近年、RPA(ロボティック プロセス オートメーション)が注目を集めています。
RPAとは、ルーティンとなっておりPC上で行われる定型業務を自動化するツールのことです。
最近では、より操作性が簡単で扱いやすいRPAが多く登場しており、「プログラミングの専門知識がなくても使用できる」「ノンプログラミングで操作可能」と謳っている製品も増えてきています。
しかし、RPA導入をご検討の方の中には「本当にプログラミング不要で使えるのだろうか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、RPAは本当にプログラミング不要で使用できるのか、また直感的に操作可能なおすすめのRPAツールについて紹介していきます。
RPAはプログラミング不要で導入可能
結論から言うと、RPAはプログラミング不要で導入することができます。
多くのRPAが、プログラミング不要で構築可能なUIとなっており、そのほとんどがGUI(グラフィカルユーザーインターフェース=グラフィックをベースとしてコンピューターを操作できるインターフェース)を採用しているからです。
プログラミング未経験でもシナリオを作成することができるため、IT部門のみならず現場でソフトウェアロボットを開発している事例も少なくありません。
日本ではIT人材の不足が課題となっており、そのような背景からプログラミング不要のRPAを導入する企業が増えたのではないかと考えることができます。
ただし、プログラミング不要とはいえ、もちろんプログラミングの知識がないよりあった方がより効率的かつ効果的にRPAを活用することができます。
基本的に「プログラミング不要」だが、「プログラミング知識はあった方が良い」
RPAは、基本的にはプログラミング不要で使用することができます。コードを書く必要はありません。
しかし、「プログラミング不要=プログラミングの知識も不要」というわけではなく、基礎的なプログラミング知識はないよりあったほうが良いと言えます。
なぜなら、複雑なタスクの自動化やカスタマイズが必要となった際に、その知識が役立つからです。
ある程度のプログラミングスキルがあれば、より応用的なカスタマイズができる他、シナリオを作成する際に「どのようにロボットを組み立てれば良いか」がスキルがない人よりもわかるはずです。
プログラミングの考え方を掴んでおくことで、よりスムーズにRPAを開発することができ、またエラーにも対応することができるでしょう。
また「どのタスク処理がRPAに向いているのか」「実際にどのワークフローの自動化にRPAを導入するのか」などの判断にも、プログラミングの知識が役立ちます。
つまり、RPAはプログラミング不要で利用することができますが、基礎的な知識を備えておけば、より幅広い活用やカスタマイズが可能になります。
RPAはもちろん、RPAが操作するITツールのアップデートにも柔軟に対応することができるでしょう。
あくまでも「基礎的な知識」があれば導入や開発の際に役立てることができ、エンジニアほどの専門知識が必須なわけではないので、ご安心ください。
RPAを導入・運用の際に知識があると役立つ3つの開発言語
またプログラミング経験者であれば、プログラムの構造や制御フローに慣れているため、その経験をRPAツールのシナリオ作成に適用させることが可能でしょう。
VBA(エクセルマクロ)
VBA(Visual Basic for Applications)は、エクセルマクロのプログラミング言語です。
RPAはエクセルと互換性が高いため、VBAの知識はRPAの活用にも有益です。
VBAはエクセル内でのデータ処理に優れているため、知識があればRPAでのデータの操作に活かせます。
また、VBAにおけるエラーハンドリング(実行時にエラーを起こした際に、すぐに実行を終了せずあらかじめ用意しておいた処理を行う)やデバッグ(バグや欠陥を特定、解消する)は、RPAのシナリオ作成や修正、エラーへの対処方法などに貢献するはずです。
バグの特定や修正において、VBAの知見は非常に役立ちます。
つまりRPAの運用において、VBAの知識は、複雑な自動化プロセスの構築やデータ収集、開発など幅広く役立ち、身につけておく価値があると言えます。
GAS
GAS(Google Apps Scrip)は、Gmail、スプレッドシート、ドキュメントなどのGoogle Workspaceアプリケーションをカスタマイズし、自動化するためのスクリプト言語です。
1度の処理時間が6分以内、送信できるメールのファイル容量が25MB/mailまでと制限がいくつかあるGASですが、RPAツールと連携することで拡張性を持たせられます。
GASの知識があれば、Googleアプリをベースにした業務プロセスをRPAで効果的に自動化し、生産性を向上させることができます。
またGoogleアプリもより効率的に使用することができるでしょう。
Python
Pythonは「読みやすさ」「わかりやすさ」が重視されているプログラミング言語で、約30年もの歴史を持っています。
プログラムを組むために便利な関数を備えたモジュールを持つ多様なライブラリと豊富なコミュニティサポートを持つPythonによって、効率的にシナリオを作成することができます。
RPAツールとPythonを組み合わせることで、複雑なタスクも柔軟に自動化可能です。
さらにPythonは、WebスクレイピングやAPI連携など、外部データとの統合にも長けています。
そのため、デスクトップ上のアプリケーション以外を利用する業務プロセスまで、多岐にわたる業務自動化に役立つでしょう。
Pythonの力を借りることで、RPAの範囲をより拡大させることができます。
直感的に操作可能なプログラミング不要のおすすめツール3選
ここでは、プログラミング不要で直感的に操作可能な3つのおすすめRPAツールをご紹介します。
社内にITリソースが足りない場合や、RPA初心者でより簡単な操作性のツールをお探しの方は是非参考にしてみてください。
ただし上記でも解説した通り、RPAを使用していく上で、プログラミング言語の知識があるに越したことはありません。
プログラミング不要のツールを導入したとはいえ、RPAをより柔軟に使用したい場面やエラーに対応したり、導入が失敗に終わってしまったりする可能性を0に近づけるため、RPA導入に際して社内にエンジニアを確保すること、またプログラミングに関する教育を実施することをおすすめします。
Power Automate Desktop
Microsoft(マイクロソフト)では、データの収集や解析などの業務を、プログラミング不要で実行するソフトウェア群「Power Platform」を提供しています。
ここで紹介する「Power Automate Desktop」は、Power Platformの中でも、クラウドやコンピューター上のワークフローに関する自動化を作成・実行するサービス「Power Automate」に属し、デスクトップでの操作を自動化対象としたRPAです。
Windowsユーザーは無料で利用できます。
プログラミング不要で、パーツを配置するだけでデスクトップ上の業務を自動化することができますので、RPAを本導入する前に是非一度触ってみてはいかがでしょうか。
Robo-Pat DX
「Robo-Pat DX」は、「エンジニアに依存しないIT活用」の具現化を目標に作られたプログラミング不要のRPAツールです。
コマンドを選択して対象アプリやシステムの画像を選択するだけでロボットを作成でき、デスクトップに表示されるマウスやキーボードの操作を基に動作するため、現場担当者だけで開発から実行までを完結することができます。
マウスとキーボードのみを利用して、直感的に開発できる点が人気のポイントとなっています。
MICHIRU RPA
画面の収録・操作選択・操作位置指定という簡単なステップで自動化を実現できるRPAツールが「MICHIRU RPA」です。
MICHIRU RPAはデスクトップ型のため、Excelなどの表計算ソフトをはじめブラウザや基幹システムなど、パソコン上で動作する全てのソフトを操作することができます。
また画像認識技術により、アプリやシステム間の連携も簡単に行うことができ、異なるソフトウェア間での作業が可能です。
MICHIRUは簡単操作が特徴のツールですが、それでも不安が残るという方に向けて、充実したサポートサービスも提供しています。
プログラミング不要のRPAをお探しの方や、RPAビギナーの方はまずはMICHIRUまでご相談ください。
記事まとめ
この記事では、「RPAは本当にプログラミング不要で使用できるのか」また、直感的に操作可能なおすすめのRPAツールについて紹介しました。
RPAは基本的にプログラミング不要で導入でき、最近では操作性が向上したツールが増えてきているため、専門知識がない人でも利用可能です。
ただし、基礎的なプログラミング知識はより効果的なRPA運用に役立ちます。
最適なシナリオを開発し、柔軟で効率的な業務自動化を実現するために是非プログラミング知識をつけてみてはいかがでしょうか。