DX推進の潮流において、システム開発を社内で内製化する取り組みが推進されている今。
エンジニアなどIT人材が不足する中で、内製化の実現を手助けするひとつとしてのノーコードアプリ開発ツール「AppSheet」が注目されています。
そこでこの記事では、Googleが提供するAppSheet Automationの特徴やできること、料金について解説します。
Google社のAppSheet Automationとは?
「AppSheet Automation」について説明する前に、まずAppSheetについて簡単に説明します。
AppSheetとは、Googleによって開発された、ビジネス向けのアプリケーション開発プラットフォームで、ノーコードでカスタムアプリケーションを作成することができます。
「AppSheet Automation」はそんなAppsheetの一部としてリリースされた、RPA (Robotic Process Automation)機能です。
そこで今回は、AppSheet Automationの特長とできることに着目して解説します。
AppSheet Automationの特長
ノーコーディングで簡単に利用できる
AppSheet Automationは、プログラミングの知識がなくても利用できるノーコードプラットフォームです。
直感的なインターフェースで手軽にアプリやボットを作成することができるAppSheetですが、 Automationではボットを活用して、スプレッドシートのデータをドキュメントへ移行する、PDF作成するなどと言った業務を自動化することができます。
このような定型的で繰り返し的な作業は、自動化することで大幅な工数削減となり、業務効率をアップさせることが可能となります。
他アプリとの連携が基本
AppSheet Automationは、WinActorやUiPathといった代表的なRPAツールの業務自動化とは若干異なり、基本的に他アプリと連携させて利用するiPaaSサービスとみることができます。
そのためwinactorやuipathなどといった一般的なRPAツールとは違い、Automationだけを導入して業務の自動化をする、という用途には適していない印象です。
日本語には対応していない
注意すべき点として、AppSheet Automationは2023年10月現在、日本語には対応していません。
もちろん英語がわかる人にとっては何の問題もありませんが、多くの人にとっては利用上のハードルになるのではないでしょうか。
無料のRPAツールって実際どう?メリットとデメリット
ここまでご紹介したAppSheet Automationは無料で使えるRPAツールでしたが「無料ツールって実際どうなの?」と疑念の持つ方も少なくないでしょう。
ここでは無料RPAツールのメリットとデメリットを解説します。
デメリットで上げられる部分が問題でないケースであれば、まずは無料ツールを導入してみるだけでも十分活用できますので確認してみてください。
無料RPAツールのメリット
無料ツールのメリットは何といっても、費用がかからないため気軽に導入できるという点です。
RPAツールには高額な費用がかかるものも多く、特に予算に余裕がない中小企業にとっては初期費用が大きなハードルになっているというケースも少なくありません。
しかし、無料のツールであれば初期費用も必要ないためRPAツールの経験やノウハウがない企業であっても気軽に試してみることができるでしょう。
リスクを背負うことなくRPAツールの使い心地を試すことができるので、はじめてRPAツールを導入してみるという場合には最適です。
無料RPAツールのデメリット
無料ツールのデメリットとしては主に下記の2点が挙げられます。
機能制限や条件がある
無料ツールでは、多くの場合「機能制限」や「利用条件」が設けられています。
例えば代表的なRPAツールであるAutomation AnywhereではCommunity Editionという無料プランが存在しますが、こちらではスケジュール実行などの一部機能が制限されています。
また、無料版を利用できるのは「個人または小規模事業者」と限定されおり、企業で商用利用する場合には対象外となるケースも多いでしょう。
サポート体制が限られている
また無料ツールのサポート体制は、サポートや相談がチャットのみに制限されていたり、別途でサポート費用が発生するなど有料版と比べて万全でないケースが多いのも事実です。
分からないときにすぐに聞いて解決できることは効率良く自動化を進めていくためには非常に重要ですので、サポート体制が充実しているツールを選ぶのに越したことはありません。
サポート体制が限られているhくトラブル時でも自社で解決できる!などという場合には、不要なサポート費用をコストカットするために無料ツールを利用するというのもいいかもしれません。
無料で使えるRPAツールを厳選してご紹介
上記でご説明した通り、無料ツールでは機能性制限やサポート体制に制限がある場合が多いですが、業種や自動化したい内容によっては無料のRPAツールでも十分活用できる可能性があります。
ここでは、無料で使えるRPAツールを3つご紹介。まずは手軽にRPAツールを導入してみたい!とお考えの方は、是非参考にしてみてください。
Automation Anywhere Community Edition
Automation Anywhere Community Editionは、アメリカのAutomation Anywhere社が提供するRPAツールです。
なかでも、Community EditionとはAutomation Anywhereが提供する無料で利用可能なRPA環境の名称となります。
Automation Anywhereは国内外のさまざまな企業で導入実績を誇っており、無料版のCommunity Editionも有償版とほぼ同等レベルの機能を利用できるため、RPAツールの効果を試してみたい企業には最適といえます。
UiPath Community Edition
UiPath Community Editionは、UiPath株式会社が提供しているRPAツールです。
UiPathの中でも、個人または小規模事業者(関連会社を含め従業員が250人未満で、売上高が500万ドル未満の場合)に限り無料で利用できるよう用意されたのがこのCommunity Edition。
「UiPath Studio」を使って直感的なシナリオ作成ができるのに加え、Uipath独自のAI-OCR機能を使って業務の自動化を図れるため、RPA初心者の方にもおすすめなツールのひとつです。
マクロマン
マクロマンは、コクー株式会社が提供している完全無料の国産RPAツールです。
料金が発生するのは必要な場合のサポート費用のみで、必要最低限のコストでRPAを導入することができるのが特徴です。
また、マクロマンはオフライン状態でも使用することができ、利用人数(ダウンロード台数)の縛りなしで利用できるというのも魅力です。
社内のIT体制が万全でサポートがあまり必要ない企業であれば、大幅なコストカットが期待できるおすすめの無料ツールです。
Microsoft Power Automate Desktop
Microsoft Power Automate Desktopは、Microsoft社が提供するRPAツールです。
WordやExcelといったoffice製品の業務自動化を特に強みとしており、Windowsユーザーであれば無料で利用することができます。
ただし、デスクトップフローをクラウドフローと連携したい場合には有償ライセンスが必要となります。
Excelを利用したデータの抽出などの作業が多い場合には非常におすすめのツールです。
記事まとめ:Google社のRPAツール「AppSheet Automation」
この記事では、Googleが提供するRPA「AppSheet Automation」について解説するとともに、無料RPAのメリットやデメリットをご説明しました。
お伝えしたとおり、AppSheet Automationは基本的にアプリとの連携して使っていくという仕様となっており、一般的なPRAツールのように単体で業務を自動化するといった用途には不向きな印象でした。
とはいっても、Googleのアカウントを持っていれば無料で利用可能ですので気になった方は是非お試しください。
今回ご紹介した無料で使えるRPAツールも参考にしていただき、自社に最適なツール選びを行ってみてください。