近年、業務効率化の手段として多くの企業が導入しているRPA(Robotic Process Automation)には様々な機能が搭載されています。
その中でも「スケジュール実行機能」は特に便利で、RPAツールを導入している多くの企業で活用されています。
本記事では、RPAツールの「スケジュール実行機能」について詳しく解説し、さらにこの機能を活用した業務自動管理のメリットや具体的な活用事例もご紹介。
RPA導入を検討中の方や、既に導入されている方にもお役立ちできる情報満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
RPAツールのスケジュール実行機能とは?
RPAツールのスケジュール実行機能とは、特定の時間や頻度でタスクを自動的に実行する機能のことを言います。
このRPAツールの機能により、定期的に発生する業務を、人手を介さず決められた時間や頻度などスケジュール通り自動的に実行することが可能になり、業務効率の向上が期待できます。
具体的には、日々の業務レポートの作成や給与計算、明細書発行やデータのバックアップなど、定期的に行われる業務でスケジュール実行機能は利用されます。
さらに一度RPAのロボットにスケジュールを設定しておくと、夜間や休日など人がいない時間帯でも業務を運用することが可能で非常に便利であるため、多くの企業でこの機能を持ったRPAツールが導入されています。
スケジュール実行機能の基本的な設定
スケジュール実行の設定方法は、RPAツールの種類ごとに異なりますが一般的には管理画面から開始時間や頻度など実行するタイミングを指定します。
主に下記の3つがRPAツールのスケジュール実行機能の基本的な設定です。
- 実行日時を設定:タスクを実行する特定の日付や時間を指定
- 繰り返し設定:毎日、毎週、毎月などの繰り返し実行
- 依存関係をもたせた設定:他の業務が完了した後に続けて実行
以上のようにスケジュール実行機能は比較的簡単な設定で自動化を始められる便利な機能なので、搭載されているRPAツールを選ぶことをおすすめします。
スケジュール実行機能を活用した業務自動管理のメリット
RPAツールのスケジュール実行機能を活用した業務自動管理のメリットとして下記の3点が挙げられます。
- 業務の完全自動化が可能に
- 実行状況や結果を把握しやすい
- 24時間365日の業務対応で業務効率化が期待できる
それでは3つのメリットについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
①業務の完全自動化が可能に
RPAツールのスケジュール実行機能による最大のメリットは業務を完全に自動化できる点です。
スケジュール実行機能を活用すると人間がその都度起動させなくても繰り返し発生する定型業務を自動で実行できます。
例えば、データ入力、定期的なレポート作成、メールの送信など、人間が手作業で行っていた業務をロボットに任せることで、従業員はより付加価値の高い業務に集中することが可能になります。
一度ロボットに設定するだけでスケジュール通り自動実行してくれるため、夜間など従業員の労働時間外に情報収集させ翌朝の業務開始時に結果を確認するなどの連携も可能になり大変便利で効率的です。
②実行状況や結果を把握しやすい
RPAツールのスケジュール実行機能を活用すれば、業務の実行状況や結果をリアルタイムで把握することができるのもメリットです。
各ロボットのタスクの進行・完了状況は、ダッシュボードやレポート機能を通じて可視化されるため、管理者は一目で業務の進捗を確認できます。
また、万が一異常が発生した際にメール通知する仕組みも自動化できるため、より迅速に対応することができ、問題の早期発見と解決が可能になります。
このようにRPAツールのスケジュール実行機能を活用すれば、自動化した業務プロセスが正しく遂行されているかチェックする手間も必要ありません。
③24時間365日の業務対応が可能
RPAツールのスケジュール実行機能を活用することで、24時間365日休むことなく業務対応が可能となります。
これにより、夜間や休日に発生する業務も自動で処理され、常に最新の状態を保つことができます。
また、業務効率の向上も期待でき、より多くのタスクを処理することが可能になります。
結果として、従業員は労働時間の中でより重要な業務に専念でき、企業全体の生産性と従業員満足度の向上に繋がるでしょう。
具体的な活用事例5つをご紹介
ここではRPAツールのスケジュール実行機能を活用した具体的な業務事例として下記の5つをご紹介します。
- 給与計算
- 請求書発行
- 通販事業の在庫管理
- データバックアップの自動化
- 定期レポートや営業日報の作成
もし自社の業務の中でこのスケジュール実行機能が役立つものがあれば、是非RPAツールの導入を検討してみてください。
①給与計算
給与計算はどの企業でも定期的に発生する、管理部門にとって重要な業務の一つです。
ここでRPAツールのスケジュール実行機能を活用すると、毎月末など設定した日程に自動で給与計算を行い、給与明細を作成してくれるのでスムーズに従業員に配布することが可能になります。
このように、給与計算にかかる手間を省き、計算のミスもなく迅速に処理できるようになり従業員の負担も大幅に軽減できるでしょう。
②請求書発行
RPAツールのスケジュール実行機能を活用することで、毎月末や特定の日に自動的に請求書を作成し、顧客に送付する作業まで効率化できます。
これにより、手動で請求書を作成などといった時間がとられる作業を省き、またヒューマンエラーのリスクを減少させることが可能に。
請求書の発行が自動化されることで、タイムリーに請求を行うことができ、企業のキャッシュ・フローの改善にも貢献します。
さらに請求書の管理や追跡も容易になり、未払いのチェックや督促も自動化することが可能です。
③通販事業の在庫管理
通販事業において、在庫管理を行う上でもRPAツールのスケジュール実行機能は役立ちます。
例えば毎日決まった時間に在庫状況をチェックし、一定の基準を下回った商品を自動的に発注するなどの在庫の調整・管理が自動的に行われます。
これにより、商品の在庫切れによる購買機会の損失を防ぎ、効率的な在庫管理が可能になります。
また、在庫データをリアルタイムで容易に把握できるため、販売戦略の最適化にも繋がるでしょう。
他にもECサイトの場合、売り切れ商品を自動でサイトに反映するなどの便利な設定をすることも可能で、ユーザーにとっても分かりやすいサイト作りが実現できます。
④データバックアップの自動化
あらゆるデータの定期的なバックアップは企業にとって欠かせない業務です。
しかし、手動でのバックアップ作業は時間がとられ、ミスのリスクも伴います。
ここでRPAツールのスケジュール実行機能を使用してデータバックアップを自動化することで、毎日就業終了後の深夜にデータを自動的にバックアップするなどの設定を行うことが可能です。
これにより、バックアップ漏れやデータ損失のリスクを回避し、常に最新のデータ保護が実現できます。
⑤定期レポートや営業日報の作成
毎日行われる定期レポート・営業日報の作成もRPAツールのスケジュール実行機能によって一部業務を効率化可能です。
例えば、毎月初めに前月の売上データを集計したり改善点や不満点を抽出してリスト化、そしてデータをまとめて自動的に報告書を作成し担当者に送信するなどの作業が自動化できます。
これにより手作業の時間を大幅に削減し、情報の見落としも最小限に抑えられ正確なデータを提供できるといったメリットがあります。
記事まとめ:導入したRPAツールの機能を最大限に活かしてさらなる業務効率化に繋げよう
RPAツールのスケジュール実行機能は、特定の時間や頻度でタスクを自動的に実行する機能で、業務効率化に大いに役立ちます。
具体的には給与計算、請求書発行、在庫管理、データバックアップ、業務レポートの作成、など様々な場面で活用されており、その効果は非常に高いと言えます。
RPA導入を検討している企業はもちろん、すでに導入している企業も是非スケジュール実行機能の活用を考えてみてください。
導入した各RPAツールの機能を最大限に活かすことで、組織全体のさらなる業務効率化に繋がるでしょう。