人手不足問題や長時間労働問題に効果的であるとして注目を集めているRPAツールとは、一体どういったものなのでしょうか。
大手金融企業では、RPAツール導入により、今まで手作業で行っていたパソコン業務を自動化し、合計2万時間(丸々833日分)の労働時間削減に成功した企業も。
前述から分かる通りRPAツールとは、有効活用することで生産性に莫大な影響を与えることができるのです。
そこで本記事では、RPAツールの特徴や導入メリット、種類とその選定方法に合わせて、中小企業向けの導入しやすいRPAもご紹介していきます。
RPAツール導入を検討している方の手助けになれましたら幸いです。
RPAツールとは
まず初めにRPAツールとは何か、概要と導入メリットを解説します。
概要
RPAツールとは「Robotic Process Automation」の略で、普段人間がPCなどのコンピューター上で行う業務を代わりに自動で実施してくれるソフトウェアのことです。
また、仮想世界(デジタル)内で24時間休むことなく働いてくれる労働者(レイバー)であることから「デジタルレイバー」とも呼ばれています。
RPAツールができることは主に、PC上で行うマウスやキーボード操作系の業務自動化です。
具体的には、バックオフィス業務である経理や退勤管理、データの収集・分析業務などが挙げられます。
その一方で、RPAはルール化されていない非定形業務や人間のような思考・判断力の
必要な業務をすることはできません。
AI(人工知能)との違い
AIは、機械学習やディープラーニングと呼ばれる学習機能があり、膨大なデータを基に複雑な作業も自分で判断して実行できます。
他方、RPAツールの得意分野は、繰り返し行われる単純な反復作業です。
最近では、BIツールなどのAIとRPA両方の良さを組み合わせたツールも開発されています。
VBA(マクロ機能)
VBA(Visual Basic for Applications)は、ExcelやMicrosoft社製のソフトウェアに搭載されており、RPA同様コンピューターによる自動化ツールとして有名です。
どちらも人間が設定した作業を行う点では似ています。
しかし、VBAを使用するにはプログラミングの知識が必要である点や、複数のアプリケーションを介した作業が苦手な点が、RPAツールとの大きな違いです。
産業用ロボットとの違い
産業用ロボットとRPAツールの違いは分かりやすくなっています。
産業用ロボットは主に、自動車工場など物理的な業務を自動化してくれるロボットです。
その一方でRPAツールとは、デジタル(仮想世界)に存在するソフトウェアのロボットです。
導入メリット
RPAツールを導入することで、業務効率化、人手不足の改善といった効果を得ることができます。
それぞれのメリットを詳しく解説します。
業務効率化・ミス削減
RPAツールを導入することで、業務効率アップ・業務ミスの削減といった効果が期待できます。
RPAは指示した業務に従って24時間淡々と、正確に仕事を行うため、人間のミスによる損失を未然に防ぐ安全機能のような役割もしてくれます。
更に、RPAの活用によって削減できた労働時間を、もっと創造的・生産的な業務に使うことで業務効率アップにも繋がるのです。
たとえば、ある地方自治体では軽自動車税の廃車登録業務にRPAを導入することで年間85時間以上もの作業時間を削減することに成功。
その結果、繁忙期に職員を他のコア業務へ充てることができたという事例も挙がっています。
人手不足の改善・働き方改革
また、RPAツールは人手不足の改善や、働き方改革にとても適したシステムです。
近年では、少子高齢化や労働人口の低下に伴い、長時間労働を強いられる業界が増えてきました。
その一方で、プライベートと仕事の両立を背景に、残業を前提とした働き方から、短い労働時間で高効率な働き方への改革が求められています。
この改革を可能にしてくれるのが、短時間でこれまでと同様、またはそれ以上の成果を出せるRPAツールです。
ある企業では、育休や介護休暇を取得している人の業務をRPAで自動化することにより、女性も働きやすい環境づくりに成功しています。
ツールは全部で3種類。それぞれの特徴を解説
RPAツールは主に「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類に分けられます。
これらの大きな違いは、どこでRPAツールを管理・実行するかです。
全ての特徴や違いを解説するので、どのタイプがあなたの企業に最適か比較してみてください。
サーバー型
サーバー型RPAツールとは、中央のサーバーから統括的にロボット全てを遠隔操作・管理する形のRPAです。
PC1台で100体以上のロボットを動かせるものもあり、データの一括管理、トラッキング・モニタリング、セキュリティー管理が非常にしやすくなっています。
更にスケーラビリティーが高く、業務の成長や変化に対応するためのロボット数増減をできるという柔軟性を持っていることから、大規模での導入向き。
ただし、サーバー型RPAは、適切な設定や導入、維持管理に経験と知識を持つ人材が必要不可欠です。
導入・保守にかかるコストが数百万以上するものもあるので、機能優先でRPA人材のいる大企業におすすめなのが「サーバー型」RPAになります。
デスクトップ型
デスクトップ型のRPAツールは、それぞれのPCの単純な業務を自動化し、PC1台に1ロボットがつくので、個別に管理できます。
また、デスクトップ型RPAは、導入が容易であることや、スモールスタートしやすい点が大きなメリットです。
というのも、PCにインストールするだけで活用できるので、部門や個人レベルでの導入がしやすいからでしょう。
低価格で導入しやすいデスクトップ型RPAですが、自動化している間にPCが使用できなかったり、属人化しやすくなってしまうというデメリットもあるので注意。
デスクトップ型RPは、「小規模から導入してみたい」「プログラミングの知識が0でも使えるか不安」という方におすすめです。
クラウド型
クラウド型RPAツールとは、クラウドサーバー上での単純な業務を自動化してくれるソフトウェアです。
Webブラウザを介してアクセス可能なため、サーバー型やデスクトップ型のように、自社サーバーやパソコンにインストールする必要がありません。
更に、契約した日から使用可能なソフトもあるほど、手軽に活用できるだけでなく、大規模な業務の自動化も可能のがクラウド型RPAツールの主なメリット。
ただし、クラウド型RPAは外部ネットワークに接続可能な環境が必要なため、情報の流出に注意する必要があります。
デスクトップ型同様、価格的には手が出しやすい種類のRPAです。
自社に適切なものを。ツールの比較・選定方法とは
RPAツール選びは企業のニーズに合わせて行うべきです。
セキュリティ性、コスト、使いやすさなど、さまざまな要因を比較検討することが大切です。
以下では、4つのポイントに分けてRPAツールの選び方を解説します。
ツールの提供形式
RPAツールの比較・選定方法の重要な要素の一つは、ツールの提供形式です。
前述の通りRPAツールは、クラウドベースのサービスとオンプレミスソフトウェア(サーバー型・デスクトップ型)の両方で提供されています。
上記の形式は、組織のニーズに合わせて運用しやすい型を選択する必要があります。
クラウドベースのRPAは迅速な展開とスケーラビリティを提供し、オンプレミスはセキュリティとデータプライバシーの要件を満たすことが可能。
選択する際に、どの部分を重要視するのかそれぞれのメリットやデメリットを比較して検討しましょう。
自動化したい業務を可視化!対象業務に適した製品か
RPAツールを選ぶ際にはまず、自動化したい業務プロセスを詳細に可視化し、それに適した製品を選ぶことが大切です。
RPAといっても、製品ごとにさまざまな特徴があります。
たとえば、会計ソフト業務の経理に適したもの、求人情報の管理に特化したものなど、近年では多くの種類のRPAが開発されています。
あなたの会社に最適なRPAツールを見つけるためにも、自動化したい業務内容をフローチャートの様なものにまとめ、その業務に最適な製品を見極めましょう。
サポート体制・メインテナンスフォローの確認
RPAツールの導入後に重要となるのが、メンテナンスと何か問題が発生した際のサポート体制です。
基本的に、無料版のRPAを導入する場合は、サポート体制に期待しない方が良いでしょう。
無料版RPAは、トラブル発生時などの対応にもかなりの時間を要する可能性があります。
一方で有料版であれば、問題発生時の対応やメインテナンスはもちろんのこと、オンライン勉強会や開発者コミュニティーなどのサービスもあります。
そのため、IT系に弱く、トラブル対応に不安がある場合は、有料版のRPA導入をおすすめします。
RPAを扱う予定の人材レベルに合わせて、比較・検討しましょう。
費用対効果
最後は、どんな製品を導入する際にも重要になってくる、予算との折り合いやコストパフォーマンスの確認です。
RPAツールの導入には、初期導入費用、ライセンス費用、学習費用、運用コストなど、それ相応の費用がかかります。
上記費用に加え、業務自動化によって得られる効果、エラーや残業代の削減などと比較し、長期的に投資する価値のある価格かどうか判断しましょう。
更に、不必要な機能や高すぎる性能は、コストを無駄に増大させる要因になります。
自社の予算と必要な機能、ツールの価格とその提供価値のバランスを考え、最適な製品を探しましょう。
ツールでお悩みなら「MICHIRU RPA」がおすすめ
RPA導入には、多額の予算が必要になるものが多く、なかなか気軽に手が出せないという企業もあります。
株式会社MICHIRUが提供しているRPAは、初期導入費用10万円、月額5万円で、業務自動化ツールが利用できるので、中小企業にもおすすめです。
また、低価格で始めやすいだけでなく、Webライセンス認証やUSBライセンスキーにより、1つのライセンスを複数端末で利用できる点もポイントです。
更に「MICHIRU RPA」はシンプルなユーザーインターフェースで、プログラミング経験がない方でも操作しやすいように設計されています。
そのため、ITやプログラミングの知識や経験がなくても、現場のスタッフたちでカスタマイズやメンテナンス業務も行える汎用性の高いRPAツールです。
導入後も定期的にMICHIRUアップデートを実施し、「お客様のあったらいいなに寄り添ってくれる」など製品メリットが多くあります。
RPA導入に少しでも興味のある企業様は、お気軽にRPAの利便性を体験してみてください!
【記事まとめ】RPAツールとはPC上の定期業務自動化ロボット
RPAツールとは、コンピューター上で行われるルーチンワークの業務を自動化
してくれるソフトウェアです。
RPAを導入することで、ミス削減による業務効率化や労働時間削減による人手不足問題の改善を期待できます。
また、RPAにはセキュリティーに強い「サーバー型」、優しい価格で手の出しやすい「デスクトップ型」、Webからアクセスできる手軽な「クラウド型」の3種類あります。
無料で利用できるRPAもありますが、メインテナンスやサポート体制の整ったものが良い場合は有料版がおすすめです。
最適なRPAを選ぶためにも、予算と自動化したい業務の把握や、ツールの価格とその提供価値をしっかりと比較した上で検討することが重要です。