RPAで自動化できる業務とは?メリット・デメリットと具体的な事例を解説

RPAで自動化できる業務を具体的な事例で解説!メリット・デメリットも

RPAで自動化できる業務とは?メリット・デメリットと具体的な事例を解説

近年、RPA導入による業務の自動化に様々な企業から大きな期待が寄せられています。

とはいえRPAはなんでも自動化できる万能なツール、というわけではなく適した業務内容があります。

本記事ではRPAで自動化できる業務や、メリット・デメリット、実際に自動化の効果があった事例をご紹介します。

RPAの導入および運用の検討にお役立ていただける内容となっていますので、是非最後まで読んでみてください。

目次

RPAで自動化できる業務

RPAで自動化できる業務

RPAツールは、ロボティクス技術を用いて、オフィスの業務を自動化することができ、中でも定型的かつ大量の反復する業務の自動化に強みがあります。

それではRPAで自動化できることについてさらに詳しく解説していきましょう。

自動化できる業務①単純な定型業務

RPAは、手順がルール化されているような単純な定型業務を得意とします。

あらかじめRPAのロボットに作業ルールを指定しておくことで完了する業務であれば、人手を取られてしまうよりもRPAに代替させたほうが効率的です。

もちろんすべての作業が無条件に代替できるわけではありませんが、人手や時間、労力もかかる定型作業などの決められた手順にならって行う業務を効率化することは、企業の生産性向上へ大きく貢献するでしょう。

自動化できる業務②エクセルなどからデータを転写・収集・分析する

RPAはエクセルなどの他のシステムと組み合わせてデータの収集や分析などの反復作業を自動化でき、作業時間の短縮が可能になります。

他のシステムで代表的なところでは、エクセル・ワード・メーラー・ブラウザと連携が可能です。

エクセルやワードといったアプリケーションからのデータの転写・Web上のデータを探索し、まとめてデータを収集するといった業務、あるいは分析業務などはRPAツールが得意とする業務です。

自動化できる業務③電話のサポート・メールなどの配信

RPAは電話のサポートやメールの配信などの業務を自動化することができます。

例えば、自社にかかってきた電話番号をもとにデータベースから顧客情報を取り出し、オペレーターへつないでもらうなどの使い方があり、人手不足の改善効果も期待できるでしょう。

またメール配信においては事前に設定した文章を決められた日時に自動配信したり、顧客の購買履歴などから興味関心に沿ってカスタマイズされたメールの配信など、高度な作業も自動で行っていくことが可能です。

後のコラムにて電話対応に関してRPAの活用で圧倒的な効率化を図ったコールセンターの例をご紹介しております。

自動化できる業務④日報など日々のレポート作成

RPAは時間がかかってしまいがちな日報作成業務にも自動化で貢献します。

日報は売上データや訪問・活動記録、達成率や目標など非常に多くの項目を記述しなければいけません。

さらに日報を書くのは業務終了後でスタッフにとって負担になっているケースも多いことでしょう。

RPAは正確にデータを算出し入力してくれるため、明瞭な日報からは目標や課題の抽出もしやすくなったり、入力間違いなどの確認も不要になるなど、日報作成の自動化には多くのメリットがあります。

自動化できる業務⑤勤怠管理

RPAは勤怠管理(タイムカードなど)と連携させることで、勤務状況のデータをExcelなどへ登録する集計・転記作業を自動化できます。

RPAにより登録された勤怠データから、毎月の給与計算を自動で行ったり、有給取得日数や出勤打刻漏れの管理、休暇申請の承認などの仕事を自動化させることが可能になります。

自動化できる業務⑥在庫管理

RPAは在庫レベルを監視し、在庫が一定レベル以下になったときに自動で発注処理をするなど、在庫管理の自動化を可能にします。

また、過去のデータをもとに将来の在庫需要を予測し状況に合わせて適切な在庫の確保ができます。

このように、特に小売業などでは在庫管理にRPAを活用して、販売機会の損失を防いだり、過剰な在庫を抱えるリスクを軽減することに役立てています。

【まとめ表】RPAで自動化できる業務

以下は、RPAを導入することで自動化できる主な業務を分かりやすくまとめた表です。

ここまでのRPA自動化に関する基礎知識の理解にぜひお役立てください。

自動化できる業務 説明
単純な定型作業 手順がルール化された単純な定型業務を自動化。
データの収集・分析 エクセル・ワード・メーラー・ブラウザと連携し、
データの転写やWeb上のデータ収集と分析を行う。
電話のサポート・メールなどの配信 顧客情報を基にデータベースから情報を取り出し、
適切なオペレーターにつなぐ。
メールはカスタマイズして自動配信。
日報などのレポート作成 多くの項目を含む日報を自動で生成し、
日々の業務の負担を軽減。
勤怠管理 勤怠データの自動登録と集計、
給与計算や休暇管理を自動化。
在庫管理 在庫レベルの自動監視と発注、
過去データに基づいた在庫需要の予測と管理。

自動化のメリット・デメリット

自動化のメリット・デメリット

次にRPA導入による自動化で得られるメリットと、事前に知っておくべきデメリットについて解説します。

メリットは圧倒的な効率化で生産性向上

RPAツール導入による自動化のメリットは、業務時間・労働時間の短縮や、コストカットなど企業全体の効率化を可能にし、生産性を高められることです。

上記のようなメリットが挙げられる理由には以下の3つのRPAの特徴が関係しています。

  1. 正確でミスのない事務作業が行える
  2. 人の手に比べて作業スピードが速く生産性が高い
  3. 24時間365日稼働できる

人為的なミスを避ける手段としても、一定の作業を延々と繰り返しても集中力が途切れることなく作業を続けられるRPAは非常に優れています。

例えば業務や作業単位でみると、8割減・9割減の効果が出ることは珍しくないことで、ヒューマンエラーからくる損害賠償のコストを削減する効果もあります。

ルール化された単純な作業を任せるために新しく従業員を雇うより、RPAに作業してもらう方がコストを抑えられるといった事実もあり、人件費という大きなコスト削減にも貢献してくれるでしょう。

デメリットは自動化できる業務とできない業務があること

一方のデメリットは、自動化に向かない業務には使えないことです。

例えば、顧客との交渉や商品企画、戦略立案など柔軟な対応やクリエイティブ性を必要とする場面にはうまく対処できず、RPAに不向きであるため人の手に委ねるべきです。

このような事態に対応するために、大幅なシステム変更などが定期的に起こると、自動化することでかえってコストがかかってしまうことがあります。

また操作が若干難しく、導入時に従業員の研修が必要であることもデメリットの一つになり得ます。

しかし最近はこのデメリットを克服し、パソコン操作が苦手な人にもわかりやすく、画面操作もしやすいRPAツールが登場しているため一概に全員にとってデメリットであるとは言い切れません。

これらのメリットやデメリットをふまえて、導入の失敗を防ぐために自動化対象の業務を吟味することは重要です。

さらに自社の課題をRPAは解消できるのかテストしてみて費用対効果を考えることも大切です。

RPA導入に適した具体的な事例5選

RPA導入に適した具体的な事例5選

RPAツールの自動化は、大量・反復される定型的作業に最適であることはすでに少し触れました。

さて、では実際にRPAツールを導入して自動化を進めるなら、どんな作業が向いているか、実際の導入事例でイメージをつかんでみましょう。

【事例1】コールセンター:問い合わせ対応を自動化

コールセンターの業務は、架電・受電業務とも、非常に大量の業務を行います。

ここでRPAを活用することで架電の自動化もでき、問い合わせ対応などの定型的な応答の指示やオペレーターのサポ―トなどを自動で行うことができます。

その他、架電リスト・問い合わせ対応の記録の整理など、多くの業務・作業でRPAツールが活躍します。

コールセンターの場合、人手不足が深刻な事態に陥ることが多かったため、定型的作業や大量に反復される作業へRPAツール導入の必要性が高かったのですが、業務に必要な人員を半減削減できたといった事例にみるように、好結果が出ています。

【事例2】経理・営業管理等:データの転写・チェックなどの処理

経費精算の場面や、※ERPシステムへのデータ入力など、経理部の業務には定型的で反復される大量の作業が必要になることが多いものです。

※ERPシステムとは企業で発生する様々な「ヒト・カネ・モノ・情報」なを一元管理するシステムのこと。

RPAツールはこれらの作業効率を大幅にアップできます。

業務時間を年間で数千時間や7~9割の業務時間を削減できた事例など、経理部門で大量に発生する入力・転写・チェック業務の自動化に利用するとRPAは利用価値が高いと考えられます。

さらに売上データ・在庫データの管理など、経理だけでなく経営企画・営業管理部などでも同様に入力・転写・チェック業務が多く発生します。

こうした数字のデータはRPAツールの処理になじみやすく、同様に業務効率を大幅にアップした例が各業種でみられます。

【事例3】人事:給与関連業務・人事関連書類の自動入力

人事業務も、定型的で大量の反復される作業が発生しやすいところです。

AI ※OCR+RPAツールを利用して、人事関連の書類をデータ化、自動入力することや、給与明細の発行業務の自動化など、多くの人事業務が自動化可能であり、成功事例も各業界に見られます。

※OCRとは紙や画像に書かれている文字をテキストデータに変換する技術のこと。

これらの業務に、RPAツールを導入し、さらにERPシステム・給与計算システムなどの他のシステムとの連携で、ワークフローを自動化することでさらに効率化アップさせることが可能になります。

【事例4】マーケティング:市場調査の自動化

RPAはマーケティング部門においてもWEBサイトやSNSを通じたネット上の市場調査を自動化することができます。

具体的には世の中の人気やトレンド、競合他社の製品情報、自社製品やサービスに対する口コミ集計・分析などが自動で行えるため、効率的に販売戦略の立案が可能になります。

また現代のマーケティング戦略に欠かせないSNSの活用について、あらかじめ用意しておいた投稿内容や画像をRPAがスケジュール通りに投稿してくれるような使い方もあり、時間と労力を削減できた事例も。

このように人が行わなければ成り立たないといったイメージのあるマーケティング業務にもRPAはあらゆる自動化で役立ちます。

【事例5】ECサイト運用:自動で商品登録

近年ネットで商品を購入する人が増えており、ECサイトを運用している企業にとっては、その登録商品の情報の多さや更新頻度の高さに非常に労力を使っていると想定できます。

ここでRPAを導入することで上記のような手間のかかる作業を自動化することが可能に。

具体的な作業例としては、RPAに指定したフォーマットに商品の名称、価格、詳細、商品画像などのデータを用意しECサイトに登録します。

新商品の登録が一括ででき簡単になるのはもちろん、商品情報の更新の際にも登録したデータを呼び出して必要な項目だけ変更すれば自動的に更新されるようになるため、ECを運用する企業にとって大きな利点となります。

記事まとめ

記事まとめ

以上にご覧いただいた通り、RPAが自動化できる業務は様々で、自動化がうまく稼働した場合、業務効率化の効果は企業にとって非常に大きいものがあります。

一方自動化によるデメリットもあり、自動化対象の業務であるか見極めることも重要です。

導入を成功させるためにも、自動化できる業務とそうでない業務の選別、自社の課題の把握に十分時間をかけて行うようにしておきましょう。

また、自社の課題は導入範囲に合わせて適切なツール選びも重要になってきます。

ツール選びのポイントや大手・中小企業へおすすめのツールなどについては別の記事で詳しく解説していますので是非そちらもご覧ください。

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この記事が、導入および運用検討のお役に立ちましたら幸いです。

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