業務の効率化やコスト削減を目指す企業にとって、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は必要不可欠なツールとなりつつあります。
しかし、RPAツールは数多くリリースされており「どのツールが自社に最適なのか」をユーザー側が正しい知識で比較できることが重要になってきています。
そこで本記事では、RPAツールの利用料金の解説や、料金以外に比較すべきポイントなど、導入検討に必要なポイントを解説していきます。
また記事の後半では、各ツールの利用料金や特徴を比較していますので、ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
RPAツール導入料金の内訳
RPAツールの導入料金は、自動化したい業務や自社でどこまで対応するかによって費用が変わってきます。
そのため、料金種別を大きく「基本料金」と「オプション料金」に分けて解説しますので、比較時の参考にしていただければ幸いです。
基本料金
RPAツールを導入する際にかかる、基本的な料金について解説します。
基本料金① 初期費用
RPAツールの導入時には、ツールの基本的な操作方法案内や事務手続き、各種設定などにかかるコストとして「初期費用」が設定されています。
他にも比較ポイントとして、RPAを運用するために必要な「専用パソコンやサーバー」といったハードウェアを準備するための料金も初期必要としてかかってきます。
そのため、使用するRPA製品や導入準備費用にもよりますが、初期費用が発生する場合、10〜50万円程度がおおよその相場となっています。
基本料金② 月額料金
RPAツールを利用する際は、月額の料金形態としてライセンス費用がかかってきます。
国内でリリースされている主なRPAツールは、いずれも買い切り型のプランは設定しておらず、月額制または年額制のサブスクリプション形式でライセンスを提供しています。
ライセンス費用の相場は、どういった形式のRPAツールを利用するかによって変わってきます。
RPAツールの形式 | 形式の説明 | 費用相場 |
---|---|---|
デスクトップ型 | パソコン1台から導入できる手軽さがあり、小規模な部門や個人単位での利用がしやすいRPAツールです | 5万円~15万円程度 |
サーバー型 | 自社サーバー上に構築するタイプのRPAツールで、特定の部署だけではなく業務を横断した大規模な範囲への導入に向いているRPAツールです | 10万円~50万円程度 |
クラウド型 | インターネット上にあるRPAツールへアクセスし、自動化を図るタイプのRPAツールです | 30~50万円程度 |
※費用相場は導入する規模によって変わります。
オプション料金
RPAツールを導入時に、追加できるオプション料金についても比較するときの重要なポイントです。
この料金は「RPA運用をどこまで自社で対応するか」によって変わるため、あらかじめ利用可否について検討しておきましょう。
オプション料金① 研修・トレーニングプログラム
RPAを使った開発を自社で内製化する場合、エンジニア育成を推進する必要があります。
そういったケースでは「RPAの基礎編」や「シナリオ作成講座」といった、ベンダー側が提供しているトレーニングプログラムを活用することで、RPAツールの効果的な活用方法を習得できますので積極的に利用しましょう。
また、受講料金はコースによってさまざまですが、WinActorが提供しているオンライン研修では、RPA基礎編1が5,500円、シナリオ作成(基礎)編が11,000円となっています。
それぞれの育成プログラムを比較し、自社に必要なものを受講しましょう。
オプション料金②メンテナンス(保守・運用)
RPAは導入して終わりというツールではなく、安定した運用を維持するためにメンテナンス(保守・運用)が欠かせないため、どういった保守体制で運用するのか比較する必要があります。
たとえば、メンテナンスなどをすべてお任せする場合、保守要員としてエンジニアに1名常駐させると月に60万〜150万円ほどの費用がかかります。
決して安くはない費用ですので、比較する際は「RPA導入による業務効率化の効果」と「かかる費用」を比べ、バランスの良い保守・運用を構築する必要があります。
ツールを選ぶ際に比較すべきポイント
RPAツールを選定するにあたって料金面は重要ですが、それ以外にも考慮するべきポイントがありますので、主なものを4つ挙げて解説します。
比較① サポート体制
RPAを導入するタイミングでは、まだツールに関するスキルや知識が備わっていないケースが多いと思います。
そのため「ツールの操作方法」や「エラー発生時の対応」など、どういった場面でサポートが必要になりそうか検討し、RPAベンダーが望んでいる支援を提供しているか確認しておきましょう。
また、ツールの学習コンテンツやオンライン操作説明会などを実施しているケースもありますので、RPA人材を育成する場合は、そういったサポート体制があるかも確認する必要があります。
比較② 無料トライアルの有無
RPAを導入する際は、無料トライアル期間の有無を確認しておきましょう。
あらかじめ確認しておくことで「RPA担当候補者が無理なく使えるか」や「自動化する業務システムは操作できるか」などが確認できるため、導入したものの『こんなはずではなかった』といったトラブルを未然に防ぐことができます。
比較③ 他部署での使用可否
RPAツールは、デスクトップ型やサーバー型などの形式によって「導入に向いている規模間」に違いがあるため、あらかじめ比較検討しておく必要があります。
そうしておかないと、規模に適していないRPAツールを導入しまい、アンバランスな状況から不要なIT投資へとつながってしまう可能性がありますので、注意しましょう。
比較④ 機能面
RPAツールの導入には、あらかじめ業務の洗い出しをしておくことが成功の第一歩といわれています。
その理由の一つが、業務を洗い出しておくことで「用途に合った適切な製品」を選ぶことができるからです。
大は小を兼ねる理論で「さまざまな機能を搭載している製品」を選ぶという基準ではなく、管理に関する手間を省きたいのであれば「管理機能が豊富な製品」を選定する必要がありますし、土日関係なく稼働させたいのであれば「スケジュール実行ライセンス」を有している製品を選ぶ必要があります。
RPAの利用料金を徹底比較
RPAツールの利用料金について、特徴とあわせて紹介します。
MICHIRU
提供会社 | 株式会社MICHIRU |
---|---|
特徴 ① | 導入社数1,000社を超える業界最安値のデスクトップ型RPAツール |
特徴 ② | 専門的なプログラミングは不要で現場ファーストな操作画面 |
特徴 ③ | 表計算ソフト、会計ソフト、Webシステム、業務システムなど異なるソフトウェアを横断した業務の自動化が可能 |
特徴 ④ | シナリオ作成代行やオンライン操作勉強会、専門スタッフによる導入アドバイスなどサポート体制が充実 |
費用(シンプルプラン) | 初期費用:100,000円/月額費用:50,000円 |
費用(アシストプラン) | 初期費用:100,000円/月額費用:100,000円(※リモートサポート付) |
RoboTANGO
提供会社 | スターティアレイズ株式会社 |
---|---|
特徴① | 中小企業600社以上のRPA導入実績がある国産デスクトップ型RPAツール |
特徴② | 録画機能でRPAロボット作成するため初心者でも開発が簡単 |
特徴③ | お客様専用のサポートサイトの準備やRPAロボットの作成フォローなどの充実なサポート体制 |
費用(基本プラン) | 初期費用:100,000円/月額費用:50,000円 |
費用(リモレクライトプラン) | 初期費用:150,000円/月額費用:80,000円(※定期的なレクチャー付) |
Blue Prism
提供会社 | Blue Prism社 |
---|---|
特徴① | AI(人工知能)とML(機械学習)の力を組み合わせて誕生したRPAツール |
特徴② | Veracode Verified Continuousといった組織が継続的にセキュリティ対策に取り組んでいることを示す認定を取得している |
費用 | 要問い合わせ |
SynchRoid
提供会社 | ソフトバンク株式会社 |
---|---|
特徴① | SynchRoidはBizRobo!をベースに開発されたソフトバンク独自のRPAソリューション |
特徴② | ノンプログラミングで業務の自動化が可能 |
特徴③ | ヘルプデスク、セットアップ支援、開発に関するマニュアルなどのサポートを専用のポータルサイトで提供 |
特徴④ | 開発スキルトレーニング教室など、開発者用の教育研修を準備 |
費用(ライトパック) | 要問い合わせ |
費用(ベーシックパック) | 要問い合わせ |
RaQubo
提供会社 | 株式会社デジタルワークス |
---|---|
特徴① | シンプルなUI設計で使いやすく短期間でツール操作の習得が可能 |
特徴② | 企業のデジタル化をテーマにしたお役立ち情報を発信するサイトの提供 |
特徴③ | 体験版利用時の無償支援や、導入後の個別トレーニングなど充実したサポート提供 |
費用(スタンダード) | 初期費用:0円/月額費用:80,000円 |
費用(プレミアム) | 初期費用:0円/月額費用:150,000円(全てお任せサポート) |
まとめ
今回の記事では、RPAツールの導入にかかる費用の料金内訳や、比較すべきポイントについて解説しました。
RPAツールを導入することで、業務の効率化や人件費削減、ヒューマンエラーの軽減など企業の生産性向上につながる効果が期待できます。
そのためには、自社に適したツールを選ぶために「自動化したい業務」や「構築できる運用体制」について、あらかじめ検討しておきましょう。
料金以外にも使いやすさや機能性、総合的に比較したおすすめツールを知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
