践的に導入したい方向け。導入から応用的な使用方法まで解説されています。
日常業務をRPAで楽しく自動化 WinActor実践ガイド
出版社:株式会社インサイトイメージ
価格:2,035円(電子書籍版:1,832円)
概要:WinActorの基本から、シナリオ作成に役立つ実践的なサンプルまで掲載されています。研修教材や検定問題を作成してきたNTTデータの講師陣が監修しているため、「RPA技術者検定 エキスパート」試験のポイントも随所に散りばめられています。
WinActor RPA技術者検定エキスパート~実施問題と解説~
出版社:ヒューマンアカデミー株式会社
価格:3,850円 (電子書籍のみ)
概要:「RPA技術者検定 エキスパート」の試験、2019年11月から2020年9月実施分の過去問題とその解答方法を、わかりやすく解説しています。また、第1回、第2回、第3回実施分と第4回、第5回、第6回実施分も別立てで出版されています。
まとめ:正しく勉強してRPA技術者検定エキスパートを取得しよう
「RPA技術者検定 エキスパート」は、実践的な内容が問われるため、難易度の高い検定です。
しかし、「RPA技術者検定 エキスパート」の取得で得られるメリットも多く、RPA担当者は是非とも取得しておきたい資格です。
最短で資格を取得するために、今回紹介した勉強方法を参考にしていただければと思います。