生成AIを業務に取り入れる企業が増える中、自社でも活用できないかと検討している企業は多いのではないでしょうか。
生成AIといえば、文章の作成や情報検索など、社員が個人で利用するイメージがあるかもしれません。
しかし、企業でのAI活用はそれだけではありません。
経理部門の請求書処理や、総務部門の社内問い合わせ対応、営業部門の顧客情報の整理など、部署や業務ごとにAIを活用することもできます。
特に中小企業では、限られた人数で複数の業務を担当していることも多く、日常的に発生する作業を効率化することが重要です。
今回は、中小企業でも検討しやすい生成AIの活用例を、部署・業務別に10個紹介します。
なお、紹介する内容は、AIを活用した業務の仕組みをイメージしていただくための例です。実際に対応できる範囲は、利用するAIサービスや業務システムによって異なります。
生成AIは個人利用だけでなく、部署・業務単位でも活用できる
生成AIは、社員がそれぞれ文章を作成したり、情報を調べたりする用途だけでなく、企業の業務フローに組み込むこともできます。
例えば、毎月届く請求書から必要な情報を読み取り、決まった形式でデータ化する仕組みです。
また、社内規程や業務マニュアルをAIに登録し、社員が必要な情報を検索できる環境を整える方法もあります。
こうした仕組みを導入することで、特定の担当者だけが便利になるのではなく、部署全体の作業負担を減らせる可能性があります。
業務ごとにAIの参照資料や処理方法を設定しておけば、担当者が変わっても同じルールで利用しやすくなる点もメリットです。
生成AIの企業向け活用事例10選
1. 経理部門:請求書・領収書の読み取りとデータ化
経理部門では、取引先から届く請求書や領収書を確認し、会計システムなどへ入力する作業が発生します。
書類の形式が取引先ごとに異なる場合、必要な項目を確認するだけでも時間がかかります。
こうした業務では、AI-OCRなどを活用して、請求書から取引先名、請求日、金額などを読み取り、CSV形式で出力する仕組みが考えられます。
読み取った内容を担当者が確認し、その後の会計処理に利用することで、入力作業の負担軽減につながります。
また、RPAを組み合わせれば、確認済みのデータを会計システムへ入力する工程まで自動化できる場合があります。
2. 営業事務:注文書・発注書の受注データ作成
製造業や卸売業などでは、取引先からFAXやメールで注文書を受け取る企業もあります。
担当者は注文書を確認し、商品コード、数量、納期などを販売管理システムに入力します。
取引先によって注文書のレイアウトが異なる場合は、入力項目の確認にも手間がかかります。
AIを活用すれば、注文書から必要な情報を抽出し、受注処理に使用するデータとして整理できます。
例えば、注文書のPDFから商品コードや数量を読み取り、CSV形式で出力する方法です。
商品コードの照合や数量の確認は必要ですが、書類を見ながら一項目ずつ入力する作業を減らせる可能性があります。
3. 総務・人事部門:社内規程や申請手続きへの問い合わせ対応
総務や人事部門には、休暇の取得方法や経費精算、各種申請手続きなど、日常的にさまざまな問い合わせが寄せられます。
同じ内容の質問に何度も対応している場合、担当者にとって負担になることもあります。
こうした業務では、就業規則や社内マニュアルをAIの参照情報として登録し、社員が自然な文章で質問できる仕組みが考えられます。
例えば、「出張時の宿泊費の上限はいくらですか?」という質問に対し、登録された規程をもとに必要な情報を案内する使い方です。
社員が自分で情報を確認できるようになれば、総務や人事部門への問い合わせを減らせる可能性があります。

4. 情報システム部門:社内ITヘルプデスクの効率化
情報システム担当者には、パソコンの設定方法や社内システムの操作方法など、多くの問い合わせが寄せられます。
例えば、共有フォルダへの接続方法や、システムの利用手順に関する質問です。
こうした問い合わせに対応するため、操作マニュアルやよくある質問をAIに登録し、社内向けのヘルプデスクとして活用する方法があります。
社員が自分で操作方法を調べられるようになれば、担当者が毎回同じ説明をする必要が減ります。
また、AIで回答できない内容については、情報システム担当者へ問い合わせる運用にすることで、対応が必要な質問に集中しやすくなります。
5. カスタマーサポート:問い合わせの分類と回答支援
顧客からの問い合わせをメールやWebフォームで受け付けている企業では、内容を確認して担当部署へ振り分ける作業があります。
問い合わせ件数が多い場合、内容の確認や分類だけでも時間がかかります。
AIを活用すると、問い合わせ内容を読み取り、「料金に関する質問」「操作方法の確認」「不具合の報告」などの分類候補を作成できます。
さらに、製品マニュアルやFAQを参照し、回答案を作成する仕組みも考えられます。
担当者はAIの分類結果や回答案を確認し、必要に応じて修正してから顧客へ返信します。
問い合わせ対応を完全にAIへ任せるのではなく、担当者の判断を支援する仕組みとして利用する方法です。
6. 製造・品質管理部門:作業手順書や品質管理資料の検索
製造業では、製品ごとの作業手順書や設備マニュアル、品質管理に関する資料など、多くの文書を扱います。
必要な情報を確認する際、資料の保存場所がわからなかったり、複数のマニュアルを探したりすることがあります。
こうした資料をAIに登録し、作業内容に応じて検索できる仕組みを構築する方法が考えられます。
例えば、設備の点検項目や不良品が発生した場合の報告手順など、登録された資料から必要な情報を探す使い方です。
ただし、安全管理や品質に関わる重要な作業では、正式な手順書の確認や責任者による判断が必要です。

7. 営業部門:顧客情報や商談履歴の活用
営業部門では、顧客ごとの商談履歴や問い合わせ内容、過去の提案資料など、さまざまな情報を管理しています。
しかし、情報が複数のファイルやシステムに分かれていると、必要な内容を探すのに時間がかかります。
AIを活用すれば、顧客情報や商談履歴から必要な情報を検索したり、過去の対応内容を整理したりする仕組みが考えられます。
例えば、過去の商談記録から顧客の課題や提案内容、未対応事項を抽出し、営業担当者が状況を確認しやすくする方法です。
こうした仕組みを利用するには、顧客情報の保管場所やアクセス権限、利用するシステムとの連携方法などを整理する必要があります。
8. 人事・教育部門:新人教育向けAIアシスタント
新入社員の教育では、社内ルールや業務手順、システムの利用方法など、覚えることが数多くあります。
教育担当者が日常業務と並行して質問に対応している場合、負担が大きくなることもあります。
そこで、研修資料や業務マニュアルをAIに登録し、新入社員が必要な情報を確認できる仕組みを用意する方法があります。
例えば、社内システムの利用手順や各種申請方法について、登録された資料をもとに回答するAIアシスタントです。
教育担当者がすべての質問に個別対応する必要が減るため、研修や実務指導に時間を充てやすくなります。
なお、AIの回答だけに頼るのではなく、業務上の重要な判断や例外的な対応は担当者に確認する運用が必要です。
9. 管理部門:契約書・申請書の情報抽出と管理
総務や管理部門では、契約書や申請書など、さまざまな文書を扱います。
例えば、契約書から契約先、契約期間、更新日などの情報を確認し、管理台帳へ登録する業務です。
書類の件数が多い場合、一件ずつ内容を確認して入力する作業には時間がかかります。
AIを活用すれば、契約書や申請書から指定した項目を抽出し、管理用のデータに整理することができます。
例えば、複数の契約書から契約期間や更新日を抽出し、一覧表にまとめる方法です。
ただし、契約内容の解釈や法的な判断については、AIの出力だけに頼らず、担当者や専門家による確認が必要です。
10. 全社共通:AIとRPAによる業務フローの自動化
ここまで紹介した業務では、AIで情報を読み取ったり整理したりした後に、別のシステムへデータを入力する作業が残る場合があります。
こうした後続作業を自動化する方法として、AIとRPAの連携があります。
RPAは、あらかじめ設定された手順に沿って、パソコン上の操作を自動実行するツールです。
例えば、AIで注文書の内容を読み取り、必要な項目をCSV形式で出力した後、RPAで販売管理システムへ入力する仕組みが考えられます。
AIが情報の読み取りや整理を担当し、RPAが決まった操作を担当することで、一連の業務を効率化できます。
特に、基幹システムや生産管理システムなど、複数のシステムを利用している企業では、既存環境を活用した自動化の方法として検討できます。
部署ごとにAIを導入する際のポイント
AIを企業で活用する場合、個人が自由に利用する場合とは異なり、業務のルールや情報管理を考える必要があります。
例えば、経理部門であれば請求書の読み取り項目や出力形式、総務部門であれば参照する社内規程など、必要な設定は業務によって異なります。
そのため、部署や業務に合わせて、AIが参照する資料や処理ルールを設定できる仕組みがあると便利です。
また、部署によって扱う情報の機密性も異なります。
人事情報や顧客情報など、閲覧できる人を制限する必要がある資料については、適切な権限管理が求められます。
さらに、AIの出力が必ず正しいとは限らないため、どの工程で人が確認するかを決めておくことも大切です。
中小企業はどの業務からAIを導入すればよい?
AIを導入する際は、最初から多くの部署に展開する必要はありません。
まずは、対象となる業務を一つ選び、効果を確認するところから始めるとよいでしょう。
例えば、毎月大量の請求書を処理している企業であれば、経理部門の帳票処理が候補になります。
また、社内からの問い合わせが多い企業であれば、総務や情報システム部門のマニュアル検索から始める方法もあります。
導入後は、作業時間や問い合わせ件数などを確認し、実際に負担が減っているかを検証します。
効果が確認できた業務から、ほかの部署へ活用範囲を広げていく方法が現実的です。
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MICHIRU AIでは、書類の読み取りやデータ整理、社内情報の検索、翻訳など、さまざまな業務にAIを活用できます。
また、業務ごとに参照する資料や処理ルール、出力形式を設定したAIエージェントを作成することも可能です。
例えば、経理部門では請求書の読み取りに使用するAIエージェント、総務部門では社内規程を検索するAIエージェントなど、用途に応じた使い分けができます。
さらに、部署やユーザーごとに利用できるAIエージェントを設定したり、利用量の上限を管理したりする機能も備えています。
MICHIRU RPAと組み合わせることで、AIで読み取ったデータを業務システムへ入力するなど、後続作業の自動化も検討できます。
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