RPAで自動化できる業務7選!業務の特徴やツール導入の手順を詳しく解説

RPAで自動化できる業務とは?業務の特徴や事例、導入の手順を解説

RPAで自動化できる業務7選!業務の特徴やツール導入の手順を詳しく解説

労働人口の不足や働き方改革によるワークライフバランスが重視され、新しい働き方が模索される中、業務の効率化と生産性を向上させるための手段として「RPA」が注目を集めています。

業務効率化のツールとして「RPA」を知っている方も多いと思いますが「導入することで、どんな効果があるのか」や「どんな業務に適用できるのか」といった、具体的に何ができるのかについて、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、基本的なRPAに関する情報から「自動化できる業務の特徴」や「ジャンル別の導入事例」「導入することによるメリット」について解説をしていきます。

最後には「RPAツールの導入手順」についても解説していますので、最後までご覧いただけますと幸いです。

目次

そもそもRPAとは?自動化できる業務の特徴

そもそもRPAとは?自動化できる業務の特徴RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略語で「RPAツール」というソフトウェアを使って、業務を自動化する技術のことです。

RPAツールを導入すると、人が実施している「定型作業」や「長時間かかる業務」の自動化が可能になり「業務の効率化」や、人的リソースを「より複雑な作業に集中」させることができるようになります。

そんなRPAですが、効果的に活用するためには「自動化できる業務の特徴」について知っておく必要があります。

自動化できる業務の特徴について、RPAに「向いている業務」と「向いていない業務」に分けて解説をします。

RPAに向いている業務

RPAに向いている業務を4つ挙げて解説します。

手順が決まっている単純業務

手順が「パターン化されている」単純業務は、RPAに向いています。

こういった業務を自動化することで、作業時間を大幅に短縮することができるだけではなく、作業時に起こりがちな「ヒューマンエラー」についても、防止することが可能です。

また副次的な効果ですが、ヒューマンエラーが発生したときの「ミス分析」という工数についても削減できるため、単純作業については積極的にRPA化するのがおすすめです。

定期的に行われる反復業務

RPAは、勤怠管理や交通費チェックといった処理手順が決まっている「反復作業」の自動化も得意としています。

人が反復作業を実施していると「集中力」を欠いて作業効率が落ちてしまう可能性がありますが、RPAツールであれば速度を落とすことなくスピーディーに処理を進めることができるため、作業効率を向上させることが可能です。

大量のデータ処理が発生する業務

大量のデータ処理が必要な業務でも、RPAであれば問題なく処理することが可能です。

人が処理している時は、労働時間や体力といった制限がありますが、RPAツールには労働時間といった概念はないため、大量のデータであっても深夜や早朝などの業務時間外を利用して処理を進めることが可能になり、業務効率化へ繋げることができます。

複数のアプリケーション間を横断した業務

RPAによる自動化は特定のアプリケーションに縛られることなく、複数のアプリケーションを横断し自動化を実現することができます。

例えば、Excelのマクロによる自動化であれば、Excelアプリケーションに限った自動化が可能ですが、RPAであれば社内の基幹システムからデータをダウンロードし、Excelファイルに内容をまとめ、まとめた内容をOutlookアプリケーションを使ってメールを送信するといった「アプリケーションを横断した一連の業務」を自動化することが可能です。

RPAに向いていない業務

続いて、RPAに向いていない業務を2つ挙げて解説します。

向いていない業務を理解しておくことで、どんな業務にRPAを適用するのかといった「業務選定時」に役立ちますし、RPA導入時の推進スピードにも影響が出てくる部分になるため、理解しておく必要があります。

自ら考えて判断する必要のある業務

RPAは作成方法が決まっている業務の自動化は得意ですが「判断」が必要となる業務の自動化は不得意です。

もし、業務プロセスの中で判断が必要になる場合は、業務プロセスを前後に分け、判断が必要な部分のみ人が実行し、それ以外の部分を自動化するといった「ハイブリッド」なRPAツールの使い方をおすすめします。

頻繁なルールの変更や処理が複雑な業務

RPAは業務プロセスをツールに記録する仕組みなため、設定しているルールが変更された場合、メンテナンスが必要になります。

そのため、頻繁に作業ルールが変更される業務や、処理の分岐が多く存在するような複雑な業務の場合、メンテナンスが多く発生してしまう可能性があるため、RPAには向いていません。

【ジャンル別】RPAで自動化できる業務7選

【ジャンル別】RPAで自動化できる業務7選RPAにて自動化できる業務について、ジャンル別に事例も交えながら紹介していきます。

全部門共通で自動化できる業務

全部門で活用できる業務にRPAを適用すると、RPAの活用件数が多くなり「高い費用対効果」が期待できます。

日報などのレポート作成

日報の作成はテンプレートとなるファイルへ、ルール通りにデータを転記する作業が多いため、RPAでの作業手順を構築することで自動化できます。

また、RPAはさまざまなアプリケーションを横断した自動化が得意ですので、基幹システムや会計システムといった各種システムから、レポート作成に必要なインプットデータの取得も可能になります。

あるテレビ業界の導入事例では、番組ごとに毎日作成しているレポートがあり、その集計や分析に膨大な時間がかかっていたが、RPAを導入することで「年間5万時間の削減」に繋がっています。

人事・総務部門で自動化できる業務

人事・総務部門はバックオフィス業務が多く存在しているため、RPAを導入することで大きな効果が期待できます。

勤怠管理業務

勤怠管理業務は、従業員の給料に関わる重要な仕事になるため、時間もかかりますし精神的にも大変な作業になります。

そんな業務にRPAを導入することで、1人ずつ確認が必要な勤怠打刻の漏れなども、人が勤怠管理システムにアクセスせずとも検知することが可能になります。

そうすることで、工数の削減や精神的な負担からも解放され、クリエイティブな業務に注力できるようになります。

過重労働対象者の検知業務

勤怠管理業務にも繋がる部分ですが、過重労働者の検知についてもRPAを導入すれば素早く検知することが可能になります。

今まで人が実施していた、管理名簿から勤怠システムにて過重労働者のデータを参照し、対象者をピックアップ、管理者へ検知メール送信をするといった一連の作業を自動化することが可能になります。

ある会社の事例では、管理者の手がとられていた勤怠チェック作業にRPAを導入することで「月に50時間、年間で約600時間」の業務短縮に成功しています。

経理部門で自動化できる業務

経理部門の業務の多くは金銭に関わることが多く、慎重に対応する必要があります。

RPAを適用することでヒューマンエラーが発生する可能性が低減し、生産性の向上に繋げることが可能です。

各種帳票を作成する業務

経理部門で実施している帳票作成業務は、金銭に関わる重要なデータであったり、処理件数が多いこともあるため、ミスが許されないといった精神的な負担や作業工数が多くかかります。

そういった業務にRPAを導入することで、業務の効率化はもちろんですが、副次的な効果として「従業員満足度が向上」した事例もあります。

また、ある会社の導入事例では、合計残高試算表を作成する業務に関わる一連の作業を自動化することで「年間100時間」もの余剰時間を創出に成功しています。

交通費の精算チェック業務

従業員の交通費をチェックする業務は、単純作業ではありますが手間が多く、人の手で実施するとヒューマンエラーが発生する可能性もあります。

しかし、RPAを導入することで交通費清算システムにて交通経路を検索し、運賃と申請金額に相違がないか確認する作業を自動化することが可能です。

ある会社の導入事例では、申請者が都度Excelに入力した交通費情報(乗車区間情報など)をもとに、運賃検索サイトから運賃情報を取得し、社内の交通費精算システムに登録する業務をRPA化し、大きな効果を発揮しています。

営業部門で自動化できる業務

営業部門でも、見積書の帳票作成や在庫管理などの「定型で実施している業務」があるため、RPAを導入することで営業担当が売上に繋がる「コアな業務」に注力できるようになります。

見積書の作成業務

見積書の作成はさまざまなフォーマットで作成されたファイルの中から、必要な情報だけを抜き取って見積書のテンプレートファイルに記載するといった「一定のルールに準じた処理」になるため、あらかじめ設定しておくことでRPAに置き換えることが可能です。

ある会社の事例では、見積書や請求書などの帳票作成業務をRPAに置き換えることで、複数の従業員をよりコアな業務担当へとシフトすることで、生産性の向上や業務効率化に繋げることができました。

受注・在庫管理業務

受注・在庫管理の業務について、重要な業務ではありますが「都度在庫数を入力」したり「在庫状況を確認」したりするのは相当な手間です。

そんな業務にRPAを導入すれば、受注管理システムを定期的に確認し、情報が入ったタイミングで受注情報をデータベースに取り込み、関連部門へのメール送信や在庫・納期の確認といった業務を自動化することが可能です。

また、在庫状況がリアルタイムに更新されることによって、営業担当が外出先でも最新の販売状況や在庫状況を確認することができます。

RPAツール導入のメリット

RPAツール導入のメリットRPAツールを導入することで得られるメリットについて、3つ挙げて解説します。

業務の効率化

RPAは作業ルールが定義された業務の自動化が得意なため、人が手で作業を実施するよりも「正確」で「スピーディ」に処理を進めることが可能です。

また、RPAは営業時間に縛られることなく「24時間365日」稼働することができますし、正しく業務指示を設定していれば、ヒューマンエラーが発生することもありません。

他にも、人では処理しきれないような何万回もくり返し実行が必要な作業であっても処理することが可能なため、業務全体の効率化を高めることができ、生産性の向上に繋げることが可能です。

コストの削減

複数の従業員で実施していた工数のかかる作業をRPAに置き換えるため、人件費の大幅な削減に繋がります。

また、繁忙期に人海戦術で対応していたような業務も、RPAに置き換えることで「一時的な人材」を雇用する必要が無くなりますので、そういった面でもコスト削減へ繋げることができます。

ミスの低減

複数のシステムからファイルをダウンロードする作業や、さまざまな顧客へのメールを送信するといった「ヒューマンエラーが発生しやすい」業務についても、RPAであれば「気の緩み」や「集中力の低下」がないため、ミスなく業務を実行することができます。

導入の手順をわかりやすく解説

導入の手順をわかりやすく解説RPAを導入し「しっかりと効果を発揮」させるためには、導入する手順が重要です。

正しい手順で導入を進めないと、最悪の場合、導入を断念してしまうケースもあります。

そうならないためにも、以下の導入手順を参考にしていただければ幸いです。

手順① 目的や課題を明確にする

まずは、RPAを導入する「目的」や「課題」を明確にしましょう。

よくあるケースとしては「RPAで効率化が図れる」という情報だけで導入を決めてしまい、導入後にどうしたら良いか分からず失敗してしまうケースです。

そうならないために、導入前には「どんな課題」があり、導入することで「どう解決するのか」について明確にしておきましょう。

もし、RPAを導入しなくても解決するような課題であれば「不要なIT投資」をせずに済む可能性もあります。

手順② 業務の整理と可視化

2つ目の手順としては、業務の整理と可視化です。

「RPAに向いている業務」でも解説しましたが、RPAには得意・不得意が存在します。

そのため、業務を可視化せずにRPAの導入を進めてしまうと、自動化できるまでに「時間がかかったり」実は人の判断が必要な工程があり「自動化できない業務」だったという状況が発生する可能性もあります。

そうならないためにも、まずは業務プロセスを可視化し自動化しやすい業務を選定しましょう。

手順③ RPAツールの選定

3つ目の手順としては、RPAツールの選定を実施します。

手順②にて「自動化を適用する業務」は決定している状態ですので、その選定した業務を自動化するにあたり「必要な機能は備わっているか」「サポートは充実しているか」「自動化したい業務への導入実績があるか」「ツールのバージョンアップは頻繁に行われているか」などをチェックします。

また、RPAツールによっては「ノーコード」でエンジニアでなくても活用しやすいツールではありますが、後から実は使いにくかったとならないように「無料トライアル期間」を利用し、操作感など「継続して使用できるか」について確認するようにしましょう。

手順④ RPA導入と効果測定

4つ目の手順としては、RPAを導入し効果について測定を行います。

RPA導入により「どれぐらい効果が出たか」については、今後のモチベーションに繋がることもありますが「費用対効果」を算出する上でも重要な数値になるため、導入開始時より測定しておきましょう。

また、RPAは導入して終わりということではないため、メンテナンスなどの「保守・運用作業」をしっかりと実施しましょう。

記事まとめ

記事まとめ今回の記事では、自動化できる業務の解説や業務事例、RPAを導入することで得られるメリットや導入手順について解説しました。

RPAは企業の業務効率化を推進してくれる強力なツールで汎用性もあるため、さまざまなジャンルの業務に対して適用することができます。

その一方で、RPAが得意としていない業務への適用や、不適切な手順で導入を進めてしまうと、思ったよりも効率化が進まず「導入効果」を感じることができません。

そうならないためにも、RPAを導入する際は「業務の選定」や「導入手順」について意識し、対応するようにしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
フッターバナー
目次