業務効率化に有用なRPAですが、ツール導入を検討している方にとって気になるのは「どんな費用があるの」「どれくらい費用がかかるの」といった内容ではないでしょうか。
近年、さまざまな業界でRPAツールが活用されているため、安価な費用でスタートできるものから、高価ながらも充実した機能を備えているものまで、多種多様な製品がリリースされています。
そこで、本記事では、RPA導入時にかかる費用として、RPAライセンスの解説や、RPAライセンス料相場、ライセンス料以外に必要となる費用を解説します。
また、最後に人気のRPAツール10製品の価格比較についても紹介していますので、ぜひご覧ください。
RPA製品のライセンスとは?
RPAライセンスとは、RPAツールを使用するために必要な権利(許可)のことを指します。
RPAのライセンスは、サブスク型や買い切り型と呼ばれる契約の種類や、スタンダードやフローティングと呼ばれるライセンス形態があります。
RPAライセンスの種類(サブスク型・買い切り型)
先ほども少し触れましたが、RPAのライセンスの種類にはサブスク型が多く採用されていますが、買い切り型のライセンスを提供しているRPAツールも存在します。
しかし、買い切り型のRPAはランニングコストが抑えられる反面、機能やバージョンが契約した時の状態に固定されることが多く、ビジネスの変化に応じた柔軟な対応が難しい場合があります。
そのため、常に最新版が利用できるサブスク型のRPAライセンスがおすすめです。
ライセンス形態 | 特徴 |
---|---|
買い切り型 | 購入後にはライセンス委費用が発生しないため、コストが抑えられる/購入時の状態が固定されるため、ビジネスの成長や変化に応じて、必要な機能をバージョンアップできない |
サブスク型 | 契約期間中は新しい機能やアップデートが自動的に提供され、常に最新の技術を利用することができる/ランニングコストが発生するため、利用環境によっては買い切り型の方がコストパフォーマンスが高い可能性がある |
RPAライセンスの形態(スタンダード・フローティング)
他にもライセンスには、同時に使用できるユーザ数に応じて「スタンダードライセンス」と「フローティングライセンス」に分かれます。
ライセンス形態 | 特徴 |
---|---|
スタンダードライセンス | スタンダードライセンスは契約したライセンスが「1」の場合、1台のパソコンにライセンスを割り当てて実行することが可能/2ただし、2台のパソコンにライセンスを割り当てることはできない |
フローティングライセンス | フローティングライセンスは、契約したライセンスが「1」でも、複数のパソコンにインストールして実行することができる。ただし、ライセンスが「1」の場合、2台以上のパソコンで同時に実行することはできない |
RPAライセンス料相場
RPAツールには、デスクトップ型、サーバー型、クラウド型の3種類の利用形態があり、その種類によってRPAライセンス料の相場が変わってきます。
RPAの種類 | 特徴 | ライセンス料の相場 |
---|---|---|
デスクトップ型 | パソコンにRPAツールをインストールし、ライセンスを登録することで利用開始できる | 月額5万円~ |
サーバー型 | RPAツールをインストールするために、別途サーバーを準備し、そこへRPAツールのインストールとライセンス登録することで利用開始できる | 月額50万円~100万円程度(※導入する規模によって変わる) |
クラウド型 | インストールが不要で、インターネットブラウザ上で発行されたライセンス情報にてログインすることで利用開始できる | 月額10万円~30万円程度 |
RPAツール導入!ライセンス利用料以外に必要な費用とは
PRAツールを導入するには、ライセンス料以外に「ハードウェア費用」「導入サポート費用」「保守・運用費用」といった費用がかかります。
ハードウェア費用
ハードウェアの費用とは、RPAツールを実行させるときに使うパソコンや、サーバー機器の準備にかかる費用のことです。
デスクトップ型のRPAの場合、RPAツールを実行させている時間はそのパソコンを使えなくなるため、RPA専用のパソコンを準備する必要があります。
また、RPAツールの実行品質は、パソコンのスペックに影響される部分もあるため、あまりに古いパソコンだと正常に実行しない可能性があります。
そのため、RPAツールの販売元にどれぐらいのパソコンスペックが必要なのか確認し、条件に合ったパソコンを準備しましょう。
導入サポート(支援)費用
RPAツールを導入するには、ライセンスを契約するだけではなく「どんな業務を自動化するのか?」「RPAの管理方法は?」など、導入に際して検討する項目がいくつかあります。
しかし、PRAに詳しい担当者が社内にいる場合は問題ないですが、人材がいないケースでは検討が難しいため、ツール販売元が提供している導入サポートの利用や、導入のコンサルティング会社に支援を依頼するケースも多いです。
ただし、導入サポートだけで良いのか、導入に関するコンサルティングまでして欲しいのかによって、かかってくる料金が変わります。
そのため、どういったプランでRPA導入を進めていくのか検討し、不要なIT投資とならないように注意しましょう。
保守・運用費用
保守・運用費用とは、RPAがエラーなどで停止した場合の対処や、システムの画面変更に伴うメンテナンス、運用手順を記載したマニュアル作成・更新といった管理関連業務にかかる費用のことです。
その保守・運用業務については「内製化」して社内の人材で行う場合と「外注」して専門のスタッフに任せるケースがあります。
内製化する場合は、追加でコストがかからなかったり、社内にナレッジを蓄積できるなどメリットがある反面、RPA担当者の確保または育成が必要だったり、問題解決に時間がかかってしまう可能性があります。
また、外注して専門のエンジニアに常駐してもらう場合、問題解決がスムーズだったり、質問への回答も素早かったりしますが、月あたり60〜150万円程度の費用がかかります。
どちらを選択するのが最適か検討し、自社にとってバランスのよい保守・運用を検討しましょう。
記事のまとめ
今回の記事では、RPA導入に必要なライセンス料とは何なのか、ライセンス料以外にはどんな費用が必要なのかについて解説しました。
RPAツールのライセンスには、買い切り型と呼ばれる種類もありますが、基本的には「サブスク型」のライセンス形態が多く、ランニングコストとして月額費用がかかります。
他にも、RPAをインストールするパソコンの費用や、導入にかかる費用、運用保守をする際の費用など、さまざまな費用がかかります。
これらの費用は導入目的に応じて設定されているので、単に最安値のツールを導入するのではなく、自社の目標に合ったものを見極め、費用以上の効果獲得を目指すことが大切です。
そのために必要な、製品の価格比較と導入時のコストについて、以下の記事で解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。