RPA=Robotic Process Automationは、有償版のRPAツールを購入して導入することが企業では一般的です。
RPAツールは導入コストがかさみがちであること、また導入のための工程が長く、複雑になりがちであることから、フリーソフトやトライアル版のRPAツールでテストをしてから導入したいという要望は強くあります。
一方「フリーソフトってよくわからない」「使って大丈夫なのか」との声も聞かれるように、RPAフリーソフトには期間以外の制約もあるようです。
そこで、代表的なRPAフリーソフトを3つご紹介し、何が有償版と違うのか、フリーソフトを使う際の注意点はなにか、製品版のトライアルや最小限の有償版を使ったほうが良い場合はどういう場合か解説します。
また、おすすめのRPAツールも紹介しているので、RPAの導入をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
株式会社MICHIRU カスタマーサクセス
この記事の監修担当者:
古閑 健太郎
熊本県出身。デザイン系の専門学校を卒業後、新卒で地元の映像制作会社に就職。テレビ番組や官公庁の動画の制作など映像に関する幅広い業務を経験。5年間勤務した後、2022年にMICHIRUに入社。
無料版ツール・フリーソフトの特徴と使用感
RPAフリーソフトとは無料で使えるRPAツールのことです。
フリーソフトの中にはホームページでダウンロードするとすぐに使えるものもあります。
RPAフリーソフトの特徴は、有償版のベンダーが、無償版もライセンスしていることがあること、そして、これは他のフリーソフトでも多く共通する点ですが、主に個人や小さい会社での利用を想定していることです。
おすすめフリーソフト3選!それぞれの特徴とは?
ここでは、以下の3つのフリーソフトについて、その特徴と有償版との違いを解説します。
- UiPath Automation Cloud
- Automation Anywhere Community Edition
- Microsoft Power Automate
UiPath Automation Cloud
世界で利用者最大のシェアを誇るUiPath。
そのフリー版=UiPath Automation Cloudフリープランは、個人利用向けのプランです。自動化の開発と実行を無料で行うことができます。
個人利用とはフリーランスエンジニアが自身の案件検討目的や、検証環境として使うなどが典型的に想定される場面です。
評価や非営利目的に限るなどの用途目的があるため、企業での利用は評価目的に限定されると考えられます。
ただし、UiPathは、有償版のトライアルが60日間使えますので、企業での有用性はどちらが勝るか、どこでトライアルを利用するかは組み合わせも含めて比較検討したほうがよいでしょう。
Automation Anywhere Community Edition
Automation Anywhereのフリーソフト版、Community Editionは、マクロに触れたことがある方なら大変に使いやすいと評判のAutomation Anywhereのフリーソフト版です。
通常の製品版には、世界90か国に導入実績があります。
Automation Anywhere のフリー版は、Webからのアクセス・使いやすい画面からフル機能が使えるなど、機能制限がないことが特徴。
さらに、Bot Storeといって、他の人が作ったビジネスシナリオを購入することも可能です。
ただし、フリー版のライセンス条件は、以下のとおり、スモールビジネスに該当する場合のみです。
- マシン台数が250未満
- ユーザー数が250未満
- 年間収益が500万ドル未満
台数制限は5台まで、また、IQBotを使用して、処理・アップロードできるのは月に100ページまでなので、企業の試用には物足りなさが残る場合もあります。
通常の製品版でも無料トライアルがありますので(30日間)トライアルと無料版双方を組み合わせるなどして利用するのも考えられる選択肢です。
Microsoft Power Automate
マイクロソフトがリリースしたMicrosoft Power AutomateはOffice 365 ユーザーであれば無料で使えるRPAです。
Office 365 の料金は別途必要ですが、無料のRPAツールとして限られた機能ですがWeb入力などにも利用でき、企業ユーザーにもライセンス違反の心配なく利用はしやすい無料ツールです。
その他の無料で使えるトライアル版
国内ベンダーのWinActorやBizRobo!にもトライアル版があります。
トライアルの利用目的はあくまでも「試用」に限られています。
WinActorやBizRobo!はそれぞれ国内でもシェアが高く、人気がありますので、無料で使えれば非常に便利ですが、これらはあくまでも期間限定のトライアルであり、利用を長期で継続することはできません。
WinActor
WinActorのトライアル版は、申込専用ページ(URL:https://winactor.com/web_trial_inquiry/)から必要事項を記入、送信して申し込みを行います。
フリーで使える機能は、ロボット構築(シナリオ作成)・ロボット実行・問い合わせサポート・UserForumの利用・動画チュートリアルの視聴と、かなり充実しています。
自社の環境でできること・できないことはなにか、30日で十分確認することが可能です。
また、WinActorの場合、キャンペーンがあるとしばらくの間無料で公開されています。
RPAツールに初めて触れる場合に必要な基本知識を無料でマスターできる初級講座が公開されているので、トライアル期間にテストと並行して社内で研修を進めることも可能です。
BizRobo!
BizRobo!のトライアル版も、申込専用ページ(URL:https://rpa-technologies.com/inquiry/trial/)から必要事項を記入、送信して申し込みを行います。こちらも30日間無料で体験することができます。
BizRobo!では、無料トライアルソフトとして、デスクトップ版とサーバ版のいずれかが選べますので、大きな運用を考えている会社のテスト用にも有用性があります。
これからRizRobo!を導入する場合、RPAを大きな運用に広げたい場合にもトライアルが便利です。
著名製品トライアル版の入手と利用方法
RPAツールのトライアル版は、期間限定のトライアルに用途は限られていますが、例えば、2種類目のRPAツールを考えることや、トライアル版を特定の作業に使い、テストするためなどには有用なものです。
国内ベンダーの代表的なフリー版の入手の方法・利用できる機能等の情報は次の通りで、比較的に簡単に入手・利用ができます。
それぞれの製品ごとに、利用できる機能・フリー版で使えるエディション・バージョンが異なっており、このことからトライアル利用のあり方には若干の違いがありそうです。
RPAフリーソフトを導入するメリット
RPAフリーソフトを導入するメリットは以下の2点。
- 導入・運用コストを削減できる
- 導入ハードルが低い
それぞれについて解説します。
メリット① 導入・運用コストを削減できる
有料版RPAツールはかなりのコストがかかってしまうというデメリットが。
有料版の価格はツールによって異なりますが、だいたい年間50万円~100万円ほどが相場といえます。
しかし、無料のRPAツールを使えば、その分の導入・運用にかかるコストを削減することが可能です。コストを支払う余裕がない場合は、無料版を導入することがおすすめ。
メリット② 導入ハードルが低い
「日常業務のごく一部を自動化したい」という場合、高い有料版では費用対効果が見込めない場合があります。
コストをかけずに気軽にRPAツールを導入することができれば、自社の用途に合っているのか確認することができるでしょう。
RPAを初めて導入する場合やRPAの使用感を確かめたい場合は、フリープランからの導入がおすすめです。
RPAのフリー版ソフトにはデメリットがつきもの
RPAフリーソフトには各種の制約があり、すべての機能が使えない、企業での用途がフリーソフトのライセンス条件に合わないなどの注意すべき点があります。
これらの制約・制限を考えても、フリーソフトを使うのか、フリーではなく、有償版を最小限つかって導入前の実証実験を行うのか、それは個々の企業で考えるべきポイントとなります。
制約・制限があっても、目的を達成できるかどうかを検討しましょう。
それぞれのデメリットによって、自身の使う目的が達成できるかどうか、以下の項目をつぶしておくとRPAフリーソフトを利用する場合でも比較的に安全と言えます。
デメリット① 機能が一部使えない
例えば、一部の機能は利用が制限されるなど、使ってみたい機能が使えないような事態が考えられます。
有償版と比較して、シナリオの作成上使える機能が限られているだけでなく、作成できるシナリオの本数が量的にも制限されている場合があるので、場合によっては利用の目的が達成できなくなります。
デメリット② ライセンス条件がフリー版は厳しい
例えば、スモールビジネスにはライセンス可能、とある場合、スモールビジネスはどんな定義となるか、きちんと確認しないと、ライセンス違反となり、企業では思わぬ訴訟リスクを抱えるようなことがあるので注意しましょう。
例えば、フリー版で利用できる会社の売り上げやエンドユーザーとして利用できる人数が限られているといった条件が代表的なものです。
デメリット③ フリーソフトは難しい
フリーソフトには、もともとオブジェクトコード(プログラミング)が使えることが前提で、ユーザーコミュニティーの中で改良されてきたものがあります。
製品版よりも全体的に技術的な知識・スキルは高めのものが要求されています。
プログラミングの知識がないと歯が立たないといった内容ではないかをきちんと確認しましょう。ダウンロードして確認するのが早いでしょう。
デメリット④ サポートが受けにくい
RPAフリーソフトは、サポートが基本的にはなく、導入にもサポートはありません。
ユーザーコミュニティーでの質疑応答で疑問点や、バグの修正などに対応するケースがほとんどです。
そのため、自社にIT技術者がいない、RPAエンジニアがいない、といった場合は、有償でなるべくサポートの充実したRPAツールを選んだ方が安全というケースが多いのです。
なお、WinActorやBizRoboなどの無料トライアル版であれば、導入検討を前提としているので、営業サポートの点では比較的に手厚くなる面があることは知っておいてよいでしょう。
デメリット⑤ フリーのものは日本語未対応のものもある
日本で発売されているものでも、RPAフリーソフトの場合、日本語対応しているとは限りません。
フリーソフトを有償で日本語に対応させるサービスなどもありますが、結局コスト面で合わなくなるケースも多いようです。
業界最安値&ユーザーフレンドリー「MICHIRU RPA」がおすすめ
RPAフリーソフトへの関心が強い背景には、RPAが高価であるとの原因があります。
また、導入コストについて、工賃や人件費も含めて考えるとかなり高額になり、中々導入に踏み切れないこともあるでしょう。
そんな悩みを軽くするのがMICHIRU RPAのように、低価格で少ない台数でも導入しやすい有償版のRPAソフトウェアです。
面倒な機能制限もシナリオ数制限もないうえに、フローティングライセンス方式を採用しています。
RPAを同時実行できる台数をライセンスとしてカウントする方式で、インストール台数には制限がありません。
さらに、MICHIRU RPAは月額5万円と、同程度の性能をもつ他社製品と比較して低価格ながら、伴走型のサポートで安心して導入することができます。
RPAの導入をお考えの方は、MICHIRUまでお問い合わせください。
記事まとめ
今までご紹介したRPAの無料版・フリーソフトの特徴や制限を考えると、フリーソフトのおすすめの利用法はトライアル版の試用や検証といった目的で実験的に利用することです。
しかし、中には機能制限・期間制限もないフリーソフトがあるので、導入検討のあとも併用できる、といったものがあります。
会社の規則等が許せば、会社で本格的に導入され、業務上本格運用されるRPAツールに加えサブとして利用するのも一つの方法です。
試用と言っても「本格運用に近い形で運用してみたい」と思う場合は、フリーソフトではなくMICHIRU RPA のような低価格のRPAを使ってみるのも選択肢の一つです。
機能に制約なく自由に使えるため、フリーソフトを無理に使おうとするより合理的な場合も多いでしょう。
会社の事情に合わせて、フリーソフトの利用・有償低価格どちらがよいか、ぜひ検討して賢くRPAツールを利用してください。