現代の企業活動においてデジタル技術は必要不可欠となり、多くの企業がDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組む必要に迫られています。
しかし、ビジネスのデジタル化を経験している企業はほとんどないため、DX推進の手順や、導入すべきツールが全く分からない経営者やIT担当者も多いのが実情です。
そういった企業が活用を検討する価値があるのが、DX推進をサポートする、DX支援サービスやソリューションです。
この記事では、DX推進が必要とされる理由やおすすめのコンサルティングサービス、おすすめのITツールについて解説します。
DX推進が必要とされる理由
現在日本では、国をあげてDXを推進しています。いったいなぜDXが推進されているのでしょうか?
DX推進が必要な理由は以下の3つです。
- 競争力を高めて企業間の競争に生き残るため
- 2027年にRPAサポート期間終了を迎えるため
- 「2025年の崖」への対応のため
それぞれについて詳しく解説していきます。
競争力を高めて企業間の競争に生き残るため
ビジネスの競争の中で顧客を獲得し、生き残るのがDXを推進する大きな目的となります。
現在世界中の多くの人がスマートフォンを持っており、日常生活の中でインターネットを当たり前に活用するようになっています。
その中で顧客ニーズを満たし、売り上げを上げ続けるためには、企業側も現代の環境にあったサービスを提供しなければなりません。
たとえば、映像作品のDVDを店舗で貸し出しを行っていた企業が、デジタル化を推進しオンラインストリーミングサービスに移行しているケースがありますよね。
これはサービスをオンライン化することで、世間の需要に対応した一例です。
このように、サービスの提供のやり方を変えなければ、競争力を失ってしまいビジネスの世界での生き残りが難しくなるでしょう。
現代は同業他社が次々とDXを推進し、ビジネスモデルに革新を起こしているため、生き残りのためにはその流れに乗り遅れないようにしなければなりません。
今後の少子化に備え生産性を向上させるため
これから確実にやってくる少子化に備え、生産性を向上させるのもDX推進する必要がある大きな理由です。
今後少子化が進むに伴い、働き手が少なくなり、企業内の人材が不足することが明らかだからです。
何の対策もせずに人材不足の状況を迎えてしまうと、ビジネスの運営が難しくなり顧客へのサービス提供を続けられるなくなる恐れもあります。
そのため、将来人手が不足した際に業務に支障をきたすことの無いよう、今のうちからDXを推進しAIやロボットが業務を代行できる環境を作る必要があるのです。
「2025年の崖」への対応のため
経済産業省が発信する「2025年の崖」の問題に対応するためです。
「2025年の崖」とは、日本企業がDX推進に取り組まなかった場合、2025年に最大で年間12兆円の経済損失が発生し、国際競争力を失う問題のことです。
2025年には国内企業で使用されている基幹システムの老朽化やブラックボックス化するため、早期の対応が必要となります。
もしも対応が遅れて2025年を迎えてしまった場合、セキュリティの問題によるデータ損失といった、様々なトラブルが起こることが予想されるのです。
こうした問題の発生を事前に防ぐために、日本企業全体においてDX推進が必要とされています。
2027年にRPAサポート期間終了を迎えるため
多くの企業が採用しているRPA、「SAP ERP(サップ イーアールピー)」のサポート期間が2027年に終了するのもDX推進が必要な理由の一つです。
「SAP ERP」はドイツSAP社が提供する統合基幹業務システムで、日本企業の実に2000社がこのシステムを社内で採用しています。
そのため、保守期間終了の2027年までに、基盤システム改訂や入替を行う必要があります。
具体的には、SAP社が最新技術を駆使した最新版「S/4 HANA」に乗り換える、全く別会社のERPを導入開発するなどの対応が求められます。
おすすめのDX支援・コンサルティングサービス4選
DXを推進する際には企業の革新を支援する、DXコンサルのサービスを活用するのも一つの方法です。
知識や経験が豊富な専門家のアドバイスを聞くことで、自社の問題点が浮き彫りになりIT化やデジタル化を進めるべき箇所が明確になるからです。
また、専門家が推奨する手順に従って行動することで、迅速にDXを推進できる可能性も高くなります。
ここからはDXコンサルを提供する信用できる企業を3つ紹介するので、コンサル依頼を検討してみてもいいでしょう。
マッキンゼー・アンド・カンパニージャパン
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、東京都港区に本社を置く外資系コンサルティングファームです。
創立から50年以上が経過しており、様々な分野でコンサルティングサービスを提供しています。
あらゆる業種を対象に、過去5年間で1,000プロジェクトを実施してきており、業種にかかわらずDXコンサルティングの依頼が可能です。
事例
具体的な社名は非公開ですが、日本のトップ30社の8割を支援し、数多くの企業をDX成功に導いてきた実績があります。
モンスターラボ
モンスターラボは東京都渋谷の企業です。
2200件を超えるデジタルプロダクト開発実績から得たノウハウを活かし、クライアントをDX成功に導いています。
ビジネスの設計・企画、UX/UI デザイン、ブランディング、システム開発、アプリ開発からグロースハックまで、あらゆる面でDX推進のサポートを受けられます。
モンスターラボのコンサル実績の一例には、以下のようなものあります。
日本郵便株式会社
返品・回収物流向けサービス『e発送サービス 宛先ご指定便』のシステム開発からサービスサイトのUX/UIデザインを担当しました。
LIXIL
玄関ドアの電動オープナーシステム用アプリ『DOAC(ドアック)』を担当。モンスターラボのコンサルティングサービスにより、世界初の音声操作が可能な玄関ドアの自動開閉システムに成功しました。
アクセンチュア
アクセンチュア株式会社は、1989年に設立された世界でも最大クラスの規模を持つコンサルティングファームです。
本拠地はアイルランドで、日本を含む世界54カ国200都市以上に拠点を持っています。
過去の豊富なコンサル経験から得た知見を活かし、DX支援サービスを提供しており、各業界に精通した専門のコンサルタントによる支援を受けられます。
マッキンゼーと同様、コンサルティングファーム特有のノウハウや専門性を有しており、高い効果が期待できるでしょう。
アクセンチュアのコンサル実績の一例には、以下のようなものあります。
東洋大学
アクセンチュアは東洋大学のスマートフォンアプリ「東洋大学公式アプリ」の開発・運用を支援しました。
新型コロナウイルス蔓延によって、すべての学生やオンラインで授業を受けられる環境を作る必要に迫られました。
その際にアクセンチュアのコンサルティングサービスを活用し、コロナ禍でも十分な学習機会を学生に提供することに成功したと言えます。
神戸市
神戸市ではスマートシティポータルサイト「スマートこうべ」の構築を支援しました。
スマートこうべでは、「データは企業・行政のものではなく市民のもの」という理念のもと、行政と市民がコミュニケーションをとることで、市民のQOL向上を目指しています。
NTTデータ
NTTデータは1988年に設立されたNTTのグループ会社で、電気通信事業やネットワークシステムサービス事業などの分野で技術的なサービスだけではなく、コンサルティングサービスも提供しています。
DXコンサルについては、主に小売・モビリティ・食品・医薬・防災の5分野で支援がメインとなっています。
具体的にはDXのロードマップ作成、AIやデータ活用での業務改革、ビジネスを再定義による顧客への価値提供への変革、の3つを軸にDX推進を支援しています。
特に総合的なシステム基盤の設計・開発のモダン化が得意分野なので、社内のシステムの老朽化が課題と考えている企業は、NTTデータの支援サービスを活用するのもいいでしょう。
NTTデータのDXコンサル実績の一例は以下の通りです。
旭化成
旭化成はNTTデータと共同で、温室効果ガス(GHG)の排出量を可視化するシステムを作り上げました。
昨今温室効果ガス排出量の管理ニーズが高まっているため、製品の製造プロセス全体を通して正確な排出量を算出できるシステムを作り上げたのです。
日本国内ではこのように製造工程全体を通して、温室効果ガス排出量を正確に算出できるケースは稀です。
イオンサービスクレジット
イオンサービスクレジットは、顧客の利便性を追求する過程で、キャッシュレス決済への対応を迅速に進める必要性に迫られています。
そこで、NTTデータを支援を活用することで日本全国のイオングループにおける統合基盤の集約を行い、グループ全体でのキャッシュレス決済の実現に大きく前進しました。
おすすめのDX推進ソリューション・システム4選
DXを推進する上で必ず行うのが、新規ソリューション・システムの導入です。
そのため、業務をデジタル化できるソリューション・システムにはどんなものが存在するのかを知っておく必要があります。
そこでここからは、4つの代表的なDX推進ソリューション・システムを紹介します。
ぜひ、自社に導入する際の参考にしてみてください。
Notion
Notionはあらゆるドキュメント関連ツールを集約でき、スケジュール管理や分析などをチームメンバーと連携して行えるワークスペースです。
「ナレッジ」「タスク」「データベース」の3つの機能が搭載されており、資料やメール、タスク管理などについてのドキュメントを社内メンバーで共有しながら同時編集できます。
GoogleドキュメントやEvernoteなど、ビジネスで活用される機会の多いドキュメントにも対応しているので、テレワークに導入することでプロジェクトがスムーズに進むようになるでしょう。
Salesforce Customer 360
「Salesforce Customer 360」は株式会社セールスフォース・ジャパンがリリースしている、クラウド型の営業支援システムです。
営業状況の把握やノウハウの共有が容易なので、部門間での情報共有ができ、営業部門とマーケティング部門などの連携ができます。
そのため、導入することで社内全体でリアルタイムでの情報共有が可能になり、業務が大幅に効率化する可能性があるでしょう。
機能が非常に豊富で、「商談状況を把握したい」「マーケティングで成果を出したい」など状況に応じて、必要な機能を取捨選択できます。
営業状況を正確に把握したい場合などに、導入を検討してもいいでしょう。
Backlog
「Backlog(バックログ)」は株式会社ヌーラボが展開するプロジェクト管理ツールです。
1つのプラットフォーム内でチームメンバーが現在行っている作業内容がひと目でわかるようにデザインされており、進捗状況をこまめに共有可能です。
また、ツール上で課題ごとにコメントができるため、ベットでチャットやメールでやり取りする必要がありません。
他にも、ガントチャート機能の活用により、開発課題の管理をひと目で行えるのもBacklogのメリットと言えます。
テレワークでチームワークを発揮する必要がある際に導入すると、開発課題の管理がしやすく非常におすすめです。
MICHIRU RPA
MICHIRU RPAは株式会社MICHIRUが提供するRPAツールです。
今まで人間が行っていた、以下のようなパソコンでの提携作業を代行可能です。
- 取引情報の管理
- 顧客情報の管理
- システム管理
- ネットでの情報収集
導入すると、人間が行うと数時間かかる作業をわずか数秒で行うことができ、業務効率が大幅に向上することでしょう。
MICHIRU RPAは現在700社以上で導入されており、その数はさらに増え続けています。
導入費用は月5万円程度と非常に安価で、他社のRPAと比較すると1/3程度の価格設定となっています。
毎日の決まった業務で時間を取られている場合や、手っ取り早く業務効率化をしたい場合には、まずはMICHIRU RPAを導入するのもいいでしょう。
記事まとめ:支援サービスやソリューションを導入してDXを推進しよう
企業のDX化の際には、よほど人材やノウハウが十分でなければ、自社だけで推進するのは難しいケースが多いでしょう。
そういった場合には、目標の達成のために、DX推進の支援サービスやソリューションを活用するのも有効な手段です。
本記事を参考に、ぜひ自社と相性のよい支援サービスやソリューションを選んでみてください。