経済産業省が公表した「DX推進指標」とは?自社のDX進行度をチェック

「DX推進指標」をKPIにし、PDCAサイクルを回すことで効率のよいDX推進を実現

経済産業省が公表した「DX推進指標」とは?自社のDX進行度をチェック

DXを推進する際に、自社のDXの進捗状況が分からず不安を感じたことはありませんか?

そんなときに役立つのが経済産業省が公表している「DX推進指標」です。

「DX推進指標」はDX推進の際のKPIとして活用でき、プロジェクトの効率を大幅に上げることが可能となります。

この記事では、DX推進指標をKPIとして利用する方法や、DX推進にDX推進指標をメリットなどについて解説します。

目次

DX推進指標とは

DX推進指標とは

DX推進指標(IPA)は経済産業省によって策定された指標で、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進捗状況を自己診断するために利用できるツールです。

DX推進指標を活用することで、自社のDXがどの段階にあるのかや、次に取り組むべき項目は何かを把握できます。

これにより、現状と将来の課題が明らかになり、DX推進のスピードアップも期待できるでしょう。

DX推進指標の概要

DX推進指標の概要

図2「DX 推進指標」の構成
出典:「DX 推進指標」とそのガイダンス

上の図は、「DX 推進指標」の構成を示した、経済産業省が作成したものです。

DX推進指標は、日本企業が直面する課題や課題の解決のために押さえるべき項目を中心に構成されます。

この図にあるように、DX推進指標は以下の2つのカテゴリーに分かれています。

  • DX 推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標
  • DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築に関する指標

さらにそれぞれのカテゴリー内で、「定性指標」と「定量指標」が設定されています。

定性指標と定量指標についての解説は、それぞれ以下の通りです。

定性指標

定性指標は、キークエスチョン9項目とサブクエスチョン26項目の、合計35項目で評価されるものです。

キークエスチョンとサブクエスチョンはそれぞれ、下記のように想定し設問が作成されています。

  • キークエスチョン: 経営者が回答することが望ましい
  • サブクエスチョン: 経営者のみではなく、経営幹部、事業部門、DX部門、IT部門等と話し合いながら回答するのが望ましい

経営者が回答するキークエスチョンは、自社がDX推進の達成に向けて経営者自身がリーダーシップを発揮し、企業全体が目標達成に向け行動できているかについて、経営者の主観での見解が問われています。

それに対しサブクエスチョンは、より具体的な内容で経営者のみではなく社員も含めて設問に回答するので、より客観性のある評価が得られます。

キークエスチョンとサブクエスチョンの回答結果をもとに、DX推進の成熟度がレベル0~レベル6の6段階で評価され、自社の現在の成熟度を知ることができます。

現在の自社のレベルを知ることで、次のレベルに向け具体的なアクションを行えるようになります。

参照:「DX 推進指標」とそのガイダンス

定量指標

定量指標に関しては、企業がDX推進によって達成する目標に合わせ、目標数量を個別に設定します。

一定期間での目標値を定め、毎年数値を計測しながら必要なアクションを行い、進捗管理を行っていきましょう。

詳しくは経済産業省作成のDX推進指標をご覧ください。

DX化で悩んだら「DX推進指標」をKPIとして活用しましょう

DX化で悩んだら「DX推進指標」をKPIとして活用しましょう

自社のDX化に悩んだら、DX推進指標をKPIとして活用しましょう。

DX推進指標は、自社の課題を認識したうえでとるべきアクションを明確にできるよう設計されており、DX推進のKPIに適しているためです。

ただ、DX推進をKPIとして活用することには、メリットとデメリットがあるのでそれぞれを把握した上でKPIとして利用する必要があります。

ここからは、DX推進指標をDXに活用する4つのメリットと、3つの注意点を紹介していきます。

DX推進指標を活用する4つのメリットとは?

まず、DX推進指標を活用する4つのメリットを紹介していきます。

全社員が進捗状況について共通の理解を持てる

DX推進指標をKPIにすることで、全社員がDX推進の進捗状況に関して共通の理解を持てるようになります。

DX推進指標の活用時には、社内全体を巻き込んだ議論が必要となり、必然的に全社員の共通認識が醸成されるように作られているためです。

そのため、DX推進指標を活用することで、自然とDX推進が全社的なプロジェクトになっていきます。

企業全体で課題や施策についての共通認識が確立できれば、施策実行時の認識の不一致や行動の円滑化につながるでしょう。

次の行動につなげられる

DX推進指標で自社の状況を客観的に把握することで、自社が次に取り組むべき行動が見えてきます。

自社の課題を正確に知ることができ、次に行うべき行動を検討できるからです。

DX推進は過去に前例のない取り組みのため、どうしても手探りで行動することになりがちです。

そのため、他社の成功事例などを模倣して感覚で進めてしまいがちですが、これでは成功確率は高いとは言えません。

他社の例が自社にも当てはまるとは限らず、競争力の強化につながらない可能性が高くなってしまうためです。

その点、DX推進指標を活用すれば自社独自の改善点が分かるので、効果の高い施策に取り組める可能性を高められるのです。

DXの進捗管理が可能となる

DX推進指標を活用すれば、現在進行中のプロジェクトの評価をすることもできます。

「定性指標」では成熟度のレベルが分かるので、自社のDXの取り組みの特性が分かり改善点が明確になります。

一方、「定量指標」ではDX推進状況を数値で知ることができ、具体的な数字での効果測定に活用可能です。

定性指標と定量指標を基にPDCAサイクルを適用すれば、より効率的な改善を実現できるでしょう。

他社との比較によって自社の現状を把握できる

DX推進指標によって作成した自社の評価を他社と比較すれば、自社の現状を客観的に把握できます。

現状が分かれば今後の展開を検討できるようになるので、DX推進を計画的に進められるようになるでしょう。

他社との比較結果は、IPA(情報処理推進機構)の「DX推進ポータル」でDX推進指標の自己診断結果を提出すると、各企業の自己診断結果を集計して作成したベンチマークを入手できます。

DX推進指標を活用する際の3つの注意点

ここでは、DX推進指標を活用する際の3つの注意点を紹介します。

高得点の獲得を目標にしない

DX推進指標を利用する際には、無理に高得点を取ろうとしないことが重要です。

DX推進指標は企業の現状を把握し、今後のアクションを明確にするために存在するので、現状を偽らずに回答しなければ十分な効果を発揮しなくなります。

虚偽の回答によって高得点を獲得しても意味はないので、客観的な視点で自社を見て、正確な得点を出し今後につなげる必要があります。

評価を把握したうえで行動する

ビジネスモデルの評価を知るだけではなく、具体的な行動を起こさなければなりません。

DX推進指標は企業の現状と課題を把握するためのものであり、評価を知っただけでは意味がありません。

ビジネスモデルに問題がある場合には、評価結果をもとに自社の課題を改善し、業務効率化や競争力向上につなげる必要があります。

DX推進そのものは目的ではない

DX推進指標はDX推進のためのツールですが、そもそもの目的はDX推進ではなく、企業の競争力向上であることを忘れてはいけません。

デジタル化によってビジネスモデルや製品を変革できたとしても、それが売上アップにつながらなければ意味がありません。

DX推進指標を利用して企業の現状を明確にする目的は、企業の改革によって顧客に新しいサービスや製品を提供し、市場での競争に勝つことです。

この点を忘れないように気を付けましょう。

活用ステップを解説

活用ステップを解説

DX推進指標を実際に利用する前に、具体的な活用ステップを知っておくと、活用がスムーズになります。

そこでここからは、DX推進指標を活用するための4つのステップを紹介していきます。

ステップ1.『「DX推進指標」とそのガイダンス』の確認

まず、経済産業省のホームページで『「DX推進指標」とそのガイダンス』をダウンロードします。

「DX推進指標」の使い方や目的が記載されているので、熟読し理解するようにしましょう。

DX推進は企業全体の改革なので、経営層はもちろん、可能であれば全社員が内容を理解すべきです。

ステップ2.ガイダンスをもとに自己診断

ガイダンスの内容を理解したら、「DX推進指標」の問いに回答し、自社の評価を確認していきます。

9つのキークエスチョンと26のサブクエスチョンによって、貴社の現状を把握します。

そのうえで、社内全体で議論しどういった対策を行うべきかを議論しましょう。

ステップ3.結果を「DX推進指標自己診断フォーマット」に記載

自己診断の結果が出たら、IPAの公式サイトから「DX推進指標自己診断フォーマット」に記入しましょう。

DX推進指標自己診断フォーマットには、企業の現状だけではなく3年後の目標を記入する欄が設けられており、未来の企業の姿をイメージするのにも役立ちます。

また、アクション欄が設けられているため、未来に向けて行う具体的な行動を計画するのにも活用できます。

ステップ4.「DX推進指標自己診断フォーマット」をDX推進ポータルから提出

DX推進指標自己診断フォーマットの記入が完了したら、「DX推進ポータル」で提出しましょう。

手順としては、まずDX推進ポータルに新規登録しアカウントを作成します。

その後、作成したIDでログインしてから提出を完了させましょう。

提出手順については「DX推進ポータル利用者マニュアル」に記載されているので、こちらを見ながら進めると迷わずに提出できます。

ステップ5.自己診断結果とベンチマークを比較

自己診断の結果を提出すると、その年のベンチマークデータを受け取れます。

ベンチマークデータは、IPAが各企業の診断結果をまとめて作成したものです。

自社の診断結果と比べることで、自分たちの現状をより客観的に把握できます。

現在の自社の立ち位置が分かったら、改善点を洗い出したうえで今後のアクションプランの作成に役立てましょう。

記事まとめ

記事まとめ

経済産業省が提供するDX推進指標は、DXの進捗状況を客観的に評価し、DX推進の手助けをするための指標です。

これをKPIとして活用し、定期的に自社の現状を評価することで、DXの進捗状況を把握する仕組みを構築できます。

これによりDX推進が円滑になるので、DX化が想定通りに進まず悩んでいる場合はぜひ積極的に活用してみてください。

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