RPA(Robotic Process Automation)は、自動化技術の一つとして様々な業界で業務の効率化や生産性向上に貢献しています。
しかし、RPAを導入を成功させるためには十分な準備と計画が必要です。
本記事では、スムーズにRPAを導入するため
- 準備期間時のスケジュール
- 運用開始時のスケジュール
という2つに分けて解説します。
これからRPAの導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
RPA導入までのスケジュール①準備期間
事前の準備やスケジュールをたてることははRPAを導入を成功させるために不可欠です。
準備は遅くともRPAを導入する1~2ヶ月前から始めると、後に効果の比較検証もしやすいです。
それでは以下の手順とスケジュールを確認し、段階的に進めていきましょう。
ステップ1:現在の業務プロセスを洗い出す
まずは、組織内の現在の業務プロセスを洗い出し、どの業務がRPAによって効果的に自動化できるかを把握しておくことが重要です。
また、業務量や作業の頻度を評価し、優先順位を付けておくと分かりやすいでしょう。
自動化したい業務の優先順位が決定したら、現在の業務効率に比べてどれほどの成果が見込めるのか予測しておきます。
これにより、導入の目標・目的が定まり自動化の効果がより明確なものになります。
ステップ2:RPAで自動化したい業務を選定する
業務プロセスを洗い出した後は、RPAに適した自動化対象となる業務を選定します。
特に、繰り返し行われる定型業務や人的ミスが発生しやすい業務などを重点的に検討すると良いでしょう。
自動化の効果が予測できる業務をRPA導入に充てることで、効果を最大化することが可能となります。
ステップ3:ツールの納期を確認する
RPAツールの選定をする際には納期を把握してスケジュールを立てることが重要です。
RPAツールの納期はインストールの仕方やシナリオ作成方法の違いなど製品によって異なり、最短当日納期できるものから1週間ほどかかるものまであるので注意が必要です。
また、納期までの段階的な導入スケジュールを策定し、目標に向けての進捗管理を行います。
これにより、作業を止めることなくやスムーズな導入が可能となります。
ステップ4:RPAツールを決定する
次に納期などを確認しつつ自社のニーズや要件に合ったRPAツールを選定します。
RPAツールには「デスクトップ型」「クラウド型」「サーバー型」など種類がありそれぞれに仕組みが異なります。
ここでは機能や価格、サポート体制などを比較検討し、自社に最適なツールを選びましょう。
複数のツールを比較検討する際には、デモやトライアルを活用して実際の使用感を確認しておくのもおすすめです。
適切なツールの選定は、導入後の効率化に直結するため、費用対効果も考慮し慎重に決定します。
ステップ5:無料トライアルで実際の使用感を確認する
最終候補となったRPAツールを実際に試用し、操作性や機能性、導入後の運用・管理のしやすさなどをトライアルで確認します。
ベンダーによって異なりますがトライアルは無料で提供しているところが多いので導入後のイメージを掴むためにもぜひ活用しましょう。
トライアル期間中に、使用感やサポート体制などを十分に評価し、導入の最終判断材料とします。
試用期間中にしっかりとした検証を行い、将来的な運用の安定性を確保することがRPA導入を成功に導くために重要なポイントとなります。
RPA導入までのスケジュール②運用開始時
準備期間を終えたら、続いてはRPAを実際に導入開始してから運用までのスケジュールをたてていきましょう。
以下では、RPAを運用開始からの手順を詳しく解説していきますので、ぜひ一緒に進めてみてください。
ステップ1:業務の一部からスモールスタートでRPAを導入する
最初の段階では、業務の一部からRPAを導入し、小規模から自動化を始めます。
スモールスタートではじめることでRPAの効果や実装に対するリスクを最小限に抑えることができます。
スケジュールを立てる際は小規模な業務から、徐々に自動化の業務範囲を広げていくように段階的な計画を準備しておくようにしましょう。
ステップ2:改善点の洗い出し後、本格導入へ
スモールスタートでの成功を受けて、次の段階では改善点をより詳細に洗い出し、RPAを本格的に導入します。
日々の定型業務の自動化により、労力を削減し、ヒューマンエラーを軽減することが期待されます。
この段階では、RPAの適用範囲を徐々に拡大し、業務全体の効率化を図っていきましょう。
ステップ3:RPA導入の効果を検証・測定する
RPAの導入後は、効果の検証と測定が重要です。
運用開始後の業務の効率性やRPAツールのパフォーマンスの品質を定期的に評価し、改善の余地があれば適切な対策を講じます。
この段階では、KPI(Key Performance Indicators:中間目標)やROI(Return on Investment:投資利益率)などの指標を活用して、RPA導入の成果を客観的に評価します。
ステップ4:RPAの運用・保守を進める
ある程度の運用体制が整ったら最後に、RPAの運用と保守を継続して行います。
業務プロセスの変化や新たな課題やリスクに対応し、RPAシステムの効果的な運用を維持。
また定期的なメンテナンスやアップデートを行い、システムの安定性と信頼性を確保しておきましょう。
担当者へのトレーニングやサポート体制の整備も継続して行うことで、RPAの導入効果を最大限に引き出すことに繋がります。
記事のまとめ
今回はRPAの導入から運用までの準備やツール選定、各段階での具体的な手順・スケジュールについて解説しました。
下記は今回ご紹介したスケジュールを簡単にまとめています。
手順に沿って一つひとつ順番に進めていきましょう。
手順 | 内容 |
---|---|
①業務プロセスの洗い出し | 現在の業務プロセスを評価し、自動化可能な業務を把握する。 |
②RPAで自動化したい業務の選定 | 自動化に適した業務を優先順位付けし、導入効果を予測する。 |
③ツールの納期の確認 | RPAツールの納期を把握し、導入スケジュールを立てる。 |
④RPAツールの選定 | 自社のニーズに合ったRPAツールを比較検討し、選定する。 |
⑤無料トライアルの実施 | 最終候補のRPAツールを試用し、適切なツールを決定する。 |
⑥業務の一部からRPA導入 | 小規模な業務からRPAを導入し、効果やリスクを最小限に抑える。 |
⑦本格導入 | RPA導入の成功を受け改善点を洗い出し、本格的な導入へ移行。 |
⑧効果の検証と測定 | RPAの導入効果を定期的に評価し、改善点があれば対策を講じる。 |
⑨運用・保守の継続 | RPAシステムの運用と保守を継続、定期的なメンテナンスやアップデートを行う。 |
このように綿密な計画と継続的な改善を行うことで、RPA導入の効果を最大化し、業務の効率化を成功へ導くことができます。
次の記事では、RPAの導入するメリットや具体的な効果検証の方法など詳しく解説しています。
RPA導入がはじめての企業にお役立ちできる内容となっていますので、ぜひ併せてご覧ください。