DXとはデジタル技術やITツール、システムを活用してビジネスや生活を変革する取り組みのことを指します。
そして、DX推進において必要なスキルや知識を持つ人材のことをDX人材と呼びます。
DX人材にはITやデザイン、プログラミングなどの専門知識のみならず、目まぐるしく変化するITやテクノロジーのトレンドを追いながら、企業のDX推進で活用できるよう提案できるスキルも重要です。
この記事では、企業のDX推進を成功させるために必要不可欠なDX人材の職種ついて解説します。
そして、DX推進で活躍する人材に求められる知識やスキルについても紹介しています。
DX人材とは
DX人材とは、DX推進において必要なスキルや知識を持つ人材のことです。
デジタル技術やツールを活用し、ビジネスプロセスの改善やイノベーションの推進を目指します。
DX人材にはデータ分析やプログラミング、デザイン思考、プロジェクトマネジメントなど、幅広いスキルが必要です。
国際経営開発研究所(IMD)の「世界のデジタル競争力ランキング2022」によると、日本の「人材/デジタル・技術スキル」は63カ国中62位という低い順位であったことが明らかになりました。
また、総務省の「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究(2022)」によると、デジタル化に関連する課題や障壁において、日本は他の国に比べてDX人材不足を課題として高く認識していることが示されています。
DX推進を目指す企業は、DX人材の育成や確保に注力する必要があります。
これには、教育や研修プログラムの充実やデジタルスキルの向上支援、外部の専門家やパートナーとの協力が必要です。
DX人材だけではなく、組織全体での柔軟な働き方やイノベーションへの意識改革を目指しましょう。
DX人材が担うべき7つの職種。仕事内容や役割を解説
DX推進を行う際に、DX人材として活躍できる職種について、以下の7つを紹介します。
- ビジネスプロデューサー
- ビジネスデザイナー
- データサイエンティスト/AIエンジニア
- UXデザイナー
- アーキテクト
- エンジニア/プログラマ
- 先端技術エンジニア
D人材の職種の業務内容や役割は、組織やプロジェクトによって異なる場合があります。
DX推進における職種は多岐にわたるので、具体的な業務内容や役割は個々の組織やプロジェクトのニーズに応じて変更するように心がけましょう。
ビジネスプロデューサー
ビジネスプロデューサーは、ビジネスの戦略を立案し、DX推進のビジョンを具現化するための方針や目標を策定する職種です。
具体的には、ビジネスの現状分析や市場動向の調査を行い、DX推進の方向性を明確にします。
また、ビジネスニーズや顧客の要望を把握し、それをIT人材や開発チームに伝えます。要件定義やプロジェクトの要点を明確に伝え、適切なソリューションの提案を行います。
ビジネスプロデューサーという職種は、ビジネスとテクノロジーの間のコミュニケーションを円滑に行いながら、DX推進の成功に向けたビジョンを目指します。
そのために、戦略的な思考力と他の人材をまとめるリーダーシップ、優れたコミュニケーションスキルが求められます。
ビジネスデザイナー
ビジネスデザイナーはユーザーのニーズや課題を把握し、ビジネスとデザインの観点から新たなサービスやプロダクトのコンセプト、デザインを考案する職種です。
具体的には、ユーザー調査や市場調査を通じてユーザーのニーズや課題を把握し、その情報を元に新たなサービスやプロダクトのコンセプトを立案します。
また、ビジネス目標や戦略とデザインを組み合わせ、魅力的で使いやすいデザインを提案します。
ビジネスデザイナーという職種は、ユーザー中心のアプローチを通じて、顧客の期待や要求に応えるためのデザインを追求します。
そのためには、ユーザビリティや顧客体験の研究、デザイン思考の手法に精通していることが求められます。
データサイエンティスト/AIエンジニア
データサイエンティストとAIエンジニアは、ビジネスにおけるデータの収集や分析を行う職種です。
具体的には、ビジネスに関連するデータを収集し、適切なデータ分析手法を用いてデータのパターンや傾向を把握します。
また、AI技術や機械学習アルゴリズムを活用してデータをモデリングし、予測や最適化を行います。
データサイエンティストとAIエンジニアという職種はDX推進において、ビジネスの意思決定においてデータを活用し、戦略やプロセスの改善に貢献します。
高度なデータ分析技術やプログラミングスキルを持ち、ビジネスニーズに合わせたカスタムモデルやアルゴリズムを開発・実装するスキルが求められます。
UXデザイナー
UXデザイナーは、デザインを通じて製品やサービスの使いやすさや満足度を向上させる職種です。
具体的にはUIの設計や情報アーキテクチャの構築を担当し、ユーザーが直感的に操作できる視覚的なデザインを実現します。
ユーザビリティや視覚デザインを工夫し、ユーザーが快適に製品やサービスを利用できるように努めます。
UXデザイナーという職種は、ビジネスとユーザーのニーズの両方を考慮しながら、UXを最適化する重要な役割を果たします。
ユーザーの満足度やロイヤリティを向上させ、競争力のある製品やサービスの提供を行うスキルが求められます。
アーキテクト
アーキテクトは、システムやアプリケーションの設計や構築を行う職種です。
具体的には、ビジネス要件やユーザー要件を理解し、それに基づいてシステムの設計方針を策定します。
システムの機能やデータフローなどを定義し、それらの要素が効率的に連携し、ビジネス目標を達成することを目指します。
また、セキュリティ要件を考慮しながらシステムのセキュリティ設計を行います。
セキュリティリスクや脆弱性を特定し、適切な対策を講じることで、システムの安全性を確保します。
アーキテクトという職種はテクノロジーのトレンドを把握し、最新の技術やツールを活用しながら、効率的で柔軟なシステムを実現することが求められます。
エンジニア/プログラマ
エンジニアとプログラマは、ソフトウェアやアプリケーションの開発や実装を行う職種です。
プログラミング言語やフレームワークを使用して、要件に基づいたシステムやアプリケーションを開発します。
エンジニアとプログラマという職種は、チームと協力してプロジェクトを進め、開発の進捗状況を報告します。
そのため、他の人材とのコミュニケーション能力や問題解決能力が求められます。
そして、技術の進化にも常に対応し、効率的で高品質なソフトウェアの実現する役割を担います。
先端技術エンジニア
先端技術エンジニアは、ブロックチェーンやIoT、AIなどの先進技術の導入や実装を行う職種です。
先端技術エンジニアという職種はチームと協力してプロジェクトを進めます。
そのため、他の人材と連携し、先端技術の導入や実装に関する知識を共有し、技術的な課題やリスクを解決するスキルが求められます。
企業のDX推進に貢献するDX人材に求められる知識やスキルとは
情報処理推進機構の「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査」によると、DX人材には以下のような知識やスキルが求められます。
- 不確実な未来への創造力
- 臨機応変/柔軟な対応力
- 社外や異種の巻き込み力
- 失敗したときの姿勢/思考
- モチベーション/意味づけする力
- いざというときの自身の突破力
DX人材は、知識やスキルだけではなくDX推進を成功させるための一貫したマインドセットも重要です。
これらの知識やスキルを身につけたDX人材を確保するためには、経営陣や人事部門は積極的に研修や育成プログラムを実施する必要があります。
また、挑戦的なプロジェクトやチーム活動を通じて実践的な経験を積ませ、成長を支援することも必要です。
組織はDX推進に向けた人材の育成と確保を促進し、持続的なイノベーションと競争力を維持・向上させましょう。
【記事まとめ】DX推進を支えるDX人材におすすめの職種
DX人材は、企業のDX推進への取り組みに必要なスキルや知識を持つ人材を指します。
この記事では、DX人材で活躍するためには以下の6つのスキルが必要であることを紹介しました。
- 不確実な未来への創造力
- 臨機応変/柔軟な対応力
- 社外や異種の巻き込み力
- 失敗したときの姿勢/思考
- モチベーション/意味づけする力
- いざというときの自身の突破力
企業では、目まぐるしく変化するITやテクノロジーのトレンドを追いながら、企業のDX推進で活用できるよう提案できる人材が必要不可欠です。
DX推進を進めるためには、さまざまな職種の人材が活躍できます。
それぞれの職種で求められる役割やスキルはありますが、参画するプロジェクトやプロジェクトメンバーに合わせて、臨機応変に対応できるといいですね。
DX推進を効果的に進めるためには、企業側は知識やスキルを身につけたDX人材を確保する必要があります。そのため、積極的に採用活動や研修、育成を実施する必要があります。
DX人材だけではなく、企業全体でITリテラシーの向上やDX推進の成功を目指しましょう。