RPAとは、わかりやすく解説すると、人間が行っているパソコン上の定型業務を自動化する技術で、繰り返し行われる事務作業を自動化することが可能です。
昨今、RPAは、人的ミスの防止やコストの最適化と共に、働き方改革と人手不足を同時に解決できるため、導入する企業が増えています。
今後、RPAは、AIとの連携が進むことにより、高度な自動化も実現可能なので、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える重要な存在となります。
本記事では、業務を自動化する「RPAとは?」について、丁寧にわかりやすく解説していきます。
【わかりやすく解説】RPAとは?

RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称であり、パソコン上で行う定型的な業務を自動化するソフトウェア技術です。
RPAは、人間が手作業で行っているデータ入力・ファイル整理・情報の照合・メールの送信など、ルーティンワーク(繰り返し行う業務)を自動化することで、業務の効率化と生産性の向上(コスト削減)を実現します。
多くのRPAツールでは、人間が操作している画面を録画(記憶)したり、ドラッグ&ドロップで業務フロー(シナリオ)を設定できることから、プログラミング知識がなくても運用可能です。
また、RPAは、AI(人工知能)やOCR(文字認識技術)と連携することで、より複雑な処理や判断を必要とする業務も自動化の対象になります。
そのため、RPAは、近年「デジタルレイバー(仮想労働者)」とも呼ばれており、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX化)を推進する重要な役割として注目されています。
RPAの種類
RPAには、大きく分けて3つの種類(「デスクトップ型」「クラウド型」「サーバー型」)があり、動作環境や実行環境が異なります。
デスクトップ型・クラウド型・サーバー型には、適する活用シーンや導入メリット / デメリットがあるため、自動化する規模感や業務内容に応じて、適切な種類を選ぶことが大切です。
| デスクトップ型 | クラウド型 | サーバー型 | |
|---|---|---|---|
| 動作環境 | 個々のパソコン | インターネット経由 | 企業内のサーバー データセンター |
| 規模感 | 中小規模・部門単位 試験導入向け |
中小規模 | 中大規模 全社プロジェクトに対応 |
| 特徴 | 個人単位での自動化も可能 | リモート環境に対応 | 高度なセキュリティ環境 |
| コスト | 低 | 低〜中 | 高 |
| メリット | 現場手動で自動化が可能 | サーバー構築が不要 | 複数ロボットを一元管理可能 |
| デメリット | スケーラビリティが低い | セキュリティ環境がベンダーに依存 | 専門知識を持つ担当者が必要 |

RPAの基本的な仕組み

RPAの基本的な仕組みは、人がマウスやキーボードを使って行う作業をプログラムとして記録し、ソフトウェアロボットが自動で操作を繰り返し行います。
例えば、RPAは、Excelに入力したデータを基幹システムへと転記したり、複数のWebサイトから情報を収集して、自動でレポートを作成したりすることが可能です。
これらの作業は、人が行うと時間や労力がかかりますが、RPAを活用することによって、24時間365日ミスのない正確な処理が短時間で行えます。
RPAの基本構造は、入力・処理・出力という3つのステップで構成されており、人間が介在しなくても正確かつ高速に業務を完結できます。
Excel・データベース・メール・Webフォームなどから必要な情報を自動で取得
条件分岐・データの整形・計算・照合といったロジックを実行
処理結果をレポート化・システムへ自動入力・メール送信を実行
近年では、AI(人工知能)やOCR(文字認識技術)と組み合わせることで、より高度な自動化が可能となり、手書きの請求書をOCRで読み取って、AIが内容を判定してからRPAが会計システムに入力するなど、非定型業務にも対応できるようになっています。
RPAを導入するメリットとは?

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入するメリットとは、企業や組織が行う業務の効率を大幅に改善し、生産性を高めることができるところです。
RPAは、人間が行っているパソコン操作を自動実行できるため、導入することにより「時間の削減」「コストの最適化」「ミスの防止」など、様々な効果を得られます。
ここからは、RPAを導入するメリットについて、わかりやすく丁寧に解説していきます。
メリット1:業務効率化の促進
業務効率化の促進とは、企業が日々行っている定型的な作業や、繰り返し行う処理を自動化することで、人による作業時間を短縮し、生産性を飛躍的に高めることです。
RPAの導入メリットは、データ入力・請求処理・在庫管理・メール配信など、数時間かけていた作業を数分で完了できるところで、企業全体の作業スピードが向上し、短期間で多くの業務を処理できます。
また、RPAによる業務効率化の促進は、単なる作業の自動化に留まらず、働き方改革や組織の生産性向上を支える重要な施策として、持続的な成長を支える重要な経営戦略になります。
今後、企業が競争力を高めるためには、RPAを活用して業務プロセスを見直し、より効率的でミスのない運用体制を構築することが大切です。
メリット2:生産性の向上
生産性の向上とは、企業が日常的に行っている定型業務を自動化することで、従業員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整え、組織全体の業務成果を最大化することです。
RPAは、24時間365日稼働できるため、夜間や休日でも作業を継続できたり、時間的な制約を超えて業務を遂行できることから、人的リソースの限界を超えた生産性の向上を実現します。
また、RPAは、複数のシステムを跨ぐデータ処理や情報照合を迅速に行えるため、従業員が手作業で対応するよりも短時間かつ正確で、同じ時間内に処理できる業務量が格段に増えます。
このように、RPAによる生産性の向上は、企業の競争力強化と持続的成長を支える重要な施策であり、限られたリソースを最大限に活用して、高い成果を継続的に生み出せる環境を構築できます。
メリット3:ヒューマンエラーの削減
ヒューマンエラーの削減とは、企業や組織において、手作業で行っている定型業務の入力ミス・処理漏れを自動化技術によって防ぎ、業務の正確性と信頼性を高めることです。
日常業務では、データ入力・システム間の情報転記・請求書処理など、単純作業においてヒューマンエラーが発生しやすく、人的ミスにより業務の遅延や品質低下を招くことがあります。
しかし、RPAは、設定した業務フロー(手順)に従って正確に作業を進めるため、集中力の低下や疲労によるミスを避けることができます。
また、ヒューマンエラーの削減は、修正作業・再確認が不要になるので、他の業務に支障をきたすことなく、企業や組織全体の効率性が向上します。
従業員は、修正作業と再確認に対するストレスがなくなるため、モチベーションの向上や業務満足度にも繋がり、組織全体の底上げに寄与します。
メリット4:人的コストの最適化
人的コストの最適化とは、企業が従業員にかかる時間や人件費を効率的に管理し、限られたリソースをより戦略的で、付加価値の高い業務に振り向けることです。
多くの企業では、繁忙期に残業や臨時人員を採用することで、人的コストが増加する傾向にあります。
しかし、企業側は、RPAを導入することで、人的コストを大幅に削減し、業務の効率化と経営資源の最適活用を実現できます。
メリット5:属人化の解消
属人化の解消とは、特定の担当者しか理解していない業務やノウハウを自動化することで、誰でも同じ品質で業務を遂行できる環境作りを行うことです。
多くの企業では、特定の担当者が培った知識や経験に依存しており、その人が不在になると業務が滞ったり、対応が遅れたりする問題が発生しています。
しかし、企業側は、RPAを導入することで、こうした属人化によるリスク(問題)を解消し、業務の標準化と安定化を同時に実現できます。
RPAにより業務を自動化する際は、作業手順を明確に定義して、業務プロセスを可視化する必要があるため、特定の担当者に依存することなく、業務を継続できる体制を構築できます。
さらに、RPAは、業務手順(シナリオ)を記憶してしまえば、特定の担当者が休暇や退職などにより不在でも、自動で業務を処理できるため、業務が滞るリスクを大幅に減らし、組織全体の安定性も向上します。
メリット6:業務品質の向上
業務品質の向上とは、企業がRPAツールを導入することで、作業の正確性や一貫性を高め、全体の業務品質を安定させることです。
人手による作業では、入力ミス・確認漏れ・手順の違いなどが発生しやすく、業務品質にばらつきが生じることもあります。
しかし、企業側は、RPAを導入することで、入力ミス・確認漏れ・手順の違いなどの課題を根本的に解消し、常に一定の品質を確保できるため、社内外への信頼性の向上にも繋がります。
また、標準化されたプロセスは、新人社員や人事異動にもスムーズな対応ができるので、教育コストの削減にも役立ちます。
RPAを導入する際のデメリットと注意点とは?

RPA(ロボティックプロセスオートメーション)を導入する際のデメリットと注意点とは、業務の自動化におけるメリットを最大化するために、理解しておくべきリスクや課題です。
RPAは、定型業務の効率化やヒューマンエラーの削減など、多くのメリットをもたらしますが、導入や運用の過程でいくつかの注意点も存在します。
ここからは、RPAを導入する際のデメリットと注意点について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
デメリット:導入コストの発生
導入コストの発生とは、企業が業務の自動化を進めるにあたり、初期投資や運用にかかる費用のことです。
RPAは、業務の効率化や生産性の向上など、多くのメリットをもたらす一方で、導入・運用には一定のコストがかかるため、費用面でのデメリットも理解しておく必要があります。
RPAの導入効果を最大化するためには、費用構造を正しく把握し、長期的な視点でROI(投資対効果)を考慮することが大切です。
| 区分 | 費用相場 |
|---|---|
| 初期費用 | 0円〜50万円前後 |
| 月額(年間)利用料 | 月額5万円(年間60万円)〜 |
| サポート(導入支援)費用 | 利用料に含まれるケースが多い |
| 運用・保守(メンテナンス)費用 | 利用料に含まれるケースが多い |

デメリット:使いこなすまで時間がかかる
RPAは、業務の自動化を実現する便利な技術ですが、導入直後から効果を発揮するわけではありません。
効果を最大限に発揮するためには、RPAの仕組みを正しく理解し、操作方法・業務プロセス・シナリオ作成に関する知識と経験が必要です。
例えば、導入初期の段階では、担当者がRPAの概念やシナリオの仕組み(ノウハウ)を学ぶ必要があるので、ツールを使いこなすまでに時間がかかります。
また、RPAを効果的に活用するためには、業務プロセスの整理と可視化が必要で、どの業務にRPAを稼働させるのか見極め、作業手順(業務フロー)を細かく丁寧に整理しなければなりません。
しかし、多くの企業では、業務が属人化していたり、明確なマニュアルが存在しなかったりするので、業務の可視化と標準化には時間を要するケースが多く、準備段階から一定の時間がかかります。
一般的に、RPAは、直感的な操作で運用できる設計になっているため、初心者でも比較的簡単に触れますが、細かな設定(どの画面を認識させるか・どの条件で処理を分岐させるか)が必要です。
さらに、RPAを安定的に運用するためには、業務システムのUI変更やデータ形式の更新時に、シナリオの修正が必要になるので、運用チーム全体での理解とスキルの共有が不可欠です。
注意点:ブラックボックス化の危険性
ブラックボックス化とは、RPAの仕組みや処理内容が特定の担当者しか理解しておらず、社内全体で中身が把握できない状態になることです。
RPAは、正しく設計・運用されていれば、業務の効率を飛躍的に高められますが、運用体制が不十分なまま導入を進めると、システムの内容が不透明になる可能性があります。
特に、RPAのシナリオは、業務内容に合わせて細かく設計されるため、担当者が独自の判断で設定を行うケースも多く、誰も仕組みを理解できていないという問題が発生しやすいです。
また、RPAは、定期的なメンテナンスや改善が必要なシステムなので、中身が不透明な状態だと、どこを修正すればよいのか判断できず、業務フローの改善が滞ってしまいます。
ブラックボックス化を防ぐためには、シナリオの設計書や運用マニュアルを作成し、担当者以外でも内容を理解できるようにしておくことで、透明性の高い運用が可能です。
【わかりやすく解説】RPAが自動化できる業務とは?

RPAが自動化できる業務とは、ルールが明確かつ繰り返し行われる作業であり、日常的に発生する事務処理が代表的です。
ここからは、RPAが自動化できる代表的な業務について、わかりやすく解説していきます。
わかりやすく解説1:データ入力
RPAは、手作業で行っているシステムやExcelへのデータ入力を、正確かつ高速で実行することができます。
データ入力は、多くの企業で日常的に発生する業務であり、単純ながらも時間と労力を要する作業です。
そこで、企業側は、RPAを導入することで、人的ミスを防ぎながら、大量のデータを短時間で処理することが可能になります。
- 顧客情報 / 注文内容をWebフォームや基幹システムに転記
- 紙のアンケート結果をデジタルデータに入力
- 請求書情報 / 在庫数の登録
- 売り上げデータの入力 など・・・
また、RPAは、OCR(文字認識技術)と組み合わせることで、紙やPDFから文字情報を読み取り、自動でデータ化することも可能です。
わかりやすく解説2:システム登録
RPAは、社員情報・顧客データ・受注 / 在庫情報などのシステム登録を自動で行えたり、複数システム間のデータ連携や更新作業も可能です。
特に、RPAは、単純なデータ入力だけでなく、複数システム間のデータ連携や更新作業を行えるため、二重登録や確認作業などの手間を削減できます。
RPAによるシステム登録は、従業員が単純作業から解放されて、より付加価値の高い業務や、戦略的業務に集中できる環境を創出します。
わかりやすく解説3:リストの転記
RPAは、Excel・CSV・Webフォームなど、リスト内にあるデータを正確に読み取り、指定された別のシステムやフォーマットに自動で転記します。
また、RPAは、複数のリストや異なるフォーマットのデータにも対応できるため、業務の柔軟性・正確性・スピードが向上します。
わかりやすく解説4:帳票の作成
RPAは、売上・在庫・顧客情報などのデータをもとに、定型フォーマットで報告書や資料を作成する帳票の作成業務を自動化できます。
帳票の作成は、手作業で行われることが多く、集計ミスや入力ミスが発生しやすい業務なので、作業時間も膨大になることが課題です。
しかし、企業側は、RPAを活用することで、帳票の作成業務を自動化できるため、業務の効率化と正確性の向上を同時に実現できます。
わかりやすく解説5:メール配信
RPAは、送信対象リストの抽出・本文の作成・添付ファイルの添付・送信予約までを自動で行うことが可能です。
一般的に、メール配信は、手作業で行われることが多く、送信漏れ・誤送信・作業時間の増加などが課題となっています。
しかし、メール配信の自動化は、手作業で発生しやすい入力ミスや送信漏れを防いだり、顧客ごとの条件に応じた個別配信・定期配信にも対応できるため、マーケティング活動や営業活動に役立ちます。
わかりやすく解説6:レポートの作成
RPAは、複数のシステムから必要なデータを自動で抽出し、集計・計算・グラフ作成を行ったり、フォーマットに基づいたレポート作成が可能です。
多くの場合、レポートの作成は、手作業で行われることが多く、入力 / 集計ミス・作業時間の長さが課題となり、多くの企業で従業員の業務負担となっています。
しかし、企業側は、RPAを活用することで、レポート作成業務を自動化できるため、業務の効率化と正確性の向上を実現できます。
また、RPAは、月次報告書・営業レポート・経営分析資料など、定期的に発生するレポート作成も自動化できるため、業務の作業スピードも飛躍的に向上します。
わかりやすく解説7:勤怠管理の集計
RPAは、勤怠管理システムやタイムカードから必要なデータを自動で抽出し、出勤日数・残業時間・有給休暇の消化状況などを自動で集計します。
勤怠管理の集計は、RPAによって勤怠データを整理・集計し、給与計算や管理資料に反映できるため、手作業による入力ミスや確認作業の手間を削減します。
また、RPAでは、異なるフォーマットや複数システムのデータもまとめて処理できるので、月次や年次の集計 / 報告も高速で作成し、業務全体の効率化に役立ちます。
従業員は、勤怠管理を自動で集計できるようになるため、単純作業から解放されて、給与計算や人事分析などに集中できます。
わかりやすく解説8:在庫の管理
RPAは、在庫 / 販売管理システムからデータを取得し、複数倉庫の入出庫情報や在庫数量を集計して、異なるシステム間のデータ連携・更新することが可能です。
通常、在庫の管理は、手作業で行われることが多く、入力ミス・数量の誤差・作業時間の長さが課題となっています。
しかし、RPAは、商品の入庫・出庫・在庫数の確認・棚卸し・発注管理をリアルタイムで正確に把握できるので、従業員が在庫分析や発注計画など付加価値の高い業務に集中できます。
わかりやすく解説9:競合他社の価格調査
RPAは、指定されたサイトを定期的に巡回し、価格情報を自動で収集・整理・比較(スクレイピング)して、CSVやBIツール向けのフォーマットに整形することが可能です。
一般的に、競合他社の価格調査は、担当者が手作業で各社のWeb / ECサイトを確認し、スプレッドシートなどに入力していますが、時間と労力がかかるうえ、見落としや入力ミスも発生しやすいです。
しかし、RPAは、最新の価格情報をリアルタイムで把握できたり、手作業によるヒューマンエラーを削減できるので、データ収集にかかる作業時間を大幅に削減します。
また、企業側は、価格情報の自動更新と共に、価格変動の通知機能(変動検知)を組み合わせることで、価格戦略の立案が迅速になり、マーケティングや営業部門との連携もスムーズになります。
さらに、RPAによる自動化は、業務の効率化だけでなく、正確性とスピードも飛躍的に向上し、収集したデータを分析ツールと連携させることで、市場動向を可視化できます。
わかりやすく解説10:口コミの収集
RPAは、指定されたWebサイトやSNSを定期的に巡回し、新しい口コミ・評価情報・投稿日などのデータを自動で取得・整理します。
通常、口コミの収集は、担当者が手作業で複数のサイトを巡回し、コメントや評価をコピーしてまとめているので、時間と労力がかかるうえ、見落とし・データの重複登録が発生しやすいです。
しかし、RPAは、自動で口コミを収集し、日付・評価点数・感情の傾向ごとに分類・保存できるので、顧客の声を迅速に把握して、マーケティング施策や商品改善に活用できます。
また、RPAは、テキスト分析ツールと連携すれば、ポジティブ・ネガティブ傾向の可視化も容易になり、業務の効率化だけでなく、顧客満足度の向上にも繋がります。
わかりやすく解説11:請求書の発行
RPAは、基幹 / 販売管理システムや会計ソフトから取引データ(金額や顧客情報など)を自動で取得し、テンプレートに沿って請求書を作成することが可能です。
一般的に、請求書の発行は、担当者が手作業で取引データを確認し、金額や取引先情報を入力してから、メールや郵送で送付しています。
特に、請求書業務は、入力作業が煩雑で時間がかかるため、確認 / 送付漏れ・入力 / 発行ミスが発生しやすく、月末や月初に多大な時間と労力がかかり、業務負担が大きくなりやすいです。
しかし、RPAは、請求書の発行のみならず、PDF化してメールを送信したり、クラウド上に保存・管理したりすることも自動化できます。
そのため、担当者は、請求処理のスピード・正確性が格段に上がるため、取引先との信頼維持にも貢献しながら、より付加価値の高い業務に集中できます。
わかりやすく解説12:入金消込
RPAは、銀行口座の入金データと販売管理 / 会計システムの請求情報を取得し、金額・日付・取引先名などの項目を自動照合することができます。
入金消込は、取引先からの入金データと請求書情報を照合し、どの請求に対する入金なのかを処理する作業なので、経理部門にとって重要な業務です。
特に、手作業で一件ずつ確認するには、時間と労力がかかり、入力ミスや照合漏れも発生しやすく、月末月初の繁忙期には処理が遅延することもあります。
しかし、RPAは、一致したデータを自動で処理し、不一致(差異)がある場合のみ担当者に通知するため、手作業による照合作業を大幅に削減することが可能です。
また、RPAは、処理データを自動で記録できるので、監査対応や内部統制の強化にも役立ちます。
わかりやすく解説13:労務管理
RPAは、勤怠データの集計・残業時間の計算・給与システムへのデータ入力・社会保険の入力手続き・入退社に伴う書類処理など、労務管理の一部を自動で行うことが可能です。
労務管理は、従業員の労働環境を整備する重要な業務ですが、集計ミス / 入力ミス・各種申請書の不備などが発生しやすく、大きな負担になっています。
しかし、RPAは、手作業による集計 / 入力ミスを削減するだけではなく、各種システム間のデータ連携も自動化できるため、情報の整合性を保ちながら、業務の効率を高めることができます。
担当者は、労務管理が自動化されることにより、煩雑な事務処理から解放されて、従業員のサポートや職場環境の改善に注力できたり、法令対応や監査業務の負担を軽減できます。
わかりやすく解説14:問い合わせ対応
RPAは、受信したメール・チャットの問い合わせ内容を自動で分類し、FAQやマニュアルに基づいて、初期回答を代行することが可能です。
一般的に、問い合わせ対応は、従業員が一件ずつ電話・メール・チャットで対応しており、対応履歴の管理・情報の検索・確認作業などに多くの時間と労力をかけています。
そのため、場合によっては、対応に遅れが生じたり、回答のばらつきによって、顧客満足度が低下するリスクもあります。
しかし、RPAは、問い合わせ対応を自動で行えたり、対応履歴を記録することもできるため、履歴の管理や対応の標準化によって、データの一元管理を実現します。
問い合わせ対応の自動化は、対応スピードの短縮や対応漏れの防止のみならず、顧客満足度の向上と、社内業務全体の効率化に繋がります。
【わかりやすく解説】RPAが自動化できない業務とは?

RPAが自動化できない業務とは、定型化されておらず、判断・創造性・柔軟な対応が求められる業務です。
RPAは、ルールが明確で繰り返し行われる作業を得意としますが、判断力を伴う業務には対応できません。
ここからは、RPAが自動化できない代表的な業務について、わかりやすく解説していきます。
わかりやすく解説1:パソコン以外の業務
パソコン以外の業務とは、現場作業や物理的な操作を伴うもので、検品作業・倉庫内でのピッキング / 梱包・設備の操作 / 修理・書類の郵送作業などです。
RPAは、パソコン上で繰り返される定型業務の自動化に優れていますが、現場での作業や物理的な操作には対応できません。
そのため、企業がRPAを導入する際には、自動化可能な業務と不可能な業務を明確に区別することが重要です。
- 手書き書類の確認
- 印鑑の押印
- 現物の受け渡し
- 工場での機械操作 など
わかりやすく解説2:人の判断が必要な業務
人の判断が必要な業務とは、状況に応じた柔軟な判断・意思決定・創造的な対応が求められる業務のことです。
RPAは、ルールが明確で、繰り返し行う定型業務の自動化に優れていますが、複雑な判断や臨機応変な対応ができません。
そのため、企業がRPAを導入する際は、自動化できる定型作業と人の判断が必要になる業務を切り分ける必要があります。
- 顧客からの問い合わせ
- クレーム対応
- 営業戦略の立案
- 採用面接
- 評価
- プロジェクトの意思決定 など
わかりやすく解説3:作業ルールが設定できない非定型業務
作業ルールが設定できない非定型業務とは、業務の手順や処理内容が状況によって変化し、明確なルール化が難しい業務のことです。
RPAは、定型化されていたり、ルールに基づいて繰り返し行う作業に向いていますが、非定型業務(例外処理や臨機応変な対応)に対しては自動化が困難です。
そのため、RPAを導入する際は、定型業務をRPAに任せて、非定型業務を人間が対応するなど、役割分担が重要になります。
- 個別相談への対応
- 案件ごとに異なるデータ分析や報告書の作成
- クリエイティブな資料作成 など
RPAの導入を成功させるためのプロセスとは?

RPAの導入を成功させるためのプロセスとは、企業が業務の効率化と生産性の向上を実現するために、計画的かつ段階的に進める手順のことです。
ここからは、RPAの導入を成功させるためのプロセスについて、わかりやすく解説していきます。
ステップ1:自動化業務の洗い出し
自動化業務の洗い出しとは、どの業務を自動化することで、効率化と生産性の向上に繋がるのかを明確にする作業のことです。
RPAは、定型業務や繰り返し行う作業を得意としますが、全ての業務に適しているわけではないので、現状の業務を可視化して、作業内容 / 手順・所要時間・担当者の負担などを把握しておく必要があります。
ステップ2:自動化する業務の順位付け
自動化する業務の順位付けとは、優先的に自動化する業務を選定してからRPAを稼働させることです。
ルールが明確な定型業務(入力作業 / 集計作業など)は、作業量が多くて効率化しやすく、人的ミスに対する導入効果も大きいため、優先的に選定するのがおすすめです。
ステップ3:業務フローの標準化(可視化)
業務フローの標準化とは、RPAの導入を成功させるために業務手順や処理方法を統一化して、誰が行っても同じ結果が得られる状態にすることです。
RPAは、定型業務やルール化された作業の自動化に適しているので、業務フローが統一されていないと、正確な自動化が困難になります。
そのため、RPAを導入する際は、業務フローを見直してから、作業手順の無駄や重複を排除し、業務を標準化することが大切です。
ステップ4:社内体制と運用ルールの策定
社内体制と運用ルールの策定とは、RPAの導入を円滑に進めるため、組織全体で運用の仕組みを整備することです。
RPAは、定型業務の自動化に優れていますが、運用体制や作業ルールが不十分だと、導入後にトラブル・業務停滞のリスクが高まります。
そのため、RPA導入時には、シナリオ作成や保守運用などを行う担当者を明確にして、運用ルールを策定しておくことが重要です。
- 業務フローの変更手順
- エラー発生時の対応方法
- 権限管理
- 定期的な効果測定の基準
ステップ5:RPAツールの選定
RPAツールの選定とは、企業がRPAを導入する際に、自社の業務に適したソフトウェア(アプリ)を選ぶことです。
RPAは、業務の特性や目的に合わないツールを導入すると、期待した効率化や生産性の向上が得られず、運用コストとトラブルの増加に繋がる可能性があります。
そのため、RPAツールの選定にあたっては、将来的な拡張性や他システムとの連携性を考慮しながら、操作性とサポート体制が重視される傾向です。
RPAの導入事例から学ぶツールの選び方とは?

RPAは、ツールの選定を誤ると導入コストが増加したり、運用が定着しないリスクがあるため、導入事例を分析しておくと安心です。
ここからは、RPAの導入事例から学ぶツールの選び方について、わかりやすく解説していきます。
ツールの選び方1:サポート体制の充実度
サポート体制の充実度とは、RPA導入後の運用やトラブル対応において、ベンダーが提供している支援の範囲と質のことです。
RPAは、導入初期や運用中にエラーが発生することがあるため、迅速かつ適切なサポートを受けられるかが、導入成功の成否に直結します。
特に、RPAに関する知識を持った担当者がいない場合は、充実した技術サポートやトレーニングを提供しているツールを選ぶことで、導入後の運用定着率を高めることができます。
- 問い合わせ対応のスピード
- 障害発生時の復旧支援
- ツールのバージョンアップ
- 機能追加へのサポート体制
ツールの選び方2:操作性の難易度
操作性の難易度とは、RPAツールを導入した際に、担当者がどれだけ簡単に操作・管理・運用できるかを示す指標のことです。
RPAは、操作が複雑で使いにくいツールを選ぶと、導入効果が十分に得られず、担当者の負担になるリスクがあるため、どういう操作性なのかを知っておく必要があります。
操作が簡単なツールであれば、担当者が短期間で自動化技術を習得できるので、導入後すぐに運用が定着しやすいです。
また、操作性が高いRPAツールは、業務フローの変更や新規業務の自動化にも対応しやすいことから、運用の安定性が向上します。
さらに、操作性の難易度は、RPA導入後の教育コストにも影響するため、初心者にも扱いやすいツールを選ぶと、研修時間やマニュアル作成の工数を削減できます。
- 画面のわかりやすさ
- シナリオ作成時の直感性
- ドラッグ&ドロップ操作の有無
- エラーや例外処理に対する設定のしやすさ
ツールの選び方3:機能のカスタマイズ性
機能のカスタマイズ性とは、RPAツールが提供する標準機能に加えて、自社の業務に合わせた設定に拡張できるのかについてです。
カスタマイズ性が低いツールは、導入効果が限定的になることがあるため、ツール選定時に確認しておくと安心です。
カスタマイズ性が高いツールであれば、将来的な業務変更や、新しいシステム導入にも柔軟に対応できるため、長期的な運用の安定性を確保できます。
- 業務フローに合わせたシナリオの自由度
- 他システムとの連携機能
- 例外処理への柔軟性
- 条件分岐の設定
ツールの選び方4:無料トライアルの有無
無料トライアルの有無とは、RPAツールを本格導入する前に、一定期間無償で試用できるかどうかです。
RPAは、操作性や機能性が自社の業務に適していないと、導入後に想定していた効果を得られない可能性があります。
そのため、無料トライアルの有無は、RPAツールの選定において、導入後の運用トラブルを未然に防ぐためにも、必ず確認すべきポイントです。
トライアル期間中に問題点や改善点を把握できれば、導入後の運用がスムーズになり、導入効果を最大化できます。
また、トライアル期間中に操作方法を熟知すれば、担当者の教育コストが削減できるので、導入後すぐに効果を得やすくなります。
無料トライアルを利用している企業は、操作性や機能の確認が事前に把握できるため、スムーズな運用開始と高い効率化を実現しています。
- ツールの操作性
- 機能の使いやすさ
- カスタマイズ性
- 他システムとの連携可否
- 習熟の難易度
- 業務フローとの適合性
- サポート体制の充実度
RPAについてわかりやすくまとめ

本記事では、業務を自動化する「RPAとは?」について、丁寧にわかりやすくご紹介してきました。
RPAには、3つの種類(デスクトップ型・クラウド型・サーバー型)と、導入メリット・デメリットがあるため、導入に失敗しないためにも、投資対効果(ROI)を検証する必要があります。
RPAの導入を検討する際は、実際の業務を自動化できる「RPAツールの無料トライアル」を活用しながら、自社に適するツールを比較してみてはいかがでしょうか?

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