RPAはパソコン上で実施される「定型作業」や「単純作業」の自動化を得意としています。
RPAを使い、人が処理していた業務を自動化することで、大幅な工数削減やヒューマンエラーの低減できるといったメリットがあり、企業として生産性の向上を図ることができます。
しかし、具体的に検討開始すると「RPAには何ができるの?」「どんな業務を自動化できるの?」といった疑問が出てきて、なかなか導入に踏み切れていないという担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、RPAツールを導入することで何ができるようになるのかといった内容や、具体的な導入事例、どんな業務だとRPAに任せられないのかといった内容を解説します。
RPAツールを導入することがゴールとならないよう、何ができるツールなのかを把握し、効果的なRPA活用の一助になれば幸いです。
RPAは何ができるのか、具体的な業務例8選ご紹介
さっそくですが、PRAを導入すると何ができるようになるのでしょうか。
RPAは「ルールが決まっている」「人の判断を必要としない」業務の自動化が得意で、その適用範囲は多岐にわたります。
また、作業実行時は正確かつスピーディーに処理することが可能なため、人間であればミスしやすい単純業務もPRAに代替えすることでミスが無くなるといったメリットもあります。
そんなRPAを活用した、具体的な業務事例について8つ挙げて解説します。
業務例① メール処理
RPAを活用すれば、電話やメール処理といった業務の自動化が可能です。
具体的に何ができるのかですが、採用業務でいうと応募者への面接日程のリマインドメールや、会社説明会などのイベントを告知するときのメール送信を自動で行うことができるようになります。
また、全社員へ健康診断受診お知らせなどを伝達するような場合も、年齢別にメール本文を変えて送信するといったことが可能です。
そうすることで、メールの作成時間が短縮できるだけではなく、リスクマネジメントとして実施しているダブルチェックや、ミス発生時の分析時間など、さまざまな時間を削減することができます。
業務例② 請求書作成業務
請求書作成業務は一定のルールに沿って処理が行われているため、RPAでの自動化に向いています。
また、日常的に作業頻度が高く、繁忙期にいたっては人海戦術でないと乗り切れないほど作業量が多くなるケースもあります。
そんな業務へRPAを導入すれば、担当者の作業負担が大幅に削減されるのはもちろんですが、入力ミスを削減できるというメリットもあります。
そのように効率化が進むことで、担当者はより生産性の高い業務に注力できますし、精神的負荷の高い業務からも解放されます。
業務例③ お問合せ・顧客対応
RPAツールを導入すると、お問い合わせフォームに入力されたデータの集計や、その後の各種対応を自動化することができます。
具体的に何ができるかですが、さまざまな問い合わせに対し、担当者が1件ずつ確認・検討し、間違いないように回答するというのは非常に手間ですし、精神的な負荷が高くなります。
しかし、RPAツールを導入することで、顧客への返答を自動対応にしたり、社内のナレッジベースから類似回答を検索したりなど効率化が行えます。
そうすると、一次対応者がすべての対応をせずに済むため、作業フローの最適化され業務効率化へと繋げることが可能になります。
業務例④ 在庫管理作業
在庫切れによる機会損失や、過剰在庫による管理費増大といった問題を失くすためには、在庫管理を適正に行う必要があります。
しかし、在庫管理を人の手で実施していては、ヒューマンエラーによる在庫数の差異や、リアルタイムに在庫数を適正化することは難しいです。
そこで、PRAツールを活用すると出荷数と入荷数を正確に管理したり、在庫数や出荷予定数といった情報を営業担当者に自動でメール送信することなども可能になるため、在庫管理業務の品質を大幅に向上させることができます。
業務例⑤ データ抽出・エントリー
売上情報や顧客訪問の記録を基幹システムからデータ抽出し、日次レポートを作成する作業だったり、取引先から届いた納品書のデータをシステムに入力したりといった業務は、RPAで効果的に効率化することが可能です。
RPAで実施すると入力ミスもなくスピーディーに処理することができ、24時間365日稼働することが可能なため、人が欲しいと思うタイミングで各資料を準備することができるようになります。
業務例⑥ 人事部門の業務
人事業務へRPAツールを導入すると、数多くある定型作業が自動化され生産性の高い仕事へ注力できるようになります。
具体的に何ができるかというと、毎月確認が必要になってくる勤怠管理業務の自動化です。
勤怠管理は、勤怠漏れ確認、勤務時間の集計、残業時間の確認、有給休暇の残日数確認など項目について、全社員分の確認が必要になるため、取り扱うデータ量がとても多くなり、大幅な工数がかかります。
しかし、RPAであればデータ量が膨大でも、人より早く処理することが可能なため、大幅な業務効率化を図ることができます。
業務例⑦ データ検証
RPAは、設定された内容に沿って正確かつスピーディーに処理することが可能なため、さまざまなデータ検証で活用することもできます。
具体的に何ができるかというと、データ検証時のネックとして「大量のインプットデータに対する検証が必要」や「何百というオブジェクトの挙動を確認する」といった人が実施するには難しい作業が多く存在します。
そういったデータ検証にPRAを導入すると、人のように「疲れ」や「慣れ」といった感情がないため、効率的に検証を行うことが可能です。
業務例⑧ ウェブスクレイピング(競合の価格調査など)
ウェブスクレイピングとは、インターネット上の情報を自動で収集する技術ですが、その作業を自動化することで競合他社の価格調査などを効率的に行うことができます。
具体的に何ができるかというと、人が作業する場合は、勤務時間内でインターネットへ接続し各社の情報を手作業で収集する必要があります。
しかし、RPAであれば24時間3645日稼働することができるため、営業時間外の情報収集するように設定しておけば、出勤と同時に業務を開始することも可能になります。
逆に任せられない業務は?
ここまでは、RPAを導入すると何ができるのかについて解説してきましたが、RPAにも任せられない苦手な業務が存在します。
RPAについて何ができるかだけではなく、何ができないかも知っておきましょう。
人の判断が必要な業務
RPAは一定のルールによって決められた業務を自動化するのは得意ですが、その都度状況が変わり判断が必要になるような業務の自動化は苦手です。
他にも、頻繁にシステムがバージョンアップされたり、作業内容やルールがたびたび変更されたりする場合、そのたびにロボットの設定変更が必要になります。
そうすると、自動化によって削減された工数より「メンテナンス工数」の方が多くかかってしまい意味のない自動化になってしまう可能性があります。
「何ができるのか」だけに注力してしまうと、その後の運用工数を見落としてしまう可能性がありますので注意が必要です。
処理が複雑な業務
RPAはシンプルなフローの業務自動化は得意ですが、Excelアプリケーションにて「セル塗りつぶし」や「罫線」といった細かい処理を実施したり、複数のアプリケーション間を行ったり来たりするような複雑な業務の自動化には向いていません。
厳密にいうと自動化することは可能ですが、RPAは1つの業務フローに関係しているアプリケーションや処理項目が少なければ少ないほど安定稼働できるため、複雑な業務の自動化はその分リスクがあります。
せっかく業務を自動化しても「メンテナンスばかりで使えない」とならないように、デメリットも意識しながらRPAを活用しましょう。
次の記事:RPA導入のメリット・デメリットを紹介
今回の記事では、RPAは何ができるのかといった内容から、具体的な作業事例について紹介をしました。
RPAは、働き方改革や人材不足にもアプローチできる優秀なツールですが、一方で判断が必要な業務や複雑な業務など、RPAには任せられない業務も存在します。
PRAを効果的に活用するのは簡単ではありませんが「RPAには何ができるのか」について理解しておくことが重要ですので、導入に迷われた方は本記事を参考にしていただければ幸いです。
また、PRAを上手に活用するための知識として、何ができるかだけではなく「メリットとデメリット」を把握しておくことも大切です。
デメリットを正しく理解しておくことで、RPAのメリットを最大限に活かすことができますので、以下の記事もぜひご覧ください。