ステップ0~3までDX推進の手順を徹底解説【業務効率化を実現】

DX推進のステップを解説したうえで、具体的なDX推進の成功例や失敗例も紹介

ステップ0~3までDX推進の手順を徹底解説【業務効率化を実現】

会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で大切なのは、明確なステップを知り手順を明確にした上で進めることです。

手順がはっきりしていないと、目標を達成できる可能性が低くなってしまうからです。

この記事では、DX推進のステップを解説したうえで、具体的なDX推進の成功例や失敗例をご紹介します。

最後まで読んでいただくと、DXの進め方の手順が明確になり、成功確率が大きく上昇するでしょう。

目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことを指します。

企業におけるDXとは、AIやIoTなどのデジタル技術を活用し製品やサービス、ビジネスモデルを変革することで、組織、企業文化、風土を根本的に変革し競争上の優位性を確保することです。

DXを企業が行う場合、デジタル技術を活用してビジネスを発展させ「より儲かる仕組みを作ること」が目的となります。

総務省が発表したDX推進手順書をもとに推進ステップを解説!

総務省が発表したDX推進手順書をもとに推進ステップを解説!

総務省が発表した自治体DX推進手順書の中では、DX推進に必要と想定される一連の手順が0~3の4ステップで整理されます。

  • ステップ0:DXの認識共有・機運醸成
  • ステップ1:全体方針の決定
  • ステップ2:推進体制の整備
  • ステップ3:DXの取組の実行

自治体DX推進手順書は自治体向けに発表された資料ですが、上記にあるDX推進の4ステップは自治体のみならず民間企業にも共通する内容です。

ここからは、それぞれの手順について詳しく解説していきます。

ステップ0:DXの認識共有・機運醸成

具体的にDXを進める前に、組織内で認識を共有しましょう。

企業全体でDXについて基礎的な知識を共有し、目標達成のための実践意識を醸成するのです。

そのうえで、企業のトップや幹部といった経営陣が強いコミットメントをし、リーダーシップを発揮しなければなりません。

ステップ1:全体方針の決定

ステップ1では、DX推進によってどのような目標を達成するのかについて、企業全体の方針を決定します。

DX推進のゴールを明確にすることで、組織が一丸となって同じゴールに向かって進めるようになるからです。

一般的に、DX推進は業務効率化や企業優位性の向上のために行われますが、いずれにしても最終的に達成すべきゴールをはっきりさせる必要があります。

D全体方針が決定したら、DXの取組内容やプロセスを大まかな工程表にした「全体方針」を共有し、企業全体で把握できるようにします。

ステップ2:推進体制の整備

企業が目指す方向性が定まったら、DX推進体制を構築し整備していきます。

具体的には、DX推進担当専門の部門を設置し、各部門と連携しながらDX化を推し進められる体制を構築します。

その際、各部門の役割に見合うデジタル人材を配置できるよう、人事部とも連携し人材を十分に活用できる体制を作る必要があります。

所属によって身に着けるべきデジタル技術や知識、能力をふまえ、体系的な育成方針を策定しましょう。

そのうえで、専門知識を持ち実務を取りまとめられる「DX推進リーダー」を育成すべく、OJT・OFF-JTによる研修を組み合わせた育成を行います。

もしも、十分な知識やスキルを保有した人材が不足している場合は、外部人材の活用も検討する必要があるでしょう。

ステップ3:DXの取組の実行

DX担当専門部署の設置や人材配置が完了したら、事前に用意した「全体方針」をもとにDX推進を実際に行っていきます。

取組を計画的に実行したら、結果を振り返りPDCAサイクルによって進捗管理をします。

企業のDX推進においては、壁に当たることなくスムーズに理想通りの結果が出ることは稀です。

実践する中で壁にぶつかった際には、適宜軌道修正しながら進めていくことになるでしょう。

出典:自治体DX推進手順書の概要

3つのDX成功パターン

3つのDX成功パターン

経済産業省が2020年に発表した「DXレポート2」では、「DX成功パターンの策定」として、ビジネスにおけるDX推進について以下の3つの段階が示されています。

  1. デジタイゼーション
  2. デジタライゼーション
  3. デジタルトランスフォーメーション

この3つがDXの成功パターンとのことですが、それぞれのステップは具体的にどのような内容を指すのでしょうか?

ここからは、それぞれのステップについて簡単に解説していきます。

参考:経済産業省 DXレポート2 中間取りまとめ P25

デジタイゼーション

デジタイゼーションとは、これまでアナログで行ってきた業務や紙で管理していたデータをデジタル化することです。

たとえば紙で管理していた顧客リストをデータベース化したり、印鑑を電子署名に変えたりといった内容が当てはまります。

デジタイゼーションはこういった部分的なデジタル化を指し、業務の効率化につながります。ただ、この段階ではビジネスモデル自体には変化はなく、一部の業務の効率が良くなったにすぎません。

しかし、現実にはデジタイゼーションによって一部業務が効率化しただけで、満足してしまうケースも珍しくありません。

この段階ではビジネスモデルそのもののを変革する、DXと呼べないので注意しましょう。

デジタライゼーション

デジタライゼーションはデジタル化を通して、ビジネスモデルを変革することです。

たとえば、店舗でDVDの貸し出すビジネスモデルから、オンラインでの貸し出しを行えるようにするのがデジタライゼーションと言えます。

単に業務を効率化するのみのデジタイゼーションと比べて、ビジネスそのものに変化を与えるステップとなります。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

デジタライゼーションをさらに推し進め、組織やビジネスモデル自体を変革するのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

DVDの貸し出しの例でいえば、そもそもDVDそのものを廃止し、オンラインでの配信サービスに変革するのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

DVDの貸し出しというサービスから、ストリーミング配信に変化しておりビジネスモデルそのものが変化しています。

スマホやPCで場所を選ばず動画視聴できるようになり、現代の消費者のニーズに応えられるようになっていることが分かります。

社内でDXを進める際の注意点

社内でDXを進める際の注意点

企業のDXにおいて進め方を間違えてしまうと、失敗の可能性が高くなります。

そのため、ここからはDXを推進する上での注意点を4つ紹介します。確実にDXを成し遂げられるよう、以下の内容を把握しておきましょう。

ビジョンを定め共有することから始める

DXを進めるときには、最終的なビジョンを明確にし組織全体で共有することから始めなければなりません。

漠然と「IT・デジタル化で変革したい」という気持ちだけでスタートしても、企業全体が同じ方向を向いて目標達成のために動くことは難しいためです。

DXを推進する目的が不明なまま組織変革を行えば、業務フローの変化を嫌う従業員からの反発にあう可能性もあるでしょう。

複数の人間によって構成される組織が効率よく一つの目標を達成するためには、社内全体がゴール達成時の組織の姿を理解している必要があります。

DX推進可能な人材をしっかりと用意する

DX推進のためには、システムやツールを使いこなせる人材が必要不可欠です。

適切な知識やスキルを持ったエンジニアがいないと、進め方が分からず計画が頓挫する可能性が高くなってしまいます。

また、DX推進を実現できたとしても、従業員向けにツールやソフトウェアの使い方を教える必要もあります。

もしもDX実現後にシステムの活用方法を教育できる人材がいなければ、かえって業務効率が落ちたり売り上げが下がったりする恐れもあります。

人材が不足するとDX推進は難しくなってしますので、人材育成や採用にもしっかり力を入れる必要があります。

全体方針を最初に決め取組を継続する

DXの推進完了までの全体方針を最初に決め、目標を達成するまで取組を継続することが大切です。

全体方針を決めずに見切り発車してしまうと、業務の一部をデジタル化しただけで終わってしまい、DX化に失敗する恐れがあります。

また、部門間で認識に食い違いが起こり、同じゴールに向かって進むことが難しくなる可能性も高いです。

DX推進の達成のためには、最初に企業全体の方針を決め、全員が最終的に目指す方向性をはっきりさせなければなりません。

他社の成功例・失敗例を参考にする

DX推進に成功した他社の例を参考にするのも、非常に大切です。

すでに成功したDX推進の具体例を参考にすることで、素早く確実にDX化を進めることができるためです。

また、失敗したケースを事前に確認しておくことで、同じようなミスを犯してしまうリスクを避けることが可能になります。

自社でDXのアイデアを出すのはもちろん重要ですが、他社の例を参考にして成功率をアップさせることも同様に大切です。

DX推進に成功した具体例

DX推進に成功した具体例

ここからはDX推進に成功した企業の事例を紹介していきます。

様々な業種の企業が、デジタル化を通してどのような変革を起こしたのかを知れば、自社のDXに活用できるヒントが見つかるかもしれません。

ユニ・チャーム

ユニ・チャームは紙おむつなどのベビーグッズなどで知られる大手企業です。

ユニ・チャームはデジタル技術を活用することで、紙おむつのサブスクリプションサービス「手ぶら登園」を開発しました。

保育園の紙おむつ在庫を自動管理し、全自動で発注・配送するシステムで、保護者が保育園におむつを持参する必要がなくなりました。

てぶら登園は短期間で1,000施設以上に導入される成果を出しています。

単に業務効率をアップさせただけでなく、ビジネスモデルそのものに変革を起こした好例と言えます。

ファミリーマート

ファミリーマートは外部からプロのデジタル人材を招くことで、バーコード決済機能付きアプリ「ファミペイ」を短期間で開発しました。

ファミペイの導入によって、電子マネーでの翌月払いやバーコード読み取りで公共料金での支払いが可能になり、支払い方法の幅が広がっています。

今後は無人決済可能な店舗を実用化し、デジタルを活用したサービスがさらに増えそうです。

日本郵便

日本郵便は物流業界の大手企業で、配達にドローンを活用する実験を実施しています。

同社は人手不足や配達する社員への負担増加が課題でしたが、ドローンの導入で業務の負担減が実現がしそうです。

実験完了後には、実際の配達にドローンを導入し業務効率化が行われる見通しとなっています。

トライグループ

家庭教師の事業で知られるトライグループは、デジタル技術を活用することで、業界初の映像学習サービス「Try IT」を開発。

4,000本以上の授業を世界中どこでも閲覧でき、居住地にかかわらずすべての人が等しく教育を受けられる仕組みを構築しました。

利用者は100万人を突破し、一般家庭はもちろん中学・高校や市町村と連携した学習支援にも活用されています。

DX推進によって、地域的もしくは経済的な要因による教育格差を埋めることに成功したと言えるでしょう。

記事まとめ

記事まとめ

企業のDX推進の際には、以下の4つのステップに従うのが効率的です。

  • ステップ0:DXの認識共有・機運醸成
  • ステップ1:全体方針の決定
  • ステップ2:推進体制の整備
  • ステップ3:DXの取組の実行

自己流で行うと失敗する確率が高いのがDX推進なので、この順序を守り1つずつ確実に進めていくといいでしょう。

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