製造業におけるAI活用事例7選!中小製造業でできる業務効率化とは?

製造業でもAIの活用が注目されていますが、「自社ではどのような業務に使えるのか」「大規模な設備投資が必要なのではないか」と感じている企業もあるのではないでしょうか。

製造業のAI活用というと、画像認識による製品検査や設備の故障予測など、工場設備に関わる高度な技術をイメージする方も多いかもしれません。

しかし、AIを活用できるのは製造ラインだけではありません。

注文書や納品書の処理、品質管理に関する資料の検索、外国人スタッフ向けのマニュアル翻訳など、普段の業務にもAIを取り入れることができます。

特に中小製造業では、受発注管理や生産管理、品質管理などを少人数で担当している場合もあります。こうした業務の一部を効率化することが、現場全体の負担軽減につながります。

今回は、中小製造業で検討しやすいAI活用例を7つ紹介します。実際の導入をイメージしやすいように、どのような業務を効率化できるのか、具体的な作業の流れも交えて解説します。

なお、紹介する内容は想定される活用方法であり、特定企業の導入実績ではありません。実現できる範囲は、利用するAIサービスや業務環境によって異なります。

目次

製造業でAIを活用できるのは製造現場だけではない

製造業では、生産設備の稼働や製品の加工以外にも、さまざまな事務作業や管理業務が発生しています。

例えば、取引先から届いた注文書を販売管理システムに入力したり、製品ごとの作業手順書を管理したり、品質検査の記録を整理したりする業務です。

これらの業務は、生産活動を支えるために欠かせないものですが、書類の確認や入力、情報の検索などに多くの時間がかかる場合があります。

AIを活用すれば、文章や帳票から必要な情報を抽出したり、マニュアルから関連する情報を探したりする作業を効率化できます。

また、RPAと組み合わせることで、AIが整理したデータを既存の基幹システムや生産管理システムへ入力する方法も考えられます。

必ずしも工場設備を入れ替える必要はなく、現在の業務の一部からAI活用を検討することができます。

製造業におけるAI活用事例7選

1. 受発注業務:注文書の読み取りと受注データの作成

製造業では、取引先からFAXやメールで注文書を受け取り、その内容を販売管理システムや生産管理システムへ入力する業務があります。

注文書には、品番、商品名、数量、希望納期などが記載されていますが、取引先ごとに書類の形式が異なることもあります。

こうした業務では、AI-OCRを活用し、注文書から必要な情報を抽出する方法が考えられます。

例えば、PDFで受け取った注文書から品番や数量、納期を読み取り、決められた形式のCSVファイルに整理する仕組みです。

担当者が読み取り結果を確認した後、CSVを業務システムへ取り込んだり、RPAを使って画面へ入力したりすることもできます。

ただし、品番や数量の読み取り間違いは受注内容に影響するため、商品マスターとの照合や担当者による確認が必要です。

2. 生産管理業務:複数システムへのデータ入力

製造業では、販売管理システム、生産管理システム、在庫管理システムなど、複数のシステムを使用している場合があります。

システム間でデータを連携できない場合、同じ情報を担当者が繰り返し入力していることもあるでしょう。

例えば、受注情報を販売管理システムへ登録した後、生産管理システムにも品番や数量、納期などを入力するといった作業です。

このような業務では、AIによる情報抽出とRPAによる入力操作を組み合わせる方法が考えられます。

注文書からAIが必要な項目を取り出し、確認済みのデータをRPAが各システムへ登録する仕組みです。

ただし、すでにCSV取り込みやAPI連携が利用できる場合は、その機能を活用した方が適していることもあります。

現在のシステム環境や業務手順を確認し、無理のない方法を選ぶことが大切です。

3. 品質管理業務:検査記録や不具合報告書の整理

品質管理部門では、製品の検査結果や不具合の発生状況、対応内容など、さまざまな記録を管理しています。

こうした情報がPDFや報告書などの形式で保存されている場合、必要な内容を探したり、一覧表にまとめたりする作業に時間がかかることがあります。

AIを活用すれば、報告書の文章から不具合の内容、発生日時、対象製品、対応状況などの情報を抽出し、整理することができます。

例えば、過去の不具合報告書から特定の製品に関する記録を探し、類似する事象を確認するための資料を作成する方法です。

ただし、不具合の原因を特定したり、製品の合否を判定したりする業務は、AIの出力だけで判断しないことが重要です。

品質管理上の正式な判断は、担当者や責任者が定められた基準に沿って行う必要があります。

4. 製造現場:作業手順書や設備マニュアルの検索

製造現場では、設備の操作方法や点検手順、作業時の注意事項など、多くのマニュアルが使用されています。

製品や設備の種類が多い場合、必要な資料を探すだけでも時間がかかることがあります。

こうした業務では、作業手順書や設備マニュアルをAIに登録し、必要な情報を検索できる仕組みが考えられます。

例えば、「この設備の始業前点検では何を確認するのか」と質問すると、登録したマニュアルから関連する情報を探す、といった使い方です。

資料の保存場所やファイル名を把握していなくても、自然な文章で検索できるため、情報を確認する際の負担を減らせます。

ただし、設備の操作や安全に関わる重要な作業では、AIの回答だけに頼らず、正式な手順書や責任者の指示に従う必要があります。

5. 人材教育:外国人スタッフ向けの業務マニュアル翻訳

外国人スタッフが働く製造現場では、作業手順や安全上の注意事項を正確に伝えることが重要です。

しかし、業務マニュアルや社内のお知らせが日本語で作成されている場合、翻訳に時間がかかることがあります。

こうした場面では、AIを使って文章を必要な言語に翻訳する方法が考えられます。

例えば、作業マニュアルや業務連絡をベトナム語、タイ語、英語などに翻訳し、スタッフへの情報共有に活用する方法です。

また、難しい日本語の表現をわかりやすく言い換えたうえで翻訳するなど、伝わりやすさを考慮した活用もできます。

ただし、安全管理や設備操作に関する内容は、翻訳の誤りが事故につながる可能性があります。重要な内容については、対象言語に精通した担当者による確認が必要です。

6. 品質保証・技術部門:過去の不具合対応履歴の検索

製造業では、過去に発生した不具合への対応経験が、次の問題を解決する際に役立つことがあります。

しかし、過去の報告書や対応記録が複数のフォルダに分かれていると、必要な情報を見つけるのが難しい場合があります。

また、経験豊富な担当者だけが過去の対応内容を把握しているケースもあるでしょう。

そこで、過去の不具合報告書や対応履歴をAIの参照資料として登録し、必要な情報を検索できる仕組みが考えられます。

例えば、特定の製品や不具合の内容について質問すると、過去の報告書から関連する対応履歴を探す使い方です。

以前の対応内容を確認しやすくなることで、問題発生時の情報収集を効率化できます。

ただし、過去の対応方法が現在も適切とは限りません。実際の対策を決める際には、設備や製品の状態、現在の品質基準などを確認する必要があります。

7. 購買・調達部門:納品書・請求書のデータ化

製造業では、原材料や部品などの仕入れに伴い、多くの納品書や請求書を受け取ります。

仕入先によって書類の形式が異なる場合、内容を確認してシステムへ入力する作業に時間がかかることがあります。

こうした業務でも、AI-OCRを活用したデータ化が考えられます。

例えば、納品書から仕入先名、納品日、品番、数量などを読み取り、CSV形式で出力する方法です。

読み取った情報を担当者が確認し、購買管理システムなどで利用することができます。

また、RPAを組み合わせれば、確認済みのデータを業務システムへ入力する作業の効率化も検討できます。

納品数量や単価などの情報は、発注データや実際の検収結果と照合する必要があるため、確認工程も含めて業務を設計することが大切です。

製造業でAIを導入する際に確認したいこと

製造業でAIを導入する場合、現在の業務や使用しているシステムによって、適した方法が異なります。

例えば、注文書の読み取りを効率化したい場合でも、取引先ごとに帳票の形式が大きく異なるのか、決まった形式の書類が多いのかによって、必要な機能が変わります。

また、AIが読み取ったデータをどのように業務システムへ登録するかも、事前に考えておきたいポイントです。

実際の業務データで確認する

AIを導入する前には、実際に使用している注文書や納品書、業務マニュアルなどを使って確認することが重要です。

例えば、帳票の読み取りであれば、品番や数量など、必要な項目を正しく抽出できるかを確認します。

マニュアル検索であれば、現場でよくある質問に対して、登録した資料から適切な情報を探せるかを確認するとよいでしょう。

業務システムとの連携方法を整理する

AIで情報を処理した後に、既存の業務システムへデータを登録する必要がある場合は、連携方法も検討しなければなりません。

CSVの取り込み機能やAPIが利用できる場合は、そうした機能を活用する方法があります。

一方、画面からの入力が必要な業務では、RPAによる自動化も選択肢になります。

すべてをAIで処理しようとするのではなく、既存の仕組みと組み合わせることで、現実的な業務改善につながります。

現場の担当者と一緒に運用を考える

実際の業務では、通常の手順だけでなく、例外的な対応も発生します。

例えば、注文書に記載されている品番が登録されていなかったり、納品書の数量が発注内容と異なっていたりする場合です。

こうした処理まで含めて自動化を検討するには、現場で業務を担当している人の意見が欠かせません。

AIを導入する目的は、技術を使うことではなく、現在の業務を改善することです。

まずは現場で負担が大きくなっている作業を把握するところから始めましょう。

中小製造業ではどの業務からAIを導入すればよい?

AIの導入を検討する場合、最初から複数の部署へ展開する必要はありません。

例えば、毎日多くの注文書を処理している企業であれば、受発注業務から始める方法があります。

また、製品や設備の種類が多く、マニュアルの検索に時間がかかっている企業であれば、社内資料の検索が候補になります。

導入する業務を選ぶ際は、作業時間や処理件数に加えて、AIを活用した後の確認作業がどの程度必要になるかも考えることが大切です。

最初は一つの業務で試し、実際に負担が減るかどうかを確認してから、ほかの業務へ展開していくとよいでしょう。

製造業の業務効率化を支援する「MICHIRU AI」

株式会社MICHIRUでは、企業向けAI活用・管理サービス「MICHIRU AI」を提供しています。

MICHIRU AIでは、注文書や納品書などの読み取り、業務マニュアルの検索、文章の要約やデータ整理、翻訳など、製造業のさまざまな業務にAIを活用できます。

また、業務に合わせて参照する資料や処理ルール、出力形式を設定したAIエージェントを作成することも可能です。

例えば、受発注業務では注文書から必要な情報を抽出するAIエージェント、製造現場では作業マニュアルを検索するAIエージェントなど、業務ごとに使い分けることができます。

さらに、MICHIRU RPAを組み合わせることで、AIで読み取った情報を基幹システムや生産管理システムへ入力するなど、後続作業の自動化も検討できます。

既存のシステムを活用しながら業務を効率化したい企業にとっても、導入方法の一つとなります。

製造業でのAI活用をご検討中の方へ

「注文書や納品書の入力作業を減らしたい」

「現場のマニュアルや過去の対応記録をもっと活用したい」

「現在の基幹システムや生産管理システムとAIを組み合わせたい」

このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひMICHIRUへご相談ください。

現在の業務内容や使用しているシステムをお伺いし、AIを活用した業務効率化の方法をご提案いたします。

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