RPAの導入効果とは?費用対効果の測定方法や注意点も解説

RPAの導入効果について!費用対効果の測定方法も解説

RPAの導入効果とは?費用対効果の測定方法や注意点も解説

近年、働き方改革やDX推進が叫ばれる中、社内業務を効率化するツールとしてRPAを導入する企業が増えてきています。

しかし、RPAを導入することで「具体的にどんな効果があるのか」や「どのぐらい費用対効果があるのか」といった内容が気になり、導入に踏み切れない企業も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では、RPAを導入することの効果や、費用対効果の計測方法、そしてRPA導入時の注意点について解説します。

目次

RPAの導入効果8つ

RPAの導入効果8つ

RPAは業務効率化に効果的なツールですが、具体的にどんな効果があるのかについて、8つ挙げて解説します。

導入効果① 生産性の向上

RPAは定型業務や、繰り返し行われる単純作業といった「手間のかかる」作業を代行することが得意なため、その業務に割いていた労働時間を大幅に削減することができます。

そうやって創出されたリソースを、新たな営業活動や、経営戦略の立案、新サービスの開発など、企業として付加価値の高い活動に充てることで、生産性を向上させることが可能です。

また、単純な業務の処理スピードに関しては、人間よりもRPAの方が圧倒的に速いというメリットがあります。

そのため、同じ作業時間であっても、RPAがより大量の業務を効率的に処理できるため、そういった観点でも生産性の向上が見込めます。

導入効果② 業務品質の向上

人が作業をする場合、どれだけ業務に慣れている作業者でも、体調不良や心理的な影響によってミスを発生させてしまうことがあります。

また、業務内容が単純なほど、業務に集中し続けることが難しく、ヒヤリハットやうっかりミスが多くなります。

しかし、RPAであれば、あらかじめ設定されたシナリオ通りに処理するため、体調や心理的な影響はなく正確に業務を実施でき、業務品質の向上が可能です。

導入効果③ 自動化していない業務の品質向上(業務の可視化)

RPA導入時に得られる副次的な効果として、自動化しなかった業務もプロセスが整理され、ボトルネックとなっている箇所を発見できます。

RPAを効果的に導入するためには、社内業務を洗い出して、フローを可視化し、RPAに適した業務を選定する必要があります。

その過程で実施しているフローの可視化にて、気づいていなかった問題点や、業務に不要なプロセス、担当者によってムラが発生してしまう箇所などを見つけることができます。

そういった箇所を改善することで、自動化せずとも業務品質の向上へと繋げることが可能です。

導入効果④ 人的リソースの有効活用

「導入効果① 生産性の向上」でも解説しましたが、RPA導入により業務が効率化され、人的リソースが創出できるようになります。

その結果、営業資料の整備や仕組みの構築、今までより深く分析した経営戦略の立案、新サービスを検討するための時間確保といった時間がなく対応できていなかった活動に注力することができます。

また、人的リソースに余白ができたことににより、人材のキャリアップ形成のための部署異動や担当業務の変更といった対応も可能になります。

導入効果⑤ 人手不足の解消

現在の日本社会は少子高齢化が進み、労働力人口が減少し続けている状況です。

経済産業省の発表によると、少子高齢化が進むことで今後の日本の人口減少割合が拡大し、2050年には総人口が約1億人にまで減少すると予想されています。

そうすると、今まで以上に企業の人手不足が進み、業務が立ち行かなくなる可能性が懸念されるため、業務効率化は喫緊の課題となっています。

しかし、RPAを導入すれば、人に代わる労働力として活用することができるため、今まで必要とされていた人員が不要になります。

また、RPAは営業時間に関係なく24時間365日稼働することができるため、直面している人手不足に対し非常に大きな効果を発揮します。

導入効果⑥ 従業員満足度の向上

普段、実施している作業の中には定型業務や、単純作業など人間にとって退屈だと感じる作業も存在し、従業員のモチベーションを下げたり、ストレスの原因なるケースもあります。

しかし、RPAを導入することで、原因となる業務を代替えできるため、従業員はよりクリエイティブな仕事に従事してもらうことが可能になります。

そうすることで、心理的な負担を軽減し、モチベーションの改善ができるため、従業員満足度の向上につながります。

導入効果⑦ 働き方改革の推進

少子高齢化による労働力不足を背景に、2019年4月1日に「働き方改革」が施行され、どの企業も、個人の意欲・能力を存分に発揮できる環境づくりに取り組んでいます。

そんな中で課題となっている「長時間労働の是正」「働き方がしやすい環境整備」などに対し、RPAを導入することで、大きく改善することが可能です。

時間の掛かっていた定型作業などをRPA化することで、労働時間の短縮に貢献できるため、過酷な長時間労働や残業を減らすことができ、労働環境の改善に繋がります。

そして、継続して対応することにより、フレックスタイム制の導入やリモートワークなど、より働きやすい環境を整え、従業員満足度の向上や対外的な企業のイメージアップに繋げることが可能です。

導入効果⑧ 改善意識の向上

RPAを導入すると、今まで自分たちが手で作業してきた業務が、自動的に処理され成果物が出来上がるため「業務が楽になった」と実感しやすいという側面もあります。

そのため、他にも手間が掛かっている業務を置き換えたいという要望や、非効率な業務プロセスを改善したいという思いが現場で強まり、ボトムアップ式に業務効率化を進めることが可能となります。

費用対効果の計測方法

費用対効果の計測方法

RPA導入の失敗事例として多いのが「思ったより効果が出ない」「効果を感じられない」と感じ、導入が頓挫してしまうケースです。

そのように、RPAを導入したもの「どのように効果を測定すれば良いかわからない」という企業も少なくため、RPA導入時の費用対効果の計測方法である「定量的効果」と「定性的効果」について解説します。

定量的効果の測定

定量的効果とは、量や数値で表すことができる効果のことを指します。

RPAに置き換えたことによる業務工数の短縮時間や、残業時間の減少人件費などのコスト削減などがあたります。

たとえば、業務工数の短縮時間を算出した場合は、以下の式で測定することが可能です。

人が作業していた時の時間(8時間) – ロボット実行にかかる時間(1時間)=工数の短縮時間(7時間)

そのように算出した削減時間と、RPA導入に要した費用を比較することで、費用対効果を検証することができます。

定性的効果の測定

定性的効果については、定量的効果とは異なり、明確な数値では測れない効果です。

たとえば「従業員のモチベーション向上」や「働きやすい職場になった」などが該当します。

ポイントとして定性的効果は、効果が数値として見えにくいため軽視されがちですが、従業員のモチベーションなどに影響する重要な項目のため、正しく把握しておきましょう。

測定方法としては「社員に対するアンケートやヒアリング」「1on1による面談」などにて効果を測定します。

RPA導入の注意点

RPA導入の注意点

RPAは業務の効率化に効果的なツールではありますが、活用するためには注意するべき点も存在します。

ここでは、導入前に知っておくべく注意点について、4つ挙げて解説します。

目的や期待する効果を明確にしておく

RPAは近年注目されていることもあり、上層部の興味から導入がスタートされるケースも珍しくありません。

そうすると、導入目的や効果測定が曖昧になり、企業にとって不要なIT投資となってしまう可能性が高いです。

そのため、無駄な費用とならないよう事前に成功の目安となる目的や数値目標を決め、全社一体となってRPAの利用を促進していく姿勢が大切です。

目的にあったツールを選定する

RPA製品は、市場の需要にあわせて数多くのツールがリリースされているため、しっかりと自社の目的にあったツールを選定する必要があります。

「大は小をかねる」理論でツールを選定するのではなく、専門のエンジニアがいないケースでは、誰でも操作しやすいツールを選定する、大量の処理を自動化したいのであれば、データ量が多くてもスムーズに処理できるツールを選定するなど、状況に合わせてツールを検討しましょう。

「RPAにはどんなツールがあるのか知りたい」という方は、以下の記事がおすすめです。

関連:【国内シェアの高いRPA7製品!】導入メリットや最適なツールの選び方も解説

適用範囲は狭くスモールスタートする

RPAを導入するときは、多くの業務に適用したいという思いが先立ち、適用範囲を大きくスタートしてしまうケースがあります。

そうすると、結果が出るまでに時間がかかり「効果がなかなかでない」「RPAは効果がない」と判定され、RPA導入が頓挫してしまうリスクがあります。

そのため、最初はスモールスタートで実施し、成功体験を繰り返しながら導入を進めていくのがおすすめです。

RPA担当者を育成し配置する

RPAを導入した後、より効果的に活用していくために、RPA担当者を配置することをおすすめします。

RPAは導入すれば終わりではなく、継続してエラー対応やメンテナンスなどの対応が必要になるため、RPAの知識を身につけた人材を確保しておくことでスムーズな運用管理や保守が行えます。

人材の育成には、RPAツールのベンダーが行っている体験会、研修、ウェビナーなどを活用し、継続して人材が育成できるようなサイクルを構築しておきましょう。

まとめ

まとめ

今回の記事では、RPAを導入することによって得られる効果や、費用対効果の計測方法などについて解説しました。

RPAは導入することにより、少子高齢化による労働人口の減少に起因する「生産性の向上」や「人手不足」といった課題に対応できる有力なツールです。

しかし、正しい費用対効果の測定や、注意点に気を付けながら導入を進めないと、RPAの効果を存分に発揮できません。

導入自体がゴールとならないよう、今回紹介した内容を参考にしながら、RPAツールの導入を検討していただければ幸いです。

また、具体的なRPA導入の進め方や、失敗しないための手順について知りたい方は、以下の記事がおすすめです。

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