近年、働き方改革の影響や労働人口不足を背景に、多くの企業がRPAを導入し、業務効率の向上を図っています。
2021年時点では、年商50億円以上の大手企業・中規模企業では、RPA導入率が37%という調査結果が株式会社MM総研から公表されていますが、実際の市場規模や将来性はいかがなものか気になりますよね。
本記事では、RPAツールの概要や国内外の市場規模を比較、今後RPA導入によって期待されている効果について解説。
更に、RPA導入後の将来性が期待される企業の特徴や、今注目されている他の技術と組み合わせられたRPA機能についてもご紹介します。
RPA導入を検討しているが、将来性が不安な方の参考になれば幸いです。
RPAツールとは?概要や種類を解説
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がコンピューターを使って行う作業を自動化してくれるソフトウェアです。
人の手を介さず、単純作業から複雑なタスクまで、効率よく処理することができます。
実は、あの有名なサッポロビールも、POSデータのダウンロード操作にRPAを導入しています。
その結果、年間約1100万のコスト削減と約5700時間の労働時間の削減に成功したという事例もあがっているくらいです。
RPA導入は莫大な費用がかかり、事例に挙げたサッポロビールの様な大企業向けだというイメージをお持ちの方が多くいます。
しかし、RPAが浸透してきた今、中小企業向けのRPAも開発されており、将来性が期待できます。
以下では、RPAツールの全種類「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」についてわかりやすく解説します。
大企業向けの「サーバー型」
「サーバー型」RPAは、名前の通りサーバ内でロボットを管理するため、サーバとPCを接続することで、業務全てを一括管理し、自動化できます。
大量のデータやルールを横断的に管理できるため、複数の部門をまたいで定型業務を自動化でき、膨大な作業内容も細かく設定できます。
そのため、サーバー型RPAは、大きいプロジェクを効率化することに適しており、大企業向けのRPAツールになります。
Web上の管理に適した「クラウド型」
「クラウド型」RPAは、インターネットを経由して、Webブラウザなどのクラウドサーバ上での作業を自動化します。
ベンダーのサーバを活用できるため、自社でのサーバ設置が不要になり初期導入コストをおさえることができます。
また、ブラウザを開くだけで稼働できるクラウド型RPAは、他の業務と並行して活用できるというメリットもあります。
中小企業におすすめ「デスクトップ型」
最後に「デスクトップ型」RPAは、PC1台につきデジタルレイバーが1台導入される仕組みで、個々の作業を自動化するのに向いています。
そのため、担当者レベルや部門・個人レベルでの導入がしやすくなっています。
また、初期費用や運用費で数百万円かかるサーバー型RPAに対して、数十万円単位で導入できるデスクトップ型RPAは、スモールスタートがしやすく、中小企業におすすめです。
国内RPAの市場規模
RPAは、どんな規模の会社でも簡単に導入可能で将来性にも長けているツールだとご理解いただけたでしょうか。
ここでは、日本国内RPAの市場規模について解説します。
国内RPAの市場規模は、2016年度では85億円だったのに対して、2023年度には1,520億円の市場まで成長することが予測されています。
このように、日本国内において、RPAの市場は年々拡大しています。
後にご紹介する、RPAと他の技術を組み合わせた商品も日々開発されており、その需要は高まっています。
海外RPAの市場規模も上昇
海外に目を向けると、特にアメリカやヨーロッパの市場規模は、日本を上回っています。
これらの地域では、イノベーションの推進やデジタルトランスフォーメーションの波が高まり、RPAへの投資が活発に行われています。
更に、大手コンサルティング会社のマッキンゼーによると、2025年度には世界の1億人以上のホワイトカラー労働者、または3分の1もの量の仕事がRPAツールに置き換わるとも言われているほどです。
今後RPAに期待されている効果・事例を紹介
国内だけに留まらず、海外でも市場価値が上昇し続けているRPAですが、具体的にはどの様な効果が期待されているのか、事例と一緒に詳しく解説します。
労働人口不足問題の解決
RPAの将来性・効果が期待されている中の一つに、少子高齢化や個人事業主・フリーターの増加に伴い問題となっている、労働人口不足の問題の解決が挙げられます。
三井住友銀行は、2017年11月にRPAを導入し、今まで300万時間かけていた紙帳票のデータ化業務の自動化に成功しました。
さらに、三井住友フィナンシャルグループ全体(SMFG)でRPAプロジェクトを取り組み、スタートした2016年から約一年で、本店8店舗で13業務にRPAを導入しています。
また、作業の自動化により、人間がより創造的な業務に専念できるようにもなります。
こんなにも莫大な量の業務を自動化できると、今までに比べて少ない数の労働者で、全く同じまたはそれ以上の成果を出すことが期待できるでしょう。
働き方改革!長時間労働の改善
更にRPAの導入は、長時間労働の改善にもつながります。
繁忙な業務をRPAがサポートすることで、労働時間の削減と働き方改革が進展し、より良い労働環境が整いつつあります。
楽天カードでは、サービズ維持のためにハンズオンオペレーションで、転記・分析作業などの200種類の及ぶ業務をおこなっていました。
そこで、RPA導入をしたことにより従来の作業時間を1/4へ短縮することに成功しました。
また、従来は限定されたログのみの分析だったのが、RPAで全てのログを分析対象にしたことで、より精度のたかい分析が可能になりました。
このように、RPAは人間よりも正確に長時間業務を行なってくれることから、長時間労働の改善や、有給休暇などの取りやすい職場環境作りへの貢献を期待できます。
人より有能?人件費用の削減
RPAが人間の作業を代行することで、人件費の削減が期待されます。
更に、正確かつ24時間稼働できるといった、人間とは比にならないほど長けたスキルを持っています。
良い事例として、ハムやベーコンなどの加工食品をメインに扱う信州ハムが挙げられます。
信州ハムでは得意先から受注データをダウンロード、データ変換するという作業が毎日20社分あり、煩雑さゆえにミスやもれも発生していました。
そこでRPAを導入し、上記業務を自動化したところ、100社200スプリクトに対応することが可能になり、対応社数が5倍へなっても人員補強の必要がありませんでした。
このように効率的に業務を進め、人件費用の削減によって企業の生存率アップへの貢献も期待できます。
導入後の将来性が期待されている企業の特徴
RPAの導入後、特に将来性が期待されている企業には、いくつかの特徴が見受けられます。
それぞれの特徴の企業で期待できる効果や理由を詳しく解説します。
紙文化が根強い企業
紙媒体の文化が根強い日本企業では、デジタル化の波に乗り遅れている部分があります。
この記事を読んでいるあなたの会社も、請求書や明細などデジタル対応していなかったり、または対応していない企業と取引したことが、一度はあるのではないでしょうか。
オンラインで仕事をする人も増えた近年「ペーパーレス化」が浸透し始めていることから、従来は書類などの紙でやりとりしていた業務の自動化が重要な課題となるでしょう。
またペーパーレスに慣れていない社員が対応すれば、必要以上に時間がかかってしまったり、ケアレスミスの増加のリスクが考えられます。
そこで、RPAを活用して「ペーパーレス化」を行うことで、これまでの人の手間がなくなったり、ミスもなくなります。
更に、紙やインクなどの経費が削減されるなど業務効率化やコスト削減の効果が期待されます。
リソース不足の企業
リソースが不足している企業も、RPAの導入で効率的な業務遂行が可能となります。
特に経理業務の繁忙期には、アルバイトを雇い、なんとか回している会社もあります。
リソース不足の企業は、労働時間の増加や人件費にコストをかけてしまいがちです。
しかし、定型業務に対しRPAツールを導入することで、人を雇うよりも安く人材不足を補い、業務の質を向上させてくれます。
ただ、RPA導入時には、担当者にある程度の基礎知識やスキルを得るまでに、時間がかかるというデメリットもあるため、早めに準備を進めることをおすすめします。
業績が芳しくない企業
業績が厳しい企業にとって、RPAはコスト削減や業務効率化の一環として、大きな助けとなります。
その効果が期待できる大きな理由は、業績が悪化している企業は、労働時間の短縮や人員の削減といった課題が挙げられるからです。
前述の通り、RPA導入は人件費の削減も期待できるほど優れたスキルを持っています。
しかし、RPA導入には適切な方法、手順を追う必要があります。
導入の目的をしっかりと明確にし、自動化したい業務内容の可視化、テストと改善を繰り返し行うことを忘れずに、活用しまししょう。
上記を念頭においてRPA導入することで、新しいビジネスモデルの構築や、業務の再構築により、業績の回復・企業の将来性が期待されます。>
他の技術との組み合わせで将来性アップ
RPAだけでは、画像認識などの判断を必要とする業務はできないため、自動化できることに限りが出てくる点で将来性を問われています。
そこで、RPAとIT業界で最も注目されているAIやクラウドサービスと組み合わせた使い方が、将来性が高いと有望視されています。
地方自治体や銀行では、文字認識率が高いAI-OCRもRPAと導入することによって、読み取り、入力処理の自動化に成功しています。
その他にも、キャリアエージェントでは、RPAと画像認識を可能とするAIによって社内システム内でのRPA化を実現。
保険会社では、RPAとAIチャットボットの導入による手続きの自動化により、コンサルタントサービスなどの業務負担の軽減も可能にしています。
これらの技術の組み合わせにより、よりスマートで効率的なビジネスプロセスの構築が可能となり、RPAの将来性はとても高いと言えます。
将来性の期待できる「MICHIRU RPA」をご紹介
将来性も期待でき、中小企業におすすめなRPAランキング1位の「MICHIRU RPA」の魅力をご紹介します。
「MICHIRU RPA」は、初期導入費用10万円、運用費用月額5万円と、簡単に安く業務自動化を実現できる点が、中小企業にとっては大きな魅力です。
更に、業務を自動化させるために欠かせないシナリオ作りも、画像認識機能があるため、直感的な操作で作成でき、プログラミングが必要ありません。
充実したサポート体制も整っているので、RPA開発の知識や経験がなくても、安心してご利用いただけます。
「MICHIRU RPA」のエンジニアは、お客さまの声も大切にしていて、良い意見は積極的に取り入れ、常に改善を行なっているため、将来性も期待できるRPAツールです。
記事のまとめ
RPAツールは、大企業におすすめな「サーバー型」、WEB上の管理が楽な「クラウド型」、中小企業におすすめの「デスクトップ型」の3種類存在します。
そして、日本国内のRPAの市場規模は、海外と比例して右肩上がりになっており、RPAは世界的に将来性が期待できる技術です。
また、RPA導入によって労働人口不足の改善、長時間労働・人件費の削減といった効果が期待されており、その成果を実感している企業も多く存在します。
こんなにも優れたスキルを持つRPAですが、特に紙媒体文化が強い企業や、リソース不足であったり、業績があまり良くない会社に導入することで、企業の将来性が期待できます。
RPAのデメリットをも補うべく、AIと組み合わせた使い方をすることで自動化できる業務の範囲も広がり、RPAの将来性もアップし続けています。
最後に、関連商品の「MICHIRU RPA」の魅力や将来性についても解説しました。
RPA導入を検討している方は、無料のお試しサービスなどで比較をしてから、あなたの会社に最適なRPAの導入をおすすめします。