生成AIを業務に取り入れようと考えたとき、最初に悩むのがツール選びではないでしょうか。
文章作成や情報検索に使えるものから、社内マニュアルを検索できるもの、書類の読み取りやデータ処理に対応したものまで、さまざまなAIサービスが提供されています。
選択肢が多い一方で、料金や機能の違いがわかりにくく、何を基準に比較すればよいか迷うこともあるでしょう。
特に中小企業では、AI導入の専任担当者を置いていない場合もあります。導入した後に「思っていた業務には使えなかった」「社内でほとんど利用されていない」といった状況は避けたいところです。
AIツールを選ぶ際に大切なのは、機能の多さや知名度だけではありません。自社の業務に使えること、無理なく運用できること、そして費用に見合った効果が得られることが重要です。
今回は、中小企業がAIツールを比較する際に確認しておきたい機能・料金・セキュリティなどのポイントを紹介します。
AIツールを選ぶ前に、どの業務に使うかを決める
AIツールを比較する前に、まず整理しておきたいのが導入目的です。
例えば、経理部門の請求書入力を効率化したい企業と、総務部門への社内問い合わせを減らしたい企業では、必要なAIの機能が異なります。
請求書の処理であれば、PDFから必要な情報を読み取る機能や、指定した形式でデータを出力する機能が求められます。
一方、社内問い合わせの効率化であれば、マニュアルや規程を参照して回答できる仕組みが必要です。
文章作成に優れたAIでも、帳票から情報を抽出したり、社内の資料を継続的に管理したりする用途には、そのままでは対応できない場合があります。
そのため、最初から多くのAIサービスを比較するよりも、次のような点を整理しておくと選びやすくなります。
- どの部署でAIを利用するのか
- どの業務を効率化したいのか
- AIに参照させたい資料やデータは何か
- 利用する社員は何人程度か
- 既存の業務システムとの連携が必要か
例えば、「経理部門で毎月200件の請求書を処理しており、入力作業を減らしたい」というところまで整理できれば、候補となるAIサービスを絞り込みやすくなります。
中小企業向けAIツールで比較したい機能
AIツールには、それぞれ得意とする用途があります。
導入前には、現在の業務で必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
書類の読み取りやデータ抽出に対応しているか
請求書や注文書、申込書などを扱う業務では、PDFや画像から必要な情報を抽出できるかが重要です。
例えば、請求書から取引先名、請求日、金額などを読み取り、CSV形式で出力できれば、その後の経理処理に活用できます。
ただし、対応できるファイル形式や帳票の種類、読み取り精度はサービスによって異なります。
実際に業務で使用している書類を使って、必要な情報を抽出できるか確認することをおすすめします。
社内マニュアルや規程を活用できるか
総務や人事、情報システム部門などでは、社内資料を検索できるAIが役立つ場合があります。
例えば、就業規則や経費精算マニュアルを登録し、社員が自然な文章で質問できる仕組みです。
このような用途では、どの形式の資料を登録できるのか、資料を更新した際にどのように反映されるのかを確認しましょう。
また、回答の根拠となった資料を確認できるかどうかも、比較したいポイントです。
業務ごとにAIの動作を設定できるか
企業では、部署や業務によってAIに求める処理が異なります。
例えば、経理部門では請求書の読み取り項目を設定し、総務部門では社内規程を参照して質問に回答するように設定する、といった使い方です。
業務ごとに参照資料や処理ルール、出力形式などを設定できれば、社員が毎回細かい指示を入力する手間を減らせます。
こうした業務専用のAIを作成できる機能も、比較項目の一つです。
既存システムと連携できるか
AIで情報を整理できても、その結果を別のシステムへ登録する作業が残ることがあります。
例えば、AIで読み取った注文書の内容を販売管理システムに登録する場合です。
AIサービスによっては、APIやCSV出力などを利用して別のシステムと連携できるものがあります。
また、RPAを組み合わせて、パソコン上の入力作業を自動化する方法もあります。
既存の業務システムを活用したい場合は、AIで処理したデータをその後の業務にどのようにつなげられるかまで確認しましょう。
AIツールの料金は月額費用だけで比較しない
AIサービスの料金体系には、利用者数に応じて課金するものや、AIの利用量に応じて費用が発生するものなどがあります。
例えば、月額料金が一定でも、利用するユーザー数や処理するデータ量が増えると追加料金が発生する場合があります。
そのため、サービスを比較する際は、表示されている月額料金だけでなく、実際の利用を想定した総費用を確認することが大切です。
利用人数と追加料金
まず確認したいのが、基本料金に含まれるユーザー数です。
一部の部署だけで利用する場合と、全社員で利用する場合では、必要なアカウント数が異なります。
導入時は少人数で始めるとしても、将来的に利用者を増やす場合の費用も確認しておくとよいでしょう。
AIの利用量による料金
生成AIサービスの中には、文章の処理量や利用するAIモデルなどによって料金が変わるものがあります。
例えば、大量の文書を読み取ったり、日常的に多くの質問を処理したりする場合は、利用量に応じた費用が発生することがあります。
無料枠や利用上限の設定があるか、上限を超えた場合の料金がどのように計算されるかを確認しましょう。
初期設定やカスタマイズの費用
業務に合わせたAIの設定や、既存システムとの連携を行う場合は、追加費用が必要になることもあります。
特に、自社独自の処理や複数システムとの連携を検討している場合は、必要な開発範囲と費用を事前に確認しておくことが重要です。
導入時の費用だけでなく、設定変更や保守にかかる費用も含めて比較しましょう。
企業でAIを利用する際のセキュリティと管理機能
AIツールを企業で利用する場合、個人利用とは異なる確認事項があります。
特に、顧客情報や社内資料などを扱う場合は、情報管理の仕組みを確認しておく必要があります。
入力した情報がどのように扱われるか
AIに入力した文章やアップロードしたファイルが、どのように保存・処理されるかを確認しましょう。
また、入力データがAIモデルの学習に利用されるかどうか、保存期間や削除方法についても、サービスごとの利用条件を確認する必要があります。

部署やユーザーごとの権限管理
企業では、社員全員が同じ情報にアクセスできるとは限りません。
例えば、人事部門が扱う情報や、経営に関する機密資料などは、閲覧できる人を制限する必要があります。
そのため、利用者ごとにアクセスできる情報やAIの機能を管理できるかも重要です。
特に、複数の部署でAIを利用する場合は、部署ごとの権限設定に対応していると管理しやすくなります。
利用状況やコストを管理できるか
AIを全社的に利用する場合、どの部署でどの程度利用されているかを把握することも必要になります。
利用量の上限設定やコスト管理に対応したサービスであれば、予期しない費用の増加を防ぎやすくなります。
また、利用履歴を確認できるか、必要に応じて履歴を保存しない設定が可能かなども比較したい項目です。
なお、こうした管理機能があっても、それだけで情報漏えいのリスクがなくなるわけではありません。社内での利用ルールや従業員への周知も必要です。
導入後のサポート体制も確認しておきたい
AIツールは、導入しただけで自動的に業務へ定着するものではありません。
特に中小企業では、AIに詳しい専任担当者がいない場合もあります。
そのため、初期設定や使い方について相談できるか、問題が発生した際にどのようなサポートを受けられるかも確認しておきたいところです。
例えば、社内マニュアルをAIに登録しても、回答内容が期待したものと異なる場合があります。
そうしたときに、資料の整理方法や設定の見直しについて相談できるかどうかは、導入後の運用に影響します。
また、導入前に実際の業務を想定して確認できる機会があるかどうかも、製品選定の判断材料になります。
AIツールを比較するときに使えるチェックリスト
ここまでの内容を踏まえて、AIサービスを比較する際の確認項目を整理しました。
| 比較項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 業務への適合性 | 自社で効率化したい業務に対応しているか |
| AIの機能 | OCR、ナレッジ検索、データ変換など必要な機能があるか |
| 業務別の設定 | 参照資料や処理ルールを業務ごとに設定できるか |
| 料金体系 | 月額料金、ユーザー追加費用、従量課金の仕組み |
| セキュリティ | 入力データの取り扱い、保存・削除方法 |
| 権限管理 | 部署・ユーザーごとに利用範囲を設定できるか |
| 外部連携 | CSV、API、RPAなどを利用できるか |
| サポート | 導入時や運用開始後に相談できるか |
すべての項目で最も高機能なサービスを選ぶ必要はありません。
自社に必要な機能と、運用面で欠かせない条件を整理し、優先順位をつけて比較することをおすすめします。
中小企業のAIツール選びで失敗しないために
AIツールを導入する場合、最初から全社で利用することを前提にする必要はありません。
まずは一つの部署や業務を対象にして、必要な機能が使えるか、実際に作業時間を削減できるかを確認する方法があります。
例えば、経理部門の請求書入力を対象とする場合、実際に使用している帳票を読み取らせて精度を確認します。
社内ナレッジ検索であれば、よくある問い合わせを用意し、登録した資料をもとに適切な回答が得られるかを確認するとよいでしょう。
その際、AIを使っている時間だけでなく、結果の確認や修正にかかる時間も含めて評価することが大切です。
実際の業務で効果が確認できてから、ほかの部署へ利用範囲を広げる方が、無理なく導入を進められます。

中小企業のAI活用を支援する「MICHIRU AI」
株式会社MICHIRUでは、企業向けAI活用・管理サービス「MICHIRU AI」を提供しています。
MICHIRU AIは、書類の読み取りやデータ整理、社内情報の検索など、日常業務でのAI活用に必要な機能と、企業としてAIを管理するための機能を備えたサービスです。
例えば、請求書から必要な情報を読み取ってCSV形式で出力したり、社内マニュアルや規程を参照して必要な情報を検索したりすることができます。
また、参照する資料や処理ルール、出力形式などを業務ごとに設定し、専用のAIエージェントを作成することも可能です。
部署やユーザーごとに利用できるAIエージェントを管理できるほか、利用上限を設定することでAIの利用量やコストも管理できます。
月額10,000円から利用可能
MICHIRU AIでは、利用規模に応じた3つの料金プランを用意しています。
- Starter:月額10,000円/1ユーザー
- Business:月額30,000円/5ユーザー
- Enterprise:個別見積
追加ユーザーは1名あたり月額500円です。各プランにはAI利用の無料枠が設定されており、超過分は従量課金となります。
プランごとの利用条件や対応機能については、公式サイトをご確認ください。
自社に合ったAIツールをお探しの方へ
AIツールを選ぶ際は、料金や機能だけでなく、現在の業務に合っているかどうかを確認することが大切です。
「自社の業務にどのようなAIが必要かわからない」
「業務ごとにAIを活用できる仕組みを導入したい」
「AIの利用を会社として管理したい」
このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひMICHIRUへご相談ください。
現在の業務内容や課題をお伺いし、MICHIRU AIでできることや活用方法をご案内いたします。

