AIを使えば、書類の内容を読み取ったり、文章を要約したり、必要な情報を整理したりすることができます。
しかし、実際の業務では、AIが情報を処理しただけでは作業が終わらないこともあります。
例えば、AIで請求書から必要な情報を抽出できても、その内容を会計システムへ登録する作業が残ります。また、AIで整理したデータを別のシステムに転記したり、所定のファイルに保存したりする必要がある場合もあるでしょう。
こうした作業を効率化する方法として、AIとRPAの連携があります。
RPAは、パソコン上で行う決まった操作を自動化するツールです。AIと組み合わせることで、情報の読み取りや整理だけでなく、その後の入力や転記なども自動化できる可能性があります。
今回は、AIとRPAの違いや連携の仕組み、具体的な業務での活用方法について紹介します。
AIとRPAの違いとは?
AIとRPAは、どちらも業務効率化に活用される技術ですが、それぞれ得意とする処理が異なります。
AIは、文章の内容を理解したり、書類から必要な情報を取り出したり、データを分類・整理したりする処理に活用できます。
例えば、PDFの請求書から取引先名や金額を読み取る、問い合わせ内容を分類する、長い文章を要約するといった作業です。
一方、RPAは、あらかじめ設定された手順に沿ってパソコンを操作する仕組みです。
Excelのデータを業務システムへ入力する、Webサイトから情報を取得する、ファイルを決まったフォルダへ保存するなど、手順が明確な作業に適しています。
例えば、請求書の内容を読み取る処理はAIが担当し、読み取った結果を業務システムへ入力する処理はRPAが担当する、といった役割分担が考えられます。
AIとRPAを組み合わせることで、それぞれ単独では対応しにくかった業務にも活用の幅が広がります。
AIとRPAを連携するメリット
AIとRPAを連携するメリットは、複数の作業をまとめて効率化できることです。
これまでのRPAは、Excelから別のシステムへデータを入力するような、決まった手順の自動化に強みがありました。
しかし、入力する情報が紙の書類やPDFに記載されている場合、その内容を人が確認してデータ化する必要があるケースもありました。
AI-OCRなどを組み合わせれば、書類から必要な情報を読み取り、その結果をRPAの処理に利用できます。
また、AIによる文章の分類や情報整理を、後続の定型作業につなげることも可能です。
特に、複数のシステムを利用している企業や、紙・PDFと業務システムを組み合わせて作業している企業では、検討する価値があるでしょう。
AIとRPAを組み合わせた業務自動化の例
実際の業務では、どのような使い方が考えられるのでしょうか。
ここでは、経理業務や受注処理など、中小企業でも発生しやすい業務を例に紹介します。
請求書の読み取りから会計システムへの入力
経理部門では、毎月届く請求書を確認し、必要な情報を会計システムへ登録する業務があります。
請求書の形式が取引先ごとに異なる場合、取引先名や金額、日付などを一件ずつ確認しながら入力することになります。
こうした業務では、AI-OCRとRPAを組み合わせる方法が考えられます。
例えば、次のような処理です。
- 受け取った請求書をPDFとして保存する
- AI-OCRで取引先名、請求日、金額などを読み取る
- 読み取った情報をCSV形式に整理する
- 担当者が読み取り結果を確認する
- RPAがCSVの内容を会計システムへ入力する
このような仕組みであれば、請求書を見ながら一項目ずつ入力する手間を減らせます。
ただし、請求金額や振込先など、間違いが許されない情報については確認する工程が必要です。

FAX注文書の受注システムへの登録
製造業や卸売業などでは、現在もFAXで注文を受け付けている企業があります。
FAXで届いた注文書を担当者が確認し、商品コードや数量、納期などを受注システムに入力する業務です。
こうした場合も、AI-OCRで注文書の内容を読み取り、RPAで受注システムに登録する仕組みが考えられます。
ただし、商品コードの表記や取引先ごとの注文書の形式などによって、読み取り精度が変わる可能性があります。
そのため、最初からすべてを自動化するのではなく、読み取り結果の確認を組み合わせながら運用する方法が現実的です。
基幹システムや生産管理システムへのデータ入力
製造業では、基幹システムや生産管理システム、販売管理システムなど、複数のシステムを利用している場合があります。
例えば、取引先から受け取った注文書の内容を販売管理システムに登録し、その情報をもとに生産管理システムへ必要なデータを入力する、といった業務です。
システム間でデータを直接連携できない場合、担当者が同じ情報を繰り返し入力していることもあります。
こうした作業では、AIが書類から必要な情報を抽出し、RPAが各システムへの入力を担当する方法が考えられます。
既存のシステムをそのまま利用しながら自動化できる場合もあるため、システムの入れ替えが難しい企業でも検討しやすい方法です。
ただし、対象システムの画面構成や操作方法によっては、自動化が難しい場合もあります。導入前に実際の操作環境で確認することが必要です。

報告書の作成やデータ集計
日々の業務報告や集計資料の作成にも、AIとRPAを組み合わせることができます。
例えば、複数のファイルから必要な情報を取得し、AIで内容を整理・要約した後、RPAで所定のExcelファイルへ転記するといった使い方です。
また、RPAで業務システムからデータを取得し、その結果をAIで要約するような処理も考えられます。
ただし、集計数値の計算や照合など、正確な結果が必要な処理については、Excelの関数やプログラムなど、計算結果を検証しやすい方法を利用することが適しています。
AIには文章の整理や要約を任せ、RPAには決まった操作を任せるというように、それぞれの特徴に合わせて使い分けることが大切です。
AIとRPAを連携する際に注意したいこと
AIとRPAを組み合わせれば、あらゆる業務を自動化できるというわけではありません。
導入にあたっては、現在の業務手順を整理し、どの工程をAIで処理するのか、どの工程をRPAで自動化するのかを明確にする必要があります。
AIの処理結果をどのように確認するか
AIの出力には、読み取り間違いや内容の誤りが含まれることがあります。
例えば、AIが請求書の金額を誤って読み取り、そのままRPAが会計システムへ登録してしまうと、誤ったデータが保存されることになります。
そのため、金額や数量などの重要な項目については、人による確認やデータの照合を組み合わせることが必要です。
自動化する業務の手順を整理する
RPAは、あらかじめ設定した操作を実行する仕組みです。
人によって作業手順が異なっていたり、例外的な処理が頻繁に発生したりする業務では、自動化の難易度が高くなる場合があります。
導入前には、作業手順を整理し、通常の処理と例外的な処理を分けて考えることが大切です。
システムとの連携方法を確認する
業務システムによっては、CSVの取り込み機能やAPIによる連携機能が用意されている場合があります。
こうした機能を利用できるのであれば、必ずしもRPAで画面操作を行う必要はありません。
一方、データの取り込み機能がないシステムや、画面からの入力が必要な業務では、RPAによる自動操作が選択肢になります。
システムの仕様を確認し、適した方法を選ぶことが重要です。
中小企業がAIとRPAを導入するなら、まずは一つの業務から
AIとRPAを連携した業務自動化は、必ずしも大規模なシステム開発を前提とするものではありません。
例えば、毎月発生する請求書の入力業務や、決まった形式で届く注文書の処理など、対象を絞って取り組むこともできます。
最初は一部の作業を自動化し、処理にかかる時間や確認作業の負担がどの程度変わるのかを測定します。
その結果をもとに、自動化する範囲を広げるかどうかを判断するとよいでしょう。
また、すでにRPAを導入している企業であれば、現在の自動化処理にAIを組み合わせられないか検討する方法もあります。
これまで人が対応していた書類の読み取りや情報整理をAIで補うことで、既存のRPAをさらに活用できる可能性があります。
MICHIRU AIとMICHIRU RPAで業務の自動化を支援
株式会社MICHIRUでは、企業向けAI活用・管理サービス「MICHIRU AI」と、パソコン上の操作を自動化する「MICHIRU RPA」を提供しています。
MICHIRU AIでは、請求書や帳票から必要な情報を読み取るOCR・データ抽出、文章の要約、データ変換など、さまざまな業務にAIを活用できます。
また、業務ごとに参照する資料や処理ルール、出力形式を設定したAIエージェントを作成することも可能です。
例えば、MICHIRU AIで請求書から必要な情報を読み取り、CSV形式で出力した後、MICHIRU RPAで会計システムへデータを入力する、といった使い方が考えられます。
さらに、MICHIRU RPAは、ExcelやWebシステムだけでなく、基幹システムや生産管理システムなど、さまざまなアプリケーションの操作にも活用できます。
AIによる情報の読み取りと、RPAによるパソコン操作を組み合わせることで、これまで人が対応していた業務の効率化を支援します。
AIとRPAを組み合わせた業務自動化をご検討中の方へ
「AIで読み取ったデータを業務システムへ自動入力したい」
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このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひMICHIRUへご相談ください。
現在の業務内容や使用しているシステムを確認し、AIとRPAを組み合わせた業務効率化の方法をご提案いたします。

