RPAツールは、オフィスのロボットとも言われ、業務を自動化し、業務時間を短縮し、生産性の向上やコストカットに効果があります。
RPAツールを操作するのは、プログラミングは基本的に不要であるため、エンジニアでなくてはできない、ということはありません。
ところで、RPA人材は導入企業に必要と言えるのでしょうか。
また、どの程度のスキルを持っている人が今後RPA人材として必要になるのでしょうか。
RPA時代が始まってから10年も経過していないだけに、人材育成についてもそろそろ見通しを持っておくべきでしょう。
そこで、ユーザー企業に必要なRPA人材とはどういう人材か、そしてRPA人材の育成の仕方について、この記事にまとめてみました。
株式会社MICHIRU 取締役 CTO
この記事の監修担当者:
斎藤暁
医療施設法人やホンダ子会社のIT領域責任者などを経て独立。AI技術やシミュレータなど、複雑なアルゴリズムを駆使したシステムを提供している。自然言語処理によるシステムの技術は日米で特許を取得、その発明者でもある。2018年11月株式会社MICHIRUを創業。
Contents
RPA人材って、エンジニアだけですか?
RPAによる自動化を行うためには、RPAツールを操作し、シナリオまたはワークフローと呼ばれる一連のロボットの動きを作ることが必要です。
ロボット開発、と呼んでいるベンダーもありますが、行っていることは、ロボットそのものを作成することではなく、ロボットの動く筋道を作っているのです。
シナリオは非エンジニアでも作成することができる
このシナリオ作成作業も、プログラミングが不要で、エンジニアでないとできないものではありません。
例えば、WinActorや、UiPathのような代表的な製品も、また、近時多く登場している国内ベンダーの製品・クラウドRPAツールなども、エンジニアではない、業務担当者がシナリオを作成できます。
しかし、現在のところエンジニアも、非エンジニアも、シナリオを自由に書いてRPAを自在に動かすことができる人材は不足しているのが実情です。
RPAの管理も、エンジニアが行うとは限らない
RPAを多数動かすことになると、RPAの管理が必要になります。
RPAの稼働状況のモニタリングといったRPAそのものを管理ツールで見るのと同時に、業務の進行状況も管理するのが通常です。
今までの業務の管理者とは違う、業務管理のスキルが求められます。
しかし、これもエンジニアが行うより、プロジェクト管理スキルのある担当者が行うことを想定したほうが効率的て、現状にあっているという会社も多いことでしょう。
エンジニアが業務に精通するというより、非エンジニアでも使いやすいツールである限りは、業務の担当者がスキルを付けたほうが短い時間で対応できると考えられるからです。
RPA人材を業務担当者から育てる必要性
上記に見た通り、RPAツールの難易度が高くなければ、シナリオ作成・RPAツールの管理、双方エンジニア以外の業務担当者が行うことは合理的です。
また、RPAのシナリオ作成のために新規の求人を行い、採用をすることも現実的ではありません。
そのため、導入企業一般で、RPA人材を育てることは必要かどうか、と言われれば、答えはYesです。
メリット
第一のメリットは、業務を知っている担当者がシナリオを作成するため、業務の要件定義・テストなど、エンジニアがシナリオを作成するよりも工数が少なくできることです。
エンジニアにシナリオ作成を依頼すると、業務内容の要件定義をしっかり行わないと、業務知識や、理解は深くないため、結果として思った通りにロボットが動いてくれないということもよくあることです。さらにテストを行い、何度も修正をがけることになります。
この点、業務担当者にシナリオを作成させることができれば、業務の説明は省けて、工数が減ります。さらに、テスト~修正も早く進みます。
第二のメリットは、エンジニアに依頼するよりも、コストは少ない場合が多い、ということです。
時間と行程が少なくなりがちであることはすでにご説明した通りですが、これに伴い、人件費(とくに残業代)を抑えられます。
第三のメリットは、不足しがちなITエンジニアにもっと技術的に高度なことに集中してもらうことができることです。
デメリット
これに対して、社内で非エンジニアのRPA人材を育てることは、それだけ教育研修費がかかること、難易度の高いツールには対応しにくいことが挙げられます。しかし、よほど大きな教育研修費をかけるのでなければ、メリットの方が上回りそうです。
また、最近のRPAツールのUIはますますユーザーフレンドリーになっていますので、これらのデメリットはあまり大きいものではない、と言ってよいでしょう。
RPA人材の育て方
RPA人材を現場担当者から育てる場合、第一の目標になることは、確実にシナリオ・ワークフローが作成できるスキルを身に着けさせることです。
ただし、教育研修は、アウトソーシングすることができます。
自社だけで育てなくてもOK
担当者の育成には、ベンター研修(WinActor・UiPathの研修プログラム等)などの外部の研修を多くつかうことができます。
人材派遣会社・研修会社などでベンダー公式として認定されている研修・トレーニングも含め、多数のコースを提供しています。
もし、企業から外注すると社内プログラムの一部に組み込むこともできます。
また、現在はあとで説明する通り、人材派遣業界でも、RPAのシナリオ作成スキルを登録スタッフに身に着けさせる動きが顕著ですので、十分な数の人員にスキルが身につくまで利用するということも考えられます。
人材派遣業界でもこんな取組
登録人材の求人に有利であると同時に、需要も増えているので人材派遣各社ともRPAの研修・トレーニングを充実させています。
パソナ・パソナテック・パーソルテンプスタッフなど、人材派遣業界の各社で取り組みがあります。
パーソルテンプスタッフは「RPAアソシエイツ」を派遣し、導入から運用の開始までをサポートするサービスも行っています。
一方、求人企業では、派遣社員の事務職のスキルとして、企業はRPAスキルを徐々に重視するようになってきています。
実際に、求人企業側では、積極的にRPA人材である派遣社員を正社員化する事例も出てきているようです。
エンジニアではなく、今まで定型的な業務を行っていた一般事務職の派遣社員がRPAのオペレーターを行い、シナリオを作詞し、RPAを利用した業務のコーディネートをすることを研修・トレーニングで目指しています。
定型的業務を行う人材が必要なくなるのではなく、派遣職員にはRPAを使った業務のスペシャリストとしての役割を担うことが業界全体で期待されています。
育てたあとの活用法
RPA人材を育成したあとの人材活用を考えると、シナリオの作成だけでなく、次のような業務にあたることが考えられます。
- 社内にシナリオが書ける人材を増やすためのインストラクターをしてもらう。
- 業務への導入に関してコーディネーター・プロジェクトリーダーになってもらう。
- 新規RPA導入対象業務の選定にも参加してもらう
- RPAの外注とのコミュニケーションをしてもらう
これらも、外部に依頼すると相当の高額になる可能性がありますので、人材育成の費用からすると投資を上回る効果を期待できるとみられるでしょう。
まとめ
RPAの活用の幅を広げ、自動化を迅速に推進できるようには、対象業務を広げることと、多くの人員がシナリオの作成に当たれることです。
シナリオ作成や、部単位などのRPA管理などを行う人材を例えば部署ごとに育成しておくことは、RPA活用に有益と考えられますし、RPAに関するノウハウを蓄積することができます。
投資対効果も通常良好と考えられますので、御社に合った方法でRPA人材育成を推進してみてください。
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