DXとは、データやデジタル技術を活用し、企業のビジネスモデルや組織のあり方を変革し、生産性向上につなげること。「デジタルトランスフォーメーション」を略して「DX」と呼ばれます。
DX推進を成功させるには、具体的にデジタル化をどう進めるかが課題になります。実際、DX推進のやり方がわからないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、日本の企業や自治体などがDX推進に成功した事例を10種類紹介します。先例を見て、これから自社でDX推進に取り組むイメージを膨らませましょう。
簡単なDX化を実現した企業の成功例3選
まずは簡単なデジタル化の取り組み事例から紹介します。気軽に実践できる事柄でも、十分な成果が上がれば立派なDX推進です。
下記の事例を参考に、まずは身近のことからデジタル施策を始めてみましょう。
事例1. 株式会社ヤスヒラ
株式会社ヤスヒラは、自動車パーツの製造に関わる機械を販売するメーカーです。
同社はロボット(AI)を活用して定型業務を自動化する「MICHIRU RPA」を導入し、業務効率化と働き方改革を実現しました。
毎日の業務やスクラップ作業を人力からMICHIRU RPAに置き換えたことで、作業の工数を大幅に削減。RPAは業務を重ねるごとにデータを活用して最適化され、ぐんぐん業務が効率化されました。
また業務効率化に伴い、株式会社ヤスヒラが目指す働き方改革も進展。単調な作業をRPAで自動化できるようになった結果、社員はやりがいのある仕事に専念できる体制が整いつつあります。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | 機械業、中小企業(従業員数59名)、株式会社(1937年設立) |
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DX推進前の課題 | 仕事前に行う「作業」の工数が膨大だった |
取り組み内容 | デジタル技術の活用による定型業務の自動化 |
導入したツール | RPA(MICHIRU RPA) |
DX推進の成果 | 作業の工数が大きく減り、業務効率化と働き方改革を実現 |
事例2. 株式会社 EBILAB(エビラボ)
株式会社 EBILABの前身は、三重県で創業1912年の老舗食堂を営む有限会社ゑびや。
かつて食堂は手切りの食券と記帳、そろばんを使って営業されており、DX推進とは程遠い状態でした。また経営は必ずしもうまくいっておらず、収益性と顧客満足度の両方に大きな課題がありました。
株式会社 EBILABの社長はデータを活用した生産性の向上を志し、Excelを使った手動のデータ記録を開始します。
各メニューの売り上げからグルメサイトのアクセス数、天気・気温、近隣の予想宿泊者数などを地道に記録。勘に頼っていた経営をデータに基づくやり方に切り替え、少しずつ成果を出していきました。
その後はほかのデジタルツールも導入し、老舗食堂は「世界一 IT 化された食堂」に変貌。DX推進の成功体験を活かし、情報システム開発販売業も始めました。
身近で簡単なデジタル化の取り組みが、本格的なDX推進へと発展した好事例です。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | 飲食業、情報システム開発販売業(DX推進後)、中小企業(従業員数50名)、有限会社・株式会社 |
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DX推進前の課題 | 収益性の低さ(客単価は800円)、顧客満足度の低さ(グルメサイトの評価が2.86) |
取り組み内容 | 手動で収集したデータに基づく経営改革 |
導入したツール | 当初はなし(Excelのみ) |
DX推進の成果 | 生産性を向上させ「世界一 IT 化された食堂」を実現。DX推進関連の新しい事業も開始する。 |
事例3. 株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所は、「ノンペーパー」の実現に取り組みました。
ノンペーパーとは、単なるペーパーレス化ではなく、紙にとらわれない働き方で業務効率化を目指すことです。
具体的には身の回りの整理整頓や使わない紙資料の処分、紙で保管しなくて良い資料の電子化などを実践。そのほか、DX推進を意識したオフィス改善やノンペーパー会議の導入なども進めました。
結果として紙資料の大幅な削減やスペースの効率化などを実現。課題だった業務効率化を達成しました。
株式会社野村総合研究所は大手企業ですが、取り組み事例の内容はどの企業にでもできること。まずは身近なペーパーレス化からDX推進を始めてみるのもおすすめです。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | 情報・通信業、大企業(従業員数 6,488人)、株式会社 |
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DX推進前の課題 | 紙資料が机の上に山積み、キャビネットは書類であふれる |
取り組み内容 | 整理整頓・「捨て捨て」、オフィス改善、ノンペーパー会議 |
導入したツール | ICカードで印刷を開始する認証機能付複合機、プロジェクター、スクリーン等 |
DX推進の成果 | 業務およびオフィススペースの効率化を実現 |
大規模なDX推進に取り組んだ企業の事例4選
続いては、より本格的なDX推進の取り組み事例を紹介します。
事例4. 株式会社土屋合成
株式会社土屋合成は、優れたDX推進に取り組んだ中小企業を評価するDXセレクションで準グランプリに選ばれた企業です。
「24時間停まらない工場」と新しいビジネスモデルの創出を目指し、先進的なデジタル技術を積極的に取り入れています。
また株式会社土屋合成はDX推進のための工夫として、取り組みが「従業員のため」「仕事を楽にする」ことにつながることを意識しました。
具体的には従業員が成功体験を得やすいよう、小さな改善活動から始めたそうです。
さらに自動化で生じた人材の余力は新しい仕事に使い、「デジタル化は仕事を奪わず、むしろやりがいアップにもつながる」という事実を作りました。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | プラスチック製品製造業、中小企業(従業員数82名)、株式会社 |
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DX推進前の課題 | 製造ラインを休まず稼働せるための人材不足、それに伴う生産数の不足 |
取り組み内容 | 省力化・効率化を意識したスマートな量産工場の実現 |
導入したツール | タブレット、画像認識ロボット、ハンディターミナルなど |
DX推進の成果 | 大幅な業務効率化、生産性向上、余剰人材を活用した新素材の開発 |
事例5. 有限会社ゼムケンサービス
有限会社ゼムケンサービスは、女性の視点や感性を活かした設計等で実績を重ねる女性従業員が中心の建設会社。
DX推進に関する自社の成功体験を活かし、女性技術者の人材育成を中心としたデジタルサービスも提供しています。
同社は、社員のITリテラシーにばらつきがある状態から、時間をかけて徐々にDX推進に取り組みました。当初はzoomやFacebookなどの無料ツールを全員で使い始めることからスタートしたそうです。
また月に1回、DX推進について代表が直接ビジョンを伝える機会を設け、全社的にデジタル戦略・施策の意識を高めました。
DX推進の結果としてワークライフバランスやワークシェアリングといった働き方改革を実現。育児や介護、自身の体調不良などを抱えた女性でも働きやすい環境を作り上げました。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | 特定建設業、中小企業(従業員数9名) |
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DX推進前の課題 | 建設業で女性を育成し、働き続けられるようにする環境が整っていない |
取り組み内容 | 全員でデジタルツールの活用やテレワークに挑戦し、ITリテラシーを高める |
導入したツール | 携帯メーリングリストやFacebook、zoom等の無料ツールほか |
DX推進の成果 | 働き方改革、生産性向上(社員数は変わらず売上が4倍以上)、DXセレクション2023 審査員特別賞に入賞 |
事例6. 株式会社シーオーエー
株式会社シーオーエーは、OA機器の導入やネットワーク構築などで快適なオフィス環境を実現するソリューションを手がける企業。経済産業省から「DX認定事業者」に選ばれています。
株式会社シーオーエーは従来のコピー機事業の成長に限界を感じ、将来性が見込まれるIT分野へ進出すべく、DX推進に取り組みました。
具体的にはペーパーレス化やRPAの導入などにより、業務効率化を実現。余剰のリソースを付加価値の高い業務や新たな技術開発に充てることに成功したのです。
また新設したITソリューション部門では、自社の成功体験をモデルケースに、他社にDX推進のソリューションを展開しています。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | 卸売業・小売業、中小企業(従業員数50〜99人)、株式会社 |
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DX推進前の課題 | コピー機事業の成長に限界を感じていた |
取り組み内容 | IT分野への進出、ペーパーレス化、ツールによる業務効率化 |
導入したツール | RPA、Microsoft365、モバイルデバイスほか |
DX推進の成果 | 業務効率化、ITソリューション部門の発展 |
事例7. 清水建設株式会社
清水建設株式会社は、経済産業省からDX銘柄2022に選ばれる建設業界の大手。リアルとデジタルを織り交ぜたイノベーションに取り組む「デジタルゼネコン」を目指しています。
清水建設株式会社のDX推進を象徴するのが、時間と場所を選ばない新しい働き方を実現する「SHIMZ Creative Field」。
デジタル技術によってセンターオフィスを中心に自宅やカフェ、サテライトオフィスなど、多様な職場のネットワークを形成します。
またバーチャル執務室や建物OSなど、サービスの基盤になるユニークなデジタル技術も続々と開発。新規事業では顧客と「デジタルでつながる」というビジョンのもと、位置情報システムに関するサービスを提供しています。
当DX推進事例の概要
業種や企業規模、企業形態等 | 建設業、大企業(従業員数 10,688人)、株式会社 |
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DX推進前の課題 | 働き方改革やデジタル活用の不充実 |
取り組み内容 | ネットワーク型ワークフィールドの導入やデジタル技術の開発 |
導入したツール | SHIMZ Creative Field、バーチャル執務室、建物OS等 |
DX推進の成果 | 時間や場所を問わない新しい働き方の実現、デジタル技術を活用した新規事業の展開 |
自治体・教育機関のDX推進事例3選
民間企業のみならず、行政や教育機関もDX推進に取り組んでいます。
以下では、地方自治体や学校法人のDX推進事例を紹介するので参考にしてください。
事例8. 熊本県宇城市
熊本県の宇城市役所は、外部委託で構築していたRPAを、MICHIRU RPAの導入によって内製化。業務フローの改善を通じて業務効率化を実現しました。
MICHIRU RPAでは、プログラミング知識がなくても簡単にRPAシナリオが作れるため、導入後は職員自身でツールを運用できるように。
動かなくなった原因も画像で確認できるため、トラブル対応も含めて内製化することに成功しました。
またMICHIRU RPAの導入に合わせて業務フローを見直し、シンプルに改良できたことも、業務効率化につながったといいます。
当DX推進事例の概要
DX推進前の課題 | RPAに外部委託ゆえの制約があった |
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取り組み内容 | ツールを変更し、職員による内製化を目指す |
導入したツール | RPA(MICHIRU RPA) |
DX推進の成果 | 職員自らRPAを構築、運用できるようになり、業務が効率化 |
事例9. 北海道北見市
北海道北見市では、DX推進による業務効率化の成果として「書かない窓口」「ワンストップ窓口」を実現しました。
書かない窓口では、システムの活用により、申請書の作成手続きを簡略化。来庁者は職員の案内に従いながら、署名するだけで申請ができます。
またワンストップ窓口では、従来複数の課をまたいで行っていた手続きを住民異動窓口に一本化。来庁者は、窓口支援システムによる自動判定などにより、スムーズな代理受付や案内を利用できます。
当DX推進事例の概要
DX推進前の課題 | 申請書記入や複数課を回ることにかかる来庁者の手間 |
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取り組み内容 | 書かない窓口、ワンストップ窓口の導入 |
導入したツール | 窓口支援システム、RPA等 |
DX推進の成果 | 各種手続きのスマート化による来庁者の利便向上 |
事例10. 学校法人 ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン
ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンは、日本初の全寮制国際学校。国際平和や持続可能な未来の実現につながる教育活動に取り組んでいます。
この組織の課題は、日々の業務を効率化することにありました。
組織が順調に成長を続ける一方で、定型業務が増えて創造的な仕事のリソースが圧迫されるようになっていたのです。
そこで取り組んだのが「MICHIRU RPA」の導入。日々の転記作業、集計作業、分析作業、反復作業を自動化し、年間100時間以上のリソースを節約することに成功しました。
当DX推進事例の概要
DX推進前の課題 | 組織の拡大に伴う定型業務の増加 |
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取り組み内容 | デジタルツールの導入による業務の自動化 |
導入したツール | RPA(MICHIRU RPA) |
DX推進の成果 | 大幅な業務効率化 |
成功例から見るDX推進のポイント
上記の成功事例を踏まえると、DX推進に失敗しないためには以下のような事柄がポイントになると考えられます。
まずは低コストのデジタルツールを活用
初めはあまり費用をかけずにデジタル施策を始めるのがおすすめです。
月額5万円のMICHIRU RPAや普段から使っているExcelなど、低コストのツールを用いましょう。
小規模で始め、適宜ツールを追加していくほうが無駄がなく効率的だといえます。またリーズナブルなツールだけで大きな成果が上がれば、費用対効果は抜群です。
身近に取り組めることから変革を始める
身近なことからデジタル化するほうが、DX推進をスムーズに実現しやすいです。
具体的には、簡単なデータ収集、オフィスに山積した紙資料の電子化(ペーパーレス化)などから始めてみましょう。
施策の内容が身近であるほうが、社員も取り組みやすいため、全社的にDXを進められます。
現状の課題をよく分析して明確な目標を設定
上記の成功事例に共通して言えることは、デジタルツールの導入によって経営の課題が的確に解決されていることです。
そうなった要因は、事前にきちんと自社の課題を分析し、DX推進の目標を定めてツールを導入したことにあると考えられます。
そのため、まずはデータとデジタル技術で改善できそうな自社の課題はどのようなものかを考えてみましょう。
業務効率化に便利な「MICHIRU RPA」
MICHIRU RPAは、日々の煩さな業務をロボット(AI)で自動化する業務効率化のためのツールです。
毎日数時間かかっていた業務が、MICHIRU RPAを導入することでわずか2秒で完了します。
具体的にはExcelやGmail、インターネットなどを使ったデータ入力、書類作成、リサーチ業務などの効率化が可能です。画像解析の活用により、ソフト間連携が不要なので、簡単に導入できることもポイント。
さらに利用料金も月額5万円とリーズナブルなので、気軽にDX推進を始めるには最良のツールといえます。
まとめ 成功例にならってデジタルな変革を!
今回紹介した企業や自治体などの成功事例には、DX推進を成功させるための大切なポイントがたくさん詰まっています。
ぜひそうした成功体験にならい、貴社でもデジタル施策を進めてみましょう。
低コストで簡単にDX推進を始めたい場合には、月額5万円の「MICHIRU RPA」もぜひご活用ください。