RPA(Robotic Process Automation)は、近年注目を集める自動化技術の一つです。
その中でも、「サーバー型RPA」は特に大規模な業務の処理に適したシステムとして、多くの企業に利用されています。
本記事では、サーバー型RPAの特徴からメリット・デメリットまで仕組みについて詳しく解説し、さらにデスクトップ型やクラウド型との違いもご紹介。
RPAについてまだ詳しくない方や、サーバー型RPAの導入を検討中の方は、是非参考にしてみてください。
サーバー型RPAの仕組み・特徴
サーバー型RPAツールの最大の特徴は中央のサーバーから複数のロボットを一括管理できる点です。
この自社のサーバー上で動作する仕組みから、管理者は複数のロボットの監視・展開・評価などの管理を一括で行うことができ、部門をまたいだ業務の自動化も可能です。
このような特徴を活かすと自動化プロセスの更新や新規追加が容易に実施でき、RPAツールの運用の効率化と透明性が大幅に向上します。
サーバー型RPAはこんな業務・企業におすすめ
特徴を捉えたところで、ここではサーバー型RPAツールが向いている「業務」「企業」について解説していきましょう。
サーバー型が向いている「業務」
サーバー型RPAが向いている業務として「大量のデータ処理」や「複数端末で同時に行う作業」が挙げられます。
サーバー型RPAはスペック・ストレージの容量を確保しやすく、膨大な量のデータ処理を得意とします。
一度に多くのロボットを作成・自動化させられるので複数端末で同時に作業を行うことが可能です。
サーバー型が向いている「企業」
サーバー型RPAが向いている企業として、「組織全体での大規模なRPA導入を検討している企業」が挙げられます。
サーバー内で複数のロボットを一括管理できるので、部署をまたいだ組織全体レベルのRPA導入に対応しています。
管理者は容易に全ロボットの実行履歴を把握できるので、導入後の組織全体の自動化の管理に不安を感じている企業にもおすすめです。
サーバー型RPAのメリット・デメリット
次にサーバ型RPAのメリット・デメリットを解説していきます。
サーバー型RPAのメリット
サーバー型RPAツールのメリットとして以下の3点が挙げられます。
- 中央制御と一括管理が可能
- システムの変化に柔軟に対応できる
- セキュリティ管理がしやすい
サーバー型RPAツールは特徴でご紹介した通り、企業の自動化業務の一括管理が可能です。
これにより、企業の成長に合わせてロボット数を増減・業務量の拡大など自動化業務の変化に柔軟に対応することができます。
また、自社のサーバーにインストールし、中央のサーバーでロボット全てを遠隔操作・管理するため、アクセス制御や機密情報の保護など厳格なセキュリティー性が大きな強みと言えます。
サーバー型RPAのデメリット
次にサーバー型RPAのデメリットについて以下の3点を解説します。
- 導入コストが高い
- 開発や維持管理に専門知識のある人材が必要不可欠
- 中央サーバーへの依存からくるリスク
サーバー型RPAの導入には、適切な下部構造と設定やインフラの準備、維持管理など経験と知識を持つ人材が必要不可欠です。
そのため、初期段階での設定や導入コスト、時間が増加する可能性があり導入のハードルが高くなってしまうデメリットがあります。
また、全てのロボットが中央サーバーに依存しているため、もしサーバーがダウンした場合、全てのロボットが停止し、ビジネスの運用に支障をきたすリスクが考えられます。
サーバーへの依存度を少しでも軽減するためにも、システムの冗長化、バックアッププランが重要となってくるでしょう。
デスクトップ型・クラウド型との違いを比較
サーバー型RPAの仕組みについて理解が深まったところで、他の2種類「デスクトップ型」「クラウド型」との違いについて詳しく解説していきます。
「デスクトップ型」RPAツールとの違い
デスクトップ型RPAツールのメリットは、導入が容易であることや、スモールスタートしやすい点です。
デスクトップ型RPAツールはパソコンにインストールするだけで実行できるため、部門や個人レベルでの導入が可能です。
また、導入・保守にかかるコストも低価格であり、数百万以上すると言われているサーバー型・クラウド型RPAツールと比較すると費用面からも導入しやすい種類と言えるでしょう。
一方で、デスクトップ型RPAツールには、自動化している間はパソコンが使用できなかったり、属人化しやすくなってしまうというデメリットも。
逆にサーバー型であれば、PC1台で100体以上のロボットを動かしたり業務を横断した一括管理ができるため、複数部門をまたぐ業務の自動化や大量の業務内容を細かく設定できます。
「クラウド型」RPAツールとの違い
クラウド型のRPAツールは、サーバー型やデスクトップ型のように、自社サーバーやパソコンにインストールする必要がありません。
Webブラウザによってアクセスできるため、契約した日から使用可能なソフトもあるほど手軽に利用できるのがクラウド型RPAツールの大きなメリットです。
また、サーバー型RPAツール同様、大規模な業務の自動化が可能で、必要に応じてロボットの追加もできます。
ただし、インターネットに接続すれば使用できる、といった点がデメリットになることも。
クラウド型RPAは外部ネットワークに接続可能な環境が必要なため、情報の流出に注意する必要があります。
サーバー型であれば自社のサーバーにインストールするため、セキュリティー管理に長けており、リスクが激減します。
RPA3種類の比較表
ここまでのRPAツール3種類の比較を以下の表にまとめました。
それぞれの特徴を掴んで自社に適切なタイプを見つけるのに役立ててください。
サーバー型 | デスクトップ型 | クラウド型 | |
---|---|---|---|
稼働場所 | サーバー | パソコン | ベンダーのクラウドサーバー |
導入コスト | 高い | 低い | 高い |
導入規模 | 大規模 | 小規模/個人使用 | 規模を問わない |
向いている業務 | 大量のデータ処理や一括管理が必要な業務 | 簡単な単純業務や個人単位で実施する作業 | システムからのデータダウンロードなどWEB上で完結する業務 |
向いている企業 | 組織全体の大規模導入を検討している企業向け | 低予算でスモールスタートしたい企業向け | ブラウザ上の作業の自動化に限定している企業向け |
記事まとめ:導入後をイメージして適切なタイプを選択しよう
RPAはその種類により使い勝手やセキュリティー面でのリスクも大きく異なります。
デスクトップ型・クラウド型と比較した「サーバー型RPA」の特徴は一括管理が可能、柔軟性が高くセキュリティー面に長けているという点が挙げられます。
そのため「サーバー型RPA」は、以下に当てはまる企業に導入が向いている製品です。
- エンジニアがいて自社で自由にカスタマイズしたい場合
- 全社横断的に大規模な業務効率化をしたい場合
- 機密性の高い情報を扱う場合
もし「サーバー型RPA」を導入に必要な専門知識がなかったり、初期導入・保守費用をおさえたいという場合には、「デスクトップ型」のRPAツール導入をおすすめします。
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具体的にどのような業務を自動化させたいのか考え、「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類から適切なRPAツールの選択をしましょう。